04/10/11 23:08:35
「中隊長殿、大変です。あと十分で時間切れになります。
ご決断を!」
「何!あと十分だと・・・
よし、みな空腹で妙案が浮かばなかったに違いないと
中隊長は考える。腹が満たされればきっと良い案が
出るはずだ。
だから、とにかく白旗を掲げ、食事にありつこうではないか
その後どうするか考えればいいだろう」
「そ、そんな・・・それではただの・・」
「そのとおりであります。
はやく白旗を!」
「そうだ、飯だ!飯が食えるぞ!」
「贅沢はいわん、おれは白い飯と沢庵だけでいいぞ」
「おれはてんぷら定食」
「ばか、敵がそんなものを用意してると思うか」
982:名無し三等兵
04/10/11 23:16:31
「ところで00語を話せるものはおるのか?」
「中隊長殿は?・・」
「俺か? 話せないことは無いが、間違ったら一大事だ」
「00兵長が話せるそうであります」
「おう、00兵長か、貴様は確か外語大を出ていたんだったな」
「はい、露西亜語科を出ておりますが00語も話せます」
「よし、俺の横で通訳してくれ。
それでは、時間だ。
でかけ・・・・・
「日本の兵隊のみなさん。
三時間待ちましたが、
返答がありませんので
残念ながら、攻撃を開始します。」
「おい、何だって!」
983:名無し三等兵
04/10/11 23:22:27
「よし、みんな白旗を先頭に今すぐ敵陣へ向かう。
駆け足で突っ込むぞ。
時間が無い。
みんな飯が食えるんだ。
よし、全員突撃!」
「わああああああああああああああああ・・・・・・」
「飯だ、飯を食わせてくれ!!!!」
「中隊長殿、
このやり方はどう見ても敵側からは
突撃にしか見えないであります。」
「なに、もうみんな白旗を先頭に走り出してしまっているぞ・・」
984:名無し三等兵
04/10/12 23:47:05
「中隊長殿、杞憂でありました!
見てください。敵陣から敵も白旗を掲げて
一斉に飛び出してくるではないですか・・」
「おお、このままでは白旗同士、ぶつかってしまうぞ・・」
「おおおおおおおおおおお・・、皆、止まれ!
突撃やめ~!」
「おい、なんだなんだ、敵が両手を上げて抱き付いてくるぞ」
「中隊長殿、これは向こうの言葉でハグといいます」
「なんだと、皮でも剥ぐのか・・・・、気をつけろよ・・・」
985:名無し三等兵
04/10/13 00:05:24
「とにかく、兵長、なんて言っておるか通訳だ!」
「はっ、すなわち・・・
日本の兵隊さん、すばらしい、立派に戦った、勇敢だ、尊敬する
我々はあなた達を英雄として迎え入れる。あなた達のような
真の兵士と戦うことが出来た我々は幸せである。
ささやかではあるが、宴を催したいと思っているので
ぜひあちらまで来て頂きたい・・・
というようなことだと思います」
「おお、ようやく飯にありつけるということか」
「毒なんか盛っていないだろうな・・」
「彼らはそんな卑怯なことはしませんから安心してください」
「食事の注文とか取ってくれるのか」
「それはどうでしょう、我々は招かれる側です、彼らの良心に任せましょう」
「あれか、ホークとかナイフが出てくるのか・・」
「さあ、戦場食ですからせいぜいスプーンかホークくらいでしょうか」
「どんな食べ物があるんだ、刺身やてんぷらに寿司は食えるのか」
「それは無理でしょう。クラッカーやチーズ、バターにベーコン
なんてものかと思われ・・」
「兵長、貴様やけに詳しいが・・・」
「・・・・・・・・・・」
986:名無し三等兵
04/10/13 00:24:44
第00方面軍第00軍第00師団司令部
「何だと! 独立歩兵第0000大隊第三中隊が消滅しただと!」
「はっ、最後の無電すら入電するまもなく、恐らく全員玉砕したものと
思われます。」
「なんだと、あれだけ死に急ぐなと自重してきたというのに・・・・
大隊本部の所在は・・」
「音信途絶、所在不明であります・・・」
「敵の砲弾に消滅したか・・・又は戦線離脱か・・・・」
「敵が砲弾を雨あられのように撃ったとしても、壕がある限り
全員消滅することはありえません。必ず生き残りはいるはずです・・」
「よし、貴様がそこまで言うのならその言葉を信じよう。
今すぐ現地に飛んで現状を把握してきてくれ」
「自分がでありますか・・・」
「そうだ、師団参謀が現地作戦部隊の作戦指導にきたとなれば
現場の士気も高まることだろう・・・」
「・・・・・・・・承知致しました。すぐに向かいます・・・・・・・」
987:名無し三等兵
04/10/13 01:53:45
ワクワク
988:名無し三等兵
04/10/14 01:20:04
「少佐殿、これから0000まで戻られるんですか?
無茶苦茶です。死に行くようなものではないですか・・・」
「どうも参謀長殿は、俺が0000へ行った際に
参謀飾緒を捨ててきたのが気にいらんみたいだ。
おまけに俺のような専科出身者を無能扱いだ・・・」
「無茶です。そもそも後方参謀が作戦指導へ
現地部隊へ派遣なんて・・・・・」
「いや、俺は0000まで伝令に行かされるんだよ。
撤退、いや、転進命令を伝えにな・・・」
「しかし、もう0000の守備隊は全滅したのでは・・」
「俺は玉砕したものと早合点してしまったが、
全滅ではまだ三分の一の無傷の将兵がいるということだ。
彼らに伝えなければならん」
「00少佐まだいたのか。早く行かんと間に合わんぞ!」
「参謀長殿、只今出発するところであります」
989:名無し三等兵
04/10/15 01:04:30
「少佐殿、司令部の兵を護衛に付けましょう・・」
「いや、兵は連れていかん。自分一人で十分だ・・」
「少佐殿、ではせめてこれを、機関短銃です」
「これは司令部の護衛用に必要だ。いらないよ・・」
「少佐殿、どうかご無事で・・
司令部は移動しますが、自分はしばらくは撤収する
兵を取りまとめる為にここにとどまります。
どうかそれまでに戻ってきてください」
990:名無し三等兵
04/10/15 01:18:11
「おう、君達はもしや野砲兵連隊か?」
「第二中隊第一小隊であります・・」
「良く生きておった。ご苦労・・、よくぞここまで
十榴を運んできてくれた・・」
「参謀殿、しかしここまでです。とてもあの山を超えて
撤収は無理です。それを知って、小隊長殿は先ほど
自決されました。砲兵たるもの砲の最後は己の最後と
申され、立派に最後を遂げました・・・・」
「そうだったか・・・・、ではここでこの砲は破壊するのか・・」
「致し方ありません・・・・。連隊長殿より砲亡き後は
全て歩兵となって最後のご奉公に殉ぜよとの命が
出ております」
「弾は残っておるのか・・」
「はい、十発ほどはあるかと・・・」
「ならここで最後、敵陣へ向けて放ってみてはどうだ。
どうせその後お返しが何十倍になって帰ってくるだろうが
どうせ破壊する砲だ。撃つだけ撃って撤収すればよい」
「やりましょう。ここで最後の弾を撃ち尽くしてみましょう・・・」
991:名無し三等兵
04/10/15 23:12:06
「兵長、で、そのハグばかりではかなわん。
どうだ、肝心の食事にありつけそうか・・」
「はあ、あちらの浜辺で皆で会食を開きたいと
言っております・・・・・・
中隊長殿、指揮官は誰かと聞いてきました」
「俺ではないか、なんて言えば良い」
「こちらのルーテナントコーネルと握手してください」
「ル、ルーテナナ・・・・とは・・」
「中佐のことであります。敵の大隊長です」
「おう、大隊長の中佐のこと、そうそうだったそうだった。
で、握手だな・・・え、陸軍歩兵中尉0000であります・・」
「中隊長殿、なにもそんなかしこまって申告することは
ありません。気軽に手を差し出すだけで構いません」
「ん、こうか・・・」
「パチパチパチパチ!!!!!!!!」
「なんだ、この拍手は・・」
「敵が我々を歓迎している証でしょう。
さあ、あちらの浜辺で食事の用意が出来ているとの
ことですから、行きましょう・・」
992:名無し三等兵
04/10/15 23:20:53
「よし、みんな、ようやく食事にありつける。
これより死ぬほど腹いっぱい敵の糧食を
略奪する・・・・すなわち戴くことだ。
これで少しは申しわけが立つというものだ
ハッ、ハッ、ハッ・・・・・」
「中隊長殿、困りました、あなた方の指揮官は
なぜ参謀なのか、それも中尉の参謀などいるのか
と言って来ています・・・・」
「あっ、しまった、俺はさっき自分のことを参謀と
言わなかったのか・・」
「歩兵中尉と申告したではないですか・・」
「もしや、兵長、俺のその言葉をそのまま通訳したのか・・」
「はい・・・・」
993:名無し三等兵
04/10/15 23:24:01
「そう言われれば、その通りだ。
バレバレだぞ・・・・
なんで参謀飾緒なんかを付けちまったんだ・・」
「もう、兵は食事を始めています。
我々も戴きましょう・・・・」
「そうだな、考えても始まらん。戴くとするか・・・」
994:名無し三等兵
04/10/15 23:29:18
「少佐殿、どうでしょう、ここから双眼鏡で見てください。
あすこの海岸に敵の幕舎があります。
敵兵が手に取るように動いて見えます」
「どれどれ・・・
おう、いるなあ・・・・・
あれ、何か参謀飾緒を付けているような者がいるが
敵軍にはあんなものをつけているものはいないはずだが・・」
「少佐殿、敵にも物好きがいるようであります。
我が軍の軍刀を腰に差したり、鉄兜を被ってみたりと・・・」
「ほう、そうか、しかし、何かあれは俺が以前あの辺りの浜辺に
捨ててきた飾緒のような気がしてならんのだが・・・」
995:名無し三等兵
04/10/15 23:37:28
「しかし、逆光でよく見えん・・
まあいい、あの辺りに集中してぶちこんでやれ!」
「残りの全弾全てあの海岸へぶち込みましょう!」
「よし、みんなでこの十榴の死に水を取ろうじゃないか・・」
「ばかやろう、泣く奴があるか!」
「よし、最期の徒花だ!」
996:名無し三等兵
04/10/15 23:41:04
「どうだ、みんな、たらふく食ったか・・
それにしても敵は戦場にいながらこんなものを
食っていたのか・・」
「中隊長殿、そろそろ林に潜んでいる見方に合図を
してやらなければ・・・彼らは何時攻撃をするのか
待ちわびています・・」
「おう、忘れていた・・どうだ、あいつらも呼んで
飯を食わせてやれ、攻撃中止だ」
997:名無し三等兵
04/10/15 23:43:56
「畜生、おれも浜辺へ出ていって飯を食いてえよ・・」
「お、合図がきたぞ・・準備しろ・・」
「なに、攻撃中止だと・・・
直ちにこちらまで走って来い、早く来ないと
飯がなくなるぞ、ときたもんだ」
「よし、行くぞ!」
998:名無し三等兵
04/10/15 23:48:19
「中隊長殿、何か敵の様子が・・・・」
「どうした、まだあるぞ、食えるうちにくっておかないと・・」
「おおおおおお!!!!
俺にも食わせろ! 残しておけ!」
「なんだ、飯を食いに出てきたのか、大声を出して
脅かしやがって・・・・・・・って、あいつら・・・・・
走ってくるのは良いとしても・・・・・・・」
「中隊長殿・・・彼ら・・・銃を持ったままこちらへ走ってきます・・
これはどう見ても・・・と、突撃にしかみえません・・・・」
999:名無し三等兵
04/10/15 23:49:57
「すぐになんだ、あのる、るうてなんとかに事情を
説明しる! 兵長・・・おい、どこへ行ったか?
1000:名無し三等兵
04/10/15 23:55:42
「ようし、何かぞろぞろ敵兵が浜辺に出てきたぞ
うわ、銃を手にして何だ、お誂え向きに・・・
軍曹、貴様にまかす、思いっきりぶち込んでやれ!」
ズドン!!!! カララン。。。。。。
ヒュルヒュルヒュル~~~~~!!!!★!!!!!
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