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名門「雪印食品」の偽装を告発
水谷さんの内部告発はちょうど15年前の2002年だった。
その前年の秋、日本で初めて狂牛病の牛が確認され、畜産農家や食肉業者は
牛肉の出荷・販売ができなくなった。これに対し、農林水産省は国産牛肉の全量を買い上げる制度を設け、
業界の救済に乗り出す。ところが、その制度を悪用し、輸入牛肉を「国産」と偽って助成金を騙し取ろうとする
業者が現れた。「スノーブランド」で知られた名門企業・雪印食品もその一つだった。
同社の社員たちは2001年10月31日、輸入牛肉の保管先だった西宮冷蔵で「偽装工作」を密かに行う。
豪州産を「国産」という箱に次々と詰め替えたのである。それを知った西宮冷蔵の社長、
水谷さんは雪印側に対し、「『買い上げ申請の牛に間違いで輸入牛が混じっていた』と謝るべきだ」と告げたという。
自らの倉庫内で行われた偽装。自分や世間をなめとったらいかんぞ、との思いがあったとも言う。
しかし、雪印食品が応じることはなかった。西宮冷蔵が調べたところ、同社の倉庫内では計13トン、
買い上げ価格ベースで約1500万円の偽装工作が行われた。雪印食品全体の偽装は計約2億円分に上ったことが後に判明している。
名門企業は消滅「告発の破壊力は予想以上」
「内部告発の破壊力は良くも悪くも予想以上でした」
2002年1月に新聞社などに偽装の事実を連絡した水谷さんは、そう振り返る。名前もさらけ出しての告発。
それをきっかけとして新聞やテレビが取材に動き、牛肉偽装は連日、トップニュースになった。
雪印食品も事実関係を認めて経営が急速に悪化し、告発から3か月後に同社は解散してしまう。
年商約2億円の西宮冷蔵も深刻な経営難に陥った。長年の取引先が相次いで契約を打ち切ってきたからだ。
さらに「雪印食品と共謀して在庫証明を改ざんした」として、国から営業停止命令を受け、2002年末に休業を強いられてしまう。
資金不足になり、自社と自宅の電気も止められてしまった。
「不正を告発したんだから、てっきり国から感謝されるもんだと思ってたんです。営業停止は青天のへきれき。
取引先が次々と逃げていったのも計算違い。(告発によって)雪印食品のライバル企業は喜ぶだろうと思ったけど、
それも浅はかでした。あとから相次いで発覚しましたが、よその会社も牛肉偽装やってたわけです。畜産業界全体を敵に回してしまったんです」
URLリンク(news.yahoo.co.jp)