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過激な言葉で、特定の人種や民族への差別をあおり立てる。ヘイトスピーチ(憎悪表現)を許してはなるまい。
自民、公明両党が、ヘイトスピーチの対策法案を国会に提出した。「不当な差別的言動の解消に対する理解を深める」ことを理念に掲げている。国や自治体に相談体制の整備や人権教育の充実を求める内容だ。
民進党など野党も既に、独自の法案を出している。
東京や大阪などの街頭で、在日韓国・朝鮮人の排除を訴えるデモが繰り返されてきた。インターネット上では、動画が公開されている。「朝鮮人を日本からたたき出せ」といった過激な言動は、言葉の暴力というほかない。
京都の朝鮮学校周辺で行われた街宣活動を巡っては、児童が受けた精神的被害を認定し、主催団体などに1200万円の賠償を命じる判決が確定した。
法務省によると、2012年4月~15年9月の間、1152件のヘイトスピーチが確認された。
政府は14年8月、国連の人種差別撤廃委員会から、対策を強化するよう勧告を受けている。
何らかの対処を迫られているのは確かだろう。
法制化で留意しなければならないのが、憲法が保障する「表現の自由」との兼ね合いである。
与野党の法案はともに、罰則を設けていない。そうであっても、行政が恣意しい的に解釈できる余地があれば、正当な表現活動まで制約を受けてしまう。
その点で、野党案には問題が多い。「人種などを理由とする差別」を禁止し、「国や自治体は、差別を受けた関係者の意見を反映させるために、必要な措置を講じる」との規定を設けている。
禁止規定があることで、それを根拠に、警察が現場の判断でデモを取り締まる事態もあり得る、との懸念が出ている。
関係者の意見が直接反映されれば、国や自治体による恣意的な運用への歯止めはないに等しい。
内閣府に差別防止の有識者会議を設け、首相への勧告権を与えるというが、一部の有識者が必要以上の権限を持つのは疑問だ。
禁止規定を盛りこまなかった与党案でも、「他国出身者であることを理由に、地域社会から排除することを扇動する不当な差別的言動」というヘイトスピーチの定義には、なおあいまいさが残る。
国会審議で求められるのは、ヘイトスピーチの根絶に向けた機運を社会全体で高める観点だ。
2016年04月18日 03時01分 Copyright © The Yomiuri Shimbun