04/08/05 18:00 dj8KY7rQ
「主人のいなくなった店内に居るのも気が引ける」と、全員で外に出る。
それぞれが乗ってきた車を品定め・・・していた時であった。
ほど近くで「ポーーーーンッ!!」という炸裂音と同時に強烈なスキール音!
ハッ!瞬間的に全員が目を向けた先には、空中をグルグルと超高速で縦回転する大きな物体。
・・・即死であった。
道路には買ったばかりのジュースの缶が散乱し、真新しいオーバーオールには
赤黒い大きな柄ができている。
脳漿を路面に撒き散らし、その一部は店の前まで飛散してきていた。
とにかくその匂いとビジュアルとで足がすくみ、(かわいそう)とか(悲しい)とか
そういったタグイの人間らしい感情表現が全くできないでいた。
それはもしかしたら、高校生の頃に受けた意地悪な仕打ちが引きずっていたのかも知れない。
警察署で事情を聞かれ、帰宅したのはその日の夕方であった。
いつものようにキーを所定の位置に置き、リビングに歩を進める。
サイドボードの上に置かれている電話を見ると、留守電のランプが点滅している。
再生>>>>>「あ、もしもし・・・えと、Yだけどわかるかな。昔一緒にGSにいたよね、はは・・・
Aに聞いたと思うんだけど、お店始めてさ。今日来てくれるって・・・あの、待ってるから。
遅くなってもいいからさ、必ず・・・来てよね。」
涙が止まらなかった。