05/10/17 01:12:06 dx1vULwe0
608 名前:2/3[sage] 投稿日:2005/10/09(日) 02:01:44 ID:rl3yKNJw0
続き
そこにあった風景は、絵であれば詳細に書けるぐらい、
網膜に焼き付いているんだけれど、文章で上手く表現できるのかわからない。
突然目の前に開けた空間には、なんと言うか、黄砂でかすんだような、
明るい黄色に茶を混ぜたような色の空が広がり、空間の3分の1ぐらいの
所に地平線があって、空との境目は、まるでエアブラシをかけた様にぼやけていた。
地面は今思えば砂のような感触で、子供用の薄い靴の底がとても冷たかった。
右手には太い、鉄色のパイプを複雑に絡み合わせた建造物があって、
左手にはガラスかそれに近い、透明の棒で組まれた、少しいびつで、
不規則に組み上げられた巨大なジャングルジムのようなビル、
もしくはビルのようなもの。
冷たい風が強く吹いていたけれども、砂や埃は舞っていなかった。
寂しい光景だった。砂と、地平線と明るいけれども茶色の空と、
無機的な二つの建物しかなかった。後ろは振り向けなかった。怖かった。
同じ風景が続いていたら、多分耐えられなかったと思う。
そのまま、一、二歩踏み出した。もう家には帰れないと思った。
そうしたら、コケた。
ごめ、やっぱまだ続く。