08/04/23 13:34:06 Ym6yJPoG0
>>142
「ヴリル・ヤ」の起源に関する最古の伝説によれば、
彼らはかつては地上に住んでおり、「アナ」と呼ばれる大部族の中で一部族を形成していた。
当時の文明は、ちょうど近代の我々の文明とよく似ており、ガスや蒸気を用いた機械などが発達していた。
ところが、その頃の地球は、まだ今のように固まっておらず、たえず変成しつつある柔らかい物質でできていた。
このため、地殻変動のよる大洪水はじわじわと陸地を浸食し、多くの民族は水の中に滅び去っていった。
だが、アナ族の少数の者たちは、山中の洞窟に避難し、地球内部に都市を建設し、以後、現在に至るまでここに住み着くようになった。
アナの地底世界では、はじめのうち激しい生存競争や政治的闘争が絶えなかった。
革命や戦争が相次ぎ、人々の生活はいつも脅かされていた。
しかし、この不安定なアナの社会に一大転換をもたらす画期的な出来事が起こった。
それは「ヴリル」の発見であった。
ヴリルとは何か? それは、自然界の一切の現象を貫く電磁気的な力であり、全生命力の源泉である。
したがって、ヴリルを自在に制御することは、この世界の物質現象から精神現象にわたる一切を支配することを意味する。
どんなに硬い物質でも一瞬にして破壊することができるし、弱った肉体に生命力を吹き込んで、病気を癒すこともできる。
この凄まじいヴリル・パワーを利用する技術を発見した民族―それがヴリル・ヤと呼ばれるようになったのである。