07/10/26 18:28:01 PrkCD9mP0
>>852
モフ山に行くのにはのう、ヨモフヒラサカを通らねば行かれんのじゃ。
そこは、背丈以上もある茂みに覆われた、つづら折りの山道での、
一歩、足を踏み入れれば、昼なお暗く、吹きすさぶ風がザワザワと鳴り、
まるで異界に紛れ込んでしまったかのように感じられるそうじゃ。
それでもなお、山道を進んでいくと、どうじゃろう、背後に何者かの気配がすると言うではないか。
そいつらは、山道を登る者の後を、こけつまろびつ追いかけてくるそうじゃ。
一歩、また一歩、足を踏み出すたびに、そいつらの気配は増えていく。
なかには、登る者の足にじゃれついてくる者もおるらしい。
じゃが、そこで振り返ってはならん、モフ山に行くのには決して振り返ってはならんのじゃ。
振り返った先には、赤、茶、黒、白、胡麻などの色をした、数えきれぬほどの迷いモフがおるらしい。
そして、振り返った者は、そいつらの抗えきれない、つぶらな瞳の虜になり、
ついにはモフ山に行くのを諦め、ヨモフヒラサカでその生涯を閉じることになると言われておるのじゃ。
ぼっけいきょうていのう