10/04/15 23:21:28 8ccwlOzv0
老紳士は一息つくと話を再開した。
「さて、ではその本の中身について説明をしようか。」
一同は固唾をのんで見守る。
「その本の中身は『過去』じゃ。」
「過去?」
「でも・・・医学書だって・・・」
驚く大輔と崇彦。しかし、光彦じいちゃんは黙ってうなずいた。
「・・・・要するに、そこに書いてあるのは病気を治す方法ではない。病気の症例を記したもの。
カルテといったほうが分りやすいか?」
「ま、そのほうが理解しやすいわな。」
光彦・老紳士の言葉に若い二人は落胆を隠せない。
「せっかく・・・みんなが助かると思ったのに・・・」
「何挫けとるんじゃ!!!」
光彦じいちゃんに一喝されて顔を上げる二人。
「さっきも言った様に、この本は中身ではなく、持つもの方が大事。大切なのは『未来』ということだ。」
「ミツヒコの言うとおり。そしてお主らは二人は彼女を全力で守ること。その為に3つのアイテムを託すことに決めた。」
「3つ!!!」
耳を疑う大輔。崇彦は不思議顔。
「俺は確か、夢のなかで二つのアイテムを持ったものを守れって・・・」
「そうじゃ、そのための3つめのアイテムを今から渡す。」
老紳士は一度部屋に戻り3つ目のアイテムを手にして戻ってきた。それは・・・
「あれ?これは・・・・」
「さっき俺が着てた・・・スケータースーツ」
「崇彦のものと同じと思うなよ。アレはレプリカ、こっちは本家本元じゃ。」
そういってにやりと笑った。
「さて、そのスーツについてちょっと説明するかの!」