08/05/16 15:11:55 4Rw08z3U0
>>755
昔は前群繰り出し式でフォーカスを合わせるズームレンズが多かったため、
サイズの制約上、最短を無理に詰めないパターンが多かったのです。
最短を詰めるってことは繰り出し量の増加=鏡胴の大型化に直結しますので
サイズと近接性能のバランスを取りながらの設計が必要でした。
インナーフォーカス(リアフォーカス含む)のズームが増えだした辺りから
(90年代後半)、大型化を伴わずに最短を詰めたズームが全般的に増加
していきます(焦点距離を移動して寄ります)。当初はただ寄れるだけで
近接時の周辺画質低下やボケ大暴れなど画質の劣化が目立つレンズが
多かったです。
しかし、インナーフォーカスズームの設計技術向上、等倍マクロの収差補正
技術との融合、特殊ガラスの使い方の熟練など、いろいろな要素が底上げ
されてきたおかげで、最近の製品では近接時でも優秀な描写をするレンズ
の方が目立つようになってきました。
技術的にブレークスルー的な立場の製品もあることはありますが、今世紀
のレンズの発展は同時多発的"地道な積み重ね"に依る部分が大きいため
端折って説明してもこの有様ですから、結局は「設計が新しいから」となって
しまうのです。