05/02/12 18:50:41 gYIl9gkE0
小話がたくさんあるので、これからもちょくちょく書かせていただこうかと思います。
そんなに恐くはないですが…
私たち兄妹はいかにも現代っ子という風で、夜中も遅くまで起きていることが良くありました。
その夜は、姉は深夜一時頃に就寝し、起きているのは私と兄だけでした。
暫くリビングルームで談笑してから、私は自分の部屋に戻り、兄は風呂に向かいました。
時刻は深夜3時を過ぎていたと思います。
私は部屋のベッドに寝転がり、漫画を読んでいました。
すると唐突に、私の部屋のドアが開きました。
びっくりしてそちらに顔を向けると、頭もろくに拭かず、腰にタオルを巻いただけの兄が立っていました。
「うわ、びっくりした。いきなり入ってこないでよ!大体何なの、その格好」
「さとこさ、俺が風呂入ってる間に脱衣所来たか?」
「………は?行ってないけど…」
兄の顔が奇妙に歪みました。
口の端がくいっと持ち上がり、どうやら笑っているつもりみたいですが、目が笑っていません。
不気味に思った私は、何かあったのか尋ねました。
「いや、風呂入ってたらさ、脱衣所の方から音がするんだよ。
ほら、脱衣所ってどうしてかミシミシ鳴るだろ。
で、さとこかなと思って声かけたんだけど、返事しないんだ。
シカトかよと思って脱衣所の方見たら、確かに人影があったんだ。
もう一度声かけようとしたら、その影はまっすぐ奥に進んでいったんだけど」
兄はそこまでいっぺんに話すと、はは、とあまりおかしくなさそうに笑いました。
「でもさ、奥って言っても、そこ洗濯機が置いてあるだろ。つまり行き止まりなんだよな」