08/01/20 22:46:13 OKg5sNkF0
赫い目
■■日未明 ■■市■■の県道■■号線を車で走行していた■■市内の女性から
「停車中の乗用車から火が出ている」と119番通報があった
駆け付けた消防署員らによって 火は約20分後に消し止められたが
運転席から男性とみられる焼死体を発見した
乗用車は全焼 ■■署が原因と身元の特定を急いでいる
懐疑主義者だった彼
彼が無間に身を窶し 十年が経とうとしている
残滓(遺書)に燻り続ける朱の咆哮
「迂生を殺害する」
「■■■■を殺害する」(彼の氏名)
自らを検体とし 訝るものを打ち消した彼
廃神社の煤けた鈴緒の欠片
彼は躊躇なく葬った
そう燃やしてみせたのである
数年後 病んだ末の悲の帰結
残滓(遺書)に刻まれた言の葉を見据えるかのように
朱のインキで 赫い目がひとつ画かれていた
件の神社 俗称を赫目神社と云った