07/09/25 20:05:12
| だが筆者は、これらの「特化し過ぎた作品」が好きだ。
| あれもこれもと欲張ることなく、一つの目的のみに絞り込む割
|り切りの良さには、いかにもプロフェッショナルが嵌り込む世界
|といった精悍さがある。
|「活躍の場を得られなかった作家など、負け犬でしかない」「編
|集者に先見の明がなかったのだ」といった批判はあろうが、その
|作品に注ぎ込まれた作者の情熱や真摯な努力は、決して紛い物
|ではなかったはずだ。
| 刊行中のシリーズ「文の牙城」にも、「特化し過ぎた作家」が
|幾人か登場する。
| 彼らが敗者復活戦の機会を十全に生かすのか、あるいは無念の
|涙を呑んで消えてゆくのか。
| その帰趨については、本篇を御覧いただきたい。読者諸兄の期
|待を裏切ることはないと信じている。
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| 横山信義
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