10/05/28 01:15:13
DESTINYの評価が賛否両論なので感想。
読み取れるテーマは1.「思想対立」2.「共産主義者の建前と本音」3.「血の結びつきを超えた家族愛」
1.「思想対立」については前作がナチュラルVSコーディネーターと言う民俗対立に対し、
DESTINYはロゴスという「軍事産業の市場原理主義」と議長の「極端な共産主義」の争いにシフトしている。
これはガンダムシリーズの中でも珍しいのではないか?むしろ初めてだったかもしれない。
クライマックスではどちらでもないラクス達が最終的に裁いていいるが。
よく「ラクス側に正義がない」という指摘が見られるが、そんな事はない。
ロゴスに至っては正義は感じられないだろうが、議長の方はどうか?
議長はじょじょに悪に染まっていったのである。人間生まれて初めから悪人などいないのである。
最初は善人であって、多く人の賛同も得られたとしても権力なりを手にしたとたん悪質な目的に変わる。
議長の理想は「共産主義」にほぼ違いないだろうが、「基本的人権」「国民主権」等を排除した
ファシスト的共産主義なのである。最終的には議長に意を唱える者を排除にかかっている。
人類にとっては「戦争」は不幸だろうが、はたして議長の理想は人々を不幸にしないだろうか?
ラクス達の結論としてはどちらも拒否している。
少し強引かもしれないが、削除法的に「基本的人権を象徴」しているのである。
つまり「基本的人権」「国民主権」等を排除した極めて悪質な議長の理想を打つ大義を見いだす事ができる。
作品の中でのラクスの位置は「良心」としているわけだ。
2.「共産主義者の建前と本音」
これを象徴しているキャラクターはミーアである。
実際ある意味DESTINYの陰の主役である。
ミーアの心情変化がDESTINYストーリーの展開を象徴している。
1.でラクスを「良心」と位置づけてしたのでミーアの存在は
「良心の偽り(理想の偽り)」とでも言おうか?
(「偽り」と言うキーワードもDESTINYの序盤でアスランに対して使われており、いろんな意味での比喩ともとれる。)
ミーアは議長から「ラクスになる」ように定められた人物である。
彼女は序盤、忠実にラクスを演じた。しかしラクスの覆面をしているうちに
その覆面がとれなくなりやがて「本当の自分」との間で拒絶反応が出ているのである。
つまり、「議長の理想の成りの果て」のサンプルとして視聴者に提供しているのである。
結局、キラ達の言う「明日」とは他人に命じられて押し付けられられたら見いだせない。
可能性は自分で見いだされる社会でなければならないのである。