08/07/26 22:50:34 KssqVY8s0
長くて失礼します。
私が小学生の頃、登下校のルートに池がありました。人工のため池で、淵は浅いけれどすぐに底なしになるという、すり鉢の形状をしていました。
私の2学年上ぐらいの子どもが2人ほど、溺れて亡くなっているそうです。
親が共働きだった私は、早めに帰る集団下校には組せず、5時を回った頃に1人でそこを通って下校することが多かったのです。
ある日、フェンスの間から池を覗き込むと、ほとりに見慣れない岩が置かれていました。3段に積まれた一番下は紺の平たい岩、その上は鮮やかなオレンジの岩、一番上に少し小さい黒い岩。なんとなく、大人の男の人の背中のようにも見えるものでした。
けれど、その池は立ち入り禁止になっています。周囲は高さ2mほどのフェンスで囲われ、出入り口には鍵がかかっていました。
もちろん、大人ならよじ登って中に入ることは可能ですが、まだ陽のある夕暮れに、目立つことを承知で忍び込む理由がわかりません。
20分ほど、ずっとその岩を見ていました。…微動だにしません。よく観察しても、やっぱり人間とは思えませんでした。質感が無機質すぎるのです。
フェンスを越えて確かめてみようか。何度かそう思いましたが、けっきょく度胸がなくて場を離れました。
翌日の登校時、それはありませんでした。
誰かのイタズラだったのかな。軽く判断して、学校では忘れていました。