05/09/15 23:35:36
じゃあ少しだけ。(って後で見直すと全然少しじゃないなー)
構造改革というのは「今の内にやらないと」というような問題では本来ないよ。
その社会が持っている潜在的な経済の成長率を引き上げようという政策だから、
つまりその影響は長期的に累積して初めて実感として現れるんだよね。
特に日本のようなもともと小さな政府であるような国ではなおさら。年率0.1%とかそんな感じ。
まあ「だから郵政民営化半年遅らせても何の問題もねーんだよ」みたいな話なんだけど。
で、痛みが構造改「悪」要因である事は、上に紹介した数字や、
何を今更というような次の記事のような実態でわかるだと思うけど、
【社会】"「ニート」への道" 就職できない若者、4年でニート化か…失業者数と連動★2
スレリンク(newsplus板)
こうした(構造改革によって起きているとされる)痛みと言うのは物価、お金の価格である
金利などが相対的に上向いている好景気下であればそんなに生じないんだよね。
というのも、政府が支出を削減すればその分だけ需要と供給の関係で金利は下がるから、
金利高で投資を控えていた企業は投資を増やすし、公務員の首を切っても、その分だけ
労働供給量が増えてやはり賃金(労働力の価格)は下がって企業は雇用を増やす。
こういう風に市場メカニズムの下でセーフティネットが働くわけ。
でも今のような長期金利も賃金も低迷し続けている状況は、そういう資源(資金、労働力)の
スムーズな移動、再配分が働いていないということだから、痛みはそのまま残る。
結果として日本経済の根本を支える労働力が、質的にも量的にも劣化してしまう。
「構造改革は短期的には意味を成さない」+「痛みは構造改悪要因ともなる」を合わせると、
やはり景気回復を常に念頭において、無意味どころか有害な痛みを押し付けるような政策は
拒絶すべきって事になると思う。本当なら人口減少を控える中、女性や高齢者の労働力活用で
就業者は増えてないといけなかったんだけどね。戦争による労働力不足が女性の社会進出を
促した一因である事はみんな知っていると思うけど、同様に北欧なんかは戦後の好景気による
労働需要超過でああいう女性を活用できる社会になった。やっぱり「成長なくして改革なし」でしょ。