07/07/13 22:31:10 SQzorXpc
私達は翁先導のもと、徐々に山の奥へと進んでいた。
その山道は非常に暗く、88のライトと前を走るSRX、TDRのテールランプを頼りにゆっくりと山道を駆け上がって行く。
気が付けば道は森の奥深くへと続く一本道へと変わり始め、木製の電柱からの街灯が所々に設置されているのがわかった。
右も左も木々が生い茂り、道を大きく覆うように森のトンネルと化した道を私達は暫く進み始めた。
そしてアスファルトから砂利道へと変わり始めてまもなく一軒の古い民家が見え始め、うっすらと灯りがついているのが遠くから確認出来
た。
翁はどうやらその古い民家へ向かっているようで、私は戸惑いながらも先導されるままに翁に付いて行った。
「ふぅ、到着だ。」カシャンとシールドを上げて私達に言ってはヘルメットを脱ぎ出した。
「え?…こ、ここですか?」私は翁に聞けば「ふふ、懐かしい人に会えるよ。」そう言ってSRXのエンジンを切り出した。
「さぁ二人共、行こうか。」インディアンに積み込んでいた大きな荷物をぶら下げ、野太く低い声で浦野さんは古い民家へと歩き出した。
私達は顔を見合わせて「懐かしい人??」と不思議に思いながらも民家の玄関へと向かった。