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『中国の希望と絶望』
著・林青悟/かんき出版
中国の乞食はたいてい幼児を、しかも手や足のない不具の子供を抱いているケースが多い。巨頭症(体
と頭の大きさが同じくらいの不具)の赤ん坊や、両腕や両脚の肩や膝から先が折れて欠損している幼児を
抱えて、道行く人にお金をせびる。不具の幼児を抱えていると、乞食商売は成り立つという。
学生の一人がこんな事を言った。
「奥地から出てきて、仕事を見つけられない人は、乞食をします。そのために、他人の子供を盗んできます。
一方で子供を売る親もいるでしょう。彼らは子供の手や足をポキポキ折ったり、切り取ったりして、その子供
を抱えて乞食をします」
乞食の抱える手足のない子供が全てそれなのか、確かめるすべはなかった。学生は続ける。
「しかし子供は手足が無くても成長しますから、やがて使えなくなり、捨てます」
「捨てられた子供乞食はどうなるのか。死ぬのか」
「さあ、そこまでは知りません」
そんなやりとりがあって、半年ばかり経っただろうか。学生達が言い出した。
「いい天気ですから、暗い教室より公園に出た方がいいんじゃないですか?先生」
そこで玄武湖公園で中国式席取り遊びをして、その後でみんなで美味しいラーメンを食べよう、ということに
なった。 公園の一角に接して建っている南京の名刹の一つ、古鶏鳴寺の裏門通りを抜けて市内に向かおう
として、私はふと立ち止まり寺を見上げた。
裏門に至る登り坂は段々になっていて、その階段の両側全てに乞食少年が座り込んでいる。見るところ、
その乞食たちはすべて、両手は肩から、両足は膝から先がない。座らせられたまま自力で移動することは
できないから、かんかん照りの中、終日そこに据えられて、通行人に笑いかけ、小銭を乞うているのだった。
「これが、使えなくなって捨てられた子供たちの、なれの果てなのか」
立ちすくむ私は、「先生、見ないで」という女子学生に手を引っ張られ、学生達の群の中に戻された。