08/07/09 17:35:04 EIThUzs+
■ベンゾピレン
ベンゾピレン(benzopyrene)とは、化学式C20H
12で表される、5つのベンゼン環が結合した分子。300℃から
600℃の間で不完全燃焼する。コールタールや自動車の排気ガス
(特にディーゼルエンジン)、タバコの煙、焦げた食べ物の一部な
どに含まれる。
強い発がん性を持ち、体内で酸化されると近くのDNAを傷つけ
、DNAを破壊された細胞はガン細胞へと変化する。IARCの発
がん性評価では、グループ2Bの「発がん性の可能性が高い物質」
に分類されている。
1930年にコールタールから主要発がん性物質として単離され
、1977年に発がん機構が解明された。
ベンゾピレンと癌の関係について、長年様々なことが研究されて
きた。人におけるがんの発生がベンゾピレンに由来するものだと証
明するのは非常に難しいことだった。カンザス州立大学の研究者が
喫煙者におけるビタミンAと肺気腫との関連性を証明した。ベンゾ
ピレンがビタミンAを欠乏させることがラットを用いた実験で判明
したため、ベンゾピレンと肺気腫との関連性も証明された。
1996年10月18日、ベンゾピレンを含んでいるタバコの煙
を吸うことが肺がんの原因となるということが初めて証明され、論
文が公開された。喫煙によりベンゾピレンは肺の細胞に対して遺伝
子に対する損傷を与える。そして悪性の肺腫瘍にかかっている肺の
細胞内のDNAに対しても同様の損傷が観察できる。
2001年、アメリカ国立癌研究所は十分に焼いたバーベキュー
、特にステーキ、鶏肉の皮、そしてハンバーガー等の食べ物にも一
定量のベンゾピレンが含まれているという報告を出した。日本の研
究者は、焼いた牛肉に変異原が含まれており、DNAの化学構造を
変化させる可能性があるとの報告を出した。