04/12/15 23:56:25 /tuBljpX
朝日新聞 1997年09月17日 朝刊 1家
本人の同意なしの不妊手術、日本でも実態調べて 厚生省に要望書
スウェーデンなどで一九七〇年代まで、障害者らに強制的に不妊手
術を受けさせていたことが先月、問題になった。国内でも、昨年まで
あった「優生保護法」のもとで、精神疾患や身体障害の人に同意なし
の不妊手術が多数行われていたことを専門家が指摘。障害者や女性の
グループは十六日、実態調査や補償を政府に求める初の要望書を厚生
省に出した。これを機に、障害者の妊娠や出産などへの自己決定権の
保障が改めて問われそうだ。
障害者や女性のグループなど十七団体と有志が出した要望は、
(1)優生保護法のもとで強制的に不妊手術された人たちへの謝罪
と補償(2)特別調査委員会の設置(3)障害のある女性の子宮摘出
の実態調査―の三点。「優生保護法が昨年一部改正された時も政府
の謝罪がなかった」と批判し、障害者の人権侵害の実態を調べるよう
求めている。
スウェーデンでは一九三五年に制定された「不妊法」で、知的障害
者ら約六万人の男女が不妊手術を受けたとされる。最近、被害者が名
乗り出るケースもあり、政府が補償する方向で調査を始めた。ノルウ
ェーなどでも同様の不妊手術がされていたという。