04/07/28 15:18 GqMhHJ0q
【御堀直嗣のテクニカル・インプレッション】
ホンダ・エディックス:落ち着かない中央の前席,鈍い出足の加速
「こどもと一緒に,どこ行こう?」というのが2代目「ステップワゴン」の
キャッチフレーズだった。それと同じように,ホンダは新型車「エディックス」を
「子供のための新しいミニバン」と位置付けているようだ。エディックス最大の
特徴である3人掛け×2列シートの中央席に関する解説は概ね,子供を
乗せた際の安全性や利便性が主体となっている。フロントシートの左右に両親が
座り,中央に子供が座るという「川の字」で親子一体感が味わえるという。また,
フロント中央のシートを後ろに下げれば,室内の中心に座ることになり,前後の
席とで家族団欒の会話が弾むとある。とはいえ,大人6人乗りで出掛けるとか,
ビジネスクラス並みのゆとりで大人4人が腰掛けられるといったシーンも想定して
いるとのことだから,何も,子供連れの若い家族のためだけのクルマでは
ないのだろう。そういう一般的な視点で見れば,チグハグさの出るクルマと感じた。
特に,特徴的なフロントシートの中央席は,大人が座るにはどうも落ち着かない。
何が落ち着かないのかといえば,シフトレバーが目の前にあるし,
カーナビゲーションのコントロールスイッチが目の前に突き出していて,万一の
衝突で頭をそこにぶつけやしないかと不安になる。それは単なる想像かも
しれないが,そういう想像を起こさせて不安な気持ちにさせるダッシュボードの
デザインであることは事実だ。カタログ上で,実際に座った様子を見せているが,
その時のシフトレバーはパーキングの位置であり,実際に走行中はドライブの位置,
すなわちより手前にシフトレバーが突き出した格好となる。また,その中央席の
シートベルトのアンカー側が長く延びているため,3点式の腰ベルトが腹の
位置までせりあがってきてしまう。これでは,シートベルトの役に立たないし,
こんなベルトであれば,やはりシフトレバーやコントロールスイッチに頭を
ぶつけるのではないだろうか? と、なおさら不安になってしまう。