07/10/03 02:43:24 XltUXMTi0
【動かない無敵ロボ】
ストーリーとキャラクター、これらが秀でているのは先に述べた通りだが、もうひとつ大切な要素がある。
それはロボットである。
ロボットアニメとして放送したのだから、忘れてはならない点だ。
しかし、「ゴッドマーズ」は人間ドラマに重点を置いている反面、ロボットに関しては期待できない。
先ほど、原作「マーズ」との差異を問題点として挙げたが、
ロボットアクションについてもまた、特に大人の視聴者の間では不満があったに違いない。
ご存じのように、まずタケルは第一段階として「ガイヤー」（原作では「ガイアー」）というロボットに乗り込む。
小回りの利くサイズとフォルムで敵ロボットに立ち向かうが、ガイヤーはパワー不足なゆえに互角とはいかない。
そしてガイヤーが絶体絶命のピンチになったとき、
世界各地に隠された五神ロボがタケルの声に反応し飛来、ゴッドマーズへと合体を遂げる。
ここからいよいよ大立ち回りが繰り広げられるのかと思いきや、
「ゴッドファイヤー」→「マーズフラッシュ」→「ファイナルゴッドマーズ」のコンボで戦闘はすぐ終了してしまう。
ゴッドマーズは実に、１、２歩動き、ジャンプする、これくらいしか動きが無く、
ほとんど止め絵に演出を加えているだけである。
ゴッドマーズは無敵の存在であり、敵ロボットを簡単に撃破してしまう強さ、
というものを表現したかったのかもしれないが、それにしても盛り上がりに欠けるのは事実だ。
無敵ロボットが悪を一刀両断にするという、コンセプトの似た他作品「最強ロボダイオージャ」が
「ゴッドマーズ」と同時期に放送されていたが、
こちらは合体してダイオージャになったあとも、
敵ロボットとのやり取りがあったり（すぐに一刀両断されるケースもあった）、
多彩な武器が出てきたりと演出のバリエーションに富んでいる。
良い方に解釈するなら、ゴッドマーズは「不動」のスタイルで敵を屠るという、
圧倒的な存在感を植え付けられたかもしれない。
だが、ロボット戦闘における緊張感・高揚感は薄れたままであり、
結果として幼児を含む低年齢層はほとんど離れていってしまうことになる。
これでは、「ゴッドマーズ」を「キャラ萌え作品」と評されても仕方のないことだ。