03/06/05 13:27 Wlw5bsLk
私は127氏ではないが、もうひとつ、都合の良い祖父の戦争体験話をしてみよう。
私の祖父は京城帝大卒業後はとある郵船会社に入社し、主に総務系の仕事をしていた。
太平洋戦争が始まると、軍属として海軍に徴用された祖父は、海軍省勤務を
へて大井篤著「海上護衛戦」でおなじみの海上護衛総隊に配属された。
そこでの祖父の仕事は、最初は配船業務にかかわる郵船会社・統制会・
逓信省等とのリエゾン業務だった。しかし祖父は自称「英語使い」だったためか、
通信傍受に関係する業務を行うようになった。
正確な業務内容と所属は本人の記憶があいまいでわからない部分が大きい。
しかし英文電文和訳が主な仕事であったこことは間違いないようだ。
けれどもこの配置転換は祖父の「英語使い」としての技量が認められたからではないだろう。
裕福な家に生まれた祖父は、よく言えば天真爛漫、悪く言えば怠け者の放蕩者。
そもそも民間企業はもとより役所仕事に向いている人物ではない。
祖父の配置転換は実際には左遷のようなモノだったらしく、仕事は暇であったそうだ。
旧司法省ビルの一室に机を与えられたそうだが、いつも退庁は午後六時前。
しばしば余暇を利用しては府内某所で遊び仲間とテニス・トランプに
興じ、勤務中も隠れて講談本を読む始末(通信傍受と講談本は切っても切り離せないモノなのだろうか?)。
また女遊びのすさまじさは未だに我が家の伝説となっている。
見かねた上司から嫌味を言われたというぐらいだから本当に暇だったのだろう。
あるいは仕事を与えられなかった、「使えなかった」ということだろう。