05/12/04 02:44:14
大モルトケの美点のひとつは厳しく自省する能力にあった。
ケーニヒグレーツの大勝利の夕方にも、彼は腹心を集めて、作戦の問題点を
反省した。しかし、その彼といえども、あいつぐ勝利によって高慢になるのは
避けられなかった。例えば普仏戦争のある局面で、ドイツ軍の一部は参謀本部の
指令どおりに動かず、それが偶然大勝利につながるということがあったが、
反省はなされなかった。
こうした奢りが1871年以後のドイツ参謀本部には見られ、そのため南北戦争、
バルカン戦争および日露戦争から得ることができたはずの戦訓が無視された。