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半世紀前のビートルズ来日フィーバーを超える破格の扱いだった。
はるか上空に専用機の姿が確認できてから空港に着陸、プーチン大統領がタラップを降り、
特別車両に乗って会談場所の温泉旅館に向かうまで。
15日午後4時42分ごろから約30分にわたって生中継を敢行したのが、NHKだ。
大統領専用機の動きだけを延々とらえた“シュール”な映像は公共の電波のムダ遣いでし
かないが、皆サマのNHK以下、国内メディアは一事が万事この調子。
安倍サマの“北方領土返るぞ詐欺”に加担してきたのである。
安倍首相がプーチン大統領から肩すかしを食らった―
そんな印象に終わった今回の温泉旅館会談。
一時は「歴史が動く一日」とまで呼ばれ、「ひょっとして北方領土が返ってくるの?」と国民に
期待を持たせたが、結局はヌカ喜びに終わった。
安倍首相周辺も「領土交渉で成果を挙げ、その勢いで解散だ」と首相の専権事項をチラつ
かせ、政権の求心力アップに利用したのだから、あくどい連中だ。ハッキリ言って詐欺まが
いの話である。
国民をたぶらかした意味では、メディアも同罪だ。
9月2日にウラジオストクで開催された今年2回目の日ロ首脳会談の直後、安倍首相が
「新しいアプローチに基づく(領土)交渉に道筋が見えてきた。
その手応えを強く感じ取ることができた会談だった」
と力強い言葉で“成果”を強調すると、主要メディアはお祭り騒ぎ。
翌日の大手紙はこぞって「交渉加速」「領土発展に手応え」という大見出しを1面トップに掲
げたものだ。
その後も「手応え」報道一色だから、安倍首相がさも歴史的成果を勝ち取りそうなムードが
国民の間で醸成されるのはムリもない。
そんな首相礼賛、ヨイショ報道の中でも、日刊ゲンダイが選ぶ「ワースト1」は9月14日放送
のNHK「クローズアップ現代+」だ。
●昭和天皇「即位の礼」の刀を返し…
この日の放送には「今一番、安倍首相に近い女性」といわれるNHK政治部の岩田明子記者
が登場。
彼女は9月の会談の最後の記念品交換で、プーチンが安倍首相にロシア所蔵で1928年の
昭和天皇の即位の礼で用いた名刀1振りを贈ったエピソードを紹介した後、こう語ったのだ。
「プーチン大統領は『いろいろな経緯をたどって自分の手元にあったが、こうしたものは祖国
に帰るべきだ』と述べたというんですね」
「そこに居合わせた日本政府の関係者も『まるで日本への島の引き渡しを示唆しているよう
に見えた』と話していました」
天下のNHKにここまで言い切られたら、「本当に返ってきそうだ」と思い込んだ視聴者も多
かったはずだ。
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