08/09/04 00:36:44 PQa7o3Q60
川へ落ちる!!!
そう思ったとき、意識するよりも先に声が出ていた。
「頼む!落とさないで!」
風は山から崖下へとずっと吹いている。
風に舞い上げられた竹葉もスケッチ画も、今まさに崖下へ舞い落ちようとしていた、はずだった。
なのにそう叫んだ途端、自分は目を疑った。
いったん崖下へ落ちかけたスケッチ画二枚が、大きくカーブを描いて浮き上がるのが見えたから。
咄嗟に「それをここへ!」と請うていた。
そしてその言葉とほぼ同時に、浮き上がったスケッチ画は風に乗ったまま、自分の足元へ吹き寄せられ、落ちた。
自分のその時の感情は、驚きと嬉しさと嘘だろ?という気持ちがごちゃ混ぜになって、なんと言い表せば良いのか判らない。
ただ急いで足元の二枚のスケッチ画を画板に挟み直すと、何にかわからないけど
ひたすらに幾度も、ありがとう、と、自分でも判らない何かに向かって言い続けていた。
帰りしな、風向きが変わったのかと振り返ったが、竹葉は相変わらず崖の下へと舞い落ちていた。
ただそれだけなんだけどね。
偶然かもしれないし、もしかしたら風に詳しい人から見たらそういう風の吹き方は、よくある事例なのかもしれないけど。
自分はとても嬉しかったし、とても不思議な心持がした。 長文スマン。