07/08/09 00:13:45 KrICWFqV
・・・これが、僕が毎夜のようにスピードに身を沈める事になったもう一つの理由・・・。
ひとしきり、死と紙一重の走りに没頭して深々夜に部屋に戻ると、疲れからなのか興奮した精神
状態が理由なのかは解からないが、少なくともそんな夢を見ることは少なくなった。
僕はそんな事をアナゴ君に言ったりはしなかったが、彼もまたおそらく僕と同じような状態に
あったのかもしれない・・・。あの垂れ目の下に深いクマを作るようになったのはその頃からだ・・・。
僕は霊の存在など信じはしないし、ましてや鈴木さんが僕を困惑させる為に僕の夢枕に現れた
などとは決して思っては居ない・・・。
あれは、僕の精神状態の表れだったのだろう。僕の内に存在する鈴木さんの死に対する自責の
念が、ひとつの形となって現れたものなのだろうと思う。
眠るのが怖かったあの頃・・・。そして夢の中とはいえ、あれほどまでに慕っていた鈴木さんに恐怖を
感じてしまっていたあの頃・・・。
・・・僕の心は、確かに病んでいた・・・。