04/12/25 00:56:26 wk3h/1jo
=== 札幌澄川奇憚⑤ ===
そう言われて私もyが座っている側の”隔壁”を確認してみるが、確かに
ガラスに透けずしてわずかな隙間から覗くことなど出来ようハズもない。
Y「嫌な目だった。自分をじいっと睨んでるような・・・。」
私「出た方が良いって!一日も早くに。」
Y「うん・・・でもお金ないからなぁ。親とは喧嘩してるし。」
私「なんだったらウチ来るか?」
Y「いいよぉ。だいじょぶだっ。何とかしてみるさ。」
そう言って気丈に振舞ってみせるY。
何とかしてやりたいのはやまやまだが、こればかりはどうしようもない。
それから1週間ほど経ったある晩の事、私は寝入りばなおかしな夢を見た。
明らかにウチのとは違う黒い大型犬が部屋に入ってきて、私の布団を剥ぎ取りワンワンと吠え立てる。
しかし不思議と恐怖感は無く、かえって可愛くさえ感じられるのだ。
するとその犬は突然パジャマの袖に食いつき、ぐいぐいとどこかへ引っ張って行こうとし出す。
心の中で(わかったわかった)と考えるとぱっと袖を離し、今度は
”こっちへこい!”とばかりに全速で走り出す。
そのまま後を付いてゆくと、なんとYのアパートへたどり着いたではないか。
するとYの部屋のドアに向かい大声で吠え立て、爪でガリガリと”開けて!”を繰り返す。
・・・と、ここで目が覚めた。