08/05/26 23:18:47 QI0UuE+M
神聖な大一番にグレー・ゾーンがあってはならない
オークスはトールポピーが桜花賞8着から巻き返した。さらに掲示板の4つを桜花賞組が占め、改めてポテンシャルの高さをアピールした。
ただし、後味の悪いオークスであった。
激戦に水をさしたのは優勝ジョッキー池添の我を忘れた内斜行。
直線半ば、馬場の真ん中より内目から外の出そうとしたトールPであるが、ムードインディゴが壁になりスペースがない。
そこから内に進路を替えて切れ込んで行く。結果、被害の大きい順にオディール、レジネッタ、ソーマジック、マイネレーツェルと合計4頭の進路を妨害した。
言い訳のできない右鞭を使い、合計4頭もの進路を阻んでは、「降着」が当たり前の裁定。
が、なぜかそれが「セーフ」になった。それも実効2日の騎乗停止というお咎め付という前代未聞の「セーフ」である。
降着制度が導入されて以来、初めてのグレー裁定。ある者はセーフで、ある者はアウト。それをなくすために降着制度が導入されたはずではなかったのか。
降着はないが騎乗停止。JRAは自ら導入した降着制度に自らグレー・ゾーンをつくってしまったことになる。その責任はラフ・プレーを犯した池添よりずっと重い。
何しろ制度そのものの趣旨と根幹を揺るがす裁定を下したのだ。裁決もまた、果してこの裁定が本当に正しかったのかのどうか、再度、委員を交えた諮問委員会で諮られるべきである。
実際、野球の大リーグにしても今、アンパイヤのボール・ストライクをビデオで再判定し、審判別の得点を出して精度の向上に努めている。
昨年に比べインコースを多くとっているのもそのためである。
ともあれ、ファンに不信感を与えた責任は大きい。誰だって06年のエリザベス女王杯(カワカミプリンセスの12着降着)はいったい何だったのだろうと思う。
穿った見方をすれば、今を時めく「社台グループ」だからセーフで、それに比べれば弱小といえる三石の川上牧場だからアウト。そんな見方をする人もいるだろう。
競走馬の判定でさえこの始末。喫緊に迫った裁判員制度の導入が思いやられる。
ただし、トールPの名誉のために言っておきたい。名誉は損なわれたが牝馬世代トップの能力は十分に示した。
オークスはおそらくラフ・プレーがなくても普通に勝っていた競馬。一枚上の能力にタフな重馬場も味方した。
実際、桜花賞にしてもあれほど後から行かなければ勝ち負けになっていた競馬。
が、池添を責める資格は当方にない。結局、▲しか打てなかった。予想者として情けない。
2着にエフティマイア、3着にレジネッタ。桜花賞の2・1着馬が占めた。特に進路が狭くなったレジネッタには可哀相な競馬。
ただ、鞍上の小牧、さらに一度追うのを完全に止めたオディール(5着)安藤勝からも不平は聞かれない。
ともに生え抜きではない。だからこそ裁決は二人の「無言」を読み取るべきであった。
で、◎のムードインディゴは10着。トールP、エフティマイアとまったく同じ位置から勝ちパターンの正攻法。
ただ、追い出してからノメった。末脚は空回り、重い馬場を乗り切るパワーにも欠けていた。
が、競馬の内容には納得している。印は不徳の致すところ。
なんとか今週のダービーで巻き返しを図りたい。幸い「スーパー・ダイヤモンド」も首尾よくこなしてツキは悪くない。