10/04/17 21:18:30 H7nWgL0+0
案の定ツイッター中継しているアボであったが
わりとすぐにメリルから「どういうこと??」というコメントがついていた
こちらから近づけばいい、とは思ったものの
一向に子供の姿は近づかない
むしろこちらが近づけば近づくほど遠のいていくような気がする
「怯えることはないよ、こっちにおいで」
子供の顔が一瞬引きつったように見えた
吸血鬼に呼びかけられたら子供じゃなくたって普通おどろくだろう
今ここにりっぽんがいなくてよかった、とアボは思った
379:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/17 22:05:22 V/S3ZoSXO
「あんた目が怖いんだよ!
そんな怖い目じゃだめに決まってるさ。」
(…お前に言われたくないわ!)
Pチャンの言葉に一同はそう突っ込んだ。
ただ確かに暗視しているからか、べるるんの目は赤く変化している。
やっぱり僕が怖いのかな…?
べるるんがそう思った瞬間、後ろから
「あ゙ぁあ゙あ゙あ゙ぁあ゙あ゙ぁ!!!!」
そこには拘束服のADSLが立っていた。
子供ADSLは青年ADSLを見て顔を引き攣らせたのだ。
子供ADSLは頭を抱えてうずくまってしまった。
「先輩がた…俺のピアス、返しに来てくれたんですか?」
ニヤニヤ笑いながら話かけるADSL、どことなく狂気が見える。
トラ「悪いが鼻ピーは渡さん!」
ユヅ「この子をルトコフコーチの元に連れていくんです。
…邪魔しないでください!」
ミハ「お前の為なんだぞ、ポゥッ!」
P「お前、コーチに心配かけて何笑ってんだよ!」
ニヤニヤ笑いは消え、真顔になるADSL。
「じゃ…出てってくれませんか?
ここ、俺の夢なんで。」
拳を強く握りしめ、睨みつけるADSL。
「先輩だろうと容赦しませんよ?」
「アドリアン…僕らは君たちを助けるために来たんだ!
僕達も引き下がる訳にいかない!」
べるるんがそう言うと一同はADSLに向かって臨戦ポーズをとった。
アボットもツイッターに
「今から闘うかも…でも負けないぜ!メリル待っててくれ!」
と書き込み、携帯をしまった。
380:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/17 22:20:55 CxxHJYEL0
『僕はもう、五輪へ行かない』
思い出すのはユーロだ。タリンのあの日。
『五輪の一枠は、アドリアン先輩が取るべきです』
アドリアンよりも更に年が若い後輩の言葉。
どうしてって。
先輩の方が若いし、伸びしろがあるからですよ。
拘束衣姿のADSLが、にやにやと不遜な笑みを浮かべている。
厳しい視線を送り、べるるんは、唐突に脳裏にちらつきだした回想を振り払うように頭を振った。
ちがう。そうじゃない。そうじゃないんだ。
軽鎧に身を固め、空気の刀を腰に佩き、リンクに立った。
この試合で結果を残すことができれば、僕はまた、あの舞台に一歩近づける。
SPの結果は上々だった。それはもう、恐ろしいくらいに。
けれど。
「……クリストファー!」
トラの声が聞こえる。視界が赤く染まるのを感じた。
どくん。
心臓が跳ねる。瞼にかかる髪が、いつかの赤に変化した。
どくん。どくん。どくん……
アドリアン。僕はね、お前がいてくれて、本当に嬉しかったんだ。
けれど、僕は、お前が羨ましくてしかたがなかった。
誰かの背を追いかけることができること。
舗装された道を歩けること。
イエテボリワールドだって、ストックホルムアイスだって、エントリーシリーズだって、
僕の目の前にはなかったんだ。
だからね、アドリアン……
381:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/17 23:00:53 U/L1m3+NO
一方長老の居場所を探すプル達一行。
深夜のホテルの廊下をジェーニャに備わった感応力を頼りに歩いていると、不意にジェーニャが口を開いた。
「ところでジェフ、前から聞こうと思ってたんだけど」
「え?何だい?!」
まさかプルシェン子の寝顔を撮影しようとしてたのがばれたとか?
一瞬冷や汗をかくバトル。
「・・・君の防護服、なんで僕のMJメドレーの衣装と同じデザインなんだい?」
とりあえず写真の件はばれてなかったようだ。
良かったね、ジェフ。
382:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/17 23:15:31 s3NTCyPH0
「妬ましいとかそういう感情も無いわけでは無いけどさ」
痛む胸を押さえながらアドリアンに向き合う。
「僕に比べたらあんなに恵まれた環境に居るお前が、
こんな所で立ち止まってるなんてさ」
スコアは抜かれた。最高順位にも並ばれた。
また彼以上の成績を出すには正直な話、厳しいだろう。
だが今の彼がするべき事は後輩を叩き潰す事ではない。
先輩として、教育してやらないといけないのだ。
「許容出来る訳ないじゃないか…同じスケーター道を行く者としてはね!!」
「なっ、速っ…」
クリストファーが丘を滑り、前向きで踏み切る。
そうだ、それは。
スウェーデン初のトリプルアクセル。
「ぐ、がはっ…!」
横腹に強烈な衝撃を叩き込まれアドリアンが弾き飛ばされる。
決まりさえすればクリストファーの3Aは破壊力抜群だ。
「アドリアン、君の言葉を借りるなら『全くいらいらする』…ってところかな?
これで終わりじゃないだろ。立てよ。とことんまで付き合ってやるから」
383:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/17 23:37:34 H7nWgL0+0
ゆづるは後ろを振り返った
さっきまで遠くで走っていた子供が、さっきより近寄ってきている
あと少しだ、自分の力で走れ。光の差すほうへ。
384:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/17 23:53:50 CxxHJYEL0
血の色をした瞳を向け、べるるんは微笑んだ。
「僕達はけして仲のいい友達じゃない」
記憶はないが、昨晩のような吸血衝動はない。
「君にとって今の僕は、好敵手でさえないのかもしれない」
今なら跳べる。だんだんと重くなりつつこの脚でも、高く、遠く、鋭く。
「けれど、お前は僕の後輩で、僕たちの国を背負う、誇り高きスケーターだ」
まだ赤く、プリンス・イーゴリを演じていたころ、今よりもずっと年若い姿。
しかし意識は手放さず、一人でもこの道を進み続けたべるるんのものだった。
ADSLから繰り出された4Tは、得意の爆ダンスステップで回避した。
すかさず跳んだ1Aを受け止める。ちっとも重くない。
まるで自分の体ではないような高揚感。今ならなんだってできる。
悔しくないはずがなかった。
羨ましくないはずがなかった。
もうお終いだと何度思ったかわからない。
跳べなくなったって、辛くたって、苦しくたって。
もうリンクの上に立たなくてもいいと云われるかもしれなくたって。
僕はまだ、笑顔が見たい。素敵な時間を共有したい。
「僕はまだ跳ぶよ。だからアドリアン、お前も、こんなところで囚われてないで、さっさと戻って来い!」
385:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 00:04:00 O8A8dWxu0
あいかわらずの何を考えているかさっぱりわからない笑みで、青年はこちらに歩み寄ってきた
更生したのかしてないのか。
手が届くような距離まで近寄ると、いきなり彼は、先輩の脇腹を蹴った。
そしてきびすを返して数歩歩いたあと振り返って、笑った。
「死ねばいいのに」
386:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 00:07:51 Q+Ln1eI90
つなぎも先の展開も何も考えずに書き込むってのがもうね…
387:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 00:15:24 Uxvebu98O
傍から見守るスケーター達。
何かあれば手伝おうと思っていたが、これは手出し出来ないと悟った。
これは男同士の戦いであり、先輩後輩二人でないと分からない話だ。
その中でもトラはこの戦いに一番心が動かされていた。
自分も少なからずべるるんのような気持ちを抱いていたからだ。
隣のミハルを見てみるとちょうどミハルもこちらを向いた。
彼も何か感じたらしい。
思わずトラは吹き出して言った。
「…ハハッ、今度は負けないからな、覚悟しとけ!」
「…こちらこそ受けてたちます、今度はせめて自爆しないで下さいよ!」
ミハルも笑いながら言い返した。
388:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 00:17:00 M4AsM0Fh0
ADSLが目覚めるまでは深夜って事でいいですか?
女子部屋は朝になってましたが・・・
「この部屋だな」
プルシェンコはドアの前で立ち止まった。
「さて、どーすんだ?」
「・・・どうするって、こんな時間に尋ねたら迷惑じゃないかな」
「そうよねぇ・・・朝になってから出直しましょうか?」
「僕がここに来てもなんの反応もないって事は、
寝てるかすっかり耄碌して能力が弱くなってるかのどっちかだと思うよ。
僕に知られないようにフィルターかけてる可能性もあるけど」
そこまで話してプルシェンコはふと男子部屋のドアに目をやった。
「なんだ?よくわかんないけどおかしな事になってるような」
「静かだな、みんな寝てるんだろ?」
「いや・・・眠ってはいないと思うよ。ちょっとノックしてみてよ」
バトルが控えめにノックをするが返事がない。
「やっぱり寝てるんだろ?」
「どうもせわしなく動いてるような気配がするんだ」
「なぁ、俺もう寝たいんだけど。お前らふたりがグースカ寝てた時も
俺たちは寝てないんだ」
「言われてみればそうだな、悪いけど明日に備えて僕も寝たい」
「ねぇどうするのジェーニャ」
「なんか気になるんだ・・・中で何か起こってるんだよ。
でもおそらく力になれるのは僕とジョニーだけだ。
先輩とジェフは明日に備えて眠ってくれ」
ヤグディンとバトルは性別不明部屋に戻ってベッドに入った。
「ジェフ、どうやら普通の人間は俺達だけになっちまったみたいだな」
「・・・そうだな(ってあんた自分が普通だとでも?)」
389:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 00:20:02 lWzzdZlZ0
>>386
同意
いろいろがんばってる職人にも失礼だし、読んでる人にも失礼。
何よりここに登場している選手達にいちばん申し訳が立たないと思う。
自分も何度か書き込んでいますが少なくとも選手達生身の人間を
描いている以上、自分は選手達の失礼になるようなことはしたくないし
パロディはあっても必ず救われように着地点をもって書いている。
横レスすみません。
390:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 00:20:51 lWzzdZlZ0
>>388
無問題です
391:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 00:32:12 O8A8dWxu0
ごめんなさい、なにも考えませんでした
しばらくROMります
392:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 00:49:03 75S9Db+JO
バトルは夢の中で小塚からあの愛らしいトイプーをもらう夢を見た。
今後、請求書の嵐をその身に浴びる彼にとって
その夢は唯一幸せな瞬間だったかも知れない。
393:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 00:49:14 Uxvebu98O
>>386
自分も書いてたけど昨日は特に多くて正直困った
自分も極力流れに沿って失礼にならないように書いてるつもり
自分も失礼だったらスマン
>>385は無しって方向でいいのかな?
394:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 00:52:30 Jwp94M0PO
>>374も無しで良いよ
せめて時間の流れ位把握して書いて欲しいし、書いた後に一旦リロードして新たな書き込みないか確認してから投稿して欲しい
395:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 01:03:46 U7SKOVMmO
青年ADSLは酷く焦っていた。
渾身の4Tがかわされた。更なるジャンプもステップで相殺される。
その姿には余裕すら感じられ、そのことが更に彼を苛立たせた。
「ああああああ!」空気を震わす勢いで叫んだ。すかさず絶叫が返ってきて相殺された。
(何で、何でジャンプもシャウトも効かないんだ?
そもそもこいつは何なんだ、人の夢に勝手に入り込んで分からないことを言って…
俺は一人でも平気なんだ、あの「変身」の力さえあれば!)
その時、一瞬青年ADSLにおかしなことがおこった。
視界が急に低く遠くなった。赤毛の先輩を見上げる形になった。
この一瞬。青年ADSLの感覚は少年の自分のものになっていたのだ。
スウェーデンでスケートを始める少年が一番に見上げるその姿。
彼のような表現力を手に入れようと必死に勉強したこと。
暗闇にさしこむ光のように色々な感覚が押し寄せ、青年ADSLは怯んだ。
少年は、偉大な先輩とその先の老人に向かって真っ直ぐ走ってきていた。
396:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 01:52:21 zOpFcZaB0
「おいで、アドリアン……急がなくてもいい。こけてしまうよ」
声がきこえる。
だれの声だろう。コーチの声じゃない。
いそがなきゃ、はやく、あの光のむこうへ、丘の上へ、あたたかな場所へ行きたい。
いくら走ってもたどりつかなくて、かなしくて、べそをかきそうになった。
けれど不思議なことに、すこうしずつ、距離が縮んでいるような気がする。
「あっ」
少年は大きな石に足をとられた。視界がぐらりとめぐる。ぶつかる!
「馬鹿だな。まだお前には、たっぷり時間があるのに」
「ごめんなさい、クリストファー」
「よくできました。さあ、おいで。コーチのもとへ行こう」
礼儀を重んずる姿勢は、べるるんが自らのコーチに学んだことだ。
アドリアンのプラチナブロンドをくしゃくしゃと撫でて、べるるんは変わらない笑みを浮かべる。
手を差し伸べる。走ってきた少年と、うずくまる少年が重なった。
「帰ろう。喧嘩をするなら目覚めてからだ。僕はカンフーをやっていないから、そこまで強くないけどね」
「だいじょうぶだよ。俺、てかげん苦手じゃないから」
「得意なの?」
「得意ではないけど、苦手でもないよ」
「どっちだよ」
「どっちかな」
瞼裏に光を感じる。
目覚めの時が近づいてきている。
小さなアドリアンと赤毛の先輩を、スケーターたちは温かく迎え入れた。
397:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 01:57:11 I7wOmEuB0
れが複数あるから把握難しいしなあ・・・・・・自分把握できてる流れ1個だけだ。
まだ巻いていく必要はないけど、流れの合流は意識していたほうがいいかも。
今ある流れってこれくらい?
inADSL一行(主に男子部屋メンバー)
暴走するADSLを助けるためにミハルの力で夢の中に向かう。チェコ&スウェーデンの先輩後輩が光る。
キーキャラクター
ADSL:無限の変身能力が暴走。先輩に心配かけるなよ
べるるん:後輩への責任感から立ち上がる。飛べ! SWE初の3A!
ミハル:春日が抜けきってないミカエル。夢への進入は彼のおかげ。
他の皆
Pチャン(ヒトデ) ユヅル トラ ジェレミー
ユカ:「^^」のドSコーチと専らの噂。皆をADSLの夢に送り込む。
プル一行(主に性別不明部屋)
クリプトンネタのためかシリアス続きだった一行。
過去の記憶と感応力を手に入れたプルとともに、長老を探している。男子部屋に何か起こっているのはわかっているようだが、乗り込むのか?
登場人物(ここはぶっちぎりで少ない)
プルシェンコ:新型ウイルスとひとつになった過去の心は消滅。もしかしたら唯一の快癒者? 事件解決のために長老を探す。
ジョニー:「私主役よ! DIVAよ!」ルシファーになったDIVA。プルを助けに夢の中に行くが動機が不純だったためかあまり目立てず。
ヤグディン:DQN皇帝。イタズラの限りをつくすが、さすがに眠くなったらしく寝る。
バトル:金髪美女に現を抜かす浮気者。マオにいいつけるぞ。さすがに眠くなって寝る。
398:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 01:58:11 I7wOmEuB0
小塚一行
3つのアイテムを手に入れた小塚。しかしどうにもこうにも・・・・・・
ここは時間が朝になってしまっている。
キーキャラクター
小塚:ポテンシャルあふれるスケーターということで狙われたりセッボ踊らされかけたり。前作から苦労続きの裏主役を続投してたのか。
未来:名前ネタが生きる未来。預言者として結構大変そうだ。
長老:クリプトン星最後の長老。まだ何か秘密があるようだが・・・・・・
小塚光彦:長老と一緒にまだ何か隠している様子
他の皆
布袋さん ボロデュリン?
女子部屋一行
夜は寝てます。ここも時間は朝になっている。
寝てる人々
マオ:朝になったら舞がわんこに。
美姫:安定変身可能数はかなり多いぞ。
タラソワ:毛皮になってたが元に戻れた。近くにヤグディンいるぞ?
ほのぼのランビ宅一行
心の癒しランビ一家。ここだけまだスイス。
登場人物
ランビ:残念なイケメン〈ネタ)の地位を確立させたテントウムシ。かっこいいフラメンコダンサーやスイスの英雄になれる日は来るのだろうか?
ゲデ子:牝牛になったケゲデ子。牛乳をくれたり、その巨体で敵を追い払ったり。
ヴォロ:体調不良の狼。ブレード割れが心の傷。
リンデマン:小さな体に紳士の勇気リスデマン。ゲデ子を見捨てられず立ち向かった。
アモ:ちっちゃなハチ。
チャッキー:クワドエルフの異名のようにエルフに。サイズは人間よりやや小さいくらいだとか。
ポンちゃん:夏服と冬服の使い分け間違えるなよ。
KVDP:4-3-3で世界を飛ぶスーパーマン。嫁のジェナは大丈夫か?
一応敵。
目的:新型ウイルスを使い新たな強いスケーターを生み出すこと?
新型ウイルスの抗体を作り、ポテンシャルの高い未来と小塚に投与するとか言っていた。
新型ウイルス:クリプトン星のウイルスが人類に合わせて進化したもの?
「絶望」がキーワードの様子。今のところ新型ウイルスを消滅させたのはプルシェンコのみのよう。
・・・・・・把握し切れてない流れと登場人物の補完をよろしくお願いしますorz
どこいったのかわからん人が多すぎる。
>>397
れの前に流の文字があったのにコピペしたときミスったorz
399:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 02:08:42 E0+DPtzz0
>398
ブレード割れたのはボロ
ハチはアルバン様
400:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 02:12:05 M4AsM0Fh0
まとめ乙だよ。
補足
飼育員さん:カナダのとある水族館勤務、無脊椎動物担当のクリプトン星人。
寿司屋までは確かにプルたちと一緒だったが今は行方不明。
例の本の解読の為に拉致られている可能性がなきにしもあらず。
ところで金メダリストなのに忘れ去られがちなライサは今いずこw
401:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 02:33:22 zxxK9sq6O
ジュベもいないねw
402:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 02:33:26 wNOpXSur0
まとめ乙です!
ライサ素で忘れてたw プルに惚れる役今回バトルだし
べるるんとADSLの流れ作ってくれた職人さんにはマジで感謝!
スウェーデンだけの番外編欲しくなったよ
カプ萌え要素もべつにいいけど真央の場合相思相愛なのは、エアロ(運命)タラソワ(もふもふ)ロロ(パパ)ヤグ(父兄参観)のみだからいいのであって同じくプルはミツン、ライサはタニス、ミライはでー(ミーハー)
そこがブレると面白くなくなると思ってる
403:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 02:54:39 P30WY1RiO
まとめ様乙です。
小塚一行(布袋部屋)
の奥のツインには小塚と一緒に寝ている大輔が、くまもん抱きしめたり小塚にちょっかい出したり。
光彦じいちゃんは最上階の1フロア下の部屋に役員と泊まっているっぽい。車には大量の由布院T温泉水。
長老はプルのスケパシーによると布袋部屋?布袋の隣に寝ているか布袋部屋だけ3部屋あるのかは不明。ボロドゥリンはギターのまま布袋の相棒に。
404:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 03:07:13 CQwVLziz0
まとめ乙です!SWE先輩後輩編、すばらしい連携でした!
男子部屋前のジェーニャとジョニ子拾います、一瞬「ジェーニャ参戦か!?」と思ったんだが…
…プルシェンコとジョニ子は、丘の上に立って眺めていた。
クリプトン星長老を探す途中、男子部屋の異変に気付き、
ジョニ子の力を借りて夢の中に来たのだ。
「…ふーん、あのパツキンピアスサイコ野郎もなかなかやるね」
たしか前にもどこかで跳ぶのを見たし、五輪の評価も知っている。
スウェーデンの…名前なんだっけ、忘れた。
「パツキンサイコw…ジェーニャったらあんまりよ、あの子の名前は…」
ジョニ子があきれて言いかけた時、
「アドリアン」
「え?」
二人の隣に小柄な老人が並び、やはり丘の下を眺めていた。
「アドリアン・シュルタイス。憶えておいてくれたまえ」
「これはこれは…コーチまで来るとは、穏やかじゃありませんね」
「ああ、ちょっとトラブルに巻き込まれたようだが…」
金髪の少年と赤毛の青年、仲間たちが光の射す丘の方に向かって来る。
「…どうやら僕の出番はないみたいだな」
「せっかく来たのに…もう終わっちゃったの…でもいい光景だわ」
ぶつぶつ言いながらも、うっすらと涙ぐむジョニ子。
プルシェンコがにやっと笑うと、老人も微笑んだ。
「僕らもやる事があるので、これで。行こうかジョニー。
…では、ソチでお会いましょう」
老人にそう告げると、プルシェンコはジョニ子と共にすっと消えた。
405:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 03:18:20 P30WY1RiO
焼肉レストランから帰って来て一番活躍しているのがPちゃん…なんだかんだ言って愛されキャラw
焼肉レストラン組はキャシー(女子部屋)を除いて男子部屋にいるはず。
ベッドルーム満員につき、恐らくリビングあたりに雑魚寝しているかと。
男子部屋リビングで熟睡中?:ライサ(黒電柱)、ジュベ(パンいち007)、フェルナンデス(海賊)、信成、クリス(栗栖)あたり?
406:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 04:37:40 P30WY1RiO
時間はやや戻って、バースデーパーティーの最後の方。
崇彦と大輔は、リビングの隅で未来に長老と光彦から聞いた話をしていた。
大輔「…というわけ。だから、これから俺と崇彦は未来と3つのアイテムを守ろうと思ってる。」
未来「なんだかびっくり…ミライにそんな使命があるなんて…」
崇彦「もしこれからでもこれまででも何かビジョンとか夢をみて思い出したものがあったら、俺達に話して欲しいんだ。」
ユカ「なかなか興味深い話ね^ ^」
大輔「ユカさん!」
ユカ「話は聞かせてもらったわ。
実はアドリアンがさっきこの部屋でべるるんの話をしていたんだけど、ジョニーに輸血された事でいろいろ変化があったみたいなの。
ちょうど未来も休んでいて聞いていなかったから、かいつまんで話すわね…」
ユカの話を大輔、崇彦、未来は真剣に聞いた。
崇彦「今日1日だけでもいろいろあったし、これまでの情報をきちんと文書にまとめた方がいいよね。
整理しながら新しい情報を書き足して行けば、いろいろと見えて来るかもしれないし。」
崇彦はPCにまとめる事にした。
バースデーパーティーは、ほどなくお開きになった。
407:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 04:59:09 CQwVLziz0
「もう行くの?最後まで見届けましょうよ…」
ADSLの夢から抜けようとする時、ジョニ子は名残惜しそうにつぶやいた。
「いや、もうそっとしとこう、彼らに任せて」
そうね、でも…プルシェンコの言葉を聞きながらも、ジョニ子は薄れて行く景色の中、振り向いた。
その目に入って来たのは…
…光の射す丘の上、プラチナブロンドの少年が、小柄な白髪の老人のもとへ飛んで行く。
両者は、まずガシッと叩くように握手を交わし、そして固く抱き合った。
抱擁を解くと老人は…ゲンコツで少年のこめかみをグリグリした。いい笑顔で。
少年は痛そうに顔をしかめたが、おとなしくされるままにして…そしてニヤッと笑った。
赤毛の青年が吹き出すのと同時に、仲間たちも声を上げて笑い出す…
それらの光景すべてが、白く薄れて行き、再び男子汚部屋にゆっくりと戻って行った。
「…ねえ今の見た!?アタシ、涙でちゃったわよ…見なかったの?アンタ絶対損だから!」
「シーッ!起こすんじゃないよ、早く出よう…僕らは僕らの仕事がある」
ジョニ子とプルシェンコは、雑魚寝してる連中を踏まないように、そっと部屋を出た。
黒いのだけはちょっと、いやかなり踏んじゃったみたいだが。
そして…
「おはよう、あなた」
ルトコワと、目を覚ましたルトコフが、微笑み合った。
何があったのか、後で聞かせて。妻は黙って、夫の白髪を手櫛で梳いた。
…まぶたの隙間から、淡い光が…
ここは?ベッドに寝かされている…起きる時間?…もうちょっと…
「…アドリアン!?…いや何も言うな…」
誰かがのしかかるようにして、鋭く囁いた…
俺?…大丈夫だよ…きっと目を開けたら…すっごく爽快な気分だと思う…
大きくひとつ、深呼吸した。
408:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 05:15:19 zxxK9sq6O
男子汚部屋www
409:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 06:04:16 usByP7J1O
>>402
細かいこたぁ(ry
職人に任せとけばいいんだよ
スウェーデン組いいな。いい味だしてる
410:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 09:28:38 dQ4ZPsWB0
SWE職人さんたち超GJだよ!
みんなに特製花冠プレゼントしたい気分だよ!
411:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 09:52:14 R7zquqcLO
>>410
コストナーさん、乙!
412:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 10:06:31 /1JEGZ6yO
ところで、ムチムチ黒猫のイーラはどこにいったんだっけ…
413:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 10:19:14 zOpFcZaB0
旧型ウィルス、新型ウィルスについてけっこうわけがわからなくなってきている……w
小さな流れだけど、早稲田のムロズさんたちとか、アリッサラとかも進めてあげられれば……
414:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 11:15:51 I7wOmEuB0
「で、どうするのジェーニャ? まだ夜中だし、あの部屋に乗り込むには早いでしょう。私たちも寝る?」
閉じられゆくドアの向こうで、めためたに踏みつけられたライサが倒れているが、黒すぎて闇と同化しているので誰もry
「ん・・・」
プルはじっとドアを見つめている。するとドアがそろそろと開けられ、中から老人がでてきた。
「隠し切れないようじゃの」
長老だった。
「お久しぶりです。最後に会ったのはクリプトン星でしたね」
「スケート力が安定しておるようじゃの・・・新型ウイルスに打ち勝ったのか」
「打ち勝ったとは少し違うと思います。僕はあの絶望を受け入れました。自分と向き合い、絶望を受け入れた上で希望を持つことが、ウイルスに勝つ方法なのでしょう」
「ふむ、なるほどな」
「長老。この事件について何かご存知なのでしょう。事件解決のために協力していただきたい。ウイルスを持ち込んだクリプトン星人が責任を取るべきです」
「わしもそう思っておるよ。いくつか手を打っておる」
「それも含めて、知っていることを教えてもらえますか」
「かまわんよ。だが、それには感染したスケーターが全員集まってからの方がいいじゃろう。それまで待ってくれるか」
「そうですね。説明の手間も省けます。世界中に散っている皆を探してみます」
「わしはそれまでこの部屋で待っとるよ」
「では」
プルは踵を返した。
「・・・・・・わしたちのことを、怒っているか?」
ホテルのエレベーターに向けて歩き出したが、長老の言葉で立ち止まる。プルは答えず、そして振り返らず、また歩き出した。
エレベーターにのり、1階に下りる。ジョニーは一緒にエレベーターに乗った。
「ジェーニャ。どこにいくの?」
「皆を探しに行こうと思って」
「探すって、確かスイスにいる人もいるし、探してもどうやってここにつれて来るの?」
「え、簡単じゃん」
プルシェンコはホテルの外にでた。
「かくちーかくちー!」
あ、その手があったか。
こうして、プルとジョニーは世界中にいる感染したスケーターを探しに(スレ内で行方不明の人を再度登場させるため)、ロシアの宇宙船で飛び立ったのだった。
※プルはロシアの国家機密宇宙船を「かくちーかくちー」で呼び出せるぞ! 詳しくは前々スレで!
415:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 11:16:17 Uxvebu98O
>>400
性別不明部屋でプルやジョニが目覚めるまでは起きていたもよう
多分性別不明部屋でヤグバトルより先に寝ちゃったのでは
あとテン君…自分が書き忘れたのが悪いんだけど寿司屋からプル達と戻ってきて性別不明部屋で寝てると思う
ジュベは白鰤からレンコン衣装、イーラは早稲田研究所
小塚や真央関連の朝になってた話は無しの方向らしい
まとも乙なんだけど一番確実なのは読み直しだなw
416:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 11:20:59 dQ4ZPsWB0
自分で書けるだけの文才ないんでお願いになってしまいますが、
宇宙船が迎えに来る前になんとかヴォロを救ってやってください・・・
職人さんお願いします・・・
417:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 11:39:12 vn4iSBqj0
【早稲田研究所組】お留守番中。T温泉の湯が送られてきている?
・あっこ(カメレオン。尻尾を赤いリボンを巻いている)
・ジェナ(不明)・キーラ(婦警)・レピスト(未亡人)
・ロシェット(テリーマン。ちなみに超人強度は95万パワーらしい)
・カロリーナ(アルパカ)・りっぽん(生首)
・無良(ウリ坊。新型に感染していたが3Aを飛んで人間に戻った)
・南里(鱈。フタ付きの水槽にいる)・奈也(あひる)・イーラ(黒ねこ)
・経営者(経営者。外見だけでなく中身まで老人に)
・ムロズさん(マネキン人形。顔の右半分にヒビが入っている)
・サラ&アリッサ(まねき○こダックが分離したときに人間に戻ったが、中身が入れ替わってしまった)
・信夫・長久保コーチ・ゆかり・静香・本田(旧型抗体持ち)
・村主(ピエロ、現在拘束中。老紳士の指示で動いていた)
過去スレと記憶を頼りに早稲田組をまとめました。
抜けやミスがあれば、補完をお願いします。
418:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 11:49:12 NLIzN+AMO
遂に宇宙船ktkr!!
これだけ壮大になっても1スレから世界観繋がってるのが凄いw
419:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 11:50:00 Uxvebu98O
>>415
まとも乙じゃなくてまとめ乙です、ごめんなさい
ADSLを囲んで手を繋ぐ6人のスケーター。
一時プルとジョニ子も合わせて8人だったがそれはユカさんしか知らない。
途中べるるんの顔が苦しげに歪んだり、髪の毛が赤くなったりしたが今は笑顔だ。
ADSLも顔色が良くなっていく、笑ってる。
連動して手を繋いで眠っているスケーター達も皆笑顔になる、なんて微笑ましい。
ユカさんは携帯で写真を取った。
「…何だかんだ一番可愛くみえるのはジェレミーなのね^^
コーチの宿命ってやつかしら?
…起きてたら絶対言わないけど^^」
「さーて、どういう気分かしら?
あなたの為にみんなが夢まで来たんだから良くなってるわよね、アドリアン^^?」
笑顔で大体分かるが一応尋ねる。
まだ起きたばかりのADSLを少し前に起きたスケーター達が囲んでニヤニヤしている。
べるるんも赤毛のままだがADSLの真似か、ニヤニヤしていた。
「心配かけてすみません、ありがとうごさいました先輩。…と皆さん。
俺はもう大丈夫です、多分。
…何ニヤニヤしてるんですか!」
「…おっと、これを返さないと!」
トラはADSLに鼻ピーを差し出した。
「鼻ピー…今の俺には要らないけどもしもの為にも持っときます。」
「あぁ、コーチが心配するからね。
僕にも心配かけてたし…頼むぞ後輩!」
べるるんが後輩の肩を軽く叩く。
それを合図に一同がドッと笑った。
実はライサも起きていたのだが笑える体調じゃなかったので黙っていた。
それぐらい踏まれていたのだ。
420:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 11:54:50 zOpFcZaB0
そのころのスイス・ランビエール宅
他愛もない話をしたり、思い出を語ったり、なんとか狼ヴォロが戻ることのできるよう苦心するKVDPとポンちゃんとゲデ子。
リビングが随分静かになっていると思ったら、チャッキーがやってきた。
「ランビエールさんもアルバンさんも、お疲れで寝ちゃってます……」
チャッキーはその手に箒をもっていた。
どうやら、改めて掃除をはじめたリンデマンのお手伝いをしているらしい。
てんと虫も蜂もリスも、温泉水の力によって人型に戻ることができた。
あとは、狼ヴォロと、ゲデ牛だけだ。
(……このままだと駄目だわ)
ヴォロは弱っていくばかりだ。事は急を要するかもしれない。
ポンちゃんとKVDPも顔を見合わせる。
(ポンちゃん、ケビンさん、ヴォロを早稲田につれていってあげて。ここよりも向こうのほうが、治療がよくできるのでしょう?)
421:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 12:03:15 zOpFcZaB0
ゲデ子の提案に、ポンちゃんもKVDPも眉をひそめた。
早稲田からKVDPが跳んだ際、かなりの力を必要とした。それほど、スイスと日本は遠い。
人型に戻ったばかりのランビやアルバン、リンデマンをフォローしつつも、狼ヴォロとゲデ子を運ぶ。
それを、ポンちゃんとKVDPとチャッキーでやらなければならないのだ。
4-3-3で跳んできたKVDPも、疲れが癒えきっているわけでもない。
二人が一体何を考えているのか、ゲデ子は理解していた。
(私はここに残るわ。温泉水を手配してもらったみたいだし、温泉水が来て、戻ることができたら、合流するから)
「あかんて。また襲撃があったらどないするん」
「ポンセロの言う通りだ」
(あら。貴方達に、私を抱えて跳べる余裕があるの?)
意地悪い笑みを浮かべて、ゲデ子は首をかしげてみせる。
(大丈夫よ。静かにしていれば、この家にスケーターが残ってるなんて、誰も思わないわ)
肩をすくめ、ゲデ子はバスタブのヴォロを覗きこむ。
(ヴォロ、きっと、もう少しでよくなるわ。早稲田にはスケーターたちもいるし、大丈夫よ)
422:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 12:17:08 zOpFcZaB0
バスタブの中で、狼ヴォロは、二人と一頭の会話を聞いていた。
どうして自分はこんなに非力なんだろう。
どうしてこの体は言うことを聞いてくれないのだろう。
みんな、あんなに自分に良くしてくれたのに、足手まといになるどころか、
エレーネを置いてけぼりにしなければならない事態になりつつある。
そんなの嫌だ。そんなの駄目だ。
奥歯をかみしめて、ヴォロは念じる。
戻れ。戻れ、戻れ!!
(エレーネを置いていくことなんてできるわけないよ……!)
てんと虫と蜂の姿から安定した人型に戻ったランビとアルバンは、リスデマンが作った
キューティーハニー衣装を宛がい合い、バスルームの事情も知らないまま、
縛られている襲撃者たちをどついたりつついたりし、
ときどきリンデマンのお掃除を手伝ったりしていたが、はしゃぎ疲れてソファーで船をこいでいた。
某DVDのおかげで割れた窓ガラスの破片を集め、リスデマンは黙々と掃除をする。
ランビの寝室からタオルケットを持ってきたチャッキーは、眠る二人にそっとタオルケットをかけてやった。
早稲田に行くのだったら、みんな一緒だ。
ゲデ子の巨体をはこぶには、ランビとアルバンの力も必要となる。
423:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 19:00:20 zOpFcZaB0
ウィルスについてまとめてみた。テンプレは前スレ>>206から頂きました。
●旧型ウィルス●
【発生時期】98年に初確認.その後02年,06年とオリンピック年ごとに流行.2010年の今回が最大規模の流行
【起源】クリプトン星 98年に確認されたものは、82年にプルヤグが持ち込んだもの。
【症状】別の生物/無生物に変身する
最も古い型と考えられるのは「EX衣装に関連する姿」(ジェーニャ,村主,コルピなど)に変身する型だが,
「本人の好きな動物」(ランビ,高橋,ADSL等),「EX以外の衣装に関連する姿」(美姫,トマシュ,ミハル等)
「本人と関連するイメージの何か」(ライサ,信成,ロシェット,べるるん等)に変身する亜型もあるようだ.
また変身後も変身前の本人の特徴を残している場合もある(Pちゃん,カロリーナ等)
心の動きでウィルスの活動が変化する。(精神不安定な時はウィルス活性化?)
また、人格化し、新型ウィルスから宿主を守ろうとすることも。
宿主の潜在意識に働きかけて夢を見せる。(プル、ADSL、信成、べるるんなど?)
【防護服】ジェーニャの金ピカマイコーメドレー衣装
【ワクチン】現在バトルの所属大学が頑張って開発中。日本でも並行して開発されている。
【治療法】対症療法だが,感染者の「好きなもの」「大切な人」を他人が言い当てると症状緩和(変身状態が解除)
しかし症状が緩和しただけで、ウィルスは消滅するわけではない。
カナダで作られた培養液も症状緩和ができるが、見た目が大変なことに。
簡易培養液でも症状の緩和は可能。
また、湯布院の某温泉の温泉水も効果がある。
せっぼんを踊ることで完治する。
スケートカの安定により変身を完全にコントロールできるようになる。
【発症のタイミング】「不安な夢から覚めると発症」(ランビ,ジェーニャ,テン等)
「フィギュアスケートに関する情熱を高める行為を行うと発症」(美姫,信成等)の2パターンがあるようだ.
424:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 19:13:01 zOpFcZaB0
●新型ウィルス●
【症状】別の生物/無生物に変身する
感染者の体内遺伝子を組み換えながらウィルスは増殖していく。
完全に遺伝子が組変わってしまった時、変身した姿から戻ることができなくなってしまう。
各国エースクラスのスケーターが重症化しやすいが、個人差がある。
スケートカをコントロールすることでウィルスの症状を緩和することが可能。
ある程度自由に変身が行えるようになるが、スケートカを使いすぎると変身できなくなる(変身したまま戻れなくなる)ことも。
この時は、プログラムの曲を聞いたりスケートに対する情熱を湧き起こすことでスケートカを取り戻すことができる。
スケートカをコントロールできない者は、変身後の姿に自我が飲みこまれてしまいそうになる。また、その人の絶望に比重して症状は重くなる(大輔、真央、ミハル、べるるん、ヴォロなど)
場合によってはダークサイドに落ち、悪いスケートカに取り込まれる。(殿、リード姉弟、ADSLなど)
ボロデュリンのギターの音色が、ダークサイドのスケートカを抑制する効果がある。
【治療法】
旧型ウィルスの濃度を上げると、新型ウィルスが消滅。
新型ウィルスがもたらす絶望や無気力など、精神状態にまつわる事実を受け入れ、希望を持つことで、旧型ウィルスが活性化。
それによりスケートカも安定し、変身を完全にコントロールできるようになる。
新型感染者
真央、美姫(ライサのくしゃみにより感染)
小塚(間接発症)
モロゾフ/ライサ/リード姉弟/無良(いつの間にか感染していた)
Pちゃん(モロゾフのくしゃみにより感染)
殿/デー(クリスのくしゃみにより感染)
ランビ(美姫のくしゃみにより感染)
べるるん(ジョニ子の血を輸血したことにより感染)
ミハル(ジョニーにより感染)
ADSLとヴォロも新型感染してたのかなと思ったり。
連投失礼しました。補足ありましたらよろしくです。
425:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 19:31:47 P30WY1RiO
>>424
まとめ乙
崇彦のPCのデータの内容もほぼ同じと考えていいのかな?
426:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 19:50:11 lWzzdZlZ0
>>424
乙
>>425
同意
427:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 21:31:02 I7wOmEuB0
>>424
まとめ乙です。ジェーニャっていつ新型感染したっけ? んで唯一治ったっぽい。
再度居場所まとめ
男子部屋
ジュベ(レンコン) フェルナンデス(海賊) ライサ ADSL(無事安定) べるるん ジェレミー トラ ミハル
ユカ(女子部屋から出張中) リード弟 ユヅル 織田 Pチャン
女子部屋
未来(小塚の方で話に出てたが寝てるのはこっち) 美姫 真央 タラソワ リード姉
小塚部屋
大輔(withくまもん) 小塚(PC格闘中) クリプトン長老 布袋さん ボロデュリン
性別不明部屋
テン君〈多分ここで寝てるらしい) 飼育員 バトル ヤグディン
というか全員寝てる。
早稲田研究所
詳しくは>>417参照
あっこ ジェナ キーラ レピスト ロシェット カロリーナ りっぽん
無良 南里 奈也 イーラ 経営者(経営者。外見だけでなく中身まで老人に)
ムロズさん(マネキン人形。顔の右半分にヒビが入っている)
サラ&アリッサ(まねき○こダックが分離したときに人間に戻ったが、中身が入れ替わってしまった)
信夫 長久保コーチ ゆかり 静香 本田(旧型抗体持ち) 村主
ランビ宅
ゲデ子 ランビ アルバン KVDP リンデマン ヴォロ(凹狼)チャッキー ポンちゃん
in宇宙船
プルシェンコ ジョニー
カナダ研究所
キャンデロロ(未感染)
モロゾフは自宅。(感染してスネイプ)
どこ?
メリル&チャーリー(おそらくカナダか早稲田なのでプルたちにつじつま回収かな)
クセニヤ(未感染なのでほうっておいても・・・・・・というか前スレ終わってから出てない?)
サブキャラクターたち
マートン(inハンガリー)
ルトコフコーチ夫妻(おそらくスウェーデンにある自宅)
あ、結構居場所まとまってきたんじゃないかな?
428:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 21:37:51 I7wOmEuB0
忘れてた。
小塚光彦(最上階の1個下?)
429:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 21:44:57 /OnyMwaZ0
>>424まとめ乙です!
ADSLは、最初のヘビ姿が旧型で、
次にランビ宅でマタドール姿になった後(色々変身)が新型ですかね。
ジョニ子の証言では、“誰もマタドール変身の現場を見ていない”ので、感染源は不明、
早稲田の取り調べでも具体的な話はなく、本人もわかってなさそう。
いつの間にか新型に感染しちゃった組かと。
夢の中での、コーチの導き、先輩べるるんとの直接対決(指導)を経て、ダークサイドを脱出した、
ってことでよろしいでしょうか。
…4日目まで行っちゃうんですかねw
430:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 22:05:45 M4AsM0Fh0
まだ夜も明けやらぬ中、宇宙船に乗り込んだジョニ子とプルシェンコ。
「ねぇジェーニャ、とりあえずどこに行けばいいのかしら」
「そうだ、PSPを東京の研究所に忘れて来たから取りに行かなくちゃ」
動機はどうあれ、ふたりは早稲田に向かった。
その頃、この2人だけで大丈夫なのか?という不安が職人の脳裏をよぎっていた。
431:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 22:07:35 P30WY1RiO
>>420
何気に「ゲデ牛」という呼び方が「松阪牛」を彷彿とさせて好きだw
432:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 22:11:37 zOpFcZaB0
なんとなく、昨日のSWE組の流れを見てると、べるるんもADSLも新型快癒したのかなという印象。
あとはヴォロをどうにかしてあげたい……すごい勢いで絶望感味わってるので、ヴォロは新型でいいのかな。
>>430
不安すぎる……w誰か、しっかり者連れてってくださいwwwww
433:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 22:14:40 I7wOmEuB0
>>430
早稲田にはしっかり者多いからww イーラ拾えば確実にプルに言うこと聞かせられるはずだw
434:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 22:22:02 Uxvebu98O
>>430
研究所からつっこみ役(テケとかイーラとか)を一人連れ去るか
もしくは無理矢理小塚かバトル、活躍しそこねてるジュベライサ辺りを捩込むか…
しかしこのスレで終わらせないと設定ばかり増えていつまで経っても終われなくなりそうな予感w
出来ればこのスレでウイルス編フィナーレが見たい
435:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 22:26:13 P30WY1RiO
迷う職人Aが誰かに肩を叩かれて振り返ると、職人B が穏やかに微笑んで言った。
「大丈夫だよ。宇宙船にはそれを操作している宇宙人(クリプトン星人?)もいる。2人きりじゃない。
それに、プルの夢の中でもプルがしっかりと主導権を握っていたじゃないか。
プルは変わった。もちろんこれからも今までのプルのキャラは健在だろうがね。
それに、今はジョニーもただDIVAになろうなろうとしてはいない。
きちんと場をわきまえて引くところでは引いている。
この旅が終わる頃には、誰一人前のままではいられないだろう。
スケーターとそれにまつわる人達だけではなく、職人もROMメンバーもね。
私はそんな彼らの変化に立ち合えて、嬉しくて嬉しくて仕方ないんだよ。
職人A、君にも期待しているよ。」
436:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 22:32:06 M4AsM0Fh0
東京では騒動が起こっていた。
なにしろ新宿区の上空に金色に輝く飛行物体が現れたのである。
「早稲田って新宿だからこの辺だよな」
「なんか高いビルがいっぱいあるわねぇ」
「2個同じ形のビルが並んでるよ」(←それは都庁だ)
「見て、丸っこくて白く網掛けしてるビルが」(←それはモード学園だ)
「ジョーニヵ、ちょっとヨドバシカメラでゲームソフト見ていい?」
プルシェンコは必殺の上目遣いを使った。
しかしジョニ子には効果がなかった。
その後、有能な操縦士の手によって
宇宙船は明治通り沿いに一路早稲田に向かった。
437:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 22:33:37 Uxvebu98O
>>435
前々スレでプル本人が運転してたから二人じゃないの?
438:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 22:40:09 I7wOmEuB0
>>434
自分で書いといていうのもなんだが、長老には「全員集めて」って言ってもらっておいた。
宇宙船に全員乗っけてほのぼの一家も回収して・・・・・・このスレ中にウイルス編終わらせよう。
>>435
前々スレにクリプトンネタないから、この宇宙船はロシア製のものでプルが運転しているはず。
早稲田研究所の屋根の上で、イーラは月を見ていた。半月よりちょっとぷっくりした月だ。
(アルチョム・・・・・・かわいい坊や、元気かしら)
家には連絡してもらったがやっぱり心配だ。
(あら・・・・・・あの飛行機・・・・・って違うわ! ロシアの宇宙船じゃない! まさかジェーニャ!?)
宇宙船は研究所の上でぴたりと止まると、中からふたつの人影が着氷・・・・・・じゃない、着地してきた。
「あ、イ~ラ~」
よかった、どこにも寄り道しないで研究所についたぞ。
「スルツカヤさーん? 温泉水のお風呂空きましたよー。つかればキャットウーマンくらいにはなれる、って何だあれは!?」
研究所から顔を出したテケシが、宇宙船を見て鼻の穴をおっきくしていた。
439:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 22:41:23 P30WY1RiO
>>437
前々スレには宇宙人が乗っている時と乗っていない時があった。
自分は乗っている方のレスを書いた。
>>436
が乗っているバージョンで書いているので、無問題かと。
440:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 22:48:37 P30WY1RiO
>>439
と書いている間にレスが…orzすいません。
自分的には宇宙船だから文明も違うだろうし、プルが呼んでからプルのところに飛んで来る時に無人で自動だろうが操縦士が運転していようが、どちらでもOKっす。
441:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 23:12:57 NLIzN+AMO
>>427
プルは真央と美姫が感染した時に一緒に感染してる。
イリーナの出番ktkr!
442:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 23:20:19 zOpFcZaB0
ほのぼの一家をもうちょっと動かさせて下さい。
午後のスレスト本当にごめんなさいorz
ランビ宅の掃除が、リンデマンとチャッキーの手により、完璧に終了する。
マッターホルントルネードでえろびでお吹っ飛んでいって何故か戻ってきた事件によりランビ宅に帰還した
あんな感じやこんな感じの雑誌やビデオやDVDや写真集は、ふたたびチャッキーによってきちんと本棚にそろえられた。
気を利かせたリンデマンが、ランビのシマウマ衣装を使って、本棚に目隠しのカーテンを作ってくれた。
妙に几帳面で気配り屋さんのリンディとチャッキーに、ランビは涙をこぼすのが隠せない。
その気持ちが解ると言わんばかりに、アルバンが深く頷きランビの肩を叩いていた。
小休憩は終わった。
毒気を失くした襲撃者たちを野に放した。
温泉水から上がったヴォロを、KVDPがタオルで拭いてやる。
「布陣はこうや。先導役としてクワドエルフが跳ぶ。クワドコンボ決めてくれると距離が稼げる」
作戦参謀はポンちゃんだ。
「それで、リンデマンさんと、ランビエールさんと、アルバンさんが、ヴォロくんを支えて跳ぶ、んだよね」
続けるのは緊張した面持ちのチャッキーだ。練習でうっかり4S-3T-3Loを跳んでしまったチャッキーだが、
リンクではなく、空を跳ばなくてはならないのだ。自然と心臓の鼓動が高鳴ってくる。
「せや。三人は元の姿に戻ったばっかやし……無理はさせられへん」
「それで、俺が4-3-3でみんなを支える」
そう言って、KVDPは、庭に佇むゲデ子を見た。
狼ヴォロノフが、小さく鳴く。
443:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 23:46:41 zOpFcZaB0
男六人は互いに顔を見合わせた。
太陽の光を浴び、芝生に寝転ぶゲデ子。
自分を置いていかざるを得ない彼らに気を使ってか、一人離れた場所にいた。
からんからん。カウベルが鳴る。
とても平和に。平穏に。温かく。
「駄目だな」リンデマンが肩をすくめた。
「せやなぁ」仏語を滲ませアルバンが苦笑する。
「考えてることは同じか?」男泣きがなかったことのように、ランビがキリッとしてみせた。
「ここで逃げんのは男が廃るで」ポンちゃんがにやりと笑う。
「やれないことはないだろう」KVDPは空を仰ぐ。
何も言わず、チャッキーが庭へと駆けだした。「エレーネさん、行きましょう!」
男たちがわらわらと庭へ出てきたことで、ゲデ子は驚いていた。
(行くって……私、相当重いわよ?途中で墜落してしまったら、元も子もないじゃない)
スケパシーを使い、ゲデ子は男たちに意見する。
「女性を一人抱えることができないなんて、情けないとは思わないか?」
(一人って……ステファン、いまの私、一人や二人の問題じゃないんだけど……)
「重たぁないわ。エレーネのボインちゃんの重さだと思うたらそんなん問題あらへん」
べしい!と、ゲデ子の尻尾がポンちゃんの脹脛に命中した。
「俺たちはずっと君に助けられてきた」
「今度は僕たちがエレーネさんをフォローする番です」
「せやせや。かわい子ちゃんは羽のように軽いのが定石なんやで」
口を挟む間もなく言われてしまうと、ゲデ子も反論することができない。
「エレーネ、心配するな。ここにクワドを跳べる人間が―――」
「何人いると思ってるのさ。……俺も跳ぶよ、だから、皆で一緒に、早稲田に行こう」
久しく聞かなかった声が、六人と一頭の耳を打つ。
「心配かけてごめんなさい。……俺、もう大丈夫だよ」
リンデマンの優しさ、ゲデ子の気遣い、ポンちゃんの励まし、KVDPの労わり。
受け取った力をその胸に、そこにはヴォロノフの姿があった。
もう大丈夫。また挫けることはあるかもしれないけど、歩きだせる。
早稲田へ跳ぶ準備は整った。
444:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 23:52:13 MVOqvG1b0
うわあ、ほのぼの組大好き。あったかくて泣ける。
職人様乙です!
445:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 23:52:50 DsUSY5OeO
ヴォロが戻った!
しかし確かにこのチームクワド率高いなw
エルフ頑張れーコンボ決めてくれー
446:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/19 00:08:17 nLPCYSADO
老人は笑った。
あの男たちは間違っている。自分たちも誤解していた。
そう、新型にかかったのがその証拠だ。
プルシェンコもヤグディンも、既にクリプトン星人ではなくすっかり人間になっているのだ。
きっと、それは幸せなことなのだろう、彼はそう思った。
老人は、ジェーニャとジョニー、二人の姿を思い出す。
彼らは絶望を乗り越えて明日を見ている。
ジェーニャは葛藤の末に。ジョニーは既に葛藤を乗り越えているのだろう。
彼らはもう既に新型すら自分のものにしている。
……あの男たちの言うことがもし少しは正しければ、
彼らの抗体とやらは絶望を少しは和らげることができるかもしれない。
しかしそれは根本的な解決にはならない。
老人は、深く息をついた。
大切なのは、希望だ。自分自身の希望を持ち続けること。
それが明日に打ち勝つ力となる。
447:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/19 00:09:50 i24Zv2L80
どうして狼になってしまったか、だって?
最初から判っていた。俺は一人になりたかったんだ。
偉大な先輩の跡を継がないといけない重圧から逃げ出したかった。
いくらエースと言われても全盛期の彼らにはまだ敵わなかった。
4-3を入れてもそれ以上の記録を作られてしまっている。
なかなか追いつけない自分の不甲斐なさが情けなくて、悔しかった。
「大丈夫、お前ならやれる」
そう言って支えてくれたコーチとも別れてしまった。
意地を張り合って飛び出した挙げ句がこの様だ。
でも、こいつらは、一人にしてくれなかった。
いつもは競い合うライバルなはずなのに、自分を励ましてくれる。
それもそんなに親しい訳じゃなく、あまり知らない人なのに。
全幅の信頼を寄せてくれたコーチとは違うものがあった。
どちらが尊いとかそういう事ではなく、真新しいものを知った。
両方を理解して、そして、自分はここに居てもいいのだと思った。
(後でコーチにも謝らないといけないかな)
少し苦笑したヴォロの目には、広い空が映っていた。
448:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/19 00:20:05 9KCRhCULO
ヴォロが戻れたのも嬉しいけどみんなの努力や優しさが報われたのが嬉しい
449:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/19 00:38:35 nLPCYSADO
ヤグディンは寝返りをうった。バトルの寝息が聞こえる。
部屋は、一日の喧騒が嘘のように静かだった。
昔のことを思い出した。クリプトン星にいた子供の頃のこと…。
「んー」
ヤグディンは唸った。実は長年疑問に思っていたことがあったのだ。
クリプトン星にいた頃は、もっと体とスケートが一体化していた気がする。
あの頃できたことができなくなっているのだ。
(やっぱり星の環境の違いなのか…?)
今日も結論が出ないまま、ヤグディンは夢の世界へと落ちていった。
ライサはよろよろと立ち上がった。
踏まれまくるし気付かれないしどんどん黒くなるしべるびんたんには会えないし。
最近本当に散々なことばかりだ。
辺りを見渡すと、妙ににこやかな顔で男性陣が転がっている。不気味だ。
ライサは立ち上がると、ふらふらと部屋を出た。
なんだかアイスクリームが食べたくなったので、自販機を探しにいったのだ。
450:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/19 00:42:53 7dkkLoyD0
ロシア職人さんありがとう!
スイス組はこれで一段落ついたかな……宇宙船を待ってもいいけど、
どうせなら春のクワド祭りで早稲田までぽーんと行って貰いたいね……!
451:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/19 00:47:42 Dqf65mklO
>>436
> プルシェンコは必殺の上目遣いを使った。
> しかしジョニ子には効果がなかった。
吹いたwww
452:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/19 01:02:27 Q2ykK/Z20
早稲田の研究所では、挨拶もそこそこにプルシェンコがうろついていた。
もちろん、PSPを探しているのである。
人格が入れ替わっている時に紛失したので、
どの辺でなくしたかという心当たりは全くないらしい。
「ねぇねぇ、僕のPSP見なかった?」
手当たり次第に訊き、隙間を覗いては探してみるが、見つからない。
あちこちの部屋を調べたが、やっぱりない。
最後に彼は村主ピエロが拘束されている部屋にたどり着いた。
「む・・・村主」
「あらお久しぶり、ジェーニャ」
「そのPSP! 僕のだから返して」
そう、PSPはどさくさ紛れに村主に拾われて、
退屈しのぎに使われていたのだった。
453:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/19 01:04:38 nLPCYSADO
数分後、ライサは知らない男たちに囲まれていた。
アイスクリームが溶けそうなのが気になるのは秘密だ。
不気味だ。今日は周りが不気味なことばかりだ。
「エヴァン、君は思わないかい、もっと強くなりたいと」
「プルシェンコのジャンプが欲しくないかい?ヤグディンのステップはどうだ?
Pチャンの滑らかなスケーティング、ロロの華やかさ…君だって欲しいだろう?」
―4回転を跳んだのに、高橋に負けたことがあった。
―影が薄くて、黒電柱とネタにされ続けた。
―ジョニーのような優雅さや華がないと言われたことがある。
でも。
「馬鹿馬鹿しい。そんなこと思うわけないだろう!」
4回転だって跳びたいさ。すごいステップを見せ付けて、華やかに人の目をひきつけたい。
「でも、それは自分の力じゃなきゃ意味がない!
スケーターなら、自分の演技だけは、それだけは!自分自身の力で成し遂げたいって思うはずだ!」
周りの思惑に巻き込まれても。
リンクの外の事情がどうあろうとも。
演技に文句を言われようが4回転を跳べなかろうが……。
リンクの中で。彼の演技は、それだけは彼のものなのだ。
男たちに囲まれて、それでもライサは戦う決意をした。
(…誰か助けにきてくれないかな…影が薄いし黒いから気付かれないかな…)
しかし既にちょっぴり弱気だった。
454:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/19 01:06:51 9KCRhCULO
電柱フラグキタ?
455:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/19 01:13:47 LrHENBnoO
>>453
「高橋の『っこの表情!』は?」
というのが頭に浮かんで2828してしまったw
456:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/19 01:22:50 9hO//TRe0
「…そうか。君のそのすばらしい持論は少しの誘惑にも揺らいだりしないのか」
見知らぬ男達の一人が鼻で笑いながらライサを見る。
その瞳の奥には今までライサが経験したことのないような
何とも言えない威圧感があった。
「しかし今の君のスケーティングに、更なる華…違ったオーラが加われば…」
「加われば?」
ごくん、とライサは息をのむ。
アイスが溶ける。早くどうにか部屋に帰らないと。
「美人に囲まれることも…いやタニスと再びよりを戻せることも可能かも…」
男が全部言い切る前にライサが男の胸ぐらをつかむ。
「え?え?マジで?いや、今の俺にはリューキンがいるし。
でもタニスと過ごした日々も忘れがたいしなあ。
いまだに『ぷっ。エヴァンはいまだにタニスを壁ごしに見てそうだな』とか
掲示板に書かれたりしてるんだよ。
もしタニスとよりが戻っちゃったらそいつらまたびっくりするよなあ。
えー俺どうしよっかなー」
457:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/19 02:06:30 i24Zv2L80
「セクハライサ、ほんっとう懲りないわねー」
「未練タラタラ、そしてこっちはタラソワさん…なんちゃって」
「ミライ、座布団没収」
「外国の恋愛事情って複雑なんですねー」
「ううううちの妹はその辺大丈夫よ!?」
物陰からこっそり電柱とその周りの男達を覗いているのは
女子部屋の面子だった。どうやら騒ぎを聞きつけてやって来たらしい。
「どうする?加勢した方がいいのかしら。このままじゃライサ、
誘惑に飲まれてあっちに行っちゃいかねないわよ」
「それならいい考えがあります!エヴァンさん絡みなら―」
未来が誰かに連絡を取ろうとして携帯を取り出したが、
その腕は誰かの手によって押さえられた。
溢れ出る黒いオーラで顔は判らない。その人影は言った。
「わざわざ呼んでくれなくてもいいわ」
458:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/19 03:59:57 vN6jZyHe0
ライサの修羅場ktkrwwww
ちょっと格好いいところ見せたんだから頑張れ
アイスも溶けちゃうぞw
459:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/19 09:02:46 WoUvvLqv0
その頃、ADSLの夢から帰還し、無事を喜び合う男子部屋の面々も、異変に気付いた。
「騒がしいわね…」
瞬時にスケーターたちに緊張が走り、ADSLまで飛び起きようとした。
が、ユカがてきぱきと指示を下す。
「アドリアン、ここにいなさい、クリストファーも…
トマシュとミハルは彼らに付き添ってて。
他のみんなは偵察に行く。私も女子の安否を確認しないと…いいわね?^^
さあ、行きましょ^^」
SWE&チェコ組に向かって「任せとけ」とばかりにうなずくと、ユカに続いて、
アボット、Pチャン、ユヅル、クリス、信成、フェルナンデスが部屋を出る。
その一番後ろから、ジュベが元気玉を作りながら付いて行った。
スィートルームでは、大輔が立ち上がった。
「…ちょっと行って来るわ」
「あ~もう!…え?何ですか?」
この件の経過を整理すべく、PCに向かって格闘中の崇彦が、目を上げた。
「俺外の様子見て来るから。崇彦は作業続けてて!」
部屋から出ようとする大輔の背中を、崇彦は気がかりに見送った。
…彼らはライサの勇姿を見る事になるのか、それとも………がんばれライサ!
男子部屋に残された面々。
「…アドリアン、君に黙っていたことがある。悪かったけど、あんな状態だったから…」
そう告げるべるるんの髪はまだ赤毛のままだが、吸血衝動はとっくになくなっている。
「落ち着いて聞いてくれ…実は、ルトコフコーチが…」
「もう大丈夫です」
手の平の中で鼻ピーを転がしながら、ADSLはきっぱりとした表情で言った。
「え、わかるのか!?…いや知ってたんだね、昏睡中だった事は」
「…夢の中にまで、探しに来てくれたから…
俺、ホントは、自分勝手に変身しないって、先生に誓ったんです」
そう言いつつ、ふと先輩の顔を凝視すると、ニヤッと笑った。
「なんだったら、コレ…あげましょうか?以外に似合うかもw」
「…断固断る!」
チェコ組は、(次スレではあれくらい活躍したいなー)と思いながら見守っていた。
…大事な事だから二度言う。………がんばれライサ!
460:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/19 10:10:47 9QHMTr7nO
ライサはまさか大勢のスケーター達が見守っている事など知るよしもない。
しかし、何故彼らは助けようとしないのか?(同門の未来は助けようとしたけど)
恐らく、何となくであろう。
ライサに男子部屋からも大輔からも女子部屋からも熱い視線が注がれる。
…ライサ、影薄くないじゃん!やったね!
「ん~いや!やっぱり今の俺にはリューキンだな!タニスも名残惜しいけどさ~。
(てかタニスなんて答えてリューキンにまで襲われたら俺死んじゃう…)」
さすがにちょっと学習したらしい黒電柱。
アイスは既にドロドロだ、哀れハーゲン〇ッツ。
「ふむ…交渉決裂という訳か。
では強行手段としよう!」
いきなり男達がライサを羽交い締めにした。
威圧感のあるリーダー格が銃を取り出す。
「大人しく従ってもらおうか…!」
「え!マジで!ちょ…!(これじゃ俺戦えないじゃないか…!)」
流石にヤバそうなので助けようとする見物人達。
しかしその前に女子達のいる方向から黒い影が現れた。
「お前ら人の男に何してんだゴラッ!」
体操選手らしいしなやかで素早い奇襲。
すぐに怪しい男達は床に崩れ落ちた。
461:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/19 10:11:09 zlrotteW0
やっと規制解除キター!!!
湯布院あたりからずっと規制で書けなかったので、
ちょっとだけバトルを幸せにしてみる。
イチゴ狩り楽しんで来いw
その頃の性別不明部屋。
バトルは夢を見ていた。
さっきは小塚からもらったトイプーの可愛らしさにニンマリし、
思わずひざの上に乗っけてふかふかの毛をなでたりしていたのだが、
今度は別の場面に変わっていた。
どこだろう・・・?青空の下にひろがるのはイチゴ畑だ。
そうだ、ジェーニャが女の子の時に連れて行こうと思っていた場所だ。
でも結局言い出す機会もないままになっちゃったけど。
近くでイチゴを摘んでいるのは、女性化したジェーニャだ。
着ているのは袖だるだるのジャージじゃなくて、パステルカラーのワンピース。
やっぱり僕が思ってたとおり、凄く似合ってるなぁ。
バトルの視線に気がついたのか、振り返るとにっこりと微笑む。
それを見ているだけで、なんだか幸せな気分だった。
外ではそろそろまた騒がしくなってきている。
彼が幸せな気分でいられるのもそう長くはないだろう。
462:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/19 11:17:56 LrHENBnoO
崇彦はファイルを上書き保存した。
「ふう。やっとなんとかまとまった…これをとりあえず早稲田研究所宛にもメールで送っておこう。
直しがあるかもしれないし。」
大ちゃんは外を見に行ったきり、帰って来ない。
463:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/19 11:30:00 zlrotteW0
そのころの早稲田研究所
「あら?これあなたのだったの?」
「そう、僕のだよ。さっきからそれ探してたんだ。返してよ。」
「そうねぇ・・・返しても良いわよ。そのかわり・・・」
「何?」
村主はニヤッと笑って言った。
「いつまでもここに閉じ込められていい加減うんざりしてたの。あ、別に逃がしてとか言ってるんじゃないわよ。
ちょっとそこのドアの入り口開けたままにしてくれれば良いだけよ」
「えぇ?!そんなの駄目だよ!」
「それじゃ、これは私がもらっておくわね♪」
目の前でPSPをちらちらされて、思わず迷ってしまうジェーニャ(ぉぃ!)
そこへ不意に声ががかった。
「ちょっと村主さん。ジェーニャをたぶらかすのはやめてもらえるかしら?
ジェーニャもそんなことに惑わされちゃだめよ。」
ドアの入り口にイリーナが立っていた。温泉水の効果でとりあえず人間の姿に
戻ったが、まだ全身に効力が行き渡っていないのか猫耳と尻尾はそのままで、
なんだかかえって一部の向きには大喜びされそうな状態だ。
「・・・仕方ないわね。ほら」
村主がPSPを空中に放り投げたのをジェーニャはあわててキャッチした。
むくれた顔の村主を残して、ジェーニャとイリーナは部屋を出た。
464:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/19 11:44:49 LrHENBnoO
ランビ邸のチャイムが鳴った。
「赤ぬこ宅急便で~す。日本から特急便のお荷物で~す。サインお願いしま~す。」
KVDPがサインをしている間に、次々と段ボールに入った温泉水のポリタンクがランビ邸に運び込まれる。
「今回はまた随分多いな…。」
「こんだけあれば、ゲデ子にも気兼ねなくバンバン使ってもらえるなあ!」
ゲデ子は嬉しかった。
いくらクワド持ちが揃っているとはいえ、牛の体重を考えると、早稲田研究所まで跳ぶ間に、下手すりゃ死人が出かねないからだ。
「バスルームの準備が出来たら呼ぶから、ゲデ子はリビングで待っててな。」
KVDPらが準備をする間、ゲデ子は全員分の牛乳を準備した。もちろん自分の分もだ。
(もしかしたら、牛乳をみんなにふるまえるのはこれが最後かもしれないわ。
みんな、ありがとう。)
ゲデ牛の首にかけられたカウベルが、ちりりんと鳴った。
465:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/19 11:45:05 vgeCsQiaO
周囲の騒がしさで目が覚めたヤグディン。
「…なんだよ、せっかく気持ち良く寝てるのによ…」
横を見るとバトルはまだ幸せそうなニヤニヤ顔で眠っている。
「うふふ…イチゴおいしいね…」と寝言を言いながら。
「おーい、起きろよー。外でまたなんかやってんぞ」
ペチペチ顔を叩いても目を覚まさないバトル。よほど起きたくないらしい。
「うーん、イチゴ………。」
「ったく、しゃーねーなー。そんなにいい夢なら実際に食わせてやるか」
ヤグディンはホテルの厨房からイチゴをくすねてくると、
眠るバトルの口にありったけのイチゴを詰めてやった。
「む…むがっ…!?」
苦しむバトルを「そーか、そんなにうまいか、たんと食え。お前には後輩が世話になってるしなー」
と嬉しそうに見守る優しいヤグ先輩であった。
466:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/19 14:04:30 vi1fDxpM0
「せっかくいい夢を見てたのに・・・」
ぶつくさ言いながら起きるバトル。
口に詰め込まれたイチゴを袋に入れる。自宅に帰ってから冷凍するつもりである。
「どーせジェーニャの女装とか、マオだろ?」
けけけと笑いながらヤグが見せた携帯には、「一人二役」で、ばっちり
お化粧して踊るプルシェンコの画像があった。
「!!!!」
顔を真赤にして口をぱくぱくさせるバトルを面白そうに見守る
ちょっぴり意地悪なヤグ先輩であった。
467:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/19 14:13:17 Q2ykK/Z20
「それにしてもお前の口、いっぱい入るなぁ。
モンブラン1個丸ごと入るんじゃないか?」
「余計なお世話だよ。
ところで世間じゃ仲が悪いので有名な君たちなのに、
なんでリョーシャはそんなにジェーニャの画像持ってるのさ」
バトルが不満そうに訊いた。
「いや、俺は別に何とも思ってないんだけどあいつが俺を毛嫌いしてんだよ。
俺は先輩としてあんなことやこんなことをしてやったのに、恩知らずめ」
その「あんなこと」や「そんなこと」の内容を聞きながら、
「そりゃあ嫌われるのも当たり前だよ」と思うバトルだった。
ちなみに一人二役画像の送信元はミーシンコーチであった。
468:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/19 14:33:36 taD25eb50
「ジョニーから大体聞いたわ、今シズカとタケシが皆を集めているところよ」
イリーナは送られてきた温泉水で皆がだいぶ回復したことをプルに教えた。
サラ&アリッサは、一人で入ったときは何の効果も現れなかったが、二人一緒に入ったら見事元に戻った。
ただし何かの拍子にすぐに入れ替わってしまうようで、二人は何度もお風呂に入りなおしている。
ムロズさんは間接部分が動くマネキンになったが、顔のヒビに温泉が染みて悶絶中。
問題は南里で、温泉水に入れるとpH1.4のお湯のせいで死に掛けるため、まったく手が打てない状態だ。
「その長老の話を聞けば何か回復の方法はあるかしら?」
「解決のための手は打ってあるって。
後はスケートリンクで僕たちを襲った連中をどうにかすれば解決だよ」
「早く家に帰りたいわ。かわいいアルチョムが私を」
ぽんっ
イリーナの猫耳が消えた。
「あら!?」
「そっか、イーラが感染してるのは旧型だから、
好きなものの名前で改善するんだった。後はダーリンとか?」
ぽんっ
今度は尻尾が消えた。大当たり。
大喜びのイーラだったが、完治するわけではないと教えられてべそをかいてしまった。
「早く皆を集めて行くわよ! 私家に帰りたいの!!」
怒りの力で旧型の変身能力を会得し、カウガールとなったイーラは、投げ縄で皆を宇宙船に放り込んでいった。
>>467
落ち着けバトル、その化粧ジェーニャは本物の男だぞ、女性化してるわけじゃない。
そういえばイリーナって新型にはかからなさそう。もう完全に達観してるだろうし。
469:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/19 14:37:39 WoUvvLqv0
襲撃者たちを、華麗な身のこなしで瞬時に叩きのめしたリューキン。
父親譲りの床演技は、この緊迫した状況でさらに磨きがかかっている。
金メダル級、いやプラチナ級の技に、思わず一同から拍手が出かかったが…
彼氏の方へ振り向いた彼女は、凄まじいオーラに包まれていた。
怒りは女を、時に醜くする。そして時に、美しくする。
今、リューキンは、壮絶な怒りに燃え、戦慄するような美しさを放っている…
と、彼女の肩の辺りで、血しぶきが上がった!…
よろめくリューキンを抱きとめるライサ。
襲撃者の一人が、まだ煙の上がる銃を構えながら、ゆっくりと立ち上がった。
ミライが、声にならない悲鳴を上げる。
遠巻きに見守っていたスケーターたちは、みな凍り付いた。
「よ~く見ときなさい」と女子に言おうとしたタラソワも、
同じく「よ~く見るのよ^^」と男子に言おうとしたユカも。
…ただ一人、リューキンだけを見つめ続ける男がいた。
「…っ…!」
唇を噛み締め、痛みをこらえる恋人を抱きながら、
ライサはまるで自分が撃たれたかのように、顔をゆがめた。
「ナスティア…!」
そして顔を上げた。
470:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/19 15:11:45 0dJYqQQi0
>>466
イチゴはすぐ傷むから腐らないうちにお食べ
471:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/19 15:27:28 taD25eb50
アイスランド火山の灰が、スイスの空を薄灰色に染めている。
今ゲデ子は、ランビ宅のバスルームで温泉水を浴びている。
僕に飛べるだろうか? チャッキーは自問自答を続けていた。
絶対飛んでやる。ヴォロノフは自分に言い聞かせていた。
飛べるか? アホ、飛ぶんだよ。フランス男の意地をここ以外でいつ見せる。
アルバンとポンちゃんはラ・マルセイエーズを口ずさんでいる。
早稲田にいるジェナへの思いを高めるKVDP。
ランビはバスルームのそばでゲデ子が出てくるのを待っている。
やがて、ゲデ子がランビにエスコートされて、庭へと現れた。
「エレーネさん!」
「みんな、大丈夫よ」
真っ白なスカート、優雅な微笑み。大女優へと変身したエレーネ。
「火山灰のせいで空はさっきより悪い。チャッキー、いけるか?」
「・・・・・・いける。絶対に飛ぶ」
チャッキーは不安を忘れることにした。
「大丈夫だ、飛べる」
ヴォロノフが呟く。それはチャッキーに向けてか、それとも自分に向けてか。
「先頭で火山灰を吹き飛ばしてくれ。頼んだ」
チャッキーが先頭。
後ろはヴォロノフとゲデ子を中心に、ランビとアルバン、ポンちゃんが周りを固めてサポートする。
KVDPは殿(しんがり)だ。
「じゃあ……行きます!」
チャッキーが助走を始める。そしてジャンプ。
――サルコウジャンプじゃない!!?
(今なら僕は飛べる!)
渾身のクワッドループが灰空を切り裂く。
チャッキー!!
472:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/19 15:46:59 LrHENBnoO
トゥルルルル…
電話が鳴っている。
「はい、布袋さんの部屋です。」
「おお、崇彦。無事か。わしだ。」
「じいちゃん!今どこ?」「下の階の部屋にいる。廊下の騒ぎは聞こえているか?」
「うん。今、大ちゃんを探しに行こうと思ったら、銃声みたいな音がした。じいちゃんには聞こえた?」
「おお。今若いのに様子を見に行かせたら、外人の女性が1人撃たれたそうだ。ライサチェックさんの彼女らしい。」
「ええっ?リューキンさんが?」
「崇彦…3つのアイテムは今そこにあるか?」
「うん、あるよ。」
「そのうちの1つ、スケータースーツだが、あれは防弾仕様になっているのじゃ。
崇彦、あとは言わなくてもわかるな?」
「じいちゃん…」
電話が切れた後、崇彦はクローゼットのハンガーにかけてあったスケータースーツを取り出すと、とりあえず着替える事にした。
473:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/19 15:49:02 WoUvvLqv0
熊本のホテル、自販機コーナーあたり。
緊迫する中、ジュベが元気玉を投げた。
特に何も起こらなかった。
…ちょっとしたこと、本当になんでもない、
ちょっとした、男ならよくあることじゃないか、みんなもわかるだろ?
なのに、いつの間にか現れては、俺をボコボコにして去って行く、
いつでも、どこでも…
…そう、バンクーバーにも…
遅れて駆けつけた大輔は、その光景に驚く間もなく、
その真っ只中に飛び込んでしまった。
飛び込んでしまってから、ぎょっとした。敵か!?
倒れている男たち。
そして銃を構える男。
対峙する黒電柱…その腕の中には、血を流す女性。
周りを取り囲むスケーターたちは、息を飲んで見守るだけ。
(え!?え!?…なんで皆何もしないんだ!?ヤバイでしょコレ…)
テンパる大輔の両腕に、何かが預けられた。
…血を流し、苦痛に震える、金髪の美しい女性。
驚いて見上げた黒いのの横顔は、今まで以上にどす黒かったが、
誰をも寄せ付けないような激情が渦巻いていることを、理解するのは容易だった。
(わかった、彼女は俺たちにまかせて)
周囲が手出ししない訳がわかった。大輔は黙ってうなずき、女性を抱えて下がった。
「おとなしく一緒に来る気になったかな?よろしい…」
銃を構える男は、ゆっくりと一歩一歩近づいて来る黒いのに向かって、冷酷な笑みを浮かべた。
「…言っとくが…俺は五輪金メダリストだ」
「もちろん丁重にもてなさせていただくよ」
「…なめてもらっちゃ、困るな」
そう言うか言わないうち、黒いのの両肩に、黒い炎が燃え上がった。
474:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/19 16:00:12 LrHENBnoO
バトルの隙をついて、ヤグディンはいちごの入ったジップロックを取り上げた。
「!!返せよっ」
宝物を取り上げられたようにマジ切れするバトル。
「バーカ。冷凍庫に入れとくぞ。そのままだとせっかくの大事な大事ないちごちゃんが腐っちまうからな。」
ヤグディンはホテルの冷凍庫を開けると、冷凍室にいちごを放り込んでバンと閉めてニヤリとした。
「忘れないで持って帰れよ?」
475:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/19 16:16:46 bqUfpEBC0
>>471
モンローゲデちゃんキタワァ!
>ランビはバスルームのそばでゲデ子が出てくるのを待っている。
またランビが何かやらかすのかと思ったw疑ってごめんね、ランビww
476:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/19 16:17:23 /nLogbjaO
>>471
おお、ついにチャッキーの4Loがww
ここで見せるなんて格好いいな!
477:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/19 16:51:49 9QHMTr7nO
早稲田に停まる宇宙船に感染者達は集まり終えた。
広い宇宙船も結構狭苦しくなってきた。
「どうする?スイスまで行ってゲデ子達も拾ってこようかしら?
…うーん、携帯に出ないわね。もしかしてもう出ちゃったの?」
ジョニーはランビ宅にもかけてみたが誰も出ない。
「今のスイスはアイスランドの火山灰で大変らしいぞ。大丈夫なのか?」
テケは心配そうに呟く。
「流石に宇宙船とはいえ、これだけ乗せて今のヨーロッパに向かうのはどうなのかしら?」
手錠をかけた村主と睨み合いながら冷静なシズカ。
「うーんともかく待とう。
そんで、その間に何か食べようよ。
テケシ、僕寿司食べたいな!イーラも好きだよね~寿司?」
PSPをしながらちゃっかり寿司をねだるプルだった。
というか前スレから寿司食いまくってるような…。
478:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/19 17:10:30 rjrjdkeE0
その頃のコストナーさん
ここは食事もおもてなしも行き届いて不便ではないわね
でもゆかり、毎日ティラミスはさすがにどうかしら?
フルーツたっぷりのタルトもたまには食べたいわ
甘いシロップでコーティングされて宝石のように煌くフルーツの美しさ
こんなわがまま言ったらゆかりが可哀相ね 怒らせても怖いし
そうそう日持ちさせるのが難しいイチゴ?は、はちみつにくぐらせてひとつひとつラップで包んで冷凍すると凍らないし2週間はOKよ
はちみつのかわりにメープルシロップでもいいよ!おいしいよ!
479:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/19 17:11:02 Q2ykK/Z20
プルシェンコとスルツカヤは必殺の上目遣いを使った。
本田は動揺した。
しかし荒川には効果はなかった。
「え、あ、いや宅配専門とかの安いのだったらなんとか・・・」
と本田が言いかけたところに
「ダメよ、予算がないんだからコンビニ弁当で我慢しなさい」
冷たく言い放つくーるびゅーちー荒川。
結局本田が人数分のお弁当を買って来ることになった。
480:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/19 18:05:18 zlrotteW0
スーパーで売ってる海苔巻きなら安いよ本田さんw
481:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/19 18:27:51 ZD8s77EC0
「ハチミツ!!」
いきなりバトルが叫んだ。
「はぁ?今度はハチミツが欲しいのか?
じゃあこのいちごは俺がいただこ…」
ヤグディンが言い終わる前に、バトルがその身体を押しのけ
冷凍室から再びいちごを取り出す。
「ハチミツにくぐらせてから一個一個ラップでくるんでから冷凍だよ!
なんかそういう声が聞こえたんだ。メープルシロップでもいいんだって」
キラキラした目で調理場からハチミツを探し出し、それにいちごを浸していく。
「大学の近くにおいしいメープルシロップを売ってるお店があるし
本当ならそれがいいんだけどなあ。
でもこれで我慢しよっと」
「…(だめだ、こいつ。天の声?
ジェーニャにしろ真央にしろ、まともに相手にしてもらえないから
ついに脳内で何かを作り上げちまったか?
ひとり未感染と思ってたけど…脳みそがウイルスにやられたのか?
もう大学も一生卒業できないな…)」
カロリーナのアドバイスを無意識にスケパシーで受け取ったバトルだったが
ヤグディンがそれに気づくはずもなく。
もしかしたらバトルの幻聴はウイルスのせいじゃなくて
自分のせいかも、とちょびっとの罪悪感も生まれたので
バトルの携帯にこっそりプルシェン子のお宝写真をメールで送っておいた。
(これですべて帳消し、と。俺ってやさしーい)
482:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/19 18:28:06 hsLHzOwR0
スレと全然関係ないけどいちごあるからやってみるよ!
コストナーさんありがとうだよ!
483:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/19 18:48:05 Q2ykK/Z20
今日このスレ読んでついスーパーでイチゴ買っちゃったよ!
「そういやイチゴの冷凍がどうのって言ってたな。
冷凍なんかしないでジャムにすりゃいいじゃないか」
やっぱりロシア人のヤグ先輩であった。
全然関係ないんだけど今朝、夢にライサが出てきてうなされたorz
なんでだろう、前スレでマッサージ器を買わせた事を恨んでいるんだろうかw
484:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/19 22:32:54 WoUvvLqv0
「話し合えないとは、残念だな」
銃を構える男の背後で、倒れていた襲撃者たちも体勢を整えて立ち上がる。
ここまで見守っていたスケーターたちも、すかさず戦闘態勢を取った。
「いずれまたの機会に…」
さすがに形勢不利と見たのか、男たちは素早く退却を開始した。
「待て!」
激黒与一スピンが、その後を追う。
「エヴァン!深追いしないで!」
タラソワの声を背に、黒い火の鳥、
いや黒い炎に包まれたプテラノドンステップが、逃げる襲撃者たちを蹴散らす。
次にライサの目は、リューキンを撃った男に向けられた。
(お前ら、色々言ってくれたな。俺がどんな思いでスケート人生を歩んで来たか…
それを、いとも簡単に他人と比較しやがって…俺は、俺だ)
…バンクーバー、二人で撮った記念写真、金メダル。…
(4回転だって跳びたいさ…いや、跳べたんだ、いや…跳べる)
ライサは男を追って滑走し、勢いを付けると、痛む左足で踏み切った。
…まさか!?
「…!?危ない!!」
スケータースーツを着て駆けつけた崇彦は、男が電柱に銃を向けているのを見た。
考えるよりも先に身体が動いた。電柱と男の間に割って入るように跳ぶ。
同時に銃が発射された…!…キィィィィィィィンン…
…スーツによって弾かれた弾丸は、壁にめりこんだ。崇彦は無事に4Tを降りた。
あっけにとられた男の前に、間髪入れず、うなりを上げて舞い上がる黒電柱が迫る。
魂の4T。…すかさず3T。
「うごぁっ……」
男は廊下の突き当たりまで突き飛ばされ、壁にしたたかに身体を打ち付け、床に落ちた。
その仲間たちが男を回収し、素早く姿をくらます。
「逃げ足だけは早いやつらだな!…タカヒコ!?」
崇彦はがくがく震えていた。身をもってかばってくれた、まさか撃たれた?
「…防弾仕様だとは聞いてたんだけど…さすがにヒヤッとしましたよ…
僕はケガないです、ライサチェクさんは大丈夫ですか?」
「大丈夫だ、…ありがとう、タカヒコ」
(一方、職人Cは悩んでいた。…ひょっとして自分がスレストッパーか!?
ライサが気の毒なんで見せ場を作りたかったのだが…
長引かせてもなんだし、自分で戦闘ラウンド終了させます。
職人&読者のみなさん、拾いにくい展開・書き方だったら本当にすみません)
485:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/19 22:51:32 zlrotteW0
>>484
今回はいろんなキャラクターに焦点が当たってるから
ライサのターンももちろんおkですよ。
486:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/19 22:53:28 bqUfpEBC0
>>483
うなされたって、夢の中で何かあったのかw
>>484
ライサも見せ場あって良かったよー。
途中で「ライサ」じゃなくて「電柱」になってて笑ったw
スケーター達がいろいろ乗り越えていってく話がポツポツあっておもしろい。
プルとかADSL達、ランビ宅組とか。日本選手たちも。
487:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/19 23:02:26 7dkkLoyD0
>>484
ライサの活躍にwktkが止まらなかったよ、続き楽しみー!
その頃の男子部屋先輩後輩カルテット。
部屋を飛び出していった男子たちとユカさん^^の帰りが遅い。
女子部屋に帰るかもしれないユカさん^^はともかくとして、
チェコ先輩後輩は仲間たちの帰還の遅さに、そわそわしていた。
特に落ち着きがないのはトラだ。
春日化→MJ化したミハル
何気に目立っているADSL
ベテラン先輩の意地を見せつけたべるるん
自分だけ、なんの見せ場もない。トラになって日向ぼっこをしたり右往左往してみたり、
ミハルとテンくんを抱えてクワドを跳んだくらいだ。
「ところで先輩、どうして赤毛になっちゃったんですか?」
鼻ピーを掌でもてあそびながら、ADSLが先輩の赤毛に目を向ける。
「ミハルも気になります。アドリアンと一緒で変身の能力でもあるのですか?」
ちょっと春日が取れかかっているミハルは、こころなしか喋りづらそうだ。
「ああ、これはね……、っと、ほら」
瞼を閉じ眉間にしわを寄せる。念じると、べるるんの赤毛はまたたくまに、ブルネットに変化した。
「おー」「おおー」
なんだかんだで素直な後輩たちは能天気に声を上げる。
「もう一回、っと……」
再び気合いを入れると、黒の帽子に紫のシャツ、黒のスラックスとネクタイの衣装に変化する。髪は金髪だ。
「変身?!」
羨ましげに食いつくトラに、べるるんは苦笑して見せる。
「違うよ。吸血鬼の超音波を応用して、君たちに軽い催眠術をかけてるのさ。こう見えるように、って」
「使える能力が増えてるってことか……」
腕組みをして、トラは低く唸る。
それにしても皆帰ってくるのが遅い。
外の修羅場に気づかないまま、先輩後輩カルテットはのんびりまったり時間を過ごす。
488:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/19 23:10:27 nLPCYSADO
「エヴァン……」
うっすらと目を開けたリューキンの手を、ライサはしっかりと握った。
彼だって本当はわかっていた。他人がわかるようなことはみんなわかっていたのだ。
べるびんたんは自分から離れた。もう戻れない。
せっかく金メダルを取ったのに、皆が話題にするのはプルシェンコばかり。
乙女構成って言うな。……誰だって金メダルがとれるなら……昔の自分の言葉くらい裏切って悔いはないはずだ。
―そうだろう?!
叫び声は虚しく消えていく。届かないものを追うかのように。
思い通りにならないことだらけだ。
プルシェンコのジャンプは跳べない。ヤグディンのステップは踏めない。ジョニーのような華はない。
でも、ライサは……ライサなのだ。
彼を愛し、救おうとした女性のために、彼は4T-3Tを跳んだ。
乙女構成と言われようと、あの時の自分だって、充分に『自分』をやりきったのだ。
そう、自分は、自分のスケーティングをすればいいだけなのだ―
そんな簡単なことを、ずっと忘れていた。
「エヴァン……!」
未来が目を見開いた。
黒い棒のようにしか見えなかったライサが、元の姿に戻った。
……まあ、相変わらず黒電柱みたいな姿には代わりないのだが。
489:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/19 23:58:55 BomHzBGa0
「リューキン、大丈夫か」。
自分のせいで怪我を負わせてしまった。
「すまない、俺のせいで…こんなことに巻き込んでしまって…」
本来の姿に戻ったライサ。その姿がリューキンにはなんとなくだけど違って見えた。
そしてそんなライサが自分の恋人であることをちょっと誇らしく思った。
「大丈夫よ、エヴァン」
痛さに顔をしかめながらリューキンが微笑む。
事情はわからないながらも、ライサの心の変化を彼女なりに理解したのであろう。
ライサの両頬をリューキンの手が優しく包む。
「エヴァンこそ大丈夫?怪我はなかった?」
「ああ、無事だ。タカヒコのおかげだけどな」
「そう、それならよかった。さっきの立ち向かっていく姿、かっこよかったわよ」
リューキンの言葉に顔を赤らめるが黒いので(ry
「ねえ、そろそろ部屋に戻る?お邪魔だよね」
「でもリューキンさんの怪我の手当もしなきゃいけないし」
「ここで割って入るのは無粋よね」
「あっ長ーーいチューしてるよ。ノブくんみたいになっちゃう」
「真央大丈夫よ。あれだけじゃ、子供はできないから。ね?ノブ」
「ぐっ……」
490:483
10/04/20 00:06:12 Q2ykK/Z20
>486
顔をアップで見ただけなんだが・・・黒かった+濃かった=怖かったorz
さて、早稲田の一行は宇宙船に乗り込んではみたものの、
スイス組と連絡が取れずに本田が買ってきたお弁当を食べながら待機中だった。
本田は懸念していた。
スイス組が来たとして、定員オーバーなんじゃないかと。
何よりも、あまり待たされると某宇宙人が飽きて制御不能になるのではないかと。
そこで、思い切って提案してみた。
「とりあえず一旦、今のメンバーを熊本に送って、
それからもう一度戻って来てスイス組と合流するっていうのはどうかな」
「それもそうね、じゃあ誰かお留守番にふたりくらい置いて行こうかしら。
残りたい人、手をあげて~」
491:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/20 00:06:21 iPxIMxd00
「ホント、エヴァンが無事でよかったわ」
にっこりと微笑みながらリューキンがゆっくりと立ち上がる。
「無理するなよ。怪我の手当を今からするから待ってろ」
「フッ。こんなの舐めときゃ治るわ」
「え?」
そう言ったが早いか、自らの服の袖を破り肩に巻くリューキン。
「止血はこれでいいわ。エヴァン。私がなんでここに来たか…覚えてる?」
さっきの微笑みはどこへ行ったのか、鋭い視線がライサに向けられる。
「おまえ、また懲りもせずにその口で『タニス』とかぬかしやがったな。
そのでかい図体を、テキサスの油田に沈められたいんか?ゴルァ」
後ずさりする電柱。
目の前の甘い世界が一気に修羅場に変わりwktkしながら見守る見学者達。
「とどめは私がさしてあげるわ」
492:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/20 00:26:48 OuMwAybW0
「あーーーーーっアイス!」
修羅場で緊迫した空気の中、真央が突然叫んだ。
全員の視線が真央に集中する。
「ライサチェックさん!ほらほらー。せっかくのアイスが溶けてる!」
黒電柱の足下には溶けて液体となって流れ始めたアイスがあった。
この緊迫感がわかったか、わからないのかアイスの心配をする真央。
ここぞとばかりにライサはそれに乗っかった。
「そうなんだよ、アイスを買いに行ってたんだ。
リューキン、『アイス』と『タニス』を聞き間違えたんじゃないのか?
部屋に戻る途中にあいつらに襲われて…
それで…それでアイスのことが心配で…えーっと、それで
『アイス』って連呼してたんだよ。絶対リューキンの聞き間違いだって」
しどろもどろになりながら、一生懸命に言い訳を考える。
(それ絶対にごまかせてねえし)
全員が心の中でつっこんだ。
だけどここで黒電柱がフルボッコにされるのを見過ごすわけにはいかない。
小塚が怪我の手当を、とまだ幾分怒り沸騰中のリューキンを
おそるおそるホテルの救護室に連れて行こうとする。
が、やんわりと断るリューキン。
「大丈夫よ、本当にこれくらい舐めてれば治るし…
エヴァン、いい仲間がいてよかったわね」
そう言い残すとリューキンは、黒電柱を平行棒代わりにして華麗に飛び立ち
去っていった。
493:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/20 00:34:04 U1dIv9Lp0
リューキンがかっこよすぎて困る……
舐めてれば治るってかっこいいな!!
494:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/20 00:34:05 OuMwAybW0
×平行棒代わり
○平均台代わり
の間違いっす。
495:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/20 01:01:19 bqopU3ux0
リューキンとヤグのキャラは無敵だなあw ライサがんばれ!
いちごハチミツは2週間じゃなく1週間だったかも
ハチミツとメープルが苦手な人はオリゴ糖もいいよ!でも糖度は高めで
頭の中ではゆかりんが気晴らしにティーパーティー開いてくれてるんだけど文字に起こす力がないorz
496:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/20 04:02:08 3B3hqYenO
そのころスイスのチャッキーは。
クワドループを跳びながら思い出すのは五輪代表をかけたあの試合のこと…。
全体でみればミスもあった、でも自分の中ではいい出来だった。
嬉しくて思わずガッツポーズもした。何よりジョアンが喜んでくれた。
あんまりにも強く抱きしめられて少し苦しかったけど
本当に嬉しかった。…でも結局僕は五輪には出られなかった。
だけどそれならまた頑張ればいい。
僕にはまだまだやらなきゃいけないことがたくさんあるんだ。
3Aもなんとかしないといけないし、スケーティングや表現力を磨かないと。
それにステップでもレベルがとれるようにしなきゃ。
スピンだってまだまだ綺麗にできるかもしれない。
そしてやっぱりクワド。入れない方が楽だし、今は入れなくたっていいのかもしれない。
でも。
それでも僕はクワドを跳ぶんだ!
チャッキーは軽やかに着地した。
灰は飛び去り、青い空と光が見えた。
497:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/20 07:40:36 FeiTUmCt0
ライサの活躍(+小塚アシスト)で何とか黒服男を撤退させた熊本組。
様子を見守っていたスケーターたちは、事態が収束したことを見届けてそれぞれの部屋に戻っていく。
ライサはリューキンの流した血のあとを見て未だ佇んでいる。
彼を心配する未来だったが美姫と真央に促されて部屋に戻っていく。
美姫は返り際後ろを振り向き、大輔と崇彦に軽くうなずく。
二人も黙ってうなずくと、部屋に戻っていった。
みんな・・・・ありがとう・・・・
スケーターズのこころにライサの声が響いていた
********************
布袋部屋に戻った二人。
二人の携帯に着信が入ってることに気づいた。
「本田さんからだ!」
大輔が代表して本田に電話する。
「大輔です。遅くなってすいません。」
「大輔か!よかった!なかなか連絡取れなくて、やっと光彦さんにつながったと思ったら、
何かあったみたいで・・・。みんな無事か?」
大輔は先ほどの一件を本田に報告する。
「・・・・・・リューキンさんは災難だったね。でも元気そうだよかったよ。」
「ええ。ところで本田さん、そっちでも何かあったんですか?」
「ああ。とりあえず、拠点を熊本に移動することになった。」
「ええ!こっちにくるんですか?」
本田は熊本に拠点移動になった経緯を身近に話す。
「・・・本田さんたちが来てくれるのは心強いけど、受け入れ先はどうするんだろう?かなりの大人数じゃあ・・・」
崇彦が心配になり思わず呟く。
「心配には及ばないよ。既に地元の大学の医学部に快諾してもらった。受け入れ先の病院もほぼ押さえてある。」
「そうですか~。よかった。」
「ただ・・・スイスにいるメンバーは君達も知っている通り、火山の噴火の影響で少し難しい状況だ。
そちらに着いたら改めて相談したい。大丈夫か。」
「判りました。みんなにも伝えて起きます。」
「よろしくお願いします。」
「じゃあ。また熊本で」
本田との電話を終えた二人は事態が大詰めを迎えつつあることに、改めて気を引き締めた。
498:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/20 10:51:32 rbW81fJ20
一方性別不明部屋では・・・
「腹減ったなー。寿司でも食いてーなーv今から行くか!!」
バトルの肩に手を回して行く気満々のヤグディン。
「こんな大変な時に寿司なんて食べてる場合じゃないだろ・・・・」
「スーシー!!!!」
絡んでくるヤグディンに困惑していると、バトルの携帯が鳴った。
「ジェフ君?俺俺!!」
「どちらの俺ですか?」
返事がそっけなくなるのはバトルのせいではないはずだ。
「俺だってー!!大輔だって!!」
「大輔?!どこにいるの?みんなはどうしてる?」
大輔から手短に経緯を聞いたバトルは、
「そうか・・・、じゃあ俺達も熊本に向かうよ。じゃ、熊本で」
と電話を切った。
「そういうことだから、寿司はカタがついてからね!!熊本にも
おいしいものがあるしさ」
ふくれた顔になったヤグディンだが、にやっと笑うとバトルに顔を思い切り近付けた。
「熊本ってよー、馬刺しが有名なんだってなーv馬刺しの寿司もあるらしいしなw
こりゃー楽しみだぜ」
豪快に笑いとばすヤグディンを本気で置いていこうかとバトルは思った。
しかし、携帯を閉じる前に何気なく見た画像フォルダに、ヤグディンが送信したお宝画像、
「肩を肌蹴て天使の顔で眠るプルシェン子(もう少しで胸の谷間が見えそうです)」
をうっかり見てしまい、未来ばりの鼻血を吹きだしたのである。
499:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/20 11:52:00 oXsVV0P8O
>>498
いやバトルもヤグも熊本でしょうが…
500:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/20 12:07:22 rbW81fJ20
>>499
すみません、熊本でしたね。
仕切りなおして、デー達と合流するってことでお願いします。
501:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/20 12:49:15 UFaQawRf0
あのー、他の職人の皆さんに自分の人物設定を押し付けるつもりはありませんが
一言だけ言わせてください。
ヤグディンは口が悪くてオレ様キャラ、悪戯好きだけど内面は仲間思いの優しい人、
という設定で書いてきたつもりでした。
でも、最近ちょっとヤグ先輩が酷すぎる気がします。
実在する人物だし、多くの人から尊敬されるスケーターでもあります。
ただの我侭で傍若無人のいやなやつにしないで欲しいと切に願います。
502:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/20 13:36:08 oXsVV0P8O
>>500
>>498は無しって事でいいのかな?
大輔側もヤグ側も同じホテルの同じ階の四部屋の中のどれかにはいるってぐらい双方知ってる
夜ホテルの寿司レストランで食べて寝たはずなのに、また同じ場所に行くのもどうかと思うし
正直書くのならばある程度読んでから書き込んでほしい
>>501
温泉突き落とし楽しい辺りからちょっとDQN過ぎるかもね
でも普通大抵の人は分かってると思うよ、読む方も書く方も
そうじゃないとジュベとかバトルとかどうなるのさ
503:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/20 13:46:14 l6Ch2JnKO
読む方も書く方も、スケーターたちを愛してると信じてるよ。
キャラがだんだん立ってしまうのはある程度仕方ないことだと思う。特徴ある人は特に。
活躍と比例するとも思うから、あまり気にしていないけどなぁ。
あんまり皆が嫌な気分になるなら、最初の30スレくらいでおおまかなストーリーやキャラ設定をするとか、登場人物の数を決めてしまうとか、スレ自体をやめるとかしたらどうでしょう。
最近、物語と関係ないところでいざこざしてるのを見ていたら、だんだん楽しくなくなってきたよ。
504:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/20 13:55:23 cdHsL7IH0
最近バトルがさすがにちょっと可哀想な気がしてきたので
夢のイチゴ狩りさせてみました。
きっとヤグ先輩はここから良いとこみせてくれる・・・はず!
そして最後は大団円!にむけて頑張りましょう。
505:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/20 14:39:46 utdBgyhkO
話が一人歩きするのは当たり前なんだから自分の思うようにならなくても仕方ない
職人さんはみんな基本的に愛を持って書いてると思うけどね?
明らかにディスってるならともかく。もっとひどい扱いの人もいるし。
長すぎてダレてきたのもあるんでない、ROMでもついていくのがそろそろ大変
506:501
10/04/20 16:41:59 UFaQawRf0
最近、と書きましたけど本当に目に余ったのは一つだけっす。
それだけは単なるイヤな我侭野郎になってるようにしか見えなくて・・・
ついかっとしてしまい皆様スマンカッタ。
それにしても圧倒的プル派だったのになんでだろう、最近ヤグが愛しいw
507:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/20 16:52:47 c7vfzWoc0
>>506
ごめんなさい。自分が書いたやつかもしれない。
人を不愉快にさせちゃったし、もうこれ以上ここにネタを投下するのは控えます。
508:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/20 16:58:02 TrrwYcro0
直接諌めるレスを投下するよりその現状を救う続きを投下してくれるとありがたいっす。
ライサ編とか正にそんな感じで職人さんGJ!って思ったな。
509:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/20 17:00:16 Xpi/+7580
ヤグネタは私も書いたから>>506が書いてる「一つ」は私かな。
もちろん愛をもって書いてるけど
それが文章から伝わってるかは自信がないし
ただのいやなキャラとしか受け取られなかった可能性あり。
私もこれ以上投稿するのやめるね。
本当にごめん。
510:501
10/04/20 17:19:50 UFaQawRf0
>507,509
私が言ってるのは>498の事です。
こちらこそ申し訳ありませんでした。
クリプトン星に帰ります。
511:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/20 17:23:47 neevMWFH0
(真面目なお話し中ですが、次回予告行きます。こ、これ大丈夫かな…
職人のみなさん、大団円に向けて、どうかよろしくお願いいたします!)
大輔「大ちゃんで~す!」 崇彦「たかちゃんで~す!」
二人「次回予告だよ~!!」
崇「僕たちは今、……え~と何だかんだで熊本のホテルにいま~す!」
大「(端折り過ぎ…)で、とりあえずまた敵が現れたけど、撃退!」
崇「(…とりあえず?)ライサさん大活躍だったね…魂の4-3、しかと受け止めました!」
大「タカだってGJだったじゃん!クリーンに4T決まってたし…ほぼ助走キャンセルだったっしょ!?」
崇「え!?…何も考えずに跳んだから憶えてない…でも足ガクガクしてたし、試合だったら確実に転倒…」
大「まあ無理もないよ、防弾仕様のスーツ着てても、銃口の前に飛び出すなんて…」
崇「ホント死ぬかと思った!w 思い出しただけでも、あわわわわ…、も、もう…震える!」
大「おーいw 俺は敵襲にテンパって、『道』の冒頭みたいに『おっとっと!』てなっちゃった…ハァ…」
崇「でも大ちゃんは負傷したリューキンさんを助けて…あ、すぐ元気になってたね…うん…何でもない…」
大「………え~~~気を取り直して。
早稲田研究所の本田さんから連絡がありました!早稲田から熊本へ、拠点が移ります!」
崇「スイス組も、早稲田経由で熊本に合流する予定です!」
大「ケヴィンさんたち、もう無事早稲田に着いたかな…?」
崇「熊本に、フィギュアスケーターズ大集結!?一体何が起こる!?」
大「未来ちゃん、そして『3つのアイテム』を守るという、僕大輔と崇彦の使命…」
崇「クリプトン星長老さんの話には、まだ秘密がありそうですねえ…」
大「…このスレ中に、僕らスケーターズはパンデミックを乗り越えなければ!」
崇「いよいよ一気に話が収束しそうで、見逃せませんね!」
大「さあ気を引き締めて!次回、『フィギュアスケーターズの華麗ないちにち』、」
『早く来い来い宇宙船!』
二人「見てね~!!」
512:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/20 18:06:37 cdHsL7IH0
謎の組織の襲撃は、スレ職人のテンションを下げるという恐ろしい手段に及んできた!
だがしかし、スケーター達と同じようにスレ職人もスケートへの愛と情熱で
立ち向かうのだった!!
=================
その頃の早稲田研究所
「もし良かったら・・・私たちが残るわ。」
シズカの提案の手を挙げたのはサラ&アリッサだった。
温泉水の効果で元に戻ってはいるが、まだ時々入れ替わってしまうので
二人一緒に行動した方がいいだろうという判断からだった。
「それじゃあ悪いけど、後はお願いね。」
「ゲテ子達が着いたら連絡して。直ぐ迎えに行くわ」
「ええ、任せておいて」
シズカとジョニ子が声を掛けると、笑顔で応えるサラ&アリッサだった。
「これで全員乗ったかい?それじゃあ出発するよ!」
「ええ、行きましょう、ジェーニャ!」
こうしてサラ&アリッサをお留守番に残して、一行は熊本に向けて飛び立った。
513:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/20 18:14:20 vzif2rzcO
しまった、そろそろ予告かと覗いたら先を越されてた!w
次あたりにはDIVAジョニ子に予告やらせたげないと、終わっちゃってDIVAすねる悪寒w
最終回の予告こそはアタシだと思ってたのに!みたいなw
ようやく集合な展開wktkです!
514:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/20 19:31:53 oXsVV0P8O
熊本のホテルの長い夜に終わりを告げ、爽やかな朝を迎えた。
ざまざまな出来事のせいでまだ眠る者も多い中、すっきり目覚めた少年…カザフのデニス・テン君である。
彼は寿司屋でたらふく食べた後プルの夢やSWE先輩後輩、ライサピンチなどの騒動にも全く関わる事なく熟睡していたのだ。
性別不明部屋にはいい年してイチゴの取り合い中のヤグディンとバトル、朝のお手入れに鏡に向かってうっふんあっはんするジョニ子、静かに眠る飼育員がいた。
それらをしばらく眺めた後、テン君はそっと部屋を出ることにした。
(…ここは何か違う気が…する)
まだ若いテン君に性別不明部屋はいろんな意味で早かった。
布袋部屋から崇彦や大輔の声が聞こえたのでそっと覗くと
「あ、デニス~起きたの?」
「テン君どうした?一緒に朝ごはんでも食べる?」
(…ここだ!ここに決めた!!)
テン君は小塚達と朝ごはんにルームサービスのおにぎりを楽しく食べた。
ご飯の後はジョニーから貰ったリップで荒れた唇を潤す。(前々スレ参照)
すると老人二人と布袋、寝ている内にギターから戻ったボロもこちらに集まってきた。
515:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/20 23:04:38 cdHsL7IH0
日本上空を凄まじいスピードで進んでいく金色の宇宙船。
あっというまに東京を過ぎ、伊豆半島を越え、ひたすら西に向かって突き進む。
おや、あそこに見えたのはジェーニャの金ぴか衣装・・・ではなくて、名古屋城の鯱か。
窓越しの景色が見る見るうちに変わっていくので、スケーター達も興味津々で眺めている。
「それにしても凄い速さね・・・こんな船を作るロシアの科学力って凄いわ」
「う~ん・・・正確に言うと元々はクリプトンの科学力なんだけどね」
「ええ?この宇宙船ってクリプトン製なの?」
驚いた顔のジョニ子にジェーニャが続けて言った。
「この船の原型になったのは、僕達が地球に来た時に乗っていた船なんだ。
それ自体は僕達が事故で放り出されたあと制御不能になって墜落して壊れちゃったんだけど、
その残骸をロシア側で回収して、長年掛けて研究してこの船を作り上げたってわけ。
最初は自分たちで使うつもりだったみたいだけど、クリプトンの技術を地球人だけで
完全にコントロールするのは難しいから、僕が使うことになったんだよ。
だからクリプトンの技術を使ったロシアの宇宙船・・・ってことになるね。」
「そうだったの・・・じゃあこの船が金色のドーナツ状なのもクリプトン由来なの?」
「いや、それは船をもらったのが僕がトリノで金メダル取った時だから、そのお祝いで」
ほら、やっぱり僕たちにとって金って重要だし。
がくっ。
予想の斜め上を行く答えに思わずずっこけるジョニ子だった。
宇宙船について考察があがっていた+3人が乗ってきた船がどうなったか?
の疑問があったのでこんな感じで考えてみました。
(いっそ船のエネルギー自体が金メダルから出る一種のオーラとかw)
矛盾してるな~っていう場合はスルーで。
516:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/21 00:13:12 354QpxeV0
…熊本のホテル、男子汚部屋の面々も、静かに朝食をとっていた。
これだけ大勢の男所帯の朝飯時だが、不思議に騒がしさはなく、皆ほとんど無口だった。
ジュベも、フェルナンデスも、あの後物思いにふけるライサも…一見穏やかな表情に真剣さが見て取れた。
アボット、Pチャン、信成、クリス、ユヅルも…これから起こるだろう何かに向けて、覚悟を胸にしていた。
春日が抜けかけているミハル、存在感を示したいトマシュも、そして…
(…最近ピザ食ってないな…ピザっていうかフォンデュっていうかチーズ系…あ、スシはうまかった)
…ADSLも、この場の空気を読んで、お米のご飯を食べながらそう思ったことは、黙っていた。
そして、食後の軽い運動と日なたぼっこを兼ねて、赤い布を手に取ると、ベランダにゆらりと出て行った。
一応周囲に気兼ねしてのことである。
べるるん先輩はシジミ汁をすすりながら、ベランダでなんとなく赤い布を振ってる後輩を見て、思った。
(あいつ、EX圏に食い込んだら、不屈ならぬ「腹痛の闘牛士」やるつもりなんだろうか…)
…ADSLの動きが止まった。彼方上空を、ずっと見上げたままだ。どうした…?
男子部屋の面子は、なんとなくその様子に気付き、なんとなくそっちの方を見上げてみた。
「…あ、来た…」 皆なんとなく同時に、声に出して、あるいは胸の内でつぶやいた。
…来た、熊本に、宇宙船が…。
きっとアレがそうにちがいない、最初ゴマ粒くらいに見えたのが、どんどん大きく…いや高速で接近している。
『朝食の後、市内の指定病院に移動してください』、との周知は、すでに行き渡っている。
各々、箸や食器を置き、準備を整え、立ち上がった…