10/04/13 17:37:28 KFp5U4RG0
リンクに降り立とうとした一同は呆然としていた。
そこには水が張られてはいたが氷がなかったからである。
信夫先生の威光で閉鎖しているリンクを借りられたとはいえ、
準備がまだ間に合っていなかったのだ。
「どうしよう、これじゃ滑れないよ」
するとそこにヤグディン様ご一行がドドドドドっと入って来た。
「ここだな、光彦じいさんが言ってたところって」
「温泉のおかげで膝の痛みが消えてるうちに滑りたいな」
「お肌もツルツルで嬉しいわ~」
などと口々に話しながら。
もちろん、ジュベールはパン一でヤグディンは腰ミノのままである。
他に服を持って行かなかったので仕方ない。
「しめた、ヤグプルコンビだ」
「プルシェンコさん、ご無沙汰してます」
「ああ、小塚じゃないか、元気だったかい?」
「今日はヤグディンさんも一緒なんですね、おふたりは仲良しでしたっけ?」
こころなしか気温が下がった気がした。
小塚は更にまくしたてた。
「そういえば凄かったですよね、ソルトレイクオリンピック。
あんなにハイレベルな闘いなんてそうそうないですよ、
プルシェンコさんもヤグディンさんも素晴らしくて。
ああ、そういえばSPで転倒したんですよね、大変でしたよね」
リンクが無事凍ったのは言うまでもない。