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豊田の消防団員、43人が退団届 藤岡地区、運営費削減巡り対立
愛知県豊田市藤岡地区の御作(みつくり)町など3町で、消防団の本年度予算を巡る対立から、団員43人が一斉に退団届を提出し、地域防災の要となる地元の消防団が解散しかねない事態に陥っている。
御作町の自治区長らが慰留を続けている。
退団を表明したのは御作町、上川口町、下川口町を担当する同市消防団第5方面隊第3分団の分団長を除く男性団員43人。
市消防団などによると、藤岡地区の区長会が他地区を参考に打ち出した消防団運営費の削減方針に沿い、御作町の前区長がことし3月、前年度は70万円ほど計上した予算を、23万円に引き下げた。
消防団員らとの話し合い不足のまま両者の対立が深まった。
御作町の消防団員は、同様に予算を削減された2町の団員と共同で「活動継続は困難」として、3月27日に退団届を提出。御作町では4月7日付で「全員退団」を告げるちらしを各戸に配った。
熊本地震など全国で大規模災害が起き、地域防災の重要度が増す中、住民からは、地域の防火体制が弱まると心配する声も。
現在の御作町の近藤朝夫区長は「消防団員は、地域のイベントで姿が見えるだけでも、防火意識の面で住民に安心感を与えられる」と話し、危機感を募らせる。
市消防団幹部は、退団届を市消防本部に届けずにいったん預かり、区長らとともに団員の説得を続けている。
一方で、分団内の元幹部は「辞めたがっている団員も消防団が必要なことは理解しているが、多数の退団は避けられないだろう」と話す。
豊田市消防本部総務課の須賀基文課長は「分団のほとんどが退団を希望する例は、記憶にある限り初めてだ。現在、退団の理由などについて調査を進めている」と話している。
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