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2016年5月31日
理化学研究所
シビレエイ発電機
-強電気魚の電気器官を利用したATP系発電システムの開発-
この発表資料を分かりやすく解説した「60秒でわかるプレスリリース」もぜひご覧ください。
要旨
理化学研究所(理研)生命システム研究センター集積バイオデバイス研究ユニットの田中陽ユニットリーダーらの共同研究グループ※は、
シビレエイ[1]の電気器官を利用した新原理の発電機を開発しました。
火力や原子力といった既存の発電方法に代わる、クリーンで安全な発電方法の開発が急がれています。
そこで近年、生物機能に着目し、グルコース燃料電池[2]や微生物燃料電池[3]などのバイオ燃料電池が開発されていますが、従来の発電法に
比べて出力性能が劣っています。
一方、シビレエイに代表される強電気魚は、体内の電気器官で変換効率が100%に近い効率的な発電を行っています。
これは、ATP(アデノシン三リン酸)をイオン輸送エネルギーに変換する膜タンパク質が高度に配列・集積化された電気器官とその
制御系である神経系を強電気魚が有しているためです。
共同研究グループは、これを人工的に再現・制御できれば、画期的な発電方法となりうると考え、実験を行いました。
共同研究グループは、はじめに、シビレエイ生体の物理的刺激による電気応答を確認しました。
すると、10ミリ秒以下のパルス電流(ピーク電圧19 V、電流8 A)が測定されました。
また、このパルス電流を利用して、LEDの点灯や蓄電ができました。
次に、シビレエイ個体から取り出した電気器官に神経伝達物質のアセチルコリン[4]溶液をシリンジ針で注入する化学的刺激では、
ピーク電圧91 mA、ピーク電流0.25 mA、1分以上の継続電流が測定されました。
シリンジ針の数を増やすことで、ピーク電圧1.5 V、ピーク電流0.64 mAを達成しました。
また、繰り返し発電が可能であること、最大1日程度発電機能を保持できることが分かりました。
最後に、シビレエイの神経系にあたるデバイス・流体制御技術を創出し、ピーク電圧1.5 V、ピーク電流0.25 mAの発電を達成、蓄電が
可能であることを示しました。
本研究は、ATPエネルギーのみで実現できる高効率発電機に向けた第一歩であると位置付けられます。
成果は、英国の科学雑誌『Scientific Reports』(5月31日付け)に掲載されます。
URLリンク(www.riken.jp)