07/12/10 19:27:05 GM7BbsK8O
小さい頃、3つ上の兄貴に霊感があるという話を耳にした。
兄をひいひい婆ちゃんが守ってくれてるらしいということも。
当時霊感があるということがどういうことだかよくわかってなかった私は、直球勝負で兄に聞いてみた。
「兄ちゃん、ひいひい婆ちゃんがいるってホント?」
ファミコンをやっていた兄はちらっとこっちを見たけど、すぐにテレビ画面に視線を戻しで言う。
「いるよ」
「どこに?」
「すぐそこ」
「いないよ?」
「…うるさいなぁ…お前、ちょっと目つぶってみ」
「目?」
「つぶったら右手をパーで出して」
「こう?」
兄に言われた通り目をつぶり、手を差し出した。
感じられるのは兄が続けているファミコンの音だけ。
これで何が…?と思い始めた頃、差し出した右手を誰かがぎゅっと握った。
冷たいような暖かいような大きな手。
明らかに兄の手じゃない。
誰!?と慌てて目を開けても、そこにはファミコンを続けている兄の姿しかない。
兄の手を見てもコントローラーを握っているだけで、私の手を握ったような様子はない。
というか目をつぶっている間ファミコンはずっと進行していた。
つまり兄はコントローラーから手を離してはいないはずだ。
でも手にはさっきの冷たいような暖かいような感触がありありと残っていた。
一人で混乱していると
「今のがひいひい婆ちゃん」
って兄が呟いた。
気持ち悪いとかそういう感じは全くなくて、「へぇ、今のがひいひい婆ちゃんなんだ~」って妙に納得してしまった。
思えばあれが記憶にある中で初めての心霊体験だったのかもしれない。
分かりにくかったらごめんね。