08/07/20 23:44:35 HH+GrnrNO
姉と出会って一年程立った頃。
お盆に、一家で父方の親戚の家に行こうと言う話になった。
去年は再婚のゴタゴタで行けなかったが、砂丘の県に自分たちの由緒正しい墓があるんだと。
父は七人兄弟と言うことをしきりに自慢していたが、それより俺は父のクラウンに姉が乗っていた事のが驚きだった。
親戚の家にはいつも姉はちゃんと出かけているのだと言う。
でどんな扱いを受けてるんだと思ったら、でかい日本家屋に着いた時「いざ様、いらっしゃったんやねえ~」と、叔母が真っ先に抱きしめたのは姉だった。
どうやら予想外に姉は、「いざ様」とか「いまし様」とか呼ばれて可愛がられてるみたいだった。
多分いざ様いまし様ってのはヒッキーの隠語か皮肉だと思う。居座様居まし様って漢字つけたら家に居るって意味っぽいし。
のどかな田舎だから姉みたいな生き物は珍しい動物みたいな感じだったんだと思う。
さすがにお菓子を貰ってもお茶を貰ってもガン無視で、そもそも興味ねえよとばかりに本読んでるのには冷や汗かいたけど。
でも親戚の人たちは慣れてるみたいで怒りもせず、ニコニコしながら空きの座敷を使わせてた。
で、俺と言えば母親と親戚達の相手をしつつ、姉のいる座敷を気にしつつ、やがて日も暮れて早めの夕ご飯をいただいた。