04/12/16 00:17:44 VOEUObUG
1986年04月01日 朝刊
札幌のロボトミー訴訟、医師と患者が和解
大脳にメスを入れるロボトミー手術で無気力人間にされてしまった
、と札幌市白石区の元鉄筋工Aさん(42)が同市内の当時の精神病
院長と執刀医を相手取り損害賠償を求め、1審でAさんが全面勝訴し
、さらに札幌高裁第4部(奈良次郎裁判長)で争われていた訴訟は、
31日、被告側がAさんに3000万円を支払うことで和解した。
提訴以来12年余り、控訴審だけでも約7年半の長期裁判だったが
、奈良裁判長の重なる勧告で双方が和解に合意した。
被告は同市豊平区真栄、精神科「北全病院」の当時の比田勝孝昭
院長と執刀医。和解金は比田勝院長が2000万円、執刀医が10
00万円をそれぞれAさんに支払うことになっている。
Aさんは、酒の飲み過ぎなどからアルコール中毒、肝機能障害な
どを起こし、48年2月、同病院に入院した。しかし、同年4月と
6月の2度にわたってロボトミー手術をされ、回復不能の無気力人
間にされた、と訴えた。
1審の札幌地裁は53年9月の判決で「ロボトミー手術はあくま
でも最後の手段。Aさんにその手術をしたのは裁量を逸脱した行為
」などと訴えを認め、比田勝院長らに約4150万円の損害賠償を
支払うよう命じたため、院長側が控訴した。
控訴審で裁判所側は3度にわたって和解勧告。双方が合意しない
ため昨年12月に結審したが、その後奈良裁判長が改めて和解勧告
し、ようやく双方が合意した。