07/10/26 14:19:26 9YfeG1CMO
学生時代の下宿の大家の家の飼い猫の話。
その大家の家は下宿のすぐ隣だった。
ある天気の良い暖かい春の日曜のこと、俺はぼーっと窓の外を眺めながら昼飯を食ってたら
大家の家の屋根をそこの飼い猫のデカい生意気そうなドラ猫がふんぞり返って歩いていた。
屋根の真ん中あたりまで来ると、急に立ち止まって何かに警戒する様子をしているが、
周囲には何もない。にもかかわらず、じっと前方をにらみつけ唸り始めたと思ったら
いきなり前足で前方の見えない敵を激しく引っ掻き始めた。
それが人間のシャドーボクシングそっくりだったので、おもしれ~な~と眺めていたら
「しゃーっ!!」と叫んで勢いよく見えない敵に飛びかかっていった。で、そのまますごい悲鳴と物音で周囲の静寂を破りながら派手に転げ落ちていった。
あわてて窓の下を見ると、大家んちの庭にどべーっと大の字にのびていた。
大家のオバちゃんはそのそばでキャーキャーパニクってるし、
近所中から「何?」「なんだなんだ?」とざわめきが聞こえて騒然となっていた。
ドラ猫は重傷を負って長いこと動物病院に入院したが、一命は取り留めた。
後日オバちゃんに俺の見たことを話したら、真顔で
「それはうちの子(そのドラ猫)を恨んで化けて出た猫の幽霊だわ!!」と言うのでびびった。
なんでも、以前そのドラ猫と喧嘩して負けて、その傷が元で死んだ猫がいたのだとか。
だが、俺は幽霊になってでもリベンジした猫の根性にちょっと敬意を感じた。
ちなみにドラ猫はその後、以前のふてぶてしさが消えてすっかりおとなしくなってしまったw
先日の亀田父と相手方の
「しゃー!なんやこらー!!」「しゃーって猫じゃあるまいし」を見て思い出した。
「いい話」と言えるのかはわからないが。