07/07/13 22:32:02 SQzorXpc
「やぁやぁ、よくおいでくださいましたダス。」小太りの30代後半の男が笑顔で玄関から顔を覗かせてきた。
「やぁ、大八君。元気してるかね?」翁は手荷物から東京のお土産を彼に手渡した。
「ありがとうございますダス。おぉ!花沢君に早川君、大きくなったダスなぁ~」そう私達に愛嬌のある顔で玄関へ迎え入れてくれた。
「だ、大八さん!?い、伊佐坂先生んちの居候だった!?」私は思わず大声で驚いてしまった。
「だはははは そうダス。大八ダスよ。さぁ、上がって上がって。寒かったダスか?ウチのお風呂は温泉引いてるからゆっくり温まるとい
いダス。」
「えぇー!お、温泉?いいんですか?大八さん!!」早川さんは大八さんに食いつく様に聞けば「温まるダスよ~。」と愛嬌のある笑顔で
答える。
私と早川さんは順番に大八さんご自慢の温泉風呂へと入り、体を温めてから大八さんと久し振りの再会と雑談を楽しんでいた。
その間に翁と浦野さんも体を温めに温泉へ入り、体を休めたところで浦野さんが「そろそろ行こうか」と言い出した。
「えぇ?い、今から…ですか?」私は思わず口に出してしまったが同時に早川さんも「ここで泊まる…って事じゃないんですか?」と質問
していた。
「はっはっはっはっ!そうだったね。まだ何も言っていなかったんだね。」と笑いながらも確信犯の様な笑顔で翁が笑う。
「そうだね。それなら最後まで言わないで連れて行けばもっと楽しいかもしれんね。」そう浦野さんが翁へ意地悪の提案をする。
「そういう事で二人共、厚着をして出発しようか。山道は夜目が利く浦野君が先に行くから離れないように付いて行ってくれるかな?」パ
イプに火を点して翁はニコッと笑う。
「え?も、もしかして山を登るんですか?」と私が聞けば浦野さんがグッと親指を立てて「さぁ!行こうか!」と笑う。