08/04/27 21:45:05 LiUNb7vG0
「プロジェクトX~挑戦者たち4~ レクサス擁護定型文の誕生」
「インターネット上でレクサスは高級車と印象操作せよ」トヨタ首脳部が業務命令を発した。工作部長は戸惑った。
「高額車レクサスを高級車へと世論誘導をすることは不可能です!」
既にネット上では、レクサスの化けの皮は剥がされ、単なるトヨタの高額車として認知されていた。
現実社会では、欧州ブランド崇拝者を惑わすこともできなかった。
「レクサスを否定する者を低所得者にしてみてはどうだろう」 トヨタ首脳部の提案に、工作部長は戸惑った。
「レクサスを否定する者、否定する掲示板に集まる者の論文は、万人に説得力があり、車に対する知識も高等です。
そんな誤魔化し効きめはありません!」
「俺たちがやらずに誰がやるんだ。俺たちの指で印象操作を展開するんだ!」
首脳陣の熱い想いに、工作部長は心を打たれた。商人の血が騒いだ。「やらせてください!」
24時間を徹しての工作活動が始まった。
思い切ってベンツ・BMWオーナーを中古車購入者に設定した。
下品なAAを拾っては貼ってみた。
反論に苦しいときは低所得・低学歴の文字で勝ち誇ってみた。
しかし、レクサス否定派の勢力、レクサス失敗の認知度の広まりは、止まることはなかった。
工作部長は、来る日も来る日もパソコンモニターと向き合った。
いっそBENZやBMWに転職すれば、どんなに楽だろうと思ったこともあった。 追い詰められていた。
そこへ首脳陣が現れ、こうつぶやいた。
「発想を変えるんだ。ネット工作は会話だけじゃない」
そうだ。言葉の一方通行だ。定型文で言葉のキャッチボールを無視する方法があった。暗闇に光が射した気がした。
「嫉妬、妬み、僻み、貧乏、低脳、」次々に浮かび上がる車とは無関係な言葉。レクサスを擁護する定型文が誕生した瞬間だった。
問いかけられようと、煽られようと、定型文を黙々と貼り続けた。
首脳陣と工作部長、工作員達は、パソコンを前に朝まで飲み明かした。 皆、充足感に包まれ、涙が止まらなかった。
「部長、定型文をカービューにコピペしてきていいですか!」工作員は言った。
「ああ、いいとも。だが貼りすぎるなよ。IPはTNSのままだからな」部長は自分のジョークに、肩を揺らして笑った。