07/11/29 12:51:58 aSrOjgk30
頭のどこかでは自分は、なぜ、こんな骨と皮だけの「モノ」に、衝動を感じて
いるのだろうという疑問が渦巻いていたが、欲望の前にそんなものは何の戒め
にもならなかった
何度目かの絶頂を迎えた俺は、ふと従姉の血の気を失った唇に目を留めた
まだ、キスは試していなかったことに気がついた俺は、従姉を抱き起こすと
その唇を自分の唇で犯し始め、やがて、緩んだ口の中へ自分の舌を滑り込ませた
口の奥からかすかに漂う腐臭が俺の鼻をついたのはその瞬間だった
それが全ての終わりだった
その匂いが、自分のやったことのおぞしさとあさましさを俺に自覚させた
ありったけの謝罪を口にしつつ、泣きながら従姉の身体を拭い、死に装束を
再び整えた俺は、その後は葬儀が終わるまで半ば放心状態のままだった
今でも、時々、そのときのことを思い出すと、しばらくは何も手につかなくなって
しまう
どうしてあんなことをしたのか、全くそういった対象として観たことが無かった
従姉に、しかも遺体に、どうしてあんな衝動を感じたのかは、何度考えても
その理由がわからない
ただ、確かなのは、自分が人としてはならないことをしてしまった、そして、
それを知るのは自分だけという事実だけだ