05/05/19 13:41:42 jwcOfVBr0
「萌え」は幼児的である。朦朧とデフォルメ・単純化された「幼児の図像学」こそが萌えの媒体となる。
そこではディテールは省略され、線と面による単純直裁な表層が色鮮やかに溢れ出し、内なる幼児性をあやし、慰める。
またこの幼児的表層は同時に異界とのインターフェイスでもある。
死者、先祖、その最果てに鎮座する先祖神と交感の場である線と面と色彩の領域、それは単純な平面性を超えある超越性Transcendenceを内包している。
現代美術の文脈でとり沙汰される「スーパーフラット」に、霊界とのインターフェイスと形而上的空間性を追加した概念を、ここではとりあえず「ハイパーフラット」と呼ぶことにする。
霊界との交感、魔術的・呪術的行為のトリガーまたは熱源として、日本人は畏怖でも荘厳さでもなく、幼児的・性愛的・形而上的エロスの複合体Complexとしての「萌え」を喚起する。
この呪術的感性によって、縄文の昔から現代まで綿々と面なる日本文化が形成されているのである。