08/05/18 22:02:46 WqMkGJt20
俺が自衛隊にいた頃の話。
ある時期糧食班に臨時で行ったんだが、そのときの献立に「カニかまサラダ」があった。
これはブロッコリーとコーンとカニかまを芥子マヨネーズで和えてあるもので、俺の好物だった。
俺はブロッコリーをゆでる係りになり、大きなザルに盛られたブロッコリーの前に行った。
まず洗う。洗車機なみのジェット水流でじゃんじゃん洗う。
一通り洗えたらザルにあけ、それを持って切るための台の方へ移動する。
作業台にザルを置いた俺はふと気付いてしまう。
金属で出来たザルの中に、たくさんの米粒のようなものがついているのだ。
「これって米洗うザルだっけ?」
もし米用のザルだったら、飯炊き係りの先輩にドヤされる。
俺は慌ててザルを確認する。―大丈夫だ。
金属のザルの枠にはきっちり「野菜用」と書いてあった。
「・・・?じゃあこの米粒はなんだ・・・?」
俺は今度はザルではなく、米粒をじっくり見る。
ジェット水流で流したはずのそれは・・・ぞわぞわと蠢いている。
「ヒッ・・・」
目をブロッコリーの山に移すと、その白いモノは花部の裏にびっしりと貼りついたままだった。
「コラ○山士長!さっさとしろ!」
突然後ろから先輩に怒鳴られた。
「○田3曹・・・コレ・・・」
俺が恐る恐るザルを指差すと、先輩はめんどくさそうにザルを抱えた。
そしてそのままグラグラと熱湯が煮えている大鍋に無造作に全部放り込んだ。
「バーカ、気にすんな。どうせ和えちまえばわかんねーんだからよ」
以来、俺がカニかまサラダを食うことはなかった。