07/05/17 23:18:08 rwe82Rqx
しれっと再開
ⅱミクロ団粒と細菌
最近熱帯魚や海水魚を飼育する際に使用する濾過装置に「多孔質ビーズ」を濾過材に
使用する事が増えてきている。
これは濾材いうものが単にゴミを取り除くものではなくて、水中の硝酸イオンを取り除く
硝酸菌や亜硝酸菌の棲家であると言う認識が広まってきたからだ。
そして、その硝酸菌には好気性や嫌気性など、いろいろなタイプがあってそれぞれ適した
棲家に取り付いて互いにバランスをとっている。
ビーズの表面には好気性細菌が住み着いて条件がよければ高速に増殖するが、敵や競争相手も多く
減少する確率も高い。 それに対して空隙内では酸素濃度が低下しており嫌気性の細菌が潜り込んでいる。
穴の中では増殖する事は困難だが、外敵や競争が少ないので安定した生活が約束されるのだ。
こうして「好気性と嫌気性」という二つの環境が共存する事で互いに補完しバランスのある生態系が営まれるのだ。
この多孔質ビーズと全く同じ原理が土壌中のミクロ団粒でも行なわれている。
「好気性」の窒素固定菌と「嫌気性」の窒素固定菌。 「好気性」の光合成細菌と「嫌気性」の光合成細菌。
「好気性」の糖代謝細菌と「嫌気性」の糖代謝細菌・・・などなど、膨大な種類の細菌類がミクロ団粒を舞台として
共存しているのだ。
彼らたちは、ミクロ団粒を形成する粘土から多量の栄養塩のイオンを取り込んだり、有機物を取り込んで代謝して
エネルギーを得たり、無機物を代謝してエネルギーを得たり植物由来の分泌物を利用したりして、まさに
おいらの言う「共存共苦」の世界を生きているのだ。