03/06/22 18:57
霊感皆無の私からすると、一番こわいのは生きている人間です。
以前エロビデオショップに勤めていた頃の話。
防犯ゲートが鳴ったので、その場で立ちつくしていた成年を店の奥に連れてゆき、事情を尋ねました。
盗もうとしたのは、たった千数百円の使い捨てオナホール。
成年は二十代前半の、見るからに真面目そうな、地味な感じの男でした。
(捕まるような人はだいたいが大人しくて真面目なタイプで、本当に捕まえたい悪質な奴らは猛ダッシュで逃げるか、ゲートが鳴らないような工夫をしているものです)
ちょっと変わっていたのは、その男はオロオロしたり泣いて謝ったりということはせず、ただぼうっと座っているばかりで、質問にもはっきり答えませんでした。
自分が捕まったという実感がないように見えます。
埒があかないので、財布を取り上げて、中身をチェックしました。
それで身元は判明しましたが、妙なものが出てきました。
制服を着た女の子の、いわゆる生写真。通学途中で盗撮した風の。
おそらく彼自身が撮影したものだろうと思います。
その写真の状態が尋常ではなかった。
コンパスの針で空けたくらいの穴が、無数に突き通してあるのです。
とくに、目や口の部分を中心にして、顔全体がめちゃくちゃに突かれていて、少女の顔立ちが判別できないほどになっていました。
思わず背筋がぞっとして、男を見ましたが、やはり先ほどと同じように、ぼんやりと座っている男。
結局、少し注意しただけで、警察にも通報せず、そのまま解放しました。
変に逆恨みされると何をされるか…。