08/06/08 12:49:57 i04V8bz/O
>>116
続き
しばらく口論になったらしいけど、とうとうじい様が折れた。
「なら、この子に憑いたものを祓ってやらにゃならん。生憎だけど〇(←親父)には祓う力なんかない。だから俺が祓うしかない。完全には祓えないし、恐らく俺は死んでしまうだろうが、供養などしなくていい。霊魂となってでも、完全に祓ってやらにゃならん。」
そう言って、お寺の御堂で祓う準備を始めた。
結局、お祓いの準備が整ったのは明くる日の昼だった。
同じように蝉の鳴き声が煩い日だった。
じい様が母親を御堂連れて行くと、すぐにお祓いを始めた。
詳しいやり方は聞いてないけど、魔方陣みたいなものの真ん中にあぐらで座らせて、読経するというやり方らしい。
じい様が読経を始めると、すぐさま母親に変化が現れた。
最初は「う~」とか唸るだけだったのが、次第に「ぐおぉぉぉ」という様な低い声で叫び始めた。
目は白目を向き、口からは涎と血を流し(舌を噛んだらしい)、暴れた。
「あの時は、あそこだけ別の世界みたいだった。蝉の鳴き声は聞こえないし、汗が止まらなかったのに急に寒さで体が震えた。あの時は母さんが人間に感じられなかった。」と親父に聞いた時、ポツリとこぼした。
読経を始めて1時間を過ぎた頃に、暴れていた母親が急に大人しくなった。