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信じようと、信じまいと―
湖広省の山中に帰雲郷という村があったと明代の地理書『峨陵県志』は記している。
帰雲郷は県城から十日を要する深い山中で、長い洞窟を抜ける道一つしかなかった。
鍛冶に巧みな郷民たちは、刀剣を市場で売り、米や硝石や磁器などを買って帰った。
しかし万暦年中に帰雲郷に向かう洞窟は埋もれ、郷民たちを見ることもなくなった。
岐阜県白川村に、慶長の大地震の際に山崩れで埋もれた、帰雲城という城があった。
城主の内ヶ島氏は飛騨の鉱山を支配していた、富裕な豪族だったと伝えられている。
今日、城跡からしばしば発掘される中国製の磁器は、その財力を示しているという。
通説では、それらは京や堺からはるばる取り寄せたものと言われているのだが……。
信じようと、信じまいと―