10/04/16 22:28:39 CcKW5u7i0
もちろん次に「俺最近、日本語の勉強をしているんだ」と言いつつ
ジョニ子の頬に「ーニョジ」と書くのも忘れない、
ナイスガイなヤグ先輩であった。
316:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/16 22:34:24 s9mcDaWLO
>>315
しかしヤグ先輩の落書きは日本人が見ると
ーニヨヅ
にしか見えないのだった。
317:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/16 22:41:02 g6qir3O80
ひどく喉が渇いていた。
いくら吸血鬼状態だったと言えど、昨晩から一睡もしていなかった体は、貪欲に眠りを求める。
意識は睡魔に誘惑されて、引きずられるように体の力も抜けていく。
体の上から重しを乗せられているようだった。そうでなければ、重力に弾かれ、底なし沼に落ちていく感覚。
重しを乗せられたことがなければ、底なし沼に引きずりこともない。思考は靄か霞か――故郷の街を埋め尽くす吹雪に閉ざされたように、はっきりしない。
アドリアンが目を覚まし、聞き耳を立て、そっと毛布をかけていったことも気づけなかった。
にも関わらず、喉元を這いまわる不快な感覚だけは、やたらと明瞭だった。
どくん
心臓が大きく、ひとつ、暴れる。無意識に、鈍った腕を動かし、おかしな鼓動を確認するかのように右手を添える。
それは渇きというよりも、飢えだった。
どくん、と、不規則に鼓動が胸を叩くたび、その渇望は増していく。
ジョニ子の輸血で、症状は軽くなったはずだった。馬刺しも食べた。鉄分は充分に足りているはずだった。
どくん、どくん、どくん
心臓の音が、大きくなるのに比例して、速度が遅くなっていく。
「……喉が乾いたんだ。僕は……血が……」
髪をかきあげ、べるるんは立ち上がる。かきあげた髪は、金から、美しい赤毛に変わっていた。
血が欲しい。どうせなら、美しい女性の血が。どうしてあの時、あの美しい女性の首筋に、この牙をつきたてられなかったんだろう。
アドリアンが掛けた毛布がはらりと床に落ちる。それを胡乱な瞳で見下ろして、べるるんは部屋を出た。
美しい女性は何処にいるのだろう。足は欲求にこたえるように、進んでいく。
318:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/16 22:55:50 xG5xvdIRO
赤毛べるるんktkr!
でもこのままだと心臓停s…(((゚Д゚;)))
319:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/16 22:58:14 78iRSCHv0
スレチっぽいが投下
中年の男性が頭を抱える
銀盤の(ry の監督である
視聴者の声で続編が決まったものの、全く何も進んでないからだ
1クールでトリノ五輪までだとしたら、確実に中だるみする。
かといって、バンクーバーまでやってしまうとファンが消化不良を起こしそうだ。
あーもう、どうしよう…
いっそジェーニャが女の子だったらもっとアイデアが沸くのに。
一部の原画マンはジェーニャより、時々出てくる
りんごほっぺのイーラを描くのに異常なこだわりを見せていた。
あ、ニジンスキー~トリノ五輪までなら、2時間位でまとめれば一番いいんじゃ…?
これって劇場版いけるんじゃね?
TV放映で新規カットを入れた総集編を流して…
その後続きの煽りでドーンとこう
【銀盤のプリンシバル ジェーニャ A New Translation~クワドを継ぐ者】
と予告流して
勿論主題歌はマートンさんに依頼だ!
銀盤の(ry の監督の表情が晴れてきた
問題はクライアントが納得するかである。
余談だがこのアニメ、敏腕アニメーターが集結して原画を描いていたので、
ハイレベルな技量が要求される演技のシーンでも作画崩壊がなかったのだ。
しかし、ミーシン先生の指摘があった所は、DVD収録の際に修正されている。
TV放映版とDVD版で作画の微妙な違いを楽しむのが通である。
320:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/16 22:59:04 PSNFjaF8O
心停止プロw
321:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/16 23:09:42 qnGeM/vJO
見せたら止めようと思っていたのに。
トマシュに見せたら喜ぶかと思っていたのに逆に止められたADSLは苛立った。
そして変身を続けた。
「じゃあ、今度はあなたの彼女にでもなりますか?」ADSLは青ジャージからペシャラに変身した。
心臓はさらに鼓動を速めて爆発しそうだ。
「…っ、もう止めろ!」
自分の彼女の姿を遊びに使われたような気もして、つかみかかろうとしたトマシュ。
しかし向こうのドアから見慣れた人物が出てきたのに気がつく。
「クリストファー!良かった、アドリアンが…。」
しかし見慣れたべるるんとは違う部分があった。
髪が赤い、いつも染めている金髪ではない。
声に気づき顔をこちらに向けた彼は目の色まで変わっている。
まさか…吸血鬼状態?
ちくしょう、こんな時に…!
ADSLはやっと後ろのべるるんに気づいた。
べるるん、いや吸血鬼は部屋から出て一組の男女を見つけた。
男性の方に興味はない、美しい女性に視線を奪われる。
血…喉が渇いて…心臓が…痛い!
…あぁ、ちょうどいい時に。
べるるんはペシャラに変身しているADSLに襲いかかった。
322:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/16 23:22:31 CcKW5u7i0
「ねぇ、一体なにがあったのかアタシにわかるように説明して。
3人のうち誰でもいいから!」
ジョニ子が尋ねた。
プルシェンコがジョニ子を見据えて言った。
「僕とこの子は二卵性双生児として生まれた。
僕たちはいつも一緒だったよ。
双子は別々に育てなくてはならないという掟があるのに、両親は僕らを一緒に育てた。
だから長老たちは僕を殺してこの子を巫女に祀り上げようとしてたんだ。
この子のの能力は群を抜いていたからね。
ふたりで必死に逃げた。だけど大人たちに囲まれて・・・
その時、この子が僕を庇ったんだ。
僕達は性別が決まる時に名前をもらう。だからこの子には名前さえない。
僕が物心ついた時には既にこの子は僕の中にいた。
双子だなんて思ってもみなかった。僕の中の女性的な部分がそう見えてるんだと思ってたよ。
すっかり忘れていたんだ。
僕は、僕の心の奥の奥にある小さな泉を見つけて・・・そこに顔を映してみた。
するとそこには、絶望にうちひしがれて灰色の瞳をした・・・僕が・・・いたんだ」
プルシェンコの言葉がとぎれると
灰色の目をした女が続けた。
「絶望が憎悪に変わっただけ。長老を殺す。
あいつは今、地球に、しかもすぐ近くにいる」
323:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/16 23:29:51 end73iQw0
その頃、ADSLのコーチであるルトコフは、やはり昏睡中だった。
特に危険ではないという容態に、変わりはない。
…ただ、その寝顔は、恐ろしく厳しいものになっていた。
付き添っていた妻ルトコワは、夫ルトコフの手を握りしめて、語りかけた。
「あなた、どうしたの、何があったの、私がついてるわ」
夫は悪夢でも見ているのだろうか?
ふと、ルトコワは胸騒ぎがした。
もしや、アドリアンに何かあったのでは…?
「クリストファーにかけてみるわね」
彼女は夫の手をそっと離し、夫の携帯を手に取った。
…熊本のホテルの男子部屋、
アボットらしきものと、ユヅルが眠りこける中、
サイドテーブルの上の携帯が震えた。
誰も起きなかった。
「…クリストファーは出なかったわ…」
ルトコワは再び、ルトコフの手をそっと握る。
「日本は今、何時かしらね。きっとみんな眠ってるのよ。
…あの子もきっと、大丈夫、先輩がついているもの」
そう言いながらも、しかし、ルトコワの胸騒ぎは止まなかった。
…もしも、アドリアンの様子がおかしいならば、クリストファー、
あの子の鼻ピーをむしり取ってやって!…
知らぬうちに妻は、夫の手をぎゅっと握って、祈っていた…
324:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/16 23:42:58 end73iQw0
自分も書いといてなんですが、ADSL変身編の展開にドキドキしっぱなし!
リスデマン組、こんな時でもアレなリョーシャ先輩もナイス。
サンデュ先輩は…きっと裸足のままなんだろな。
早稲田の村主vs静香も、続きがすんごい気になります!
325:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/16 23:43:24 g6qir3O80
冬場のおなじみ、水色の灯油缶に入ったそれを、
全員で取り囲むようにして、じっと見つめる。
妙なもてなしを受けた襲撃者たちは、
心地よい日差しとあたたかな陽気に、うとうと船をこいでいた。
灯油缶にはユカさん^^からのメッセージが添えられていて、
代表してポンちゃんがそれを読み上げた。
温泉水は、灯油缶一本分。
(これに浸かればええねんな)
熟女とょぅじょとおねいさんと幼なじみとクラス委員長が
キャッキャウフフしている夢を見ていたところを、
蜂に叩き起こされたてんと虫は、どこかしら不満げだった。
せっかくええところやったんに、蜂のボケ……
つい先刻、活躍したばかりとは思えないやさぐれぶりだ。
気を効かせたチャッキーが、
キッチンから蜂やてんと虫、リスデマンが
ちょうどおさまるようなボウルを持ってくる。
そして、そそっと三匹まとめて、ボウルの中に押しこんだ。
(いでっ、ちょ、クワドエルフもうちょい手加減せえや……
ちゅうか何が悲しゅうて男三人で風呂に入らにゃならん……)
(アルバン、文句を言うんじゃない。少しでも温泉水を節約しないと……)
リスデマンの視線が、牝牛を見上げる。ゲデ子はその視線に、小さく首をかしげてみせた。
そう。
この量では、温泉水が足りないのが目に見えている。
連絡が上手くいかなかったのか、
ゲデ子がもう少々ミニマムサイズだと思ったのかはわからない。
とにかく、足りない。
KVDPとポンちゃんが灯油缶を傾けて、
三匹がひたひたになるくらいに、ボウルに温泉水を張る。
リスデマンは瞳を閉じ、
てんと虫は未だ終わりを告げた夢にぶつくさ言っている。
乗り気ではなかった蜂は、なぜかプール開き直後の男子のように
潜ったりドザエモンごっこをはじめていた。
326:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/16 23:48:16 CcKW5u7i0
「だめよ、ジェーニャ! 憎悪に身を任せてはだめ!
私はこうしてあなたの中でちゃんと生きてる。
だからそんな女の声に耳を傾けてはだめ!」
青い目のエフゲーニヤが叫んだ。
その目には涙が浮かんでいた。
さっきの女同士のケンカの時とは大違いだ。
「男性が見てないと女の子ってああなのね・・・」
ひとつ勉強になったジョニ子だった。あとでジェフにも教えてあげなくちゃ。
327:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/16 23:51:30 g6qir3O80
(ヴォロ、次はあなたよ)
心頭滅却すれば火もまた涼しと言わんばかりに黙りこくるリスデマン。
てんと虫は蜂のはしゃぎっぷりに感化され、
びちゃびちゃばたばたとリビングのテーブルに水しぶきをあげる。
リスデマンもいることだし、
蜂とてんと虫は放っておいてもいいと、KVDPは判断した。
ヴォロとゲデ子を連れ、まだ薔薇のかほりが残るバスルームへ向かう。
狼ヴォロをバスタブへ入れると、ゆっくりと灯油缶を傾けた。
ほどよく温泉水が浸かったところで、ポンちゃんとKVDPは大きく溜息をつく。
(そりゃー水かけたるわあああああ)
(ぐわあああ目があああ、目があああ……
とか言うとでも思うたんか!反撃やそりゃー!)
(………)
「うっさいわいてこますぞボケエエエエエエエエエ!」
リビングの虫二匹の騒ぎっぷりに、ポンちゃんが声を荒げる。
果たしててんと虫と蜂、狼とリスはどうなるのか。
ゲデ子の運命やいかに?
328:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/17 00:07:55 dmtItts70
銀盤の(ry も楽しみにしてます!
329:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/17 00:11:40 3m9XbjK4O
ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙メン!
ルトコワの祈りとリンクするようにペシャラたんになったADSLが叫んだ。
「ぐわあっ!」
ADSLの首筋に牙をたてようとしていたべるるんが叫んだ。思わず後ずさりをするべるるん。
ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙メン!
じりじりとべるるんを追い詰めるADSL。
「ぎゃああああああ」
突然べるるんの身体から何かが出ていき、うつ伏せに倒れた。
と同時に
「きゃああああああ」
ペシャラたんだったADSLも座り込むようにへなへなと倒れた。
330:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/17 00:33:26 V/S3ZoSXO
友とその後輩をどうにか止めようとしたが、その前に二人とも倒れてしまった。
「二人とも、返事出来るか!おい!」
意識を確かめるトラ。
べるるんは赤髪から金髪に戻っていく、微かに声も聞こえた。
「鼻…鼻ピアスをむしり取って…くれ…!」
鼻ピアス?むしり取る…。
よく分からないが必死に頼むべるるんに答えよう。
倒れるADSLは今ここにいない恋人、ペシャラたんそのものだ。
しかしピアスはADSLのままのようである。
鼻にもちゃんとピアスがあるままだ。
(むしり取る…って何だかなぁ…とりあえず引っ張ってみよう。)
すると実にあっさり鼻ピーは取れた。
煙のようなものがピアスの穴から出ていき、拘束服のADSLに戻っていく。
「先輩どうかしたのですか、ポゥッ!」
ムーンウォークでこちらに向かってくるミハル。
二人で男子部屋に気を失ったSWE先輩後輩を運び込んだ。
331:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/17 00:49:14 CxxHJYEL0
チェコ先輩後輩がSWE先輩後輩を男部屋に運び入れても、
アボらしき何かとユヅルは目を覚まさなかった。
ポーゥポーゥとご機嫌なミハルをよそに、トラは混乱していた。
とりあえずミハルを黙らすにはどうすればいいだろう。
鼻ピーが抜かれ、ペシャラたんから戻ったADSLは、すっかり意識を失っていた。
「ポーゥ!」
簡易キッチンでおしぼりを濡らしてきたミハルが、先輩にそれを渡す。
MJ化していてもそれなりに気が効くが、うるさい。
「クリス、大丈夫か……?」
「僕は平気だ……誰かが、僕を、呼び戻してくれた。
僕を支配していた何かも、今は何処かに行ってしまったみたい」
「……どういうことだ?」
「僕の中から生まれた何かが、僕を支配していた。あれはウィルスなのかな……。
わからない。ジョニーの血液で、症状は治まったはずなのに。
でも、あれが完全に僕を支配してしまえば……心臓が止まってしまえば……」
囁くように息も絶え絶えに言って、べるるんは、すっと眠りについた。
シリアス展開の連続でトラが困り果てそうだ!
誰か、トラの手助けをしてあげてくれ!
332:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/17 00:53:30 V/S3ZoSXO
>>331
書き方で半コテ状態だよ
文頭にスペース入ってるから目立つ
333:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/17 00:59:03 3m9XbjK4O
昏睡中の夫ルトコフの手を握りながら祈り終わったルトコワは、ベッドの横でつぶやいた。
「アドリアンの事は、もう神様にゆだねるしかないわね…。
なんだかさっきより心が平安だわ。祈りがきかれたのかもしれない。
ああ神様、どうかルトコフの命もお守り下さい…」
334:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/17 01:00:41 CxxHJYEL0
>>332
ごめん自分で読みやすくしようとしてたらこうなってたorz
気をつける
335:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/17 01:01:11 CD/PCVeE0
深夜・布袋部屋
崇彦は一人ノートパソコンの前に座り、これまでの情報を整理していた。
(荷物は光彦じいちゃんが実家に連絡してくれて、そこのあった未来の荷物と共に夕方に届けられた。)
未来のサプライズ・バースデーパーティーで騒ぎ疲れ、みなよく眠っている。
「・・・・完全に煮詰まったかな・・・・」
パソコンの画面を見ながら呟いた。
自分では核心に迫っていたつもりだったのに、
新しい事実を知るたびに突き放されていく、
まるであの時に似ている。
バンクーバー・・・トリノ・・・
「あ~も~!!止めた!!」
パソコンをさっさと閉じて、寝る準備をする。
コンコン・・
「(・・・誰だろ)」
深夜1時を過ぎている。とりあえず外を確かめる。立っていたのは・・・
「真央?」
とりあえずドアを開ける。
「どうしたの?こんな遅く」
「・・・・眠れないから付き合って。」
「はっ?」
彼女は何もいわずに部屋の中に入っていく。そして
「はい!」
手渡されたのは缶ビール。
「あの・・・・どういう意味。」
「・・・・きのう、未来ちゃんに何か言ったでしょ。」
「はい?」
・・・・もしかして、『危険』発言のことか?
しかし、それほど深い意味はなかったはずだが・・・・
そんなことを考えいるうちに、真央はリビングに陣取り炭酸飲料を飲みだす。
その飲みっぷりはまさにヤケ酒を浴びてるようである。
「あ~~もう!!」
なんだかよく分らんが、機嫌がよろしくないことだけは分ったので仕方なく付き合うことにした崇彦であった・・・・・
336:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/17 01:30:54 3m9XbjK4O
大輔は崇彦と同じ布袋部屋の奥の部屋のツインだったが、真央が来た事には気づかずに爆睡していた。
チェックイン時に売店で見かけて気になっていた「くまもん」のぬいぐるみを抱きしめながら…。
337:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/17 01:56:21 AlONPWpB0
「わかっているよ、エフゲーニヤ」
プルシェンコの声は優しい。
「絶望が、憎悪に変わったのは新型ウイルスのせいだ。僕の眠っていた心と、ウイルスがひとつになったのが彼女だ」
プルシェンコは抱えていたエフゲーニヤを降ろす。
「確かに、憎い。長老達が憎い。掟が憎い。でも本当に憎いのは・・・・・・何の力もなかった僕自身だ」
「ならば自分を消せばいい! そうすれば私がお前になって、長老を殺す!」
「ちょっと待ちなさいよ! あんた女の子のジェーニャが殺されたのを恨んで男のジェーニャに成り代わろうとしてたの? ならなんで女の子のジェーニャを攻撃したのよ?」
「長老を殺すのに邪魔だったからよ!」
完全に憎しみに支配されている。ジョニーはぞっとした。自分の大切な人を殺してまで、成し遂げたい復讐なのだろうか?
「ジョニー、説得は出来ないよ。二人とも下がって。危ないから」
プルシェンコはエフゲーニヤの盾になるように進み出た。
「僕は、自分を消すつもりも、長老に復讐するつもりもないよ」
「何で!? どうして!? あれほど絶望は深かったのに!! あれだけ悲しかったのに!!」
「・・・・・・僕には、地球で生きてきた記憶があるから」
そんなプルシェンコの声を、ジョニーははじめて聞いた。試合で闘志をむき出しにしているときとも、ふざけているときとも違う。
「この悲しみは、もう過去のひとつなんだよ。エフゲーニヤが死んだときのまま、記憶も感情も止まった君と違って」
口元にたたえられた微苦笑。プルシェンコの衣装が変わる。黒字に赤いスパンコールは、タンゴ・アモーレのものだ。
「僕は僕の絶望と憎悪を乗り越えないといけない。勝負しよう。それで決まる」
氷原に、どこからともなくバイオリンが響いてくる。また、マートンが弾いているのだろうか・・・・・・
(DIVA奪還したいのに隙が一切ないわ!)
338:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/17 02:01:17 WOVtd8BJ0
>>336
くまもんググったwゆるかわいいww
ジョニーがんばれ!!w
339:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/17 02:03:37 H7nWgL0+0
気を失ったまま、ADSLはときどき変身した。
ペシャラ。ハエ。アフリカ系の老人。アジア系の若い女(キャロにちょっと似ていた)。
フランス人のような少年。真っ白い犬。南米系の幼女、うさぎ、日本人らしい老婆。鳩。
もう彼自身にもピアスにも制御できない何かが働いているのかもしれない。これは本気でまずい。
340:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/17 02:20:19 1G+GeZPT0
>>337
試しにマトンのCDかけながら読んでみたらやばかった。
ジョニは本当にがんばれwww
341:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/17 02:31:37 AlONPWpB0
>>340
そりゃ、書いてる本人が腰振り動画とマートンメドレーの聴きすぎ見すぎで、脳内で自動リピートしている状態なんで・・・・・・
とりあえずCD注文した。楽しんでくれたようで幸い。
342:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/17 02:34:54 +bebckBu0
その時、ジョニ子の顔に突然「ーニョジ」の文字が浮かび上がった。
もちろん、日本人から見ると「ーニヨヅ」であるのは言うまでもない。
ジョニ子の全身が輝きだし、辺りがまぶしい光に満たされる。
ジョニ子の体は空中に静止した。そしてジョニ子はゆっくりと口を開いた。
緑色の瞳はやさしくエフゲーニヤを見つめている。
「力を解放しなさい。そして、黒い感情を光で満たしなさい。
あなたは、あなたの肉体より強い。」
明らかにジョニ子の口から出ている言葉だったがその声はこの世のものと思えない音色だった。
プルシェンコは驚いてジョニ子を見、そしてエフゲーニヤを見た。
エフゲーニヤが胸の辺りに軽く合わせた両手の中に光の珠がみるみる育っていく。
その目は柔らかく伏せられている。
ちょうどハンドボールくらいの大きさまで珠が育った時、
彼女はプルシェンコを押しのけて、冷たい灰色の瞳の女と向き合った。
女は一瞬、たじろいだ。
その瞬間、エフゲーニヤの目がかっと開いた。
343:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/17 03:14:15 +bebckBu0
エフゲーニヤの白い手が光の珠を女の胸に押し当てた。
すると、珠はするりと女の中に吸い込まれていく。
「辛かったのね、可哀想に・・・
こんなに冷え切ってしまって・・・」
女は倒れた。そしてほほえみを浮かべて言った。
その目は灰色から青くかわり、宙を見つめている。
誰に話すともなく、女の口から言葉が漏れる。
「明日はふたりでお花を摘みに行くの。お父様にお花の冠を・・・」
女はそのまま消えた。
その跡には小さな、奇妙な形の生き物の亡骸のようなものがあった。
その瞬間、ジョニ子はプルシェンコの精神世界から元の世界にはじき飛ばされた。
「ありがとう、まもってくれて」
「こちらこそ・・・君の方が僕より強かったね」
「ふふ、だてに長老に拉致されそうになったわけじゃないのよ」
「それに、僕が思ってたより早く会えた」
「お母様があなたを守れ、って言ってくれたから」
「お母様?もしかしてジョニーに?」
「ええ、ジョニーのウィルスは私から株分けしたものだもの」
エフゲーニヤはウインクしてみせた。
「そうそう、長老が来てるわ」
「そうらしいね。だけど・・・僕はもう地球人だ」
「大丈夫だとは思うけど、もしもの事があったら遠慮なく呼び出してね」
「ああ、わかった。ありがとう、僕のジェーニャチカ」
「あの泉は埋めておいてもいいわよね。じゃあ、またいつか。おやすみなさい」
眠っているプルシェンコの目から涙が一筋流れ落ちた。
彼はゆっくりと眠りから覚めた。
344:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/17 03:49:20 H7nWgL0+0
「あのー、さっきソファーの下から拳銃と洋服が出てきたんだけど、誰のだろう」
妖精がぽんちゃんに訊いてきた
「あー、ブライやんやな、その服は。背中にでかく007書いてあるで…なんで脱いだんかな、
まさかその後パンいちで東京行ったいうことないやろな…アホな奴やんなー」
チャッキーはぽんちゃんが服に気を取られている間に、拳銃を自分のポケットにしまいこんだ。
あとあとこれは役立つかもしれないと思ったから。
345:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/17 05:09:08 wfp0z0ww0
真央は前々スレの不可侵天然キャラでお願いしたいなあ
スケート馬鹿一代、大切なのはエアロとたらそわ先生!
好きなものは牛肉とお菓子w リアルもそんな感じだし
346:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/17 07:42:41 fhvGHpUjO
(未来に言ったこと…俺も男だし、っていうアレ?
ってちょっと待て!まさか真央が機嫌悪いのってヤキモチ…?)
思わずぐへへ、とニヤニヤ笑いがこぼれる小塚。
「たかちゃん、なにニヤニヤしてるの?」
「いやこれは…。あ、あのさあ真央。昨日未来に言ったことは全然深い意味なんてないから。
未来はただの妹みたいなもんだし、真央が気にすることなんてな…」
「なんのことか全然わかんない」
「アレッ…?」
「未来ちゃんが「大輔さんだったらよかったのに、小塚さんに言われてもなあ…」
って困ってたよ?女の子困らせたらダメだよ、たかちゃん。未来ちゃんになに言ったの?」
「…ううん…なんでもないからほっといて…」
ショックでいくつか毛根が死んだかもしれない、と小塚は思った。
ベッドに突っ伏して泣きたい気分だが真央の前では泣けない。
「あー…じゃあなんでそんなに機嫌悪そうなの?」
「だって…」
「なんでも言ってみなよ!聞いてやるからさ」
気を取り直してイメージアップを図る小塚。
「…もう何日もエアロたちに会ってない…(´・ω・`)」
「何日もって…今までだって試合で会えないのはしょっちゅうじゃないか」
「だって…せっかくシーズン終わったのに…(´;ω;`)」
ジュースを片手にしょんぼりする真央。
機嫌の悪い理由に拍子抜けした小塚は思わず笑ってしまった。
「ははっ、そんなことか…。ていうか真央がトイプードルなんだから、変身して鏡見ればいいんじゃないwww」
途端に涙目になった真央はキッと小塚をニラむと、
「たかちゃんのバカっ!もー知らないっ!!」
と怒ってバタン!と部屋を出ていってしまった。
「ちょっ、真央…!!」
(あれっ、怒った…滅多なことじゃ怒らない真央が…うわあああなにやってんだ俺えええ)
小塚は泣いた。ベッドに突っ伏して泣いた。
未来の台詞にも傷ついたし、自分の不甲斐なさにも腹がたつ。
さらに今だにエアロ>>>>>自分な真央のお子様っぷりにも絶望した。
(あーーーもうーーー!!)
がんばれ小塚!
347:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/17 07:55:59 k9iLyLoRO
あーあ
やっぱりそうなっちゃったか
348:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/17 07:58:34 Jhq+c5+hO
ランビ宅に続々と小包が届く。
ポンちゃんが開封すると
ランビがマッターホルントルネードで吹っ飛ばした雑誌&DVDが入っていた。
差出人は世界各国からだ。
なぜ持ち主がわかったのか?
実は気に入った作品には『ステファン・ランビエール』と名前を書きこんでいたランビ。
拾った人達は
「この名前って…オリンピックに出てた人じゃ…?まぁダメもとでやってみるか。」なんて軽い気持ちで宛先に
『スイス ステファン・ランビエール』
と書いて送ってきたのだ。
これは数年前に
『山形県 孫』と書いただけで演歌歌手の大泉逸郎宅にファンレターが届いたのと同じ方式だ。
しかしよく見ると
『バンクーバーオリンピック 毛玉』
『エキシビジョン 脱ぎっぱ』
と宛先に書いてあった物も含まれていた、よくわかったな。
雑誌&DVDと感動の再会を果たしたランビ
喜びの舞が止まらない。
しかし小包はすべて着払いだった
その金額を聞いたランビが青ざめるのはずっと後のことである…。
349:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/17 08:23:08 ZPZiE11SO
>『山形県 孫』と書いただけで演歌歌手の大泉逸郎宅にファンレターが届いたのと同じ方式だ。
wwwwww
朝っぱらから吹いたwネタが懐かし過ぎるw
350:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/17 08:42:04 fhvGHpUjO
>>347
ごめんよ…くっつけたいのはやまやまなんだけど
そうするとロロ父ちゃんがすっ飛んできて場を荒らすからさw
351:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/17 09:07:29 6angyaQIO
アンチネタもネタにならない妄想カプネタも自重して欲しい身としてはありがたい
352:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/17 09:10:39 dmtItts70
…
…ここは…僕は…何を…
…ああ、ここは…熊本のホテル。
椅子に座ったまま眠っていたのか。
誰かが毛布をかけてくれた…
僕は…何を…誰を待っているんだろう…
ハッと我に帰ると、サイドテーブルの上で、自分の携帯が震えている。
「もしもし?」
「やあクリストファー?元気かい、アドリアンも…仲良くやってるかい?」
年配の男性の声。
「ええ、もちろんですよ。アドリアンなら、今…」
…どこだ?
携帯片手に、部屋を見回す。…いない。
「…今、同じホテルにいます…呼んできましょうか?」
「いや、一緒なら安心だ。つまらないことで電話して、すまなかったね」
…通話を切った後、再び座り込んだ。
アドリアン、どうせ他の部屋にでも遊びに行ったんだろう、
さっき僕が厳しい態度を取ったから、ふて腐れてるんだろう、
だがあれは君のために…
いや、僕がイライラをぶつけてしまったのか…
悪かった、帰って来たら謝ろう、
あいつもそんなに怒ってないかもしれない、
仲直りしよう、
僕らは仲のいい先輩後輩同士じゃないか。
そう自分にいい聞かせながらも、なぜか冷や汗をかいていた。
いつの間にか後輩が戻って来ていた。
「…起きてたんですか?寝ないと身体に毒ですよ」
それだけ言うと、言葉も待たずにベッドに潜り込んだ。
先輩の視線を避けるように。
…
べるるんは、ハッと夢から覚めた。
隣のベッドに、ADSLが眠っている。
今は「変身」は落ち着いたのか、
しかし青白い顔で横たわっているのみだ。
それを見ながら、胸が細かく切り取られて行くような
つらく悲しい感情を、先輩は感じていた。
まるで後輩が、ずっと遠くに行ってしまったかのように。
353:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/17 10:15:20 V/S3ZoSXO
男子部屋には焼肉レストランから戻ってきたせっぼん組も合わせて大人数になっていた(キャシーは女子部屋)
といっても時間が時間なのでほとんど寝ている。
寝ていないのはトラ、ミハル、本当は39じゃなくて19歳ピチピチ未成年でまだ眠くないらしいPチャンだけだ。
「またジョニーにでも頼んで輸血するか、温泉水にでも浸けるか。
それぐらいじゃないんですか?」
話を聞いたPはまともな意見を言った。
確かにそうなのだが…トラは悩んでいた。
べるるんは髪や目も元に戻ってひとまず大丈夫そうだ。
しかしADSL…そういえば培養液に入ったりするような治療を今までにもしていたはずだ。
彼は一筋縄ではいかないような気がする。
培養液に浸かっていたにも関わらず、全く良くなる気配がなかった時のミハルを思い出した。
「とりあえずユカさんか誰か連れて来よう。
俺達には分からん。」
「ポゥッ、じゃミハルが行ってきましょう!」
くるくる回りながら出ていくミハル。
ベッドでべるるんが起きたのはそんな時間である。
「起きたか…大丈夫なのか?」
ADSLの変身をけしかけた事、べるるんが吸血鬼状態になった事、鼻ピーを取った事など今までの出来事を全て告げるトラ。
「そう…トマシュがとってくれたのか…。」
怒ったり殴られるかと覚悟していたがそれはなかった。
ただ彼は悲しそうだった。
「あらあら、ずいぶん暗い顔ね^^
そんなことじゃ病気も治らないわよ」
ミハルとともにユカさんが現れる。
何故か声を聞いただけで疲れて豚になっていたアボットはすぐ人間に戻った。
354:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/17 11:02:19 dmtItts70
サイドテーブルに置きっぱの携帯に、着信アリランプが点灯している。
べるるんの携帯だ。
彼はそれを手に取った、さっき見た夢を思い出した。
ルトコフコーチが回復したのかもしれない…!
メッセージが入っていた。ルトコワの声だった。
「…厳しい顔をして眠っています、主人もきっと戦っているのでしょう、
あなたたちも気をつけて…」
ベッドに横たわる後輩の方を、ちらと見る。
その伏し目がちな視線に、若干のよそよそしさがあるのは否めない。
後輩を案ずる気持ちに変わりはないけれど…
ADSLの傍らに付いていたトマシュは、焦った。
目の前で、アドリアンがぶるぶる震え出した…
(やばい、また変身するのか!?)
そうだ、またピアスを外してみたらどうだろう?
トマシュはクチピーを外してみた。
ADSLの震えが止んだ。が…
(あ、クチピーがないと、アドリアンって感じしないよな)
しかし焦ったトマシュは、よりによってさっき外した鼻ピーを、
また鼻に付けてしまった。
(しまった…)
嫌な汗が出る。
…何も起こらなかった。
ADSLはさっきより落ち着いた様子で眠っている。
ちょっと影が薄くなってはいたが。
(…あ…もしかして、鼻ピー以外の、どれかを外せば安定するのか?)
あたふたしながら振り向くと、べるるんがそこに立っていた。
「…トマシュ、人の顔で、一体何を遊んでいるんだ?」
…さすがにその声には、ちょっと怒気が含まれていた。
355:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/17 11:08:53 o+to/gK90
ランビ良かったなwww
モロゾフの所へ届いたやつに名前が入っていたら((((;゚Д゚))))
356:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/17 12:48:18 V/S3ZoSXO
「あなたジョニーの血について考えていたでしょ?
アドリアンがわざわざ女子部屋にまで話に来たのよ、彼なりにあなたを心配してね^^
あなたの寝言を聞いて、布団かけてから来たんですって。」
ユカからADSLのことを聞かされてべるるんは驚いた。
さっきの夢の中の彼に似ていたからだ。
「うーん…でも温泉は今ここにはないのよ…ごめんなさいね」
光彦が温泉水を持ってきていたなんてユカは知らない。
「でも何とかなるかもしれない方法があるの、聞く?^^」
べるるんはうなづく、Pちゃん達もその方法が気になって話に集中する。
ちょっとしょんぼりしていたトラも耳を傾ける。
「さっき飼育員さんから電話があったんだけどジョニーが
『アタシは天使だから夢の中に入れるのよ!』
なんて言ってジェーニャの夢に入っていったらしいわ。
どうやらここにも天使が一人いるようだし、…入ってみる?
アドリアンの夢の中に^^」べるるん達は顔を見合わせた。
正直あやしい方法だが今のこの状況、何が起きても不思議でない。
「夢に入るにはその人達も眠らないといけないようだわ。
私は見張りとして残るからミハルとトマシュ、クリストファー…も行くわよね?
後Pチャンと…」
奥の部屋にズンズン入るユカさん。
そこには起きてこっそりツイッターを楽しむアボットとユヅルがいた。
「ジェレミーとユヅル^^
この六人で行ってらっしゃい!」
アボットとユヅルは話を聞いてなかったので訳が分からない。
しかしユカさんに笑顔^^で睨まれて従う事にした。
ミハルは分かっているのかいないのか、「ホゥッ!」と一言叫んだ。
357:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/17 12:51:43 U/L1m3+NO
プルのスケート力が安定すると、自在に女子化+ブリザードを操るようになるのかな?
358:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/17 12:53:58 bi6HjVaZO
こづと真央は萌えないけど
惚れっぽいバトルとスルーな真央は萌えるw
359:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/17 12:54:26 Jhq+c5+hO
ランビ宅のバスルーム
KVDPはバスタブのふちに腰掛け、温泉水に浸かるヴォロ狼に語りかける。
「お前は一人で頑張りすぎ、悩みすぎなんだよ。
助けを求めることは恥ずかしいことじゃない。
俺じゃ頼りないかもしれないけど
…少しくらい甘えてくれよ。」
そう言ってヴォロ狼の頭を優しく撫でるKVDP。
やがてヴォロ狼の目からポロポロと涙がこぼれ落ち、温泉水に溶け込んでいった…。
360:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/17 13:45:20 Zmu2Qy+M0
プルシェンコが目を覚ますと
先に目を覚ましたジョニ子とバトルが何か話し込んでいた。
ヤグディンは背を向けて肩を震わせている。
ジョニ子はプルシェンコの顔をみて一瞬驚き、すぐに眼を伏せた。
プルシェンコは自分の手と服を見た。確かに男に戻っている。
そして衣装はタンゴ・アモーレのあれだ。
「ジェーニャ、起きたのか。い、いまお茶でも・・・くっ」
バトルも心なしか震えていて、言葉が切れ切れだった。
なんか様子がおかしい。不安な気持ちにかられるプルシェンコだった。
「どうしたの、みんな。ちょっと僕、トイレ行って来るね」
やがてバスルームから
「なんじゃこりゃーーーー!」という絶叫が聞こえてきた。
こらえきれなくなったヤグディンとバトルとジョニ子は爆笑した。
鏡の中にはまぶたに目・頬に縫い傷・反対の頬に「ヤニーエヅ」と書かれた顔があった。
361:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/17 13:50:37 6kXs6AuFO
本当はもっと頑張れるはずだった。
慣れない環境も、重すぎる期待も、全部跳ね返せるだけの素質がお前にはあるんだよ、とあのコーチは言ってくれた。
(……五輪にでたかっただけなんだ)
キスクラでいつも誉めてくれるコーチの笑顔が思い出された。
ウザイくらいにはしゃいで、点数が聞こえなくてしーってしちゃったこともあった。
ぬいぐるみを落としたことに気付かないで忘れちゃったこともあった。
(あのとき、ユーロの失敗さえ無ければ)
ぐるぐると後悔がヴォロ狼の内側を侵食した。
起き上がりたくない、なにも考えたくない。
サンクトペテルブルクの空にも結局馴染めないままだ。
だが、KVDPの暖かく大きな手の感触が、その溜まった暗いものを溶かしてくれるようだった。
「くうぅぅぅん…」
寂しげな鳴き声がバスルームに響く。
(まだ…やめたくないよ…)
362:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/17 14:20:10 AlONPWpB0
「リョーシャ、お前は昔っからそういう奴だったよな」
ホテル備え付けの石鹸でいたずら書きを洗い落としたプルシェンコは、ヤグディンにいやみを言った。
「温泉に突き落としたりいたずら書きしたり、着替えのとき僕とエフゲーニヤの服かくして喜んだり」
「なんだ、お前、クリプトン星のこと思い出したのか?」
「ああ、全部ね!」
顔を拭いていたタオルをぶん投げる。ヤグディンはそれをひょいっとかわした。代わりにバトルにぶつかった。
「ジェーニャ、あなた大丈夫なの?」
「うん、大丈夫だよ。近くに長老がいるみたいだ。探そう」
「あなた復讐はしないって・・・・・・」
「するつもりはないよ。復讐したがっていた彼女は消えたし。エフゲーニヤも眠りについた」
(え、じゃあもう女の子にならないの!?)
バトルがこの世の終わりを見た顔をしているのを、ヤグディンはこの世の天国というべき顔で眺めている。
新型が消滅したプルは変身を完全にコントロールできるはずなので、バトルの心配は杞憂だろう。今後もプルシェン子に変身するはずだ。主におねだりのために。
「長老がいるんだったらこの事件について何か知っているだろう。事件解決のために協力してもらいたいんだ」
「でも居場所わかるの?」
「まあ、大体。エフゲーニヤの感応力、今の僕なら使えるし。この階の別の部屋じゃないかな」
プルシェンコは長老を探しに性別不明部屋を出た。ジョニーとヤグディンとバトルはついていく。
「お前、思い出したのに明るいな。あの頃は、記憶を消されていてもずっと暗かったのに」
「乗り越えないといけないからね。乗り越えるだけの時間と、たくさんの思い出が僕にはあるから」
363:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/17 16:13:39 qo7oEo1mO
「夢の中へ♪夢の中へ♪行ってみたいと思いませんか^^」
(ユカさん、古いですそれ…)
しかし言わないでおく優しいユヅルであった。
364:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/17 17:24:07 H7nWgL0+0
ちなみにMJ化したミハルがアリソンに電話したところ、
ものすごく喜んだのだという…。
そんなに春日がいやだったか、アリソンよ。
365:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/17 17:33:30 dmtItts70
…
少年はひたすら小走りで進み続けた。
もう鼻歌は出ない、お日様もない、風もそよともしない。
どこまでも大きくうねる道、その先、彼方に丘がある。
早く、行かなきゃ、あの上に、人がいる、手を振ってる…
のしかかるような曇天の下、少年は急いだ。
もう花も咲いていない。
喘ぐ呼吸の音。耳の後ろでガンガン鳴り響く音。胸の痛み。
走り疲れた苦しみなのか、不安でたまらない苦しみなのか…
もう自分でもよくわからなくなっていた。
少年の必死な足取りにも関わらず、丘は一向に近づく気配がない。
…それどころか、ゆっくりと距離が開いていくようにも感ぜられた。
重々しく、冷酷に、突き放すように。
少年は泣きたくなった…
…
黒でもない、白でもない。
灰色の空間の中。
拘束衣姿の一人の青年が、うずくまって震えている。
やがて顔を上げ、震えるのをやめて立ち上がった。
…誰か、いる。
知った顔だな…だが、どうやってここに?
「…ピアス、返してくださいよ?…あれは俺のです」
どこへともなく、青年は声をかけた。
「…返せよ…」
口調が変わった。その両手は固く拳を作った。
「…さもなきゃ、出てけ」
…
少年は泣いた。走りながら泣いた。鼻水が止まらなかった。
そして、その足を止める事もなかった…
366:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/17 17:37:39 V/S3ZoSXO
「じゃあミハル頼んだわよ^^」
「任せろ、ポゥッ!」
「ちょっと待て!ただ寝るだけでいいのか?
寝るだけならこの部屋で寝てる奴ら全部行けるだろ。」
「パトリックったら正論ね。
…じゃ皆手でも繋ぎましょうか^^」
結構いいかげんなユカさんに皆渋々従って手を繋いで横になった。
半信半疑で目を閉じる。
数分後、
「もしもーし^^…眠ったみたいね。
本当に夢の中に行けたのかしら?」
ユカさんも半信半疑だった。
…何だかポカポカ暖かい。
目を開くとホテルの部屋ではない、別の場所にいた。
日だまりの心地よい公園のようなところだ。
「本当に夢の中に来れたのか…?」
後ろから「ポゥッ!」とミハルの声がして振り返る。
そこには天使のミハル、トマシュ、Pチャン、ジェレミー、ユヅルが立っていた。
べるるんはADSLを探す、しかしそれらしき影はない。
「本当にここがアドリアンさんの夢の中なんですか?」
不安げなユヅル、確かにアドリアンの夢の中だという確証なんてない。
「ミハル、本当にここでいいんだろうな?
他の奴の夢じゃどうしようもないぞ…。」
「大丈夫です、多分あってるはずですよ先輩。」
せわしなく動きながら答えるミハル。
「…あ!誰かいるぞ!」
ジェレミーは叫んだ。
どうやら老人のようだ、向こうのベンチに座っている。
「もしかしてあれはルトコフコーチ…?」
6人は老人の座るベンチに向かった。
367:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/17 17:51:14 ZPZiE11SO
>>361
ヴォロ…
同じチームのチャッキーもポンちゃんも蜂も五輪でれなかったけど
みんな今後頑張ってくれたらそれだけで十分嬉しいよ
だから元気だして(´・ω・`)
368:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/17 18:07:27 H7nWgL0+0
晴れ渡る空の遥か遠くに、暗く重い雲が見えた
これから雨が降るのかな
雲の下に、小柄な人影が見える
小柄っていうか、小さな子供のようだ。こちらに向かって走っているが、一向に近づけそうもない様子だ
まさかあれが…
369:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/17 18:36:44 oBXmga1+0
夜更け
大輔が目を開けて時計を見る。
「・・・・まだ2時ですか・・・」
もう一度眠ろうとして、ふとリビングに明かりがついてることに気がついた。
「崇彦君はまだ作業中ですか・・・」
仕方ないなぁ~とリビングへ。
案の定、リビングのデスクでパソコンをつけたまま突っ伏していた。
側には缶ビールが何本か転がっている。
「こんなところで居眠りは体に毒ですよっと!」
大輔は手近に転がってた空き缶を手にとって崇彦の首筋に押し付けた。そして・・
「根性ドリル!!!!!!」
空き缶を力を込めてグリグリ回した。
「イテ、イテテ・・・いたt、いあたいたいたたった!!!」
痛みに眠気がぶっ飛んだ崇彦君。
「や~崇彦君。お目覚め?」
先輩はすっとぼけた顔で挨拶。
「な、何ですかいったい!!」
状況がつかめず思わず声を上げてしまう。
「寝てたから起こしただけですが。何か?」
「こんなやり方初めてですよ!!」
息をついて椅子に座り込む崇彦はふと周りを見渡す。
「どうかした?」
「いや、俺パソコン消したはずなんだけど・・・作業が煮詰まって・・・」
「気のせいだったんじゃないの?」
「それに・・・ベッドに倒れこんで・・・あれ?」
首をひねる崇彦に大輔も不思議顔だ。
「なんだかよく分らないから、詳しく先輩に話してみなさい。(キリ!」
「あ、・・ハイ・・(ナンダカナ・・・」
そうして、さっきの真央との会話をザックリと話したのだが・・・
「崇彦、よ~く考えて見なさい。二十歳前の女の子が深夜に男の部屋を訪ねに来ると思うか?お酒持って?」
「いいえ、ぜんぜん。(アッサリ」
「ならば、これはほぼ間違いなく君が居眠りしていたときの『夢』です。分りましたね。」
「は~い、分りました。」
(でも・・・微妙にリアルな感じがしたんだよな・・・)
そう、思ったが口にはしなかった。
370:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/17 20:11:36 CxxHJYEL0
そのころのランビエール宅
変身がとけたのかどうなのか、リビングでキャッキャバシャバシャ騒ぐ蜂とてんと虫を背景に、
バスルームには緊迫した空気が漂っていた。
未だ薔薇の香りが残るバスルーム内、バスタブに張られた温泉水に浸かっているのは、狼ヴォロだ。
言葉をかけたKVDP、熱く拳を握るポンちゃん、ゲデ子の心配そうな瞳。
二人と一頭は、固唾を呑んで、狼ヴォロの変化を待っていた。
切なげに鳴きながら、狼ヴォロは瞼をぎゅっと閉じ、力を込めた。
人間だったころの手や足や感覚を思い出そうと、奥歯を食いしばる。
「まだ、無理か……」
(……ごめんなさい)
幾ら戻りたい、辞めたくないと望んでも、体は思う通りにいかない。
「気にせんときィ。でも、ちぃとは楽になったやろ?もーちょい浸かったら戻れるかもしらんし」
項垂れる狼ヴォロを元気づけるように、ポンちゃんが明るい声を上げる。
(焦らなくていいのよ)
バスタブに前脚を置き、ゲデ子も深く頷いた。
そんな三人の様子を背後で見守っていたチャッキーは、その手にゲデ子とユカさん^^からのメッセージを持っていた。
「あの、温泉水も足りないし、一度、ユカさんに連絡を取ってみたらどうかって思うんだけど」
メッセージにはユカさんの携帯電話のナンバーが記載されている。
371:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/17 20:14:15 CxxHJYEL0
>>370
×ゲデ子とユカさん^^からのメッセージ
○ゲデ子の携帯電話とユカさん^^からのメッセージ
クワドエルフ力持ちすぎた
372:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/17 20:23:54 V/S3ZoSXO
一方、アドリアンの夢の中の6人。
老人のそばへ向かうと、ここが丘の上にあることがわかった。
老人は遠くをじっと見つめ、時折手を振っている。
「もしかして…アドリアンのコーチですか?
俺達は彼を助けに…」
「あぁ全部知ってる、君たちの事も待っていたんだ。」
君たちの事『も』待っていた…べるるんはさっきから気になっていたことを聞いた。
「向こうからこっちに向かって走る金髪の子供…あれはアドリアンなのですか?」
天気が悪いだろう下界から必死に丘を目指している一人の子供…。
あんなに頑張っても全く近づく気配はない、とても気になっていた。
「子供なんてよく見えたな…どこだ?天気が悪くて見えん。」
カッと目を開いて子供を探すPちゃんにユヅルは小さく「ひぃっ…」と声をあげた。
「もしかしてあれ?…確かに髪色とか何となくアドリアンっぽいな~。」
「クリストファーやジェレミーの言う通り、あれはアドリアンだ。…いい方の、な。」
「いい方の…どういう事ですか?」
「私はアドリアンが心配で、彼に何かあるたびに出来る限り夢で導いたり助けようとした。
しかしウイルスの進行により彼は二つに別れた。
ひとつは私を慕う少年のアドリアン。
そしてもうひとつは私と少年を引き離そうとし、私と話そうとしない排他的で自己中心な青年アドリアン…。
今、この夢は悪い方のアドリアンが強くなっている。
それゆえあの子供はいくら走ってもここに来れないのだ。」
「それじゃあなたから会いに行けばいいんじゃないんですか…?!」
Pチャンは語気を強めていった。
老人の話にはどうも親身になってしまう。
「私はここから動けない。
会いに行けば余計少年のアドリアンが苦しい目に遭わされるだけだ。
…私だって苦しい。」
厳しい顔をしてルトコフは呟く。
「…じゃあ僕達がここに連れていきます、その為に来たのだろうし。」
373:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/17 20:28:36 CxxHJYEL0
そのころの熊本某ホテル
某金○パースか荒○立ちを思わせるポーズで横臥するMJミハルを筆頭に、
トラべるるんPちゃんアボユヅルがそれぞれ手を繋ぎ、眠りについている。
ある種壮観とも思える様子をソファから眺めていたユカさん^^は、ポケットの中の携帯電話が震えたのに気づいた。
誰かしら^^ディスプレイに表示されたのは見慣れないナンバーだったが、
躊躇することなく、ユカさん^^は電話に出る。
「どちらかしら^^」
「あっ、えっと、カナダのレイノルズです……」
「ああ、ステファン宅ね。どうかした?^^」
「温泉水をありがとうございました。無事に届きました」
本題に入る前にまずはお礼をするチャッキー。
行儀のよいクワドエルフに、ユカさん^^は女神のような笑顔を表情に浮かべる。
温泉水が足りないこと、狼ヴォロが戻らないことなどを聞き、新たに温泉水を手配できるようにすると言って、
ユカさん^^は電話を切った。
携帯電話をポケットにしまう。「うーん……」狼ヴォロの容態に、引っかかるものを感じる。
アドリアンは言っていた。
べるるんの変身に伴う症状は、ジョニ子の輸血を受けて軽くなった。それは知っている。
べるるんは、ジョニ子の血液に治療法があるのではないかと思っている。
しかしそれは根本的な治療ではないのではないか。
べるるんが新たな吸血鬼状態になったのと、症状が快方に向かわない狼ヴォロ。
彼らを蝕むウィルスが、彼らの何かに反応し、症状をより重くしているのかもしれない。
374:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/17 20:31:13 oBXmga1+0
翌朝・女子部屋
未「おはよう!」
美「おはよ~」
真「おはよう・・・・」
今日の真央は寝起きがあまりよろしくないらしい。
「真央?寝起き悪いの?」
「昨夜変な夢見ちゃった・・・」
未来に聞かれた真央は憂鬱な気分で答え、二人に夢の内容を話した。
「・・・・拠りによってさ~自分の変身した写真撮れっていう人いる?」
「・・・まあ、普通は言わないよね~」
「でも夢の話じゃん。気にするほうがおかしいって!」
「そうかな~」
「そうだよ!」
そこへ、真央の携帯がなった。
「あ!舞からだ!今日のエアロチェック~」
嬉々として携帯を開く真央に美姫と未来の表情は呆れ顔だった。
「興味の対象がエアロじゃ恋愛は一生無理かもね・・・」
「美姫さん、言い方キツイケドなんか分る・・・」
携帯でエアロたちの写真をチェックしていた真央。しかし最後の写真とメッセージを見て眉を寄せる。
「あれ?新顔・・・・舞?」
「どうしたの?」
「お母さんからのメールで舞がしばらく帰ってこないんだって。
それで、舞が居なくなった日に部屋に居たのがこの犬だったんだけど・・・
どう見ても舞だよね?」
真央の携帯を覗き込み写真を見る二人。
そこに写ってるトイプードルは真央のそれより全体がモコモコで、瞳がウルウルしていた。
「真央ちゃん・・・・」
「間違いなく舞だね。」
「やっぱり・・・でもどうやってお母さんに説明しようかな・・・」
写真を見ながら悩む真央であった・・・
375:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/17 20:48:11 V/S3ZoSXO
べるるんは決意も新たにそう告げた。
恐らく悪い方のアドリアンは新型ウイルスか何かだろう。
自分も体調は万全ではないが、今は後輩のために動かなければ…!
「鼻ピーはどうする?夢にまでもってこれたみたいだ。」
トラがちゃんと口ピーを戻して持ってきた鼻ピーを見せた。
「鼻ピアス…それがアドリアンを呼ぶだろう、どちらの方もだが。
青年の姿のアドリアンは君たちに危害を加えるかもしれない。
けれども離さず持っていてくれ、くれぐれもアドリアンに渡すな。
全てを終え現実に戻った時、彼に渡してくれ。
…頼んだぞクリストファー、それと若きスケーター達よ。」
そう告げるとルトコフは霞んでいった。
日だまりは消え、暗いぐしゃぐしゃの天気になっていく。
「ミハルは飛べたりしないのか?羽あるけど。」
一気にかたをつけようとトラは後輩に聞いてみた。
「残念ながら…ミハルは飛べません!
夢に連れてこれただけありがたいと思って下さい、ポゥー!」
春日の名残もあってか、ちょっとむかつくミハル。
P「じゃあ歩きか…。」
アボ「うへー雨でベタベタで憂鬱になるなぁ。」
ユヅ「…真っ暗ですね。」
べる「僕には子供アドリアンが見えるよ。
みんな、僕から離れないで。」
トラ「暗視か、すごいな。」
一行はガヤガヤしゃべりながら丘を降りていった。
376:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/17 20:56:09 CxxHJYEL0
やっぱり春日の名残があるのかミハルw
さっきからミハルが全力でウザかわいいwwww
377:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/17 20:58:55 NhDQBhoQ0
ここに来てまでアボがツイッターで中継してたら笑えるw
378:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/17 21:18:30 H7nWgL0+0
案の定ツイッター中継しているアボであったが
わりとすぐにメリルから「どういうこと??」というコメントがついていた
こちらから近づけばいい、とは思ったものの
一向に子供の姿は近づかない
むしろこちらが近づけば近づくほど遠のいていくような気がする
「怯えることはないよ、こっちにおいで」
子供の顔が一瞬引きつったように見えた
吸血鬼に呼びかけられたら子供じゃなくたって普通おどろくだろう
今ここにりっぽんがいなくてよかった、とアボは思った
379:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/17 22:05:22 V/S3ZoSXO
「あんた目が怖いんだよ!
そんな怖い目じゃだめに決まってるさ。」
(…お前に言われたくないわ!)
Pチャンの言葉に一同はそう突っ込んだ。
ただ確かに暗視しているからか、べるるんの目は赤く変化している。
やっぱり僕が怖いのかな…?
べるるんがそう思った瞬間、後ろから
「あ゙ぁあ゙あ゙あ゙ぁあ゙あ゙ぁ!!!!」
そこには拘束服のADSLが立っていた。
子供ADSLは青年ADSLを見て顔を引き攣らせたのだ。
子供ADSLは頭を抱えてうずくまってしまった。
「先輩がた…俺のピアス、返しに来てくれたんですか?」
ニヤニヤ笑いながら話かけるADSL、どことなく狂気が見える。
トラ「悪いが鼻ピーは渡さん!」
ユヅ「この子をルトコフコーチの元に連れていくんです。
…邪魔しないでください!」
ミハ「お前の為なんだぞ、ポゥッ!」
P「お前、コーチに心配かけて何笑ってんだよ!」
ニヤニヤ笑いは消え、真顔になるADSL。
「じゃ…出てってくれませんか?
ここ、俺の夢なんで。」
拳を強く握りしめ、睨みつけるADSL。
「先輩だろうと容赦しませんよ?」
「アドリアン…僕らは君たちを助けるために来たんだ!
僕達も引き下がる訳にいかない!」
べるるんがそう言うと一同はADSLに向かって臨戦ポーズをとった。
アボットもツイッターに
「今から闘うかも…でも負けないぜ!メリル待っててくれ!」
と書き込み、携帯をしまった。
380:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/17 22:20:55 CxxHJYEL0
『僕はもう、五輪へ行かない』
思い出すのはユーロだ。タリンのあの日。
『五輪の一枠は、アドリアン先輩が取るべきです』
アドリアンよりも更に年が若い後輩の言葉。
どうしてって。
先輩の方が若いし、伸びしろがあるからですよ。
拘束衣姿のADSLが、にやにやと不遜な笑みを浮かべている。
厳しい視線を送り、べるるんは、唐突に脳裏にちらつきだした回想を振り払うように頭を振った。
ちがう。そうじゃない。そうじゃないんだ。
軽鎧に身を固め、空気の刀を腰に佩き、リンクに立った。
この試合で結果を残すことができれば、僕はまた、あの舞台に一歩近づける。
SPの結果は上々だった。それはもう、恐ろしいくらいに。
けれど。
「……クリストファー!」
トラの声が聞こえる。視界が赤く染まるのを感じた。
どくん。
心臓が跳ねる。瞼にかかる髪が、いつかの赤に変化した。
どくん。どくん。どくん……
アドリアン。僕はね、お前がいてくれて、本当に嬉しかったんだ。
けれど、僕は、お前が羨ましくてしかたがなかった。
誰かの背を追いかけることができること。
舗装された道を歩けること。
イエテボリワールドだって、ストックホルムアイスだって、エントリーシリーズだって、
僕の目の前にはなかったんだ。
だからね、アドリアン……
381:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/17 23:00:53 U/L1m3+NO
一方長老の居場所を探すプル達一行。
深夜のホテルの廊下をジェーニャに備わった感応力を頼りに歩いていると、不意にジェーニャが口を開いた。
「ところでジェフ、前から聞こうと思ってたんだけど」
「え?何だい?!」
まさかプルシェン子の寝顔を撮影しようとしてたのがばれたとか?
一瞬冷や汗をかくバトル。
「・・・君の防護服、なんで僕のMJメドレーの衣装と同じデザインなんだい?」
とりあえず写真の件はばれてなかったようだ。
良かったね、ジェフ。
382:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/17 23:15:31 s3NTCyPH0
「妬ましいとかそういう感情も無いわけでは無いけどさ」
痛む胸を押さえながらアドリアンに向き合う。
「僕に比べたらあんなに恵まれた環境に居るお前が、
こんな所で立ち止まってるなんてさ」
スコアは抜かれた。最高順位にも並ばれた。
また彼以上の成績を出すには正直な話、厳しいだろう。
だが今の彼がするべき事は後輩を叩き潰す事ではない。
先輩として、教育してやらないといけないのだ。
「許容出来る訳ないじゃないか…同じスケーター道を行く者としてはね!!」
「なっ、速っ…」
クリストファーが丘を滑り、前向きで踏み切る。
そうだ、それは。
スウェーデン初のトリプルアクセル。
「ぐ、がはっ…!」
横腹に強烈な衝撃を叩き込まれアドリアンが弾き飛ばされる。
決まりさえすればクリストファーの3Aは破壊力抜群だ。
「アドリアン、君の言葉を借りるなら『全くいらいらする』…ってところかな?
これで終わりじゃないだろ。立てよ。とことんまで付き合ってやるから」
383:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/17 23:37:34 H7nWgL0+0
ゆづるは後ろを振り返った
さっきまで遠くで走っていた子供が、さっきより近寄ってきている
あと少しだ、自分の力で走れ。光の差すほうへ。
384:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/17 23:53:50 CxxHJYEL0
血の色をした瞳を向け、べるるんは微笑んだ。
「僕達はけして仲のいい友達じゃない」
記憶はないが、昨晩のような吸血衝動はない。
「君にとって今の僕は、好敵手でさえないのかもしれない」
今なら跳べる。だんだんと重くなりつつこの脚でも、高く、遠く、鋭く。
「けれど、お前は僕の後輩で、僕たちの国を背負う、誇り高きスケーターだ」
まだ赤く、プリンス・イーゴリを演じていたころ、今よりもずっと年若い姿。
しかし意識は手放さず、一人でもこの道を進み続けたべるるんのものだった。
ADSLから繰り出された4Tは、得意の爆ダンスステップで回避した。
すかさず跳んだ1Aを受け止める。ちっとも重くない。
まるで自分の体ではないような高揚感。今ならなんだってできる。
悔しくないはずがなかった。
羨ましくないはずがなかった。
もうお終いだと何度思ったかわからない。
跳べなくなったって、辛くたって、苦しくたって。
もうリンクの上に立たなくてもいいと云われるかもしれなくたって。
僕はまだ、笑顔が見たい。素敵な時間を共有したい。
「僕はまだ跳ぶよ。だからアドリアン、お前も、こんなところで囚われてないで、さっさと戻って来い!」
385:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 00:04:00 O8A8dWxu0
あいかわらずの何を考えているかさっぱりわからない笑みで、青年はこちらに歩み寄ってきた
更生したのかしてないのか。
手が届くような距離まで近寄ると、いきなり彼は、先輩の脇腹を蹴った。
そしてきびすを返して数歩歩いたあと振り返って、笑った。
「死ねばいいのに」
386:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 00:07:51 Q+Ln1eI90
つなぎも先の展開も何も考えずに書き込むってのがもうね…
387:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 00:15:24 Uxvebu98O
傍から見守るスケーター達。
何かあれば手伝おうと思っていたが、これは手出し出来ないと悟った。
これは男同士の戦いであり、先輩後輩二人でないと分からない話だ。
その中でもトラはこの戦いに一番心が動かされていた。
自分も少なからずべるるんのような気持ちを抱いていたからだ。
隣のミハルを見てみるとちょうどミハルもこちらを向いた。
彼も何か感じたらしい。
思わずトラは吹き出して言った。
「…ハハッ、今度は負けないからな、覚悟しとけ!」
「…こちらこそ受けてたちます、今度はせめて自爆しないで下さいよ!」
ミハルも笑いながら言い返した。
388:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 00:17:00 M4AsM0Fh0
ADSLが目覚めるまでは深夜って事でいいですか?
女子部屋は朝になってましたが・・・
「この部屋だな」
プルシェンコはドアの前で立ち止まった。
「さて、どーすんだ?」
「・・・どうするって、こんな時間に尋ねたら迷惑じゃないかな」
「そうよねぇ・・・朝になってから出直しましょうか?」
「僕がここに来てもなんの反応もないって事は、
寝てるかすっかり耄碌して能力が弱くなってるかのどっちかだと思うよ。
僕に知られないようにフィルターかけてる可能性もあるけど」
そこまで話してプルシェンコはふと男子部屋のドアに目をやった。
「なんだ?よくわかんないけどおかしな事になってるような」
「静かだな、みんな寝てるんだろ?」
「いや・・・眠ってはいないと思うよ。ちょっとノックしてみてよ」
バトルが控えめにノックをするが返事がない。
「やっぱり寝てるんだろ?」
「どうもせわしなく動いてるような気配がするんだ」
「なぁ、俺もう寝たいんだけど。お前らふたりがグースカ寝てた時も
俺たちは寝てないんだ」
「言われてみればそうだな、悪いけど明日に備えて僕も寝たい」
「ねぇどうするのジェーニャ」
「なんか気になるんだ・・・中で何か起こってるんだよ。
でもおそらく力になれるのは僕とジョニーだけだ。
先輩とジェフは明日に備えて眠ってくれ」
ヤグディンとバトルは性別不明部屋に戻ってベッドに入った。
「ジェフ、どうやら普通の人間は俺達だけになっちまったみたいだな」
「・・・そうだな(ってあんた自分が普通だとでも?)」
389:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 00:20:02 lWzzdZlZ0
>>386
同意
いろいろがんばってる職人にも失礼だし、読んでる人にも失礼。
何よりここに登場している選手達にいちばん申し訳が立たないと思う。
自分も何度か書き込んでいますが少なくとも選手達生身の人間を
描いている以上、自分は選手達の失礼になるようなことはしたくないし
パロディはあっても必ず救われように着地点をもって書いている。
横レスすみません。
390:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 00:20:51 lWzzdZlZ0
>>388
無問題です
391:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 00:32:12 O8A8dWxu0
ごめんなさい、なにも考えませんでした
しばらくROMります
392:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 00:49:03 75S9Db+JO
バトルは夢の中で小塚からあの愛らしいトイプーをもらう夢を見た。
今後、請求書の嵐をその身に浴びる彼にとって
その夢は唯一幸せな瞬間だったかも知れない。
393:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 00:49:14 Uxvebu98O
>>386
自分も書いてたけど昨日は特に多くて正直困った
自分も極力流れに沿って失礼にならないように書いてるつもり
自分も失礼だったらスマン
>>385は無しって方向でいいのかな?
394:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 00:52:30 Jwp94M0PO
>>374も無しで良いよ
せめて時間の流れ位把握して書いて欲しいし、書いた後に一旦リロードして新たな書き込みないか確認してから投稿して欲しい
395:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 01:03:46 U7SKOVMmO
青年ADSLは酷く焦っていた。
渾身の4Tがかわされた。更なるジャンプもステップで相殺される。
その姿には余裕すら感じられ、そのことが更に彼を苛立たせた。
「ああああああ!」空気を震わす勢いで叫んだ。すかさず絶叫が返ってきて相殺された。
(何で、何でジャンプもシャウトも効かないんだ?
そもそもこいつは何なんだ、人の夢に勝手に入り込んで分からないことを言って…
俺は一人でも平気なんだ、あの「変身」の力さえあれば!)
その時、一瞬青年ADSLにおかしなことがおこった。
視界が急に低く遠くなった。赤毛の先輩を見上げる形になった。
この一瞬。青年ADSLの感覚は少年の自分のものになっていたのだ。
スウェーデンでスケートを始める少年が一番に見上げるその姿。
彼のような表現力を手に入れようと必死に勉強したこと。
暗闇にさしこむ光のように色々な感覚が押し寄せ、青年ADSLは怯んだ。
少年は、偉大な先輩とその先の老人に向かって真っ直ぐ走ってきていた。
396:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 01:52:21 zOpFcZaB0
「おいで、アドリアン……急がなくてもいい。こけてしまうよ」
声がきこえる。
だれの声だろう。コーチの声じゃない。
いそがなきゃ、はやく、あの光のむこうへ、丘の上へ、あたたかな場所へ行きたい。
いくら走ってもたどりつかなくて、かなしくて、べそをかきそうになった。
けれど不思議なことに、すこうしずつ、距離が縮んでいるような気がする。
「あっ」
少年は大きな石に足をとられた。視界がぐらりとめぐる。ぶつかる!
「馬鹿だな。まだお前には、たっぷり時間があるのに」
「ごめんなさい、クリストファー」
「よくできました。さあ、おいで。コーチのもとへ行こう」
礼儀を重んずる姿勢は、べるるんが自らのコーチに学んだことだ。
アドリアンのプラチナブロンドをくしゃくしゃと撫でて、べるるんは変わらない笑みを浮かべる。
手を差し伸べる。走ってきた少年と、うずくまる少年が重なった。
「帰ろう。喧嘩をするなら目覚めてからだ。僕はカンフーをやっていないから、そこまで強くないけどね」
「だいじょうぶだよ。俺、てかげん苦手じゃないから」
「得意なの?」
「得意ではないけど、苦手でもないよ」
「どっちだよ」
「どっちかな」
瞼裏に光を感じる。
目覚めの時が近づいてきている。
小さなアドリアンと赤毛の先輩を、スケーターたちは温かく迎え入れた。
397:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 01:57:11 I7wOmEuB0
れが複数あるから把握難しいしなあ・・・・・・自分把握できてる流れ1個だけだ。
まだ巻いていく必要はないけど、流れの合流は意識していたほうがいいかも。
今ある流れってこれくらい?
inADSL一行(主に男子部屋メンバー)
暴走するADSLを助けるためにミハルの力で夢の中に向かう。チェコ&スウェーデンの先輩後輩が光る。
キーキャラクター
ADSL:無限の変身能力が暴走。先輩に心配かけるなよ
べるるん:後輩への責任感から立ち上がる。飛べ! SWE初の3A!
ミハル:春日が抜けきってないミカエル。夢への進入は彼のおかげ。
他の皆
Pチャン(ヒトデ) ユヅル トラ ジェレミー
ユカ:「^^」のドSコーチと専らの噂。皆をADSLの夢に送り込む。
プル一行(主に性別不明部屋)
クリプトンネタのためかシリアス続きだった一行。
過去の記憶と感応力を手に入れたプルとともに、長老を探している。男子部屋に何か起こっているのはわかっているようだが、乗り込むのか?
登場人物(ここはぶっちぎりで少ない)
プルシェンコ:新型ウイルスとひとつになった過去の心は消滅。もしかしたら唯一の快癒者? 事件解決のために長老を探す。
ジョニー:「私主役よ! DIVAよ!」ルシファーになったDIVA。プルを助けに夢の中に行くが動機が不純だったためかあまり目立てず。
ヤグディン:DQN皇帝。イタズラの限りをつくすが、さすがに眠くなったらしく寝る。
バトル:金髪美女に現を抜かす浮気者。マオにいいつけるぞ。さすがに眠くなって寝る。
398:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 01:58:11 I7wOmEuB0
小塚一行
3つのアイテムを手に入れた小塚。しかしどうにもこうにも・・・・・・
ここは時間が朝になってしまっている。
キーキャラクター
小塚:ポテンシャルあふれるスケーターということで狙われたりセッボ踊らされかけたり。前作から苦労続きの裏主役を続投してたのか。
未来:名前ネタが生きる未来。預言者として結構大変そうだ。
長老:クリプトン星最後の長老。まだ何か秘密があるようだが・・・・・・
小塚光彦:長老と一緒にまだ何か隠している様子
他の皆
布袋さん ボロデュリン?
女子部屋一行
夜は寝てます。ここも時間は朝になっている。
寝てる人々
マオ:朝になったら舞がわんこに。
美姫:安定変身可能数はかなり多いぞ。
タラソワ:毛皮になってたが元に戻れた。近くにヤグディンいるぞ?
ほのぼのランビ宅一行
心の癒しランビ一家。ここだけまだスイス。
登場人物
ランビ:残念なイケメン〈ネタ)の地位を確立させたテントウムシ。かっこいいフラメンコダンサーやスイスの英雄になれる日は来るのだろうか?
ゲデ子:牝牛になったケゲデ子。牛乳をくれたり、その巨体で敵を追い払ったり。
ヴォロ:体調不良の狼。ブレード割れが心の傷。
リンデマン:小さな体に紳士の勇気リスデマン。ゲデ子を見捨てられず立ち向かった。
アモ:ちっちゃなハチ。
チャッキー:クワドエルフの異名のようにエルフに。サイズは人間よりやや小さいくらいだとか。
ポンちゃん:夏服と冬服の使い分け間違えるなよ。
KVDP:4-3-3で世界を飛ぶスーパーマン。嫁のジェナは大丈夫か?
一応敵。
目的:新型ウイルスを使い新たな強いスケーターを生み出すこと?
新型ウイルスの抗体を作り、ポテンシャルの高い未来と小塚に投与するとか言っていた。
新型ウイルス:クリプトン星のウイルスが人類に合わせて進化したもの?
「絶望」がキーワードの様子。今のところ新型ウイルスを消滅させたのはプルシェンコのみのよう。
・・・・・・把握し切れてない流れと登場人物の補完をよろしくお願いしますorz
どこいったのかわからん人が多すぎる。
>>397
れの前に流の文字があったのにコピペしたときミスったorz
399:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 02:08:42 E0+DPtzz0
>398
ブレード割れたのはボロ
ハチはアルバン様
400:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 02:12:05 M4AsM0Fh0
まとめ乙だよ。
補足
飼育員さん:カナダのとある水族館勤務、無脊椎動物担当のクリプトン星人。
寿司屋までは確かにプルたちと一緒だったが今は行方不明。
例の本の解読の為に拉致られている可能性がなきにしもあらず。
ところで金メダリストなのに忘れ去られがちなライサは今いずこw
401:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 02:33:22 zxxK9sq6O
ジュベもいないねw
402:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 02:33:26 wNOpXSur0
まとめ乙です!
ライサ素で忘れてたw プルに惚れる役今回バトルだし
べるるんとADSLの流れ作ってくれた職人さんにはマジで感謝!
スウェーデンだけの番外編欲しくなったよ
カプ萌え要素もべつにいいけど真央の場合相思相愛なのは、エアロ(運命)タラソワ(もふもふ)ロロ(パパ)ヤグ(父兄参観)のみだからいいのであって同じくプルはミツン、ライサはタニス、ミライはでー(ミーハー)
そこがブレると面白くなくなると思ってる
403:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 02:54:39 P30WY1RiO
まとめ様乙です。
小塚一行(布袋部屋)
の奥のツインには小塚と一緒に寝ている大輔が、くまもん抱きしめたり小塚にちょっかい出したり。
光彦じいちゃんは最上階の1フロア下の部屋に役員と泊まっているっぽい。車には大量の由布院T温泉水。
長老はプルのスケパシーによると布袋部屋?布袋の隣に寝ているか布袋部屋だけ3部屋あるのかは不明。ボロドゥリンはギターのまま布袋の相棒に。
404:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 03:07:13 CQwVLziz0
まとめ乙です!SWE先輩後輩編、すばらしい連携でした!
男子部屋前のジェーニャとジョニ子拾います、一瞬「ジェーニャ参戦か!?」と思ったんだが…
…プルシェンコとジョニ子は、丘の上に立って眺めていた。
クリプトン星長老を探す途中、男子部屋の異変に気付き、
ジョニ子の力を借りて夢の中に来たのだ。
「…ふーん、あのパツキンピアスサイコ野郎もなかなかやるね」
たしか前にもどこかで跳ぶのを見たし、五輪の評価も知っている。
スウェーデンの…名前なんだっけ、忘れた。
「パツキンサイコw…ジェーニャったらあんまりよ、あの子の名前は…」
ジョニ子があきれて言いかけた時、
「アドリアン」
「え?」
二人の隣に小柄な老人が並び、やはり丘の下を眺めていた。
「アドリアン・シュルタイス。憶えておいてくれたまえ」
「これはこれは…コーチまで来るとは、穏やかじゃありませんね」
「ああ、ちょっとトラブルに巻き込まれたようだが…」
金髪の少年と赤毛の青年、仲間たちが光の射す丘の方に向かって来る。
「…どうやら僕の出番はないみたいだな」
「せっかく来たのに…もう終わっちゃったの…でもいい光景だわ」
ぶつぶつ言いながらも、うっすらと涙ぐむジョニ子。
プルシェンコがにやっと笑うと、老人も微笑んだ。
「僕らもやる事があるので、これで。行こうかジョニー。
…では、ソチでお会いましょう」
老人にそう告げると、プルシェンコはジョニ子と共にすっと消えた。
405:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 03:18:20 P30WY1RiO
焼肉レストランから帰って来て一番活躍しているのがPちゃん…なんだかんだ言って愛されキャラw
焼肉レストラン組はキャシー(女子部屋)を除いて男子部屋にいるはず。
ベッドルーム満員につき、恐らくリビングあたりに雑魚寝しているかと。
男子部屋リビングで熟睡中?:ライサ(黒電柱)、ジュベ(パンいち007)、フェルナンデス(海賊)、信成、クリス(栗栖)あたり?
406:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 04:37:40 P30WY1RiO
時間はやや戻って、バースデーパーティーの最後の方。
崇彦と大輔は、リビングの隅で未来に長老と光彦から聞いた話をしていた。
大輔「…というわけ。だから、これから俺と崇彦は未来と3つのアイテムを守ろうと思ってる。」
未来「なんだかびっくり…ミライにそんな使命があるなんて…」
崇彦「もしこれからでもこれまででも何かビジョンとか夢をみて思い出したものがあったら、俺達に話して欲しいんだ。」
ユカ「なかなか興味深い話ね^ ^」
大輔「ユカさん!」
ユカ「話は聞かせてもらったわ。
実はアドリアンがさっきこの部屋でべるるんの話をしていたんだけど、ジョニーに輸血された事でいろいろ変化があったみたいなの。
ちょうど未来も休んでいて聞いていなかったから、かいつまんで話すわね…」
ユカの話を大輔、崇彦、未来は真剣に聞いた。
崇彦「今日1日だけでもいろいろあったし、これまでの情報をきちんと文書にまとめた方がいいよね。
整理しながら新しい情報を書き足して行けば、いろいろと見えて来るかもしれないし。」
崇彦はPCにまとめる事にした。
バースデーパーティーは、ほどなくお開きになった。
407:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 04:59:09 CQwVLziz0
「もう行くの?最後まで見届けましょうよ…」
ADSLの夢から抜けようとする時、ジョニ子は名残惜しそうにつぶやいた。
「いや、もうそっとしとこう、彼らに任せて」
そうね、でも…プルシェンコの言葉を聞きながらも、ジョニ子は薄れて行く景色の中、振り向いた。
その目に入って来たのは…
…光の射す丘の上、プラチナブロンドの少年が、小柄な白髪の老人のもとへ飛んで行く。
両者は、まずガシッと叩くように握手を交わし、そして固く抱き合った。
抱擁を解くと老人は…ゲンコツで少年のこめかみをグリグリした。いい笑顔で。
少年は痛そうに顔をしかめたが、おとなしくされるままにして…そしてニヤッと笑った。
赤毛の青年が吹き出すのと同時に、仲間たちも声を上げて笑い出す…
それらの光景すべてが、白く薄れて行き、再び男子汚部屋にゆっくりと戻って行った。
「…ねえ今の見た!?アタシ、涙でちゃったわよ…見なかったの?アンタ絶対損だから!」
「シーッ!起こすんじゃないよ、早く出よう…僕らは僕らの仕事がある」
ジョニ子とプルシェンコは、雑魚寝してる連中を踏まないように、そっと部屋を出た。
黒いのだけはちょっと、いやかなり踏んじゃったみたいだが。
そして…
「おはよう、あなた」
ルトコワと、目を覚ましたルトコフが、微笑み合った。
何があったのか、後で聞かせて。妻は黙って、夫の白髪を手櫛で梳いた。
…まぶたの隙間から、淡い光が…
ここは?ベッドに寝かされている…起きる時間?…もうちょっと…
「…アドリアン!?…いや何も言うな…」
誰かがのしかかるようにして、鋭く囁いた…
俺?…大丈夫だよ…きっと目を開けたら…すっごく爽快な気分だと思う…
大きくひとつ、深呼吸した。
408:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 05:15:19 zxxK9sq6O
男子汚部屋www
409:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 06:04:16 usByP7J1O
>>402
細かいこたぁ(ry
職人に任せとけばいいんだよ
スウェーデン組いいな。いい味だしてる
410:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 09:28:38 dQ4ZPsWB0
SWE職人さんたち超GJだよ!
みんなに特製花冠プレゼントしたい気分だよ!
411:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 09:52:14 R7zquqcLO
>>410
コストナーさん、乙!
412:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 10:06:31 /1JEGZ6yO
ところで、ムチムチ黒猫のイーラはどこにいったんだっけ…
413:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 10:19:14 zOpFcZaB0
旧型ウィルス、新型ウィルスについてけっこうわけがわからなくなってきている……w
小さな流れだけど、早稲田のムロズさんたちとか、アリッサラとかも進めてあげられれば……
414:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 11:15:51 I7wOmEuB0
「で、どうするのジェーニャ? まだ夜中だし、あの部屋に乗り込むには早いでしょう。私たちも寝る?」
閉じられゆくドアの向こうで、めためたに踏みつけられたライサが倒れているが、黒すぎて闇と同化しているので誰もry
「ん・・・」
プルはじっとドアを見つめている。するとドアがそろそろと開けられ、中から老人がでてきた。
「隠し切れないようじゃの」
長老だった。
「お久しぶりです。最後に会ったのはクリプトン星でしたね」
「スケート力が安定しておるようじゃの・・・新型ウイルスに打ち勝ったのか」
「打ち勝ったとは少し違うと思います。僕はあの絶望を受け入れました。自分と向き合い、絶望を受け入れた上で希望を持つことが、ウイルスに勝つ方法なのでしょう」
「ふむ、なるほどな」
「長老。この事件について何かご存知なのでしょう。事件解決のために協力していただきたい。ウイルスを持ち込んだクリプトン星人が責任を取るべきです」
「わしもそう思っておるよ。いくつか手を打っておる」
「それも含めて、知っていることを教えてもらえますか」
「かまわんよ。だが、それには感染したスケーターが全員集まってからの方がいいじゃろう。それまで待ってくれるか」
「そうですね。説明の手間も省けます。世界中に散っている皆を探してみます」
「わしはそれまでこの部屋で待っとるよ」
「では」
プルは踵を返した。
「・・・・・・わしたちのことを、怒っているか?」
ホテルのエレベーターに向けて歩き出したが、長老の言葉で立ち止まる。プルは答えず、そして振り返らず、また歩き出した。
エレベーターにのり、1階に下りる。ジョニーは一緒にエレベーターに乗った。
「ジェーニャ。どこにいくの?」
「皆を探しに行こうと思って」
「探すって、確かスイスにいる人もいるし、探してもどうやってここにつれて来るの?」
「え、簡単じゃん」
プルシェンコはホテルの外にでた。
「かくちーかくちー!」
あ、その手があったか。
こうして、プルとジョニーは世界中にいる感染したスケーターを探しに(スレ内で行方不明の人を再度登場させるため)、ロシアの宇宙船で飛び立ったのだった。
※プルはロシアの国家機密宇宙船を「かくちーかくちー」で呼び出せるぞ! 詳しくは前々スレで!
415:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 11:16:17 Uxvebu98O
>>400
性別不明部屋でプルやジョニが目覚めるまでは起きていたもよう
多分性別不明部屋でヤグバトルより先に寝ちゃったのでは
あとテン君…自分が書き忘れたのが悪いんだけど寿司屋からプル達と戻ってきて性別不明部屋で寝てると思う
ジュベは白鰤からレンコン衣装、イーラは早稲田研究所
小塚や真央関連の朝になってた話は無しの方向らしい
まとも乙なんだけど一番確実なのは読み直しだなw
416:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 11:20:59 dQ4ZPsWB0
自分で書けるだけの文才ないんでお願いになってしまいますが、
宇宙船が迎えに来る前になんとかヴォロを救ってやってください・・・
職人さんお願いします・・・
417:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 11:39:12 vn4iSBqj0
【早稲田研究所組】お留守番中。T温泉の湯が送られてきている?
・あっこ(カメレオン。尻尾を赤いリボンを巻いている)
・ジェナ(不明)・キーラ(婦警)・レピスト(未亡人)
・ロシェット(テリーマン。ちなみに超人強度は95万パワーらしい)
・カロリーナ(アルパカ)・りっぽん(生首)
・無良(ウリ坊。新型に感染していたが3Aを飛んで人間に戻った)
・南里(鱈。フタ付きの水槽にいる)・奈也(あひる)・イーラ(黒ねこ)
・経営者(経営者。外見だけでなく中身まで老人に)
・ムロズさん(マネキン人形。顔の右半分にヒビが入っている)
・サラ&アリッサ(まねき○こダックが分離したときに人間に戻ったが、中身が入れ替わってしまった)
・信夫・長久保コーチ・ゆかり・静香・本田(旧型抗体持ち)
・村主(ピエロ、現在拘束中。老紳士の指示で動いていた)
過去スレと記憶を頼りに早稲田組をまとめました。
抜けやミスがあれば、補完をお願いします。
418:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 11:49:12 NLIzN+AMO
遂に宇宙船ktkr!!
これだけ壮大になっても1スレから世界観繋がってるのが凄いw
419:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 11:50:00 Uxvebu98O
>>415
まとも乙じゃなくてまとめ乙です、ごめんなさい
ADSLを囲んで手を繋ぐ6人のスケーター。
一時プルとジョニ子も合わせて8人だったがそれはユカさんしか知らない。
途中べるるんの顔が苦しげに歪んだり、髪の毛が赤くなったりしたが今は笑顔だ。
ADSLも顔色が良くなっていく、笑ってる。
連動して手を繋いで眠っているスケーター達も皆笑顔になる、なんて微笑ましい。
ユカさんは携帯で写真を取った。
「…何だかんだ一番可愛くみえるのはジェレミーなのね^^
コーチの宿命ってやつかしら?
…起きてたら絶対言わないけど^^」
「さーて、どういう気分かしら?
あなたの為にみんなが夢まで来たんだから良くなってるわよね、アドリアン^^?」
笑顔で大体分かるが一応尋ねる。
まだ起きたばかりのADSLを少し前に起きたスケーター達が囲んでニヤニヤしている。
べるるんも赤毛のままだがADSLの真似か、ニヤニヤしていた。
「心配かけてすみません、ありがとうごさいました先輩。…と皆さん。
俺はもう大丈夫です、多分。
…何ニヤニヤしてるんですか!」
「…おっと、これを返さないと!」
トラはADSLに鼻ピーを差し出した。
「鼻ピー…今の俺には要らないけどもしもの為にも持っときます。」
「あぁ、コーチが心配するからね。
僕にも心配かけてたし…頼むぞ後輩!」
べるるんが後輩の肩を軽く叩く。
それを合図に一同がドッと笑った。
実はライサも起きていたのだが笑える体調じゃなかったので黙っていた。
それぐらい踏まれていたのだ。
420:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 11:54:50 zOpFcZaB0
そのころのスイス・ランビエール宅
他愛もない話をしたり、思い出を語ったり、なんとか狼ヴォロが戻ることのできるよう苦心するKVDPとポンちゃんとゲデ子。
リビングが随分静かになっていると思ったら、チャッキーがやってきた。
「ランビエールさんもアルバンさんも、お疲れで寝ちゃってます……」
チャッキーはその手に箒をもっていた。
どうやら、改めて掃除をはじめたリンデマンのお手伝いをしているらしい。
てんと虫も蜂もリスも、温泉水の力によって人型に戻ることができた。
あとは、狼ヴォロと、ゲデ牛だけだ。
(……このままだと駄目だわ)
ヴォロは弱っていくばかりだ。事は急を要するかもしれない。
ポンちゃんとKVDPも顔を見合わせる。
(ポンちゃん、ケビンさん、ヴォロを早稲田につれていってあげて。ここよりも向こうのほうが、治療がよくできるのでしょう?)
421:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 12:03:15 zOpFcZaB0
ゲデ子の提案に、ポンちゃんもKVDPも眉をひそめた。
早稲田からKVDPが跳んだ際、かなりの力を必要とした。それほど、スイスと日本は遠い。
人型に戻ったばかりのランビやアルバン、リンデマンをフォローしつつも、狼ヴォロとゲデ子を運ぶ。
それを、ポンちゃんとKVDPとチャッキーでやらなければならないのだ。
4-3-3で跳んできたKVDPも、疲れが癒えきっているわけでもない。
二人が一体何を考えているのか、ゲデ子は理解していた。
(私はここに残るわ。温泉水を手配してもらったみたいだし、温泉水が来て、戻ることができたら、合流するから)
「あかんて。また襲撃があったらどないするん」
「ポンセロの言う通りだ」
(あら。貴方達に、私を抱えて跳べる余裕があるの?)
意地悪い笑みを浮かべて、ゲデ子は首をかしげてみせる。
(大丈夫よ。静かにしていれば、この家にスケーターが残ってるなんて、誰も思わないわ)
肩をすくめ、ゲデ子はバスタブのヴォロを覗きこむ。
(ヴォロ、きっと、もう少しでよくなるわ。早稲田にはスケーターたちもいるし、大丈夫よ)
422:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 12:17:08 zOpFcZaB0
バスタブの中で、狼ヴォロは、二人と一頭の会話を聞いていた。
どうして自分はこんなに非力なんだろう。
どうしてこの体は言うことを聞いてくれないのだろう。
みんな、あんなに自分に良くしてくれたのに、足手まといになるどころか、
エレーネを置いてけぼりにしなければならない事態になりつつある。
そんなの嫌だ。そんなの駄目だ。
奥歯をかみしめて、ヴォロは念じる。
戻れ。戻れ、戻れ!!
(エレーネを置いていくことなんてできるわけないよ……!)
てんと虫と蜂の姿から安定した人型に戻ったランビとアルバンは、リスデマンが作った
キューティーハニー衣装を宛がい合い、バスルームの事情も知らないまま、
縛られている襲撃者たちをどついたりつついたりし、
ときどきリンデマンのお掃除を手伝ったりしていたが、はしゃぎ疲れてソファーで船をこいでいた。
某DVDのおかげで割れた窓ガラスの破片を集め、リスデマンは黙々と掃除をする。
ランビの寝室からタオルケットを持ってきたチャッキーは、眠る二人にそっとタオルケットをかけてやった。
早稲田に行くのだったら、みんな一緒だ。
ゲデ子の巨体をはこぶには、ランビとアルバンの力も必要となる。
423:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 19:00:20 zOpFcZaB0
ウィルスについてまとめてみた。テンプレは前スレ>>206から頂きました。
●旧型ウィルス●
【発生時期】98年に初確認.その後02年,06年とオリンピック年ごとに流行.2010年の今回が最大規模の流行
【起源】クリプトン星 98年に確認されたものは、82年にプルヤグが持ち込んだもの。
【症状】別の生物/無生物に変身する
最も古い型と考えられるのは「EX衣装に関連する姿」(ジェーニャ,村主,コルピなど)に変身する型だが,
「本人の好きな動物」(ランビ,高橋,ADSL等),「EX以外の衣装に関連する姿」(美姫,トマシュ,ミハル等)
「本人と関連するイメージの何か」(ライサ,信成,ロシェット,べるるん等)に変身する亜型もあるようだ.
また変身後も変身前の本人の特徴を残している場合もある(Pちゃん,カロリーナ等)
心の動きでウィルスの活動が変化する。(精神不安定な時はウィルス活性化?)
また、人格化し、新型ウィルスから宿主を守ろうとすることも。
宿主の潜在意識に働きかけて夢を見せる。(プル、ADSL、信成、べるるんなど?)
【防護服】ジェーニャの金ピカマイコーメドレー衣装
【ワクチン】現在バトルの所属大学が頑張って開発中。日本でも並行して開発されている。
【治療法】対症療法だが,感染者の「好きなもの」「大切な人」を他人が言い当てると症状緩和(変身状態が解除)
しかし症状が緩和しただけで、ウィルスは消滅するわけではない。
カナダで作られた培養液も症状緩和ができるが、見た目が大変なことに。
簡易培養液でも症状の緩和は可能。
また、湯布院の某温泉の温泉水も効果がある。
せっぼんを踊ることで完治する。
スケートカの安定により変身を完全にコントロールできるようになる。
【発症のタイミング】「不安な夢から覚めると発症」(ランビ,ジェーニャ,テン等)
「フィギュアスケートに関する情熱を高める行為を行うと発症」(美姫,信成等)の2パターンがあるようだ.
424:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 19:13:01 zOpFcZaB0
●新型ウィルス●
【症状】別の生物/無生物に変身する
感染者の体内遺伝子を組み換えながらウィルスは増殖していく。
完全に遺伝子が組変わってしまった時、変身した姿から戻ることができなくなってしまう。
各国エースクラスのスケーターが重症化しやすいが、個人差がある。
スケートカをコントロールすることでウィルスの症状を緩和することが可能。
ある程度自由に変身が行えるようになるが、スケートカを使いすぎると変身できなくなる(変身したまま戻れなくなる)ことも。
この時は、プログラムの曲を聞いたりスケートに対する情熱を湧き起こすことでスケートカを取り戻すことができる。
スケートカをコントロールできない者は、変身後の姿に自我が飲みこまれてしまいそうになる。また、その人の絶望に比重して症状は重くなる(大輔、真央、ミハル、べるるん、ヴォロなど)
場合によってはダークサイドに落ち、悪いスケートカに取り込まれる。(殿、リード姉弟、ADSLなど)
ボロデュリンのギターの音色が、ダークサイドのスケートカを抑制する効果がある。
【治療法】
旧型ウィルスの濃度を上げると、新型ウィルスが消滅。
新型ウィルスがもたらす絶望や無気力など、精神状態にまつわる事実を受け入れ、希望を持つことで、旧型ウィルスが活性化。
それによりスケートカも安定し、変身を完全にコントロールできるようになる。
新型感染者
真央、美姫(ライサのくしゃみにより感染)
小塚(間接発症)
モロゾフ/ライサ/リード姉弟/無良(いつの間にか感染していた)
Pちゃん(モロゾフのくしゃみにより感染)
殿/デー(クリスのくしゃみにより感染)
ランビ(美姫のくしゃみにより感染)
べるるん(ジョニ子の血を輸血したことにより感染)
ミハル(ジョニーにより感染)
ADSLとヴォロも新型感染してたのかなと思ったり。
連投失礼しました。補足ありましたらよろしくです。
425:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 19:31:47 P30WY1RiO
>>424
まとめ乙
崇彦のPCのデータの内容もほぼ同じと考えていいのかな?
426:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 19:50:11 lWzzdZlZ0
>>424
乙
>>425
同意
427:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 21:31:02 I7wOmEuB0
>>424
まとめ乙です。ジェーニャっていつ新型感染したっけ? んで唯一治ったっぽい。
再度居場所まとめ
男子部屋
ジュベ(レンコン) フェルナンデス(海賊) ライサ ADSL(無事安定) べるるん ジェレミー トラ ミハル
ユカ(女子部屋から出張中) リード弟 ユヅル 織田 Pチャン
女子部屋
未来(小塚の方で話に出てたが寝てるのはこっち) 美姫 真央 タラソワ リード姉
小塚部屋
大輔(withくまもん) 小塚(PC格闘中) クリプトン長老 布袋さん ボロデュリン
性別不明部屋
テン君〈多分ここで寝てるらしい) 飼育員 バトル ヤグディン
というか全員寝てる。
早稲田研究所
詳しくは>>417参照
あっこ ジェナ キーラ レピスト ロシェット カロリーナ りっぽん
無良 南里 奈也 イーラ 経営者(経営者。外見だけでなく中身まで老人に)
ムロズさん(マネキン人形。顔の右半分にヒビが入っている)
サラ&アリッサ(まねき○こダックが分離したときに人間に戻ったが、中身が入れ替わってしまった)
信夫 長久保コーチ ゆかり 静香 本田(旧型抗体持ち) 村主
ランビ宅
ゲデ子 ランビ アルバン KVDP リンデマン ヴォロ(凹狼)チャッキー ポンちゃん
in宇宙船
プルシェンコ ジョニー
カナダ研究所
キャンデロロ(未感染)
モロゾフは自宅。(感染してスネイプ)
どこ?
メリル&チャーリー(おそらくカナダか早稲田なのでプルたちにつじつま回収かな)
クセニヤ(未感染なのでほうっておいても・・・・・・というか前スレ終わってから出てない?)
サブキャラクターたち
マートン(inハンガリー)
ルトコフコーチ夫妻(おそらくスウェーデンにある自宅)
あ、結構居場所まとまってきたんじゃないかな?
428:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 21:37:51 I7wOmEuB0
忘れてた。
小塚光彦(最上階の1個下?)
429:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 21:44:57 /OnyMwaZ0
>>424まとめ乙です!
ADSLは、最初のヘビ姿が旧型で、
次にランビ宅でマタドール姿になった後(色々変身)が新型ですかね。
ジョニ子の証言では、“誰もマタドール変身の現場を見ていない”ので、感染源は不明、
早稲田の取り調べでも具体的な話はなく、本人もわかってなさそう。
いつの間にか新型に感染しちゃった組かと。
夢の中での、コーチの導き、先輩べるるんとの直接対決(指導)を経て、ダークサイドを脱出した、
ってことでよろしいでしょうか。
…4日目まで行っちゃうんですかねw
430:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 22:05:45 M4AsM0Fh0
まだ夜も明けやらぬ中、宇宙船に乗り込んだジョニ子とプルシェンコ。
「ねぇジェーニャ、とりあえずどこに行けばいいのかしら」
「そうだ、PSPを東京の研究所に忘れて来たから取りに行かなくちゃ」
動機はどうあれ、ふたりは早稲田に向かった。
その頃、この2人だけで大丈夫なのか?という不安が職人の脳裏をよぎっていた。
431:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 22:07:35 P30WY1RiO
>>420
何気に「ゲデ牛」という呼び方が「松阪牛」を彷彿とさせて好きだw
432:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 22:11:37 zOpFcZaB0
なんとなく、昨日のSWE組の流れを見てると、べるるんもADSLも新型快癒したのかなという印象。
あとはヴォロをどうにかしてあげたい……すごい勢いで絶望感味わってるので、ヴォロは新型でいいのかな。
>>430
不安すぎる……w誰か、しっかり者連れてってくださいwwwww
433:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 22:14:40 I7wOmEuB0
>>430
早稲田にはしっかり者多いからww イーラ拾えば確実にプルに言うこと聞かせられるはずだw
434:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 22:22:02 Uxvebu98O
>>430
研究所からつっこみ役(テケとかイーラとか)を一人連れ去るか
もしくは無理矢理小塚かバトル、活躍しそこねてるジュベライサ辺りを捩込むか…
しかしこのスレで終わらせないと設定ばかり増えていつまで経っても終われなくなりそうな予感w
出来ればこのスレでウイルス編フィナーレが見たい
435:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 22:26:13 P30WY1RiO
迷う職人Aが誰かに肩を叩かれて振り返ると、職人B が穏やかに微笑んで言った。
「大丈夫だよ。宇宙船にはそれを操作している宇宙人(クリプトン星人?)もいる。2人きりじゃない。
それに、プルの夢の中でもプルがしっかりと主導権を握っていたじゃないか。
プルは変わった。もちろんこれからも今までのプルのキャラは健在だろうがね。
それに、今はジョニーもただDIVAになろうなろうとしてはいない。
きちんと場をわきまえて引くところでは引いている。
この旅が終わる頃には、誰一人前のままではいられないだろう。
スケーターとそれにまつわる人達だけではなく、職人もROMメンバーもね。
私はそんな彼らの変化に立ち合えて、嬉しくて嬉しくて仕方ないんだよ。
職人A、君にも期待しているよ。」
436:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 22:32:06 M4AsM0Fh0
東京では騒動が起こっていた。
なにしろ新宿区の上空に金色に輝く飛行物体が現れたのである。
「早稲田って新宿だからこの辺だよな」
「なんか高いビルがいっぱいあるわねぇ」
「2個同じ形のビルが並んでるよ」(←それは都庁だ)
「見て、丸っこくて白く網掛けしてるビルが」(←それはモード学園だ)
「ジョーニヵ、ちょっとヨドバシカメラでゲームソフト見ていい?」
プルシェンコは必殺の上目遣いを使った。
しかしジョニ子には効果がなかった。
その後、有能な操縦士の手によって
宇宙船は明治通り沿いに一路早稲田に向かった。
437:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 22:33:37 Uxvebu98O
>>435
前々スレでプル本人が運転してたから二人じゃないの?
438:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 22:40:09 I7wOmEuB0
>>434
自分で書いといていうのもなんだが、長老には「全員集めて」って言ってもらっておいた。
宇宙船に全員乗っけてほのぼの一家も回収して・・・・・・このスレ中にウイルス編終わらせよう。
>>435
前々スレにクリプトンネタないから、この宇宙船はロシア製のものでプルが運転しているはず。
早稲田研究所の屋根の上で、イーラは月を見ていた。半月よりちょっとぷっくりした月だ。
(アルチョム・・・・・・かわいい坊や、元気かしら)
家には連絡してもらったがやっぱり心配だ。
(あら・・・・・・あの飛行機・・・・・って違うわ! ロシアの宇宙船じゃない! まさかジェーニャ!?)
宇宙船は研究所の上でぴたりと止まると、中からふたつの人影が着氷・・・・・・じゃない、着地してきた。
「あ、イ~ラ~」
よかった、どこにも寄り道しないで研究所についたぞ。
「スルツカヤさーん? 温泉水のお風呂空きましたよー。つかればキャットウーマンくらいにはなれる、って何だあれは!?」
研究所から顔を出したテケシが、宇宙船を見て鼻の穴をおっきくしていた。
439:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 22:41:23 P30WY1RiO
>>437
前々スレには宇宙人が乗っている時と乗っていない時があった。
自分は乗っている方のレスを書いた。
>>436
が乗っているバージョンで書いているので、無問題かと。
440:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 22:48:37 P30WY1RiO
>>439
と書いている間にレスが…orzすいません。
自分的には宇宙船だから文明も違うだろうし、プルが呼んでからプルのところに飛んで来る時に無人で自動だろうが操縦士が運転していようが、どちらでもOKっす。
441:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 23:12:57 NLIzN+AMO
>>427
プルは真央と美姫が感染した時に一緒に感染してる。
イリーナの出番ktkr!
442:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 23:20:19 zOpFcZaB0
ほのぼの一家をもうちょっと動かさせて下さい。
午後のスレスト本当にごめんなさいorz
ランビ宅の掃除が、リンデマンとチャッキーの手により、完璧に終了する。
マッターホルントルネードでえろびでお吹っ飛んでいって何故か戻ってきた事件によりランビ宅に帰還した
あんな感じやこんな感じの雑誌やビデオやDVDや写真集は、ふたたびチャッキーによってきちんと本棚にそろえられた。
気を利かせたリンデマンが、ランビのシマウマ衣装を使って、本棚に目隠しのカーテンを作ってくれた。
妙に几帳面で気配り屋さんのリンディとチャッキーに、ランビは涙をこぼすのが隠せない。
その気持ちが解ると言わんばかりに、アルバンが深く頷きランビの肩を叩いていた。
小休憩は終わった。
毒気を失くした襲撃者たちを野に放した。
温泉水から上がったヴォロを、KVDPがタオルで拭いてやる。
「布陣はこうや。先導役としてクワドエルフが跳ぶ。クワドコンボ決めてくれると距離が稼げる」
作戦参謀はポンちゃんだ。
「それで、リンデマンさんと、ランビエールさんと、アルバンさんが、ヴォロくんを支えて跳ぶ、んだよね」
続けるのは緊張した面持ちのチャッキーだ。練習でうっかり4S-3T-3Loを跳んでしまったチャッキーだが、
リンクではなく、空を跳ばなくてはならないのだ。自然と心臓の鼓動が高鳴ってくる。
「せや。三人は元の姿に戻ったばっかやし……無理はさせられへん」
「それで、俺が4-3-3でみんなを支える」
そう言って、KVDPは、庭に佇むゲデ子を見た。
狼ヴォロノフが、小さく鳴く。
443:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 23:46:41 zOpFcZaB0
男六人は互いに顔を見合わせた。
太陽の光を浴び、芝生に寝転ぶゲデ子。
自分を置いていかざるを得ない彼らに気を使ってか、一人離れた場所にいた。
からんからん。カウベルが鳴る。
とても平和に。平穏に。温かく。
「駄目だな」リンデマンが肩をすくめた。
「せやなぁ」仏語を滲ませアルバンが苦笑する。
「考えてることは同じか?」男泣きがなかったことのように、ランビがキリッとしてみせた。
「ここで逃げんのは男が廃るで」ポンちゃんがにやりと笑う。
「やれないことはないだろう」KVDPは空を仰ぐ。
何も言わず、チャッキーが庭へと駆けだした。「エレーネさん、行きましょう!」
男たちがわらわらと庭へ出てきたことで、ゲデ子は驚いていた。
(行くって……私、相当重いわよ?途中で墜落してしまったら、元も子もないじゃない)
スケパシーを使い、ゲデ子は男たちに意見する。
「女性を一人抱えることができないなんて、情けないとは思わないか?」
(一人って……ステファン、いまの私、一人や二人の問題じゃないんだけど……)
「重たぁないわ。エレーネのボインちゃんの重さだと思うたらそんなん問題あらへん」
べしい!と、ゲデ子の尻尾がポンちゃんの脹脛に命中した。
「俺たちはずっと君に助けられてきた」
「今度は僕たちがエレーネさんをフォローする番です」
「せやせや。かわい子ちゃんは羽のように軽いのが定石なんやで」
口を挟む間もなく言われてしまうと、ゲデ子も反論することができない。
「エレーネ、心配するな。ここにクワドを跳べる人間が―――」
「何人いると思ってるのさ。……俺も跳ぶよ、だから、皆で一緒に、早稲田に行こう」
久しく聞かなかった声が、六人と一頭の耳を打つ。
「心配かけてごめんなさい。……俺、もう大丈夫だよ」
リンデマンの優しさ、ゲデ子の気遣い、ポンちゃんの励まし、KVDPの労わり。
受け取った力をその胸に、そこにはヴォロノフの姿があった。
もう大丈夫。また挫けることはあるかもしれないけど、歩きだせる。
早稲田へ跳ぶ準備は整った。
444:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 23:52:13 MVOqvG1b0
うわあ、ほのぼの組大好き。あったかくて泣ける。
職人様乙です!
445:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/18 23:52:50 DsUSY5OeO
ヴォロが戻った!
しかし確かにこのチームクワド率高いなw
エルフ頑張れーコンボ決めてくれー
446:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/19 00:08:17 nLPCYSADO
老人は笑った。
あの男たちは間違っている。自分たちも誤解していた。
そう、新型にかかったのがその証拠だ。
プルシェンコもヤグディンも、既にクリプトン星人ではなくすっかり人間になっているのだ。
きっと、それは幸せなことなのだろう、彼はそう思った。
老人は、ジェーニャとジョニー、二人の姿を思い出す。
彼らは絶望を乗り越えて明日を見ている。
ジェーニャは葛藤の末に。ジョニーは既に葛藤を乗り越えているのだろう。
彼らはもう既に新型すら自分のものにしている。
……あの男たちの言うことがもし少しは正しければ、
彼らの抗体とやらは絶望を少しは和らげることができるかもしれない。
しかしそれは根本的な解決にはならない。
老人は、深く息をついた。
大切なのは、希望だ。自分自身の希望を持ち続けること。
それが明日に打ち勝つ力となる。
447:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/19 00:09:50 i24Zv2L80
どうして狼になってしまったか、だって?
最初から判っていた。俺は一人になりたかったんだ。
偉大な先輩の跡を継がないといけない重圧から逃げ出したかった。
いくらエースと言われても全盛期の彼らにはまだ敵わなかった。
4-3を入れてもそれ以上の記録を作られてしまっている。
なかなか追いつけない自分の不甲斐なさが情けなくて、悔しかった。
「大丈夫、お前ならやれる」
そう言って支えてくれたコーチとも別れてしまった。
意地を張り合って飛び出した挙げ句がこの様だ。
でも、こいつらは、一人にしてくれなかった。
いつもは競い合うライバルなはずなのに、自分を励ましてくれる。
それもそんなに親しい訳じゃなく、あまり知らない人なのに。
全幅の信頼を寄せてくれたコーチとは違うものがあった。
どちらが尊いとかそういう事ではなく、真新しいものを知った。
両方を理解して、そして、自分はここに居てもいいのだと思った。
(後でコーチにも謝らないといけないかな)
少し苦笑したヴォロの目には、広い空が映っていた。
448:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/19 00:20:05 9KCRhCULO
ヴォロが戻れたのも嬉しいけどみんなの努力や優しさが報われたのが嬉しい
449:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/19 00:38:35 nLPCYSADO
ヤグディンは寝返りをうった。バトルの寝息が聞こえる。
部屋は、一日の喧騒が嘘のように静かだった。
昔のことを思い出した。クリプトン星にいた子供の頃のこと…。
「んー」
ヤグディンは唸った。実は長年疑問に思っていたことがあったのだ。
クリプトン星にいた頃は、もっと体とスケートが一体化していた気がする。
あの頃できたことができなくなっているのだ。
(やっぱり星の環境の違いなのか…?)
今日も結論が出ないまま、ヤグディンは夢の世界へと落ちていった。
ライサはよろよろと立ち上がった。
踏まれまくるし気付かれないしどんどん黒くなるしべるびんたんには会えないし。
最近本当に散々なことばかりだ。
辺りを見渡すと、妙ににこやかな顔で男性陣が転がっている。不気味だ。
ライサは立ち上がると、ふらふらと部屋を出た。
なんだかアイスクリームが食べたくなったので、自販機を探しにいったのだ。
450:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/19 00:42:53 7dkkLoyD0
ロシア職人さんありがとう!
スイス組はこれで一段落ついたかな……宇宙船を待ってもいいけど、
どうせなら春のクワド祭りで早稲田までぽーんと行って貰いたいね……!
451:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/19 00:47:42 Dqf65mklO
>>436
> プルシェンコは必殺の上目遣いを使った。
> しかしジョニ子には効果がなかった。
吹いたwww
452:氷上の名無しさん@実況厳禁
10/04/19 01:02:27 Q2ykK/Z20
早稲田の研究所では、挨拶もそこそこにプルシェンコがうろついていた。
もちろん、PSPを探しているのである。
人格が入れ替わっている時に紛失したので、
どの辺でなくしたかという心当たりは全くないらしい。
「ねぇねぇ、僕のPSP見なかった?」
手当たり次第に訊き、隙間を覗いては探してみるが、見つからない。
あちこちの部屋を調べたが、やっぱりない。
最後に彼は村主ピエロが拘束されている部屋にたどり着いた。
「む・・・村主」
「あらお久しぶり、ジェーニャ」
「そのPSP! 僕のだから返して」
そう、PSPはどさくさ紛れに村主に拾われて、
退屈しのぎに使われていたのだった。