04/07/02 01:48 UnKfjf4L
15年前の季節は今頃の話。
運転していたのは私の友人。すすきので飲んで私の家に送ってもらう途中だった。
彼はかなり酒に酔っていた。でもいつもの事だったので私も気にしていなかった。
私も酩酊状態で後部座席で眠っていた。
突然、すごい音と衝撃。
その瞬間、私の体は前の座席と後部座席の間にすっぽりとはまって、
身動きが出来なくなってしまっていた。痛いとか苦しいとかはそのときは全く感じなかった。
私の意識ははっきりとしており、事故を起こしちゃった!やばい!とかなり焦っていた。
「I君、I君、大丈夫?!」と運転手に声をかけたが返事がない。
身動きできない私は前の彼の姿を確かめる事が出来ない状態だったのだ。
もがいてももがいても全く体は動かない。
救急車のサイレンが聞こえた。消防隊員が来て後部のドアをガバンと剥がした。
「運転していた人は?!」と私は必死で消防隊員に聞いた。
しかし消防隊員は「今助けてますから、あなたは痛いところはありませんか?」と言うだけだった。
私が車から助け出されるまで20分くらい掛かったと思う。
助け出されている最中は名前や年齢やどういう状況だったのかなど聞かれていたので、
I君の事を聞く余裕が無かった。
ストレッチャーに乗せられ、救急車に運ばれていく最中もI君を目で捜した。
原型をとどめていない車の前方約8mの所にシートをかぶせられたモノがあった。
全身すっぽりとシートが掛かっていたが、I君だ・・と思い私は愕然となった。
シートの横から真っ黒い血が舗装道路に大きな輪を広げていた。
私は腰の骨を折る重傷で2ヶ月の入院生活を余技なくされ、I君の葬儀にもでれなかった。
入院中にお見舞いに来た友達に聞いたところ、
前の車に追突した反動で電柱に車がぶつかり、I君はフロントガラスを突き破って飛び出し、
道路に頭を打ち付け脳挫創で即死だったとのこと。
I君の両親は一度も私のお見舞いには来なかった。きっと私を恨んでいるのでしょうね。
今でも・・。
婚期を逃した私は40歳独身です。