06/07/20 12:20:21 kwfnvur/
もうちょっと「慣行農を3年やったがために何も育成出来なくなった不毛の土地」
について語ってみるが、
前のスレで、「慣行農法では地力の低下により、異常気象で全滅する」と書いた。
その訳は、「地力とは土壌生態系の安定化のことであり、地力のある畑は、
病害虫の大量発生や、土壌の流亡、生育障害などを起こさない」ということ。
異常気象で弱まった作物は、病害虫や生育障害の発生を許してしまう。
健全な畑では異常気象などないのだが、慣行農法の畑で異常気象が発生するといえる。
ちょっとした長雨ですぐに野菜の値段が上がるのは、異常気象のせいであるとすぐに
いうが、本当はすぐに生育に影響が出る畑のほうが「異常」なのである。
アメリカのミシシッピ川流域では、先住民の人々が伝統的な農法によって高度な部族社会を
営んでいた。もし大型家畜がいれば強力な帝国まで発展していたと思われるほどだ。
それほど生産性の高かった土地が、70年代の慣行栽培によって、3年目に洪水で土壌の流亡を起こし、
不毛の土地となった。アメリカでは粗放栽培でしか収支が合わないようになってしまっている。
少し乾燥した気候では、慣行農法は想像を絶するほど地力を奪うのだ。
(だから日本では未だ慣行農法が生き残っている。日本は本当に湿潤な気候だ。)
同様にサヘル地方では「乾燥化」、東南アジアでは「草原化」、最近では中国北部の「砂漠化」と
色々異常気象が言われるが、その究極の本質は「地力の低下」が原因だ。
日本では今後ますます「降雨」による被害が出るだろう。日本では「除草」が特に進められているから、
土壌の通気性が低い状態になりやすい。ちょっとした長雨に弱くなるだろう。
山間部の農地は、山の荒れによる土石流の増加で、どんどん無くなって行くだろう。
そして農地の放棄はどんどん加速していくと思われる。このままでは。