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国際宇宙ステーションで氷の結晶成長実験に成功
不凍糖タンパク質によって水が凍らないしくみが明らかに
(JAXAと北海道大学による共同実験)
最終更新日:2017年3月10日
北海道大学とJAXAは、「きぼう」船内実験室において、2013年11月から2014年6月まで、氷の結晶成長実験を行いました。
これは、寒冷環境に住む変温動物の体液に含まれ、その動物の凍結を防ぐ機能を持つ凍結抑制タンパク質(不凍糖タンパク質)を加えた
水が氷点下でどのように凍って,氷の結晶ができ、成長するかを観察し、そのメカニズム解明の一助になろうとする宇宙実験です。
今回、その実験結果をまとめた学術論文がNature系列のオンラインジャーナル"Scientific Reports"にて、3月6日に発表されました。
今回の研究成果は次のとおりです(北海道大学低温科学研究所リリースによる)
不凍糖タンパク質が水中にわずかに含まれると、氷結晶の底面の成長速度が純水中に比べて、3~5倍も早くなり、さらに周期的に
変動(振動)することを初めて検証した。
流氷直下の氷点下の環境に住む魚の体液に含まれ凍結を防ぐ機能を持つことで知られている不凍糖タンパク質であるが、その結晶成長に
対する効果は氷の吸着面ごとに異なり、不凍効果のしくみと関連することを明らかにした。
国際宇宙ステーション内の無重力環境では結晶の周囲で対流などの乱れが存在しないため、氷の成長に対するタンパク質の効果が顕在化
されます。このような実験は対流のある地上では実現困難であり、まさに宇宙実験ならではと言える成果です。
今後、その仕組みの解明を進めていくことにより、氷点下でも魚が凍死しないのはなぜかという生命の不思議を説明するモデルに
書き換えを迫ることが期待されます。
ソース
URLリンク(iss.jaxa.jp)
詳細は、北海道大学のプレスリリース[PDF:448KB]をご覧ください(北海道大学のHPです)。
(研究成果)
氷結晶の成長条件を変えて実験を繰り返し,124 回の実験のうち 22 回で氷の成長速度の精密測定に成功しました。
その結果,不凍糖タンパク質の効果により氷の底面では成長速度が純水中に較べて 3~5 倍も速くなり,さらに周期的に変動(振動)
することが明らかになりました。
従来,不凍糖タンパク質が氷の成長を抑制するために生体の凍結を防ぐと考えられてきたため,氷の結晶成長が促進されることは
これまで予測されていなかったもので,
生体の凍結抑制とは一見矛盾するように見えます。
しかし,実際には氷の結晶外形の効果により成長の速い面は消失し,最終的に最も成長速度の遅い面で囲まれるため成長が止まり,
凍結抑制に対する不凍糖タンパク質の
役割を矛盾なく説明できることが示されました。
URLリンク(www.hokudai.ac.jp)