もし勇者シリーズがC.E.or00世界に来たら4at SHAR
もし勇者シリーズがC.E.or00世界に来たら4 - 暇つぶし2ch100:小話 ◆9NrLsQ6LEU
09/08/05 10:49:07
連合軍の地上空母ボナパルトにネオ・ロアノーク率いる第81独立機動軍、ファントムペインが到着した。
そのボナパルトの格納庫内に在る新型MSを受領し、新たな作戦に従事するためである。
新型を見て駆け寄るアウル・ニーダとそんなアウルを窘めながら、自分もその威容から目を離さないスティング・オークレー。
「ははっ、スゲーじゃん。これ俺達にくれんだろネオ」
喜色を浮かべながらネオに聞いてくるアウルに答えるネオ。
「ああ、これがお前達の新しいおもちゃだ。これで戦力は整った、直ぐに出るぞ、コイツで全てを蹂躙して来い!」
「りょーかい」
「ハイよ」
遂に全てを破壊するGFAS‐X1《デストロイ》が起動した。ボナパルトから出撃したデストロイ2機とスティングの代わりにネオが駆るカオス、
そしてファントムペインに補充されたGAT‐04《ウィンダム》12機にて、西ユーラシアにおけるザフトの軍を悉く平らげるのだ。まずは目の前の小さな駐屯地から始めよう、その町の名はリューベック。
ファントムペインが上陸して1時間後、駐屯地のザフト部隊の全てとリューベックの町は焦土と化した。
そこに存在するのはただの瓦礫の山と燃え盛る炎、そして動かぬ躯だけである。
「ひゅうー、最高だぜ」
「まだ暴れ足らないってぇの」
意気上がるスティングとアウルをよそに焼け野原と化した光景を見たネオは、無感動に呟いた。
「これも仕事とはいえ、喃々だかな。しかしやらなきゃ俺達がお払い箱になりかねん」
仮面の下のネオの顔には諦観が浮かんでいた。

モニターに映る光景にロード・ジブリールは狂喜していた。
「ハハハハハ、圧倒的じゃないですかデストロイは」
笑うジブリールに、モニターに映るロゴスのメンバーの一人が、吐き棄てるように問いかける。
「確かにの全て焦土と化して何も残らんわ、これで何処まで焼き払うつもりなのだ」
町が燃え行く様子に嫌悪感を隠さぬ様子の人間達を前にジブリールは続ける。
「其処にザフトがいる限り何処まででもですよ、変に馴れ合う連中には、はっきりと教えてやりませんとね。我らナチュラルとコーディネーターは違うのだと、それを裏切るような真似をすれば地獄に落ちるという事をね」
得意げに語るジブリールの様子に、冷めた目を向けるとモニターから消えてゆくロゴスメンバーであったが、デストロイの力に魅了されたジブリールは、その眼差しが何を意味しているか気が付いていなかった。

キラとマリューが話していると通信士のチャンドラから、ターミナルのエマージェンシーが入っていると連絡があったのでブリッジへと急いで向かう。
其処に映し出されたのは、破壊されつくした町とそれを行なった巨大なMAであった。その光景を見たアークエンジェルの一同は、皆言葉を失い立ち尽くす。
「行きます、マリューさん」
ブリッジにキラの声が響いた、キラはこのMAを止める為に立ち向かう事を決めた。

101:小話 ◆9NrLsQ6LEU
09/08/05 10:50:39
ミネルバはナポリに停泊していた、主武装のタンホイザー、イゾルデの2つは使用不能だが、外装の修理は8割完了、代替のMSの搬入も終わりようやく航行出来る状態まで回復した所で今回の騒動である。
司令部からの通達は、ドイツ北岸のリューベックより連合軍が侵攻を開始、リューベックの駐屯部隊と都市が壊滅、真っ直ぐベルリンに向かって進軍中。
これに伴い近郊のザフト全軍は非常体制を取れ、また都市駐留の部隊以外は全てベルリン郊外に集結、敵戦力の殲滅に当たれとの事であった。
この指令に直ちにミネルバを発進させたタリア・グラディスは道中、情報収集に努めていた。
「リューベックならハンブルグの部隊が近いわね、そちらはどう」
「リューベックの援護に向かいましたが、全滅だそうです。それにも係わらず近郊のハンブルグではなくベルリンを目指しているのは、やはり」
タリアの質問に答えているのは、アーサー・トラインである。
「ええ、ベルリンはこの辺りで一番大きいザフトの駐屯地ですからね、そこを叩いてしまおうという事でしょうね」
「しかし可能なんですか、そんな事」
ベルリンは西ユーラシアに置けるザフトの活動拠点の一つだ、当然それなりの戦力が常駐している。
「出来る自信が有るから攻めてくるのよ、楽観論はお止めなさい」
「はっ、失礼しました」
いかに巨大なMAを有するとはいえども、そう簡単に駐留軍を倒せる訳が無い。そう考えるアーサーに油断しないように釘を刺すタリアであった。

侵攻してくるファントムペインに対して、ベルリンの駐屯部隊はコンプトン級やレセップス級の陸上戦艦を中核とした部隊戦力の6割を郊外に展開し迎撃行動に移った。
全戦力を傾けないのは別働隊に対しての備え、また市民の避難誘導と護衛に割いたからである。
これに対して侵攻を続けるファントムペイン側はデストロイ2機を先行、その後ろにネオのカオスが率いるウィンダム隊、最後尾にボナパルトとその他の陸上艦を配置させて、正面より戦端を開いた。
先行するデストロイへ向けてディン、ガズゥート、バクゥ等が一斉に攻撃を開始する。しかしその攻撃は全てがデストロイの前面に張られた陽電子リフレクターシールド《シュナイドシュッツSX1021》によって防がれる。
攻撃が通じなかった事に驚愕して動きの止まるザフトのMS郡に対して、機体周囲に搭載された熱プラズマ複合砲《ネフェルテム503》を放つデストロイ。
「吹き飛びなぁ!」
「消ぃえろぉ!」
ビームの直撃をくらい次々と爆散するザフトのMSを横にして進み続けるデストロイに陸上戦艦の主砲が火を噴く。
しかし陽電子砲すら弾く、シュナイドシュッツには通用しない。
「あーっはっはっはぁ! 無駄なんだよー!」
「いい加減に諦めて、くたばりなぁ!」
デストロイの背中にある主砲たる高エネルギー砲《アウフプラール・ドライツェーン》が撃たれると、その威力により地面が抉れコンプトン級陸上戦艦は周囲にいたMSと共に轟沈した。
接敵から僅か45分余りの攻防でベルリン駐屯軍は壊滅した。
この事態を受けてベルリン市長は、住民の安全に配慮し連合への降伏と侵攻の停止を申し出たが、その返答は砲声によって答えられた。
ベルリンもまた炎に包まれたのである。

102:小話 ◆9NrLsQ6LEU
09/08/05 10:53:51
同時刻、ザフト軍事ステーション内ではこの事態を前に緊急閣議が開かれていた。
「どういう事です、なんの勧告も無いままでこのような」
「無差別に町ごと焼き払うとは、正気か奴らは」
プラント評議会の面々が口々に、連合の所業に対し怒りを顕にする。その中で国防委員長タカオ・シュライバーが議長たるギルバート・デュランダルに進言する。
「都市駐留軍は殆どが壊滅状態です。議長、ここは一時撤退を」
撤退を促されるデュランダルだが、それには異を唱える。
「だが下がって如何する、下がれば解決するのかね。誰かが止めねば奴らは図に乗って都市を焼き続けるだろう、そんな物は決して許される物ではない」
今回の侵攻によって最も被害を受けているのは、ザフトでもプラントでもなく、侵攻を受けた町の人達である。
人道的支援を名目に駐留しているザフトとしては、これを放置する事は出来ない。
「ジブラルタルの戦力は回せないのかね」
「無理です、この侵攻に呼応してスエズの艦隊が地中海に出てきています」
「ならば、どこでも構わん回せる戦力は無いのか」
そう尋ねるデュランダルに国防委員であるアラン・クラーゼクやエドアルド・リーは黙るのみだ、彼等の表情からはナチュラルの市民の為に、これ以上の出血を強いられたくないとの感情が見て取れる。
それを咎めようとデュランダルが声を張り上げようとした時、部屋の扉を開いて一人の逞しい男が風を切って入ってきた。
「その救援には、我々が参りましょう!」
男の名はGGG長官大河幸太郎、今デュランダルにとって、最も信頼できる人物であった。

デストロイがベルリン市内に侵入して間も無く、キラの駆るフリーダムとアークエンジェルが現れた。
フリーダムはデストロイに対してビームライフルを撃つものの、全てのビームが全前に張られたシュナイドシュッツによって弾かれてしまう。
「なんだぁ、そりゃ?」
「はっ、今まで散々好き勝手してくれた分、纏めて返してやらぁ!」
フリーダムとアークエンジェルを見た、スティングとアウルは今迄のお礼参りとばかりに、フリーダムに対してネフェルテムのプラズマビームの雨を降らせる。
しかしキラはその攻撃を、SEEDを発動させて悉く切り抜けて、逆にフルバーストで反撃に移る。
しかし先程と同様にシュナイドシュッツによってフリーダムの攻撃は全て無効化されてしまう、それどころか弾かれたビームが更に町を破壊し、住民を巻き込んでしまう有様だ。
それでもデストロイを倒そうとフルバーストを連発するフリーダムに対してデストロイは遂に封印を解き真の姿を現した。
「こいつっ!」
「チョロチョロとウザイんだよー!」
腰が180度回転し、上部の円盤状の部分がせり上がり中に隠された上半身が出現する。
MA形態からMS形態へと変形したデストロイの威容と巨大さに驚愕を表すキラとアークエンジェルのクルー。
「そ、そんな」
「あんな、巨大なMSなんて」
MSとなったデストロイは両腕を肘から切り離すと《シュトゥルムファウスト》と指先に搭載されたMJ‐1703、5連装《スプリットビームガン》でオールレンジ攻撃を開始する。
その攻撃を回避しながら邪魔な腕を破壊しようと、またもフルバーストで攻撃を仕掛けるフリーダム。
しかしその攻撃も先程までと同様に前腕部に搭載されたシュナイドシュッツで反射されてしまう。

103:小話 ◆9NrLsQ6LEU
09/08/05 10:54:44
「キラ君下がって、ゴットフリート1番2番、ってぇー!」
マリューの声と共にアークエンジェルの主砲である225センチ2連装高エネルギー収束火線砲《ゴットフリートMk.71》がデストロイを襲うがこれもまた弾かれる。
「そんな馬鹿な」
よもや戦艦の主砲まで弾かれるとは考えていなかった一同が、驚愕を顕にする。その光景を見た中で、カガリが最も早く自分を取り戻した。
「私も出る、これではキラが」
自分も出撃すると言い出したカガリに対して、アマギ達もまた同様に出撃を口にする。
「カガリ様我らも出撃を、この戦いオーブの為のものではありませんが、これを只見ている事等出来ません」
「よし、行くぞ! これを放っておけるか」
この市民を救済しようという行動は個人としては正しいのだが、オーブという国の立場から見た場合には、カガリが常々標榜する理念を自ら反故にした上で、
同盟国である大西洋連合の作戦行動を妨害すると言うことなのだが、彼等はそれを理解していなかった。
勇躍飛び出したムラサメ隊が飛び回るフリーダムに通信を送る。
「キラ様、ここは我らが!」
「大丈夫です。お任せ下さい!」
「行くぞ!」
ファントムペインのウィンダム部隊と戦闘を開始するアークエンジェルのムラサメ隊、それを見たネオもカオスを飛び上がらせて迎撃に向かう。
「フン、クレタの生き残りか。何を考えているやら」
ネオはウィンダムとデストロイに向かってくるムラサメを見て、呆れた調子で呟いた。

ベルリンの救援に急いでいたミネルバは、戦況の確認の為に前線司令部へ通信を送るが応答が無い。
目標を工学映像に入れた所で熱紋による状況確認を行なった所、戦闘中の機体はカオス、ウィンダムにunknownとフリーダム、ムラサメ、ルージュ、アークエンジェルと判明した。
アークエンジェルが町の防衛を行なっているらしいが、何故か連合と同盟を結んでいるオーブのムラサメまでがウィンダムと戦闘を行なっている。
「さすが正義の味方の大天使ね、助けを求める声あればって事かしら」
戦闘の様子を見たタリアが、苦々しげに言葉を出すと、MS部隊に通信を送る。
「情勢は思ったより混乱してるわ、既に前線の友軍とは連絡が取れず、敵軍とは今、フリーダムとアークエンジェルが戦っています」
その声を聞いた面々が思わず怪訝な声を上げるがタリアは構わずに続ける。
「彼らの思惑は分からないけど、敵を間違えないで、戦力が苦しいのは承知しているけど、本艦はなんとしても連合を止めなければなりません」
タリアの言わんとする所は、現在の状況を鑑みてアークエンジェルには手を出さずに、連合を叩けという事だ、もっともタリアとてアークエンジェルが味方だなどとは思っていない。
「MS各機発進、状況は此方に不利だが各員の健闘に期待する。共闘出来ればと思うけど難しいわね、今となっては」
発進命令を受けてシンのインパルス、アスランとレイのジン、ルナマリアのバクゥが次々と飛び出して戦場へと向かった。
インパルスを全力でベルリン市内まで飛ばしたシンは、その惨状を見て思わずうめき声を上げた。
「なんだよコレ、まだ避難も済んでないじゃないか!?」
逃げ惑う人々や怪我をした人が其処彼処に居る。インパルスから見た限りでも、相当の人間が避難出来ずにいるようだと報告を入れる。
「わかったわ、でも今は市民の安全を確保する余裕は無いの。兎に角あのMSを止める事を考えて」
タリアからの指示は現段階では救助を行なう事は出来ない、先ずは連合の侵攻を止める事が先決だという事だ。

104:小話 ◆9NrLsQ6LEU
09/08/05 10:56:25
悔しいが確かにその通りである、一刻も早く連合を倒しその後で出来る限りの救助活動を行なうしか無いと頭を切り替えてデストロイへと向かうシン達。
遠間からビームライフルを撃つと空中を飛び回る腕に陽電子リフレクターが現れビームを弾いてしまった。
「皆、コイツはあのカニと同じだ! 正面からビームを撃っても弾かれて、無駄に被害を増やすだけだ!」
シンからの連絡を貰ったアスランは、攻撃を回避して腕に機斬刀を叩きつけるが、フェイズシフト装甲に阻まれ傷を付ける事が出来ない。それを見て直ぐに作戦を変更する。
「くそPS装甲か、ならレイと俺が動き回って隙を作る。そこへシン、お前が飛び込め。悔しいがジンの武装ではヤツを倒せん。それとルナマリア、市街戦ではバクゥの機動力を生かせない。君はミネルバの援護と侵攻してくるウィンダムを叩く事に徹しろ」
「「「了解!」」」
シンを中心にしたフォーメーションを構築してデストロイ1機を足止めすることに成功するが、もう1機は遠くからフルバーストを連発しながら飛び回るフリーダムを追い回して先へと進んでしまう。
「くそっ、キラの奴何を考えているんだ!」
被害を拡大するようなキラの戦いかたに思わず悪態が出るアスランだった。そのキラの戦い方に気を取られたのか、デストロイの頭部から撃たれた200ミリエネルギー砲《ツォーンmk2》の光が機体を掠める。
「ちいっ、惜っしい!」
アスランのジンに意識が行っていたアウルの隙を縫って、インパルスが迫る。
「はあぁぁぁ!」
地面すれすれの低空を飛んでいたインパルスは急上昇してシュナイドシュッツを展開していた右腕を盾の死角からビームサーベルで切り裂いた。
「まず一つ!」
「しまった!? こんのぉー!」
右前腕を壊されたアウルはシンを追いかける、これによってアウルのデストロイをベルリンの中心部から引き剥がす事に成功した。

手を拱いていたキラも、シン達の戦い方を見て接近戦に切り替える。フリーダムのスピードを利用して、すり抜けざまに切りつける得意の戦法である。
攻撃の中を潜りぬけて一撃を入れるようとするが、ネフェルテスやスプリットビームガンに加えて《マーク62》6連装多目的ミサイルランチャーから撃たれる弾幕の激しさに近寄る事が出来ない。
「こうも、攻撃が激しくちゃ」
「落ちろぉ、フリーダムゥ!」
しかし、デストロイの攻撃もフリーダムには中らない。此方も膠着状態に陥るがフリーダムが彼方此方に動き回る所為で市街の被害が拡大していくがキラはそれには気が付かなかった。

ネオ率いるウィンダム部隊はムラサメ隊と戦っていた、戦局は五分五分と言いたい所だが、流石にネオの操るカオスの動きが抜きん出ている。
「ったく、クレタの亡霊とでも言うのかね。お前らはあそこで死んでりゃ良かったものを」
今も1機のムラサメを撃墜して愚痴るネオの上空からニシザワ率いる3機のムラサメが強襲する。
「ゴウ、イケヤ突っ込むぞ!」
「「承知!」」
高高度から吶喊してくるムラサメに対して、ネオは慌てる事無く対処する。
「見えてるってぇの!」
背中のEQFU‐5X《機動兵装ポッド》を開放し、充分に引き付けてからAGM141《ファイヤーフライ》誘導ミサイルを発射。速度の上がっていたムラサメは回避しきれずに被弾してしまう。
「ぐっ」
其処へ《MA‐BAR721高エネルギービームライフル》を撃ち込み難なく1機を撃破すると、すれ違い様に脚部のMA‐XM434《ビームクロー》を展開し翼を切り裂いた。翼を失った機体はそのまま地上へと落下して炎に変わる。
「ゴウー、イケヤー!」
「おいおい、お友達を気にしてる場合じゃ、ないだろ」
僚機2機を撃墜されたニシザワが叫ぶが、ニシザワのムラサメも何時の間にか分離していた機動兵装ポッドに挟み込まれており、MA‐81R《ビーム突撃砲》によって火球へと変じた。
推力が足りなくなって自由落下に移っていたカオスは撃墜を確認すると兵装ポッドを戻して、飛行状態に戻ると次の指示をだす。

105:小話 ◆9NrLsQ6LEU
09/08/05 10:58:53
「スティング、フリーダムの相手は俺がする。お前はあのデカイ建物をやれ」
指示されたスティングの目には多数の市民が避難しているシェルターがある市庁舎が映った。
「ハイよぉ」
胸部の1580ミリ複列位相エネルギー砲《スーパースキュラ》を市庁舎に向けてトリガーを引く、撃ちだされた光の奔流が遂に建造物に届こうとしたその時上空から躍り出た影があった。
「「ミラーシールド!!」」
掛け声と共にデストロイのビームが反射されて大空高く消えてゆく。
「なにっ!」
「えっ!」
「あれは」
驚きの声と共に目を見張る面々、そして破壊を免れた市庁舎の前に視線を移すと、そこには赤と黒の見慣れない機体が盾を構えていた。
「なに、なんなの?」
「味方なのか?」
キラとアスランが呆けたように呟く。そこへ上空から声が響く。
「待たせたな皆!」
「この声は!」
シンが視線を上空へと向けると其処には黄金に輝く船が滞空していた、GGGが誇るディビジョンⅦ超翼射出司令艦《ツクヨミ》、そしてツクヨミの上部に颯爽と赤い鬣を靡かせて立っているのは、誰あろう獅子王凱である。
「いかに戦争とはいえ、戦いとは無関係の市民を虐殺するなど、決して許さん!」
無差別に町を焼く連合に対して、凱は怒りの雄叫びを上げる。
「イーックイーップゥ!」
イクイップした凱の体に戦装束である黄金の鎧IDアーマーが装着される。
「GGG機動部隊出動だ!」
『了解!』
ツクヨミから次々と飛び出す色とりどりの機体が、先に地上に降りていた2機の周囲に着地する。
衝撃で舞い上がった煙が晴れると、市庁舎の屋根に立つ凱を中心にしてGBR-2《氷竜》GBR-3《炎竜》GBR-6《風龍》GBR-7《雷龍》GMX-GH101《ゴルディマーグ》XCR-13《マイクサウンダース13世》GBR-8《光竜》GBR-9《闇竜》が集っていた。
『GGG機動部隊、此処に参上!』
勇ましい声と共に、GGGの勇者達が此処に完全復活を遂げた。

君達に最新情報を公開しよう
燃え盛るベルリンの町に立つ我らが勇者達
町を破壊するデストロイの脅威の前に
一人の少女が立ち塞がる
次回 勇者王ガオガイガー DESTINY
第15話 『引き裂かれる思い』 にFINAL FUSION承認
これが勝利の鍵だ 《ステラ・ルーシェ》

106:小話 ◆9NrLsQ6LEU
09/08/05 11:04:17
ども小話です
ベルリン前編です、つか長くなったので分けました
ではまた

107:通常の名無しさんの3倍
09/08/05 12:20:50
おおお!燃える展開!
後編楽しみに待機します!

108:通常の名無しさんの3倍
09/08/05 13:39:33
GGGJ!!

やべぇ、魂が震えちまう…

109:一尉
09/08/05 17:55:44
面白い、続きはどうなるですか。(笑い)

110:通常の名無しさんの3倍
09/08/05 19:53:07
GJとしか言えぬ引きだッゼ

111:通常の名無しさんの3倍
09/08/05 21:36:25
ガガガに限らず、勇者ロボはGガンの連中か、ターンタイプでもない限り太刀打ちできない
面子ばかりだからなあ。ラクシズが擦り寄るか、または自分たちのことを棚にあげて
危険視するかのどちらかだろうな。

112:???
09/08/05 22:00:13
でも勇者ロボットって人に危害を加えることができないんじゃ?
よく覚えてないけど

113:通常の名無しさんの3倍
09/08/05 22:03:48
まあ、今回はザフトが無理っつってる人命救助を最優先だろ

114:通常の名無しさんの3倍
09/08/06 01:44:08 wldUTjq5
多分直接戦闘というより、救助メインで、デストロイの足どめ無力化じゃないのかな?
劾の判断に期待

115:通常の名無しさんの3倍
09/08/06 09:58:20
フルバーストの跳弾による被害の拡大はまたシンのトラウマを刺激するのか、
それとも被害に思い至らないキラと、超AIの最優先事項を「敵の撃滅」から
「生命の守護」へと自力で書き換えた風竜雷竜との対比でも描かれるのか興味は尽きない。

116:通常の名無しさんの3倍
09/08/06 11:19:11
>>114
それ勇者じゃなくて傭兵や

117:通常の名無しさんの3倍
09/08/06 13:44:01
フルバの弊害の繰り返し強調とかけて次回予告ととく
そのココロは ステラも流れ弾で(ry

だったらやだなあ…

118:一尉
09/08/06 17:36:44
良い物支援

119:通常の名無しさんの3倍
09/08/06 22:48:36
面白い

上げ

120:通常の名無しさんの3倍
09/08/07 00:22:56
続きが気になる
保守

121:一尉
09/08/07 19:23:26
支援

122:小話 ◆9NrLsQ6LEU
09/08/10 09:53:42
勇者王ガオガイガー DESTINY
第15話 『引き裂かれる思い』
ベルリンで破壊を続けるデストロイと連合軍、それを阻止すべく現れたアークエンジェルとフリーダム。
両者の戦いで被害が広がるベルリン市街、そのベルリン救援の指令を受けたミネルバ隊もデストロイを倒すべく、戦いを開始する。
三つ巴の戦いの最中に、市民が避難している市庁舎に向けてデストロイの胸からスーパースキュラが放たれた。
誰もが市庁舎が炎上する光景を想像して目をそむけた瞬間、天空より救援に現れた者たちがいた。
『GGG機動部隊、此処に参上!』
上空に浮かぶGGGのディビジョンⅦ超翼射出司令艦《ツクヨミ》から町を守る為に地上に降り立った黄金の鎧を纏った勇者、GGG機動隊長の獅子王凱を始めとした、
GBR-2《氷竜》GBR-3《炎竜》GBR-6《風龍》GBR-7《雷龍》GMX-GH101《ゴルディマーグ》XCR-13《マイクサウンダース13世》GBR-8《光竜》GBR-9《闇竜》のGGG機動部隊の面々である。
GBR-4《ボルフォッグ》が居ないもののGGG機動部隊のそろい踏みの迫力に気圧される連合の将兵達。
「ゴルディマーグ!」
「おうよっ!」
凱の声にゴルディマーグが、フリーダムを追い回して町の中心部まで来ていたスティングのデストロイに吶喊すると組み付いて町の外へと押し戻す。
「このデストロイとパワー比べしようってかぁ!」
攻撃の為に飛ばしていた腕を元に戻してゴルディマーグと相撲を取るかのようにがっぷり組むデストロイ、双方の大きさはデストロイ38.07m、ゴルディマーグ25.5mである。しかしパワーの桁が違う。
「どおうりゃあぁぁぁ!」
「なっなあにぃ!」
電車道の如く一気に押され、そのまま侵攻してきたベルリン郊外まで押し戻されるデストロイ。
「こっ、このおぉ!」
ゴルディマーグを押し返そうとスラスターを噴かすスティングだが、僅かに後退速度を弛めるに過ぎない。
「無駄だぜ、俺のパワーを舐めるんじゃねえ!」
「何だ、コイツはぁ!」
組み合って押し返すがビクともしないゴルディマーグに苛立つスティング、状況を変えられるものは無いかとは周りに視線を送ると、シン達に誘導されたアウルが近寄って来るのが見えた。
それを見たスティングはうっちゃりの要領でゴルディマーグをいなすと、アウルに通信を送る。
「手伝えアウル、どうやら今までの雑魚とは違うらしい」
「なんだよ情けねえなぁ、でも了解ぃ。こいつらウザイから、さっさとぶっ飛ばす」
対峙するデストロイ2機とゴルディマーグとシン、レイ、アスラン。そして遅ればせながら、そこへやってきたキラのフリーダムとネオのカオス。
戦いは次の局面へと移っていく。

123:小話 ◆9NrLsQ6LEU
09/08/10 09:54:47
「GGGはこれより救助活動に入る! 頼んだぞ、お前達!」
『了解!』
凱の支持で先ずは氷竜が火災現場へと向かって消火活動を開始する。
「まずは火災がこれ以上広がらないように消火活動を開始します。フリージングガン! チェストスリラー!」
氷竜の活躍で激しく燃える炎があっと言う間に鎮圧されてゆく。
「消火効率120%、間も無く火災の鎮圧が完了。続いて救助に入る」
「被害の激しいところから優先するぞ。最優先目標は」
『生命!』
炎竜の掛け声に唱和して答える勇者ロボ。言うが早いか、我先に町の中へと果敢に突入して、市民の救助活動を開始する。
「私が瓦礫を退かします、危険ですので下がっていて下さい。パワークレーン!」
氷竜がパワークレーンを使って倒壊した建物等の下敷きになった人を助けようと、瓦礫の撤去を開始する。
「僕が来たからにはもう大丈夫だ、パワーラダー! さあ早く避難を」
炎竜はパワーラダーを伸ばして、高層ビルに取り残された人の救出をする。
「さあ皆、俺の背中に乗ってくれ、まだまだ余裕はあるぜ」
「怪我人や子供が優先ダモンネ、ダイジョウブ、皆マイク達が助けるモンネー」
二人が救助した人々を運ぶのは雷龍とマイクの役目だ。ビークル形態の雷龍のダンプカーのバケット部分とマイクのバリバリーンの中に逃げ遅れた人々を乗せて避難を開始する。
救助作業を行う勇者達に向かって、ウィンダムからミサイルが放たれた。グングンと迫るミサイルを前に救助活動中の機体は防御も回避も取れない。いやそれどころか自らの身を盾にして市民を守ろうとする。
「これ以上誰も傷つけさせはしない。ティガオ2風道弾!(フォンダオダン)」
「そんなミサイル撃ち落しちゃうから、プライムローズの月!」
「ビームだって撥ね返します、ミラーシールド!」
直撃かと思われた其の時、全ての攻撃が撃ち落された。仲間を襲うミサイルやビームから守るのは風龍、光竜、闇竜の3名だ、雨霰と降り注ぐ攻撃の全てを撃ち落し弾き返す。
「僕達が攻撃を防ぎます。皆さんは救助の優先を!」
「でも風龍兄ちゃん、このままあの人達を放って置いたら、他の場所にも被害が出るよ!」
飛行しながら攻撃を加えてくるウィンダム、そのウィンダムと空中で交戦しているせいで地上に被害を広げるムラサメ隊を見た光竜が悲鳴を上げるが凱に一喝される。
「ここで俺達が踏ん張らなくてどうする!」
凱はギャレオンが修理中でMSも無い現在では満足な戦闘行動を行なえない、その代わりに救助作業のサポート全般を受け持っている。
如何に自分達を助けようとしてくれていても、ロボットである彼らに恐怖感を抱く人間も多いので、凱が間に入る事で円滑に回るようにするのだ。
その他でも狭い場所での救助や、自力で避難出来ない人間の介助など、戦う事以外にやれる事は沢山ある。
「住民の避難状況はどうだ」
「ハイ、約70%が避難を完了。しかし市街地の被害が想定より大きいようで、退避行動に13%の遅れが見えています」
凱の質問に風龍が答える。ベルリンは歴史ある街である為に古い建物か多い、その為に衝撃でも壊れた建物が多く彼方此方で道路が封鎖されているようだ。
「そうか、状況を打開する為にもシン達に頑張って貰わないとな」

124:小話 ◆9NrLsQ6LEU
09/08/10 09:55:40
町の北側に視線を送る凱の側に、ルナマリアが駆るバクゥが近寄ってきて、外部スピーカーで話しかける。
「凱さん、どうして此処に? それにこの人達は」
凱に話しかけるルナマリアのバクゥの背後に、ウィンダムが急降下して来てビームライフルを向ける。
「ウィルッナーイフッ!」
それを見た凱はウィルナイフを引き抜くと、バクゥを足場に跳び上がりビームライフルの砲身を切断する。
「こんのおっ!」
思わぬ攻撃でビームライフルを失ったウィンダムが棒立ちになった所に、背中のビームキャノンを撃ち込んで破壊するルナマリア。
「助かりました、凱さん」
「ルナマリア詳しい話は後だ。俺達は引き続き住民の救助に当たる、奴らの相手は任せるぞ」
凱に言われて、戦闘に戻ったルナマリアは、ウィンダムの攻撃を迎撃している風龍達の前に出て背中のビームキャノンを撃って撃墜する。
「そっちの相手は私に任せて! え、ええっ!?」
ルナマリアがウィンダムを落として叫ぶが、地上へ落下するウィンダムを受け止めた風龍の姿を見て驚きの声を上げる。
「パイロットは無事の様ですね、このままでは爆発します。急いで脱出を」
敵ですら助けようとする姿に驚くが、動きを止めたりはしない。ウィンダム、ムラサメの区別無く撃ち落としていく。
その横で自らも相手の攻撃を捌きながら、落下してくる敵のMSの救助活動を行なう風龍達。
「あの人達がなに考えているか分かんないけど、私は私で出来ることをしなきゃね」
自分が撃ち落した機体を保護するGGGの機体を横目で見ながら、ルナマリアは自分のするべき事を行なう為に機体を走らせた。

ミネルバのブリッジでは、艦長のタリアがツクヨミからの通信を受け取っていた。
「では、あなた方GGGはプラントの要請を受けて我々の救援に来てくれた。と言う事で宜しいかしら」
「いや~、僕としては彼方のような美しい女性の味方するのは臨む所なんだがね。あくまでも我々GGGはベルリン市民の救助活動が優先されると考えてほしい」
モニターに映っているのは、奇抜な髪型(譬えるならピンクのカリフラワー)で鷲鼻の初老の男性GGG技術部のトップである獅子王雷牙博士だ。
雷牙博士がツクヨミに乗っているのは、長官が不在である現在、参謀である火麻が基地を離れるのは如何なものかという話があったからである。
「承知しました、ではミネルバは郊外に出た連合のMSを叩きます」
「うむ、ベルリンの事は万事、我々に任せてもらおう」
力強い言葉に頷き、町と住民の事を任せてミネルバはデストロイへと向かう。
「戦線を押し上げて、連合のMS隊を引き付けます。シン達と合流してあのMSを倒すわよ」
ミネルバは後の事をGGGに任せるとウィンダムの攻撃で彼方此方から煙を上げながらもシン達の援護へと向かった。

ベルリン郊外に戦いの場を移した一同は、2機のデストロイによる凄まじい火線に晒されて膠着状態に陥っていた。
もっともゴルディマーグは直撃を受けても大したダメージは無いので、避ける事をしない。
しかし如何に攻撃を仕掛けてくるMSと云えども人間が搭乗しているのでは破壊する訳にもいかない、自分の後ろにあるベルリンへと進もうとするデストロイに組み付いて押し戻すだけだ。
「ちっ、それにしても頑丈だな、コイツ!」
「ふんっ、そんな攻撃、蚊に刺されたようなもんだぜ。とはいえこっちも手詰りかよ」
アウルはデストロイにダメージを与えられるのはインパルスだけと見て、攻撃を集中させていた、シンは町に攻撃が広がらないようにデストロイの上空でその猛攻撃をかわし続ける。

125:小話 ◆9NrLsQ6LEU
09/08/10 09:56:52
「オラオラオラオラ、さっきまでの勢いは如何した!」
「くそっ、このままじゃジリ貧だ。何とか成んないのかよ」
アスランとレイが牽制に動くが、ジンの武装ではPS装甲に通用しない。そこへ漸くウィンダム部隊を撃退したムラサメ隊とカガリの乗るルージュが救援に訪れた。
「なにやってる! さっさとコイツを何とかしろ」
言うが早いかビームライフルをデストロイに向けて放つルージュだが、その攻撃も当然の如く弾かれる。
「ああん、雑魚は死んどけっつの!」
この攻撃で目標を変更したアウルが、周囲を飛び回るムラサメに対してネフェルテムを撃ち込む。その一つがルージュのエールストライカーに直撃した。
「きゃああああ!」
「カガリ!」
錐揉み状態で落下するルージュを間一髪で捕まえて、自分のSFSへと乗せるアスラン。
「す、済まないアスラン。助かった」
「バカ野郎、なんでこんな事をする。オーブを戦わせたく無いんじゃないのか君は!」
助けてもらった礼を言ったら、いきなり怒鳴られたカガリは、初め面食らったが直ぐに反論する。
「な、そんな事、でもこんな酷い事、黙っていられる訳無いだろう!」
「それでも、ここでオーブを戦わせるのは、オーブの理念に反する事じゃないのか!」
「そうかもしれない。でも!」
「でもじゃない!」
二人は今の状況では、場違いな口論を始めてしまったが、そこへデストロイがツォーンを撃って来る。
「くっ、カガリは降りて隠れていろ。君の腕では足手まといになるだけだ」
「えっ、アスラン何を!」
この攻撃を擦れ擦れで攻撃をかわしたアスランは、低空飛行に移ってルージュを降ろすとデストロイを止めるべく戦線に復帰した。

キラは、ネオの操るカオスと交戦していた。動き回るカオスに対して攻撃を仕掛けるものの悉くかわされる。
「攻撃がワンパターンなんだよ、フリーダム!」
「こっちの攻撃が読まれてるの? それにこの動きには覚えがあるような」
ドックファイトを繰り広げる両機の間をビームが抜けていった、ビームの来た方向に視線を向けるとミネルバが接近してくるのが見て取れる。
「ちっ、ウィンダム部隊が落とされたか。また面倒な相手が増えたな」
GGGが現れてから不利になる戦況に舌打ちをするネオであった。

この戦闘をステラ・ルーシェは医務室のベッドで聞いていた。全てでは無いが在る程度の戦況は此処へ運ばれてくる人間の話し声から判る。
どうやら、今ミネルバが戦っているのは連合軍で、その中にカオスが居る事。ならその部隊は自分が居たファントムペインだと判断する。
ステラにとって、シンは自分を守ってくれる人だ、そしてそれはネオも同じだと思っている。それにスティングやアウルだって大切な仲間だ。
「行かなきゃ、シンがステラを守ってくれるなら、ステラも大切な人を守らなきゃ」
体の調子は万全とは言い難いが、一時期に比べればまだ動く。幸いかどうか今ならドクター達は他の人の治療で忙しい、隙をみつけてステラはMSデッキへと頼りない足取りで向かった。
運良く途中では誰にも見つからずにMSデッキに辿りついたステラは、周りを見回すと奥に修理中のガイアが在るのを見つけた。
コクピットに入り状態を確認すると、コクピットのカバーが壊れたままではあるが、幸い動かす事はできるようだ。
四足獣形態に変形さえしなければ、そうそうコクピットから投げ出される事もないだろうと判断してシートベルトを着けてシステムを起動させる。
「皆を守りに行く、ハッチ開けて! 開けなきゃぶっ壊す!」
この物言いと剣幕に驚いたヨウランは味方が乗っていると勘違いして、ハッチを開けてしまう。完全に開ききる前にデッキから飛び出してゆくガイア。
「待ってて、今ステラが行くから!」
今までの戦いとは違う決意を持って、ステラが再び戦場へと向かった。

126:小話 ◆9NrLsQ6LEU
09/08/10 10:02:10
相手の戦力が整ってくるのを見たネオは、周辺を見回してある事に気が付いた。途中で現れた謎の部隊は、此方からの攻撃に対して迎撃や防御は行なうが、攻撃を仕掛けて来ない。
何をしているのかと見て見れば救助活動に動き回っているだけだ。その動きを確認する為に指示を出す。
「スティング、町に向かって一発ぶち込め。人がいる所を狙ってな」
ネオの指示を受けた二人は背中のアウフプラール・ドライツェーンを町に向けて放つ。
「危ない!」
それに気が付いた闇竜がミラーシールドを掲げて防御するが、流石に一人では防ぎきれない。
「闇竜、大丈夫?」
隣に炎竜からミラーシールドを借り受けた光竜が並び、何とかビームを弾く事に成功する。
その光景を見たネオはある考えを持って指示を出す。
「そう言う事か? お前ら、まともに相手するんじゃない。町に向けて適当にばら撒けば勝手に当たりに来てくれる!」
ネオの指示を受けたスティングが試しに指先のスプリットビームガンを放つと、先程と同様にシールドで攻撃を防ぐ。
「こっ、この野郎。お前の相手は俺だろうが」
腰にガッチリと組み付いて、デストロイの動きを止めていたゴルディマーグが焦った声を出すのをみてスティングは酷薄な笑みを浮かべる。
「なるほどな。馬鹿な連中だぜ、態々身代わりになってくれんだとよ」
「ははっ、そういう事ならぁー!」
シンを追い掛け回していたアウルも砲口を町へと向けて撃つ。
「やらせるかぁー!」
気合の声と共にSEEDを発動させて防御に入るシン、SEEDを発動させると人機一体となった感覚によってまるで機体性能すら上がったかのように感じる。
縦横無尽に動き回りミサイルは撃ち落し、ビームは盾で弾く。それでも可也の攻撃が町に降り注ぎ建物を瓦礫に変えてゆく。
町が炎に炙られる光景は、シンに家族を失ったあの時を思い出させる。こんな事は許してはいけない、その思いを叩きつけるシン。
「お前の相手は俺だろ、間違えんな!」
「違うね、俺達の仕事は町を灰にする事なんだよ!」
再び攻撃態勢に入るデストロイと攻撃を止める為に特攻しようと構えるシン。その両者の間にミネルバから飛び出したガイアが両手を広げて立ち塞がる。
「もう止めてー! こんな事もう止めてぇ!」
そのガイアから全周波数と外部スピーカーを使った悲痛な叫び声が放たれた。
「今の声、ステラ!?」
「何故彼女がガイアに乗っている?」
単純に驚くシンとレイ。
「ああん、なんだコイツ?」
「なんだ、この声覚えがあるような?」
消え去った記憶の残滓によって、違和感を覚えるスティングとアウル。
「ガイアだと、それにさっきの声は、まさかステラなのか」
ロドニアに無断で出撃して撃墜された事で、損失扱いにしたステラが生きていた事に驚いたネオの動きが一瞬止まる。その隙を見逃すキラでは無い。
「動きが止まった? 今だ!」
ラケルタビームサーベルで斬りかかるフリーダム、しかし間一髪の所で直撃は回避するカオスだが、回避しきれずにコクピットのカバーが壊れて内部が剥き出しに成ってしまう。
コクピットを破壊された破片と衝撃によって、ネオが被っていた仮面に亀裂が入り二つに割れてしまう、その仮面の下から出てきた素顔を見たキラは、驚愕して動きを止めてしまった。
「そ、そんな、まさかムウさん?」
今度は逆に動きの止まったフリーダムを見逃すネオではない。
「動きが止まったな、フリーダム!」
全部の兵装を一斉射撃するカオス、キラは咄嗟に回避運動に入るがビーム突撃砲の一撃を避けきれずに背中の《バラエーナ》ビーム砲を放熱用のウイングごと破壊された。
「しまった、バラエーナが死んだ」
これではフルバーストが使えなくなって戦闘が苦しくなる、それにカオスに乗っているのが本当にムウなら連れ戻さなければ成らないと判断したキラは、攻撃を躊躇うようになった。

127:小話 ◆9NrLsQ6LEU
09/08/10 10:04:33
呼びかけによって、動きの止まったアウルのデストロイに取り付き、再度呼びかけるステラ。
「シン守るって言った、だから守りたいだけなの。だから!」
「守る、守るって何言ってやがる!」
接触回線でアウルの声を聞いたステラが更に呼びかける。
「この声、アウル。アウル、ステラ守るよ、だからもう止めよう」
「なんだよ、なんなんだよお前、なんで俺の知らないヤツが、俺の事知ってんだよ!」
その声に消された記憶が何かを訴えてくる。その奇妙な感覚に我を忘れて暴れまくるアウル。
「きゃああああっ」
振り回された勢いで弾き飛ばされたガイアを、咄嗟に受け止めるインパルス。
「どうしてステラが、ガイアに乗ってるんだ」
通信を送ると医療用のガウンを着てコクピットに座るステラの姿が映った。
「シン守るって言ってくれたから、ステラも守るの。それにスティングとアウルもネオも」
ステラが言った事をそのまま受け取れば、つまり自分が守ると言ったから同じように自分の事も守ろうと言う事だろう。それに話に出た人達はステラの仲間だったはずだ。
「じゃあ、あのデカイMSに乗っているのは、ステラの仲間なのか!?」
そうだとすればエクステンデッドに違いない、他人によってその人生を、在り方を歪まされたステラと同じ存在。そう考えた瞬間、シンは叫んでいた。
「お前達もエクステンデッドか、ならこんな事はもう止めろ。無理矢理戦う必要なんか無いんだ」
ステラと一緒に叫ぶシンだが、返ってきたのは砲声だった。
「五月蝿い、五月蝿い、五月蝿い。気持ち悪いんだよお前ら、消えろぉ!」
無差別に暴れまわるアウルは辺りに破壊を撒き散らす。それを見たステラがシンを振り切って飛び出した。再び正面で相対するデストロイとガイア。目の前に飛び出してきたガイアを見たアウルが叫ぶ。
「この気持ち悪いのは、お前だぁー!」
デストロイの胸からスーパースキュラが放たれ、巨大なビーム光線がガイアを飲み込もうとする。
「うおおおおっ! 絶対に守ってみせる!」
その瞬間、突っ込んだインパルスがガイアを弾き飛ばして助けるが自身は攻撃を避けきれない、咄嗟にシールドを翳すのが精一杯である。
ガイアの代わりに攻撃を受けたインパルスであったが、何とか原型は留めているものの、頭部と両足は千切れ飛び、武装も無くしてしまう。
「メイリン、チェストとレッグ、それにブラストシルエットを出してくれ」
咄嗟にメイリンに指示を出して、コアスプレンダーを分離させようとするが、チェストは外れたが、フレームが歪んだのかレッグが分離できない。上半身をはずした事で推力を失って落下するインパルス。
「なっ、分離出来ない!?」
「換装なんぞさせるか、止め刺してやる」
中途半端に分離したインパルスが地上に落ちるのを見て、踏み潰そうとするデストロイの足にしがみ付くガイア。
「ダメ、シン殺しちゃダメ!」
「さっきから、ウザイんだよ。お前ぇ!」
アウルはデストロイにしがみ付くガイアを蹴り剥がす。蹴り飛ばされたガイアは地面に叩きつけられた。
「きゃああああ! ガッ!」
衝撃で気を失うステラ、動きの止まったガイアを左腕で掴み上げ、今度こそ破壊しようと頭部のツォーンを向けたところで、フリーダムと交戦中のネオから通信が入った。
「よせ、アウル。そいつは回収しろ」
不可解な命令に不服そうな声を上げるが、繰り替えされては従わざるを得ない。
「これで引き上げってこと?」
「そうだ、もっとも帰りの駄賃は貰ってゆくがな。スティング、ミネルバを殺れ」
ネオに言われたスティングはミネルバを観察する。彼の船は続けざまの戦闘で疲弊しており、護衛のMSは居らず、ここに到着してからもウィンダムの攻撃で彼方此方が破壊されている。
スティングのデストロイもゴルディマーグによって、下半身はガッチリと固められて動けないが、攻撃された訳ではないので武装は健在だ。
「OK」
両腕を飛ばしてミネルバに狙いをつける。それを見たアウルのデストロイを牽制していたアスランと、動け無いインパルスの回収に当たっていたレイのジンがカバーに入るが、間に合わない。直後デストロイの指先に装備された10条のスプリットビームがミネルバの船体を貫いた。

128:小話 ◆9NrLsQ6LEU
09/08/10 10:06:30
直撃を受けたミネルバのブリッジでは怒号が交錯していた。
「ダメージコントロール、両舷隔壁緊急閉鎖!」
「エンジン出力低下、このままでは市街に落着します!」
「町への被害は最小限に止めて! 各員脱出用意!」
「ダメ、落ちる!」
「大丈夫だ、俺達が何とかする!!」
誰の声かは分からなかったが、その声が艦内全てに響いた瞬間全員が希望を取り戻した。
いや誰の声かは直ぐに全員が理解した、なぜならこの頼りがいのある声は共に戦った勇者の声だからだ。
凱の声に呼応して、風龍、雷龍、ゴルディマーグの3人が落下するミネルバを支えていた。
「頼むぞ皆!」
戦艦の一隻くらいならこの3人で郊外まで運ぶことが出来るだろう。
デストロイとカオスの相手は光竜と闇竜に代わっている。二人は飛んでいたデストロイの両腕を早々に撃墜すると本体の足止めに掛かろうとしたが、肝心のデストロイが退却を始めた。

ミネルバの撃墜にまでは到らなかったが、エンジンと船体は破壊した事で航行能力は奪った。それを確信したネオはスティングとアウルに下がるように命令すると次の作戦に移る。
「ボナパルトの乗員は退避しろ、どの道灰にする予定の町だ、あいつ等ごと綺麗サッパリ消えてもらおう」
陸上空母のボナパルトにはいざという時の為に核ミサイルが積んであった。只打ち込むだけでは、この連中なら如何にかしてしまう可能性が高い。
「だが街中で起爆するなら如何するかな、正義の味方さん達」
必死にミネルバを運ぶ勇者達を見ながら、後方で待機している陸上戦艦へと帰還するネオのカオスとスティング、アウルのデストロイ。そしてデストロイの腕に捕らえられたステラの乗るガイア。
「あれはガイア? まさかあいつ等ステラを。くそっ、ステラァー!」
連れ去られるガイアを見たシンは、コクピットの中で叫んでいた。

ミネルバを何とか不時着させた凱は戦闘を行なっている方向へ視線を向ける。するとデストロイが下がるのに代わり後方にいた超大型の陸上艦が突進してくる所であった。
それを見た凱は何か引っかかるものを感じて、咄嗟にスキャンするように指示をだす。
「あの陸上艦から核反応を確認!」
「なんだと! 押し戻せ!」
凱の叫びに勇者達が飛び出し、ボナパルトに取り付き押し返す。しかし流石に大きさと重量の差によってジリジリと押される勇者達。

129:小話 ◆9NrLsQ6LEU
09/08/10 10:07:18
ボナパルトがGGGによって食い止められている光景を見たキラは、退却するカオスを追いかけるのを止めて、その上空へ飛んでいった。
「これを壊せば、良いんでしょ」
ボナパルトを破壊すれば連合のベルリン侵攻が頓挫すると判断したキラは、ビームライフルの銃口を向ける。引き金を引こうとした直前、目の前にアスランが乗るジンのSFSが割って入ってきた。
「アスラン、邪魔しないで」
「お前こそ何をしようとした。あれには核が積んで在るんだぞ!」
アスランからの通信を受けて慌ててアークエンジェルに連絡を取ると、マリューから今、調べるので待つように言われた。
ボナパルトをスキャンして核反応を確認したアークエンジェルは、即時撤退を決める。
「キラ君、カガリさんを回収して戻って!」
「え、でもこのままじゃベルリンの町が」
「言いたい事は分かるわ。でも此処で彼方やカガリさんに万が一の事があったら、世界はどうなるの。悔しいけれど分かって頂戴」
マリューの説得に納得するキラ、確かにここで自分やカガリに何かあったら、この混乱した世界を正す事が出来なくなってしまう。
「分かりました。悔しいけれど後はザフトに任せて、僕達は離脱しましょう」
キラはアスランの乗っているSFSに近づくと通信を送る。
「アスラン、君も僕たちと一緒に行こう。此処に居てはダメだ」
「そんな訳にいくか、まだミネルバが残っているんだ」
「でも、これ以上は無理だよ。このまま此処に居たら爆発に巻き込まれる、その前に離脱を」
「そうだ、私達と一緒に行こうアスラン」
説得を繰り返すキラとカガリだが、アスランは聞き入れない。
「キラ君、時間が無いわ。急いで!」
ムラサメ隊の回収が終わり、残っているのはフリーダムとルージュだけだ。業を煮やしたキラはアスランを強引に連れて行こうとするが、そこにレイのジンが近寄ってフリーダムに攻撃を仕掛けてくる。その攻撃を避けて反撃するキラ
「レイ止めろ、キラお前もだ。今はそんな場合じゃないだろう」
アスランが叫ぶが、戦いの決着は一瞬で着いた。いかにダメージを負うともフリーダムとジンでは相手にならない。達磨にされてSFSから落下するレイ、そのレイのジンを空中で回収するアスラン。
マリューから再度の撤退を進言されたキラは、その隙に飛行能力を失ったルージュの手を引いてアークエンジェルへ帰還する。
「アスラン、僕達の目指す所はきっと同じなんだ。だからいつか分かり合えるよね。それまで無事で居て」
「待て、キラァー!」
アスランの叫びもキラには届かない、追いかけたい衝動に駆られるが此処で離脱するわけには行かない。
「くそっ、キラ、カガリ何で分かってくれないんだ」
フリーダムとルージュを収容したアークエンジェルが、戦域外へ離脱するのを見送ったアスランの呟きが吐息と共に消えていった。

130:小話 ◆9NrLsQ6LEU
09/08/10 10:08:26
力自慢のゴルディマーグを中心にしてベルリンへと迫るボナパルトを押し返すが、このままでは町の中に入られてしまう、いや今の場所で爆発してもベルリンは壊滅するだろう。
まだ爆発しないのは単純にネオ達が爆発圏外まで退却中であるからで、退避行動が終れば躊躇無く爆発させるだろう。
それならば相手のタイミングで爆発されるよりは、此方で破壊した方が対処しやすい。爆発の威力と放射能を防ぐ手段は有ると判断した凱が命令を下す。
「頼むぞ、氷竜! 炎竜!」
「了解、行くぞ炎竜!」
「おうっ、氷竜!」
凱の意図を即座に理解した二人が走り出す。
「「シンメトリカル ドッ キンッ グ!!」」
竜型ビークルロボである二人のシンパレートが頂点に達した時、氷竜が右半身、炎竜が左半身に変形して《シンメトリカルドッキング》することによってハイパワーロボット《超竜神》が誕生するのだ。
「超ー竜ー神!」
超竜神に向かって上空のツクヨミから、超振動を発生させて炎や爆発を大気中より瞬時に消す事の出来るメガトンツール《イレイザーヘッド》が射出される。
イレイザーヘッドを受け取ってボナパルトへ向けて構える超竜神。
「隊長、準備完了です」
「俺が撃ち抜くからタイミングは任せたぞ」
超竜神へ告げると走り出す凱。不時着したミネルバの下に到達したところで外部装甲を蹴り上がり、上部にあるXM47《トリスタン》の上に降り立った。
膝立ちになって手を触れると射撃システムに直接介入して射撃体勢を整える。
火器管制を奪われたタリアが慌てる。
「何をするつもりなの! 凱」
「あの戦艦を破壊する」
敵戦艦を破壊する事をブリッジへと告げる凱に対して、タリアは破壊した時の危険性を指摘する。
「正気? あれには核が積んで在るのよ」
「承知の上だ。任せろ、何とかしてみせる!」
自身に満ちた力強い声でそう言われては反論も出来ない。それに彼は今までも奇跡を起こしてきた。その凱が言うのならば否は無い。
「分かったわ、私達の命もベルリンの運命も全て凱、彼方に託します」
「ああ、託された。よし、此方の準備も整った。カウントダウンだ!」
「了解、5!」
凱から破壊のタイミングを任された超竜神が秒読みを開始する。
「4!」
カウントダウンが進むごとに緊張が高まって行く。
「3!」
ボナパルトを抑えこむ勇者達は着弾の一瞬前に離脱する準備を始める。
「2!」
ミネルバのクルーが一瞬たりとも目を離さぬと視線を送る。
「1!」
ベルリンの市民が天に祈る。
「発射ぁ!!」
「イレイザァー ヘェェッドォー!」
凱の声と共にトリスタンのビームがボナパルトへと放たれると同時に、ボナパルトを押さえていた勇者達が一斉に離脱する。
0コンマ数秒の差を持って超竜神がイレイザーヘッドを撃ち込む。
先に到達したビームがボナパルトを火球に変えるのと同時に、イレイザーヘッドによって作り出された超振動力場によって、爆発の衝撃と拡散する炎そして周囲を汚染するはずであった放射能の全てが天高く舞い上げられる。
さながら天地を貫く光の柱のように、全ての力が成層圏へと運ばれ、その光が消えた後に残ったのは、僅かに地面が焦げている痕跡だけであった。

131:小話 ◆9NrLsQ6LEU
09/08/10 10:09:19
爆発と次に天へと立ち上った光の柱に目を眩ませたタリアであったが、徐々に小さくなっていく光が収まると観測手へと状況を尋ねる。
「どうなったの?」
問われた観測手は自分でも何度か目を擦ると、まるで狐に鼻を抓まれたような表情で返答する。
「観測の結果、被害は敵艦のあった場所の地面のみのようです。爆発エネルギーの殆んどは消失、放射能汚染もほぼ0、レントゲンレベルです」
「ハ、ハハハ本当に何とかしちゃいましたね。艦長」
助かった事に安堵したアーサーが椅子からずり落ちる。どうやら腰を抜かしたらしい。
「本当にね、あの人達が味方で良かったわ」
赤と青の機体の周りに集った勇者ロボ達を見ながらタリアは漸く息を吐いた。

ツクヨミ内で計測していたスワンから、報告が上がる。
「全エネルギーのうち99.99998%の成層圏への放出を確認しました。放射能の汚染レベルも問題アリマセーン」
「うむ、ベルリンは救われたの。ところで攻めてきた連合の部隊はどうしとる?」
報告を受け取った雷牙博士は次の行動を視野に入れて、連合の動きを尋ねた。
「撤退を始めたみたいデース。追いかけマスカ」
「いや、それよりも市民の救助を最優先じゃ。まだまだ休めんぞい」
外に目を向ければ、合体を解いた氷竜と炎竜も加わって救助作業が再開されていた。

凱達がベルリンでの死闘を終えた頃、木星の巨大重力の渦の中である《存在》が目覚めた。
《ソレ》は長い時を眠っていた。遥かな昔自らを生み出したモノが滅び去り、《ソレ》もまた朽ちて逝くだけの存在であった。
だが此処数年で、《ソレ》を蘇らせるに足るエネルギーが届くようになった。
エネルギーとは《ソレ》を生み出したモノが恐怖と、憎悪と、悲哀と、諦観と、嫉妬と、怒りと呼ぶ負の力である。
《ソレ》が生み出された目的は、そういった負のエネルギーを喰らい、浄化する事であった。《ソレ》はその本能に従い、ゆっくりと目を覚ます。
『ZON・DER!』
一つ咆哮を上げて自らの存在を誇示すると、自分の糧となるモノへと向かって動き出した。
木星で目覚めた《機械生命体ゾンダー》が目指す先、それは地球である。

君達に最新情報を公開しよう
遂に姿を現す機械生命体ゾンダー
人類の敵の前にして遂に手を取るプラントと連合各国
しかし、その裏で暗躍する者達がいた
次回 勇者王ガオガイガー DESTINY
第16話 『結成 GGG』 にFINAL FUSION承認
これが勝利の鍵だ 《Gutsy Galaxy Guard》

132:小話 ◆9NrLsQ6LEU
09/08/10 10:26:04
ども小話です
ベルリンの後編になりますが、いかがでしょうか
あと木星の敵は色々と考えた末に、あの二人を出す時にコレに決めました
ではまた

ところで、今回の勝利の鍵は《ステラ》と《イレイザーヘッド》のどっちか
悩んで《ステラ》にしましたけど、《イレイザー》の方が良かったですかね?

133:通常の名無しさんの3倍
09/08/10 11:41:46
勇者ロボ軍団キタ━━(゚∀゚)━━ !!!!!
うはっ鼻血物だ! 興奮した!! イレイザーすっかり忘れてた!
そういう意味でも勝利の鍵は《ステラ》でよかったかも
面白過ぎて参る、しかしキャラは崩れてない、すっげぇ!!
そしてついにゾンダーキタ━━( ´∀`)・ω・) ゚Д゚)゚∀゚)・∀・) ̄ー ̄)´_ゝ`)-_)゚∋゚)´Д`)゚ー゚)━━!!!!
お疲れ様でした、これからもがんばってください

134:通常の名無しさんの3倍
09/08/10 13:40:45
燃ゆる! 勇者ロボがちゃんと勇者ロボしてるよ!
ゾンダーもキタ! 最初は手を結んだように見えても、双方ともゾンダーを解析して
自陣営の力にしようと画策しそうダナー
つか、真っ先にラクシズが手に入れようとしそうなのが予想できてしまうw

135:一尉
09/08/10 13:42:23
面白い、凱旦那、素晴らしいで良かったな。

136:通常の名無しさんの3倍
09/08/10 14:14:40
GJ!
連載初期にはハンマーヘル&ヘブンでゾンダー化したデストロイからステラを救出する
ガオガイガーとか想像してたが……。
そうだよな、勇者ロボにはイレイザーヘッドがあったよな……。
何をどう考えてもラクシズに一番必要だったのはストライクフリーダムでもエターナルでもなく
人を救ったりするためのイレイザーヘッドのような気がする。
つーかフリーダム開発する資金があるなら防衛兵器の一つでも開発しろよ、と(ry


137:通常の名無しさんの3倍
09/08/10 14:26:09
>>136
危険だから寄越せ、ですね?わかります

138:一尉
09/08/10 17:26:41
そうえば護は今はとうしているかな。

139:通常の名無しさんの3倍
09/08/10 17:29:24
>>136
フリーダムもエターナルも、ザフトからおいしく戴きました>ラクシズ一同

140:通常の名無しさんの3倍
09/08/10 19:06:52
結局キラは自分が被害を拡大させた面もある事を認識すらせずずらかったか。
そこへきてムネヲのツラを拝んでしかも取り逃がしたとなると、
今度はその尻追い掛け回していつの間にかAAごとPPとつるんでたりして。
プラントとGGG(あるいはセイランオーブにジブを見限りつつある地球の残り勢力)
との協力体制からはハブられるんだろうし。

141:一尉
09/08/10 19:15:55
じゃあ、続きを始めて下さい。

142:通常の名無しさんの3倍
09/08/10 19:57:12
自由は本来はプラントの防衛兵器なんだぜ
マルチロックの射撃でプラントに近づく敵を撃ち落とし、打ち漏らしたのを正義がやる方式
ラクシズは見事にテロにしか使ってませんが

セリフと地の文に一行開けてほしい
そして展開が切り替わる時に二行開けると読みやすくなるかな

143:通常の名無しさんの3倍
09/08/10 22:35:06
GGGJ!!やべぇ読んでいてすっかりイレイザーヘッドの存在忘れてた…
てっきりマイクのディスクMで解析したNJCを無力化とかだと思ってたOTL

そして今はこれしか言えない…
これぞ勇者魂だあぁぁぁああぁぁっっ!!


もう少ししたら戦場は宇宙かな?
そうしたら(多分)新なる勇者、スターゲイザーの出番が!?

144:通常の名無しさんの3倍
09/08/10 23:28:32
去年、半分ノリで立てたスレがパートかして続いていることに驚いた。

145:通常の名無しさんの3倍
09/08/11 01:59:40
>でも此処で彼方やカガリさんに万が一の事があったら、世界はどうなるの。
確実に無駄死にが減ります。

・・・いい年した大人なんだから、常識を持ってくれよ。
まぁ、それがないからガキと一緒にテロやってるんだろうが。

146:通常の名無しさんの3倍
09/08/11 02:54:31
>>145
逆に28にもなって(この局面で)真顔で世界がどうとか言えるのがある意味スゲーと思ってしまう俺ガイル…

147:通常の名無しさんの3倍
09/08/11 14:23:52
無力の一般人達が絶対絶命のピンチに、
命惜しさに逃げ出す正義の味方・・・情けない言い訳付き。

平成が生んだ、新しいヒーローの在り方だなorz
勇者達と競演だから、余計に対比でヒデーことになってる。
でも、同人アニメを見た後だと、全く行動に違和感ないんだよね。

148:通常の名無しさんの3倍
09/08/11 15:25:18
まぁ相手が個体戦力では(多分)バイオネットロボにも劣る奴らだしなぁ…



勇者達なら充分対応可能だろう。
でも相手がバイオネットやゾンダーだろうが彼らなら分担してでも救助を優先するだろうな…

149:通常の名無しさんの3倍
09/08/11 17:43:59
「思いだけでも、力だけでも」なラクシズから見れば
ある意味「思い」を「力」に変えると言えなくもないゾンダーメタルは
理想的なパワーアップツールに思えるかも。

150:一尉
09/08/11 17:47:41
この世界の護は今はとうしているだろう。

151:通常の名無しさんの3倍
09/08/11 18:08:24
>>143
とりあえずノワールとのシンメトリカルドッキングをだな

152:通常の名無しさんの3倍
09/08/11 18:08:37
人間の負の感情をエネルギーにしているからな
怒りをパワーに変えて平和を生み出しましょうと都合のいい事をほざくラクシズが目に浮かびます
てかガンダムワールド全般に言えるけど種世界って大半が憎しみ持ちだからな
ゾンダーとしてはこれほど都合のいい世界はないだろ

153:通常の名無しさんの3倍
09/08/11 19:53:38
ゾンダーメタルは普通の人間のストレスでも怪獣に仕立て上げられるけど、
キラやラクスってその手の不の感情を超越してそうな気がする。悪意で動いて
はいない人種だし。
存在そのものが迷惑極まりない人種ではあるけど。

154:通常の名無しさんの3倍
09/08/11 20:16:38
>>153
下手したら自我を保った状態でゾンダーの力を使いこなせそうな気がする。



他にゾンダーに適合しそうな人…

ジブリール、エクステンデッド一同、アスラン(板挟み的な苦悩で)、カナード、常夏、アズラエル、フレイ、案外カズイとかも

異論は認める

155:通常の名無しさんの3倍
09/08/11 23:45:24
>>154
ゾンダリアンとしてラクスが四天王入りするんですね分かります。

156:通常の名無しさんの3倍
09/08/12 16:55:06
>>153
いや、ありがたい平和への思いをこめた停戦命令や、
超兵器や場の主導権明渡し命令を聞かない相手へのストレスは凄いぞ。
もっとも大抵は瞬間的に高まっても直ちに自由正義で抹殺して解消するから
後を引かずさほど目立たないだけのことで

157:通常の名無しさんの3倍
09/08/12 17:43:05
種世界にはストレス抱えてる人が多そうですから、ゾンダー大活躍の予感!
っていうか『浄解』された後の『きれいなラクス』とか『きれいなキラ』とか
笑えることになりそう、今からどうなるか楽しみ!
GGGJしたっ!!

158:一尉
09/08/12 18:41:33
但し、シンにもゾンダー化にしたり後はマーレ・ストロードってゾンダー化にお似合いそうな男だよな。

159:通常の名無しさんの3倍
09/08/12 20:02:02
セカンドステージのパーツ全部使ったゾンダーが出来そうですね

160:通常の名無しさんの3倍
09/08/12 20:34:02
ネタ画像でそんなのあったぞ・・・

161:一尉
09/08/13 12:14:12
ネタ画像ってあるですか。

162:通常の名無しさんの3倍
09/08/15 07:59:50
>160
あとはカラミティとソードカラミティがシンメトリカルドッキングした「災竜神」とかもあったっけか。

163:通常の名無しさんの3倍
09/08/15 10:42:57
元が狂った善意で動く連中だから
浄解されたところで行動原理が変わるモンでもないだろうな
キラとラクス
アスランなんかはとても前向きに働くようになるだろうけど
それでなくてもこのミネルバMS隊は他のSSに比べてとてもまとまっているな
カガリは・・・抱え込んだストレスが無くなれば、ポジティブに周囲に迷惑をかけまくるだけだな
浄解された人々が真っ当になれたのも、社会人として一人間としての常識などの基礎が固まっているからで
ゆえに社会との摩擦軋轢によって苦しみ、そこから開放されたことで正常に動けるようになるわけだから
ラクシズの大半は基礎から壊れているから・・・

むしろコーディネイターへの劣等感やらのあらゆるストレスから開放されたジブリールは
優秀な宣伝部長として輝くだろう・・・多分

164:一尉
09/08/15 11:49:15
シン場合はとうしますか。

165:通常の名無しさんの3倍
09/08/15 13:10:07
ジブリールって金融関係の人だろ
NJで世界規模インフラ破壊でその道の人のストレスは計りしれんぞ
さぞゾンダーのいい苗床になってくれるだろうな
そして浄解後は凄く綺麗なジブリールの姿が!!

166:通常の名無しさんの3倍
09/08/15 13:38:37
ふとゾンダリアン化したアズラエルとかを考えてしまった…

浄解後はCE世界の勇者王に!!…ならないわな

167:一尉
09/08/15 18:28:44
マーレって男がゾンダー化にした場合すごく暴走にされるよ。

168:通常の名無しさんの3倍
09/08/15 21:30:14
>>159
こんなのか?
URLリンク(upload.jpn.ph)

169:通常の名無しさんの3倍
09/08/15 21:55:00
らしくもありらしくなくもあり
ジェネシックと絡ませた日にはどっちが悪役か分からなくなるなあw
(絶対一方的にボコられるだろうから)

170:通常の名無しさんの3倍
09/08/15 22:00:05
>>168
これってフルスクラッチ完全変形ピア・デケム・ピーク作った人が立体化してたよね
俺はそっちのイラスト版見るの初めてだw

171:通常の名無しさんの3倍
09/08/15 23:56:33
>>168
格好いい( ´∀`)
勇者に成長したシンに乗って欲しい

172:通常の名無しさんの3倍
09/08/16 01:56:15
>>171
…(;゜Д゜)
ゴッドマー(ry

173:通常の名無しさんの3倍
09/08/16 09:35:09
>>170
これだな
URLリンク(up2.viploader.net)


174:通常の名無しさんの3倍
09/08/16 11:12:33
>>170
>>173

これなんてガンジェネシス?

175:通常の名無しさんの3倍
09/08/16 11:19:03
ごめん、誰か>>162で出てきた災竜神の画像って持ってない?
ググっても出てこなかった…

176:通常の名無しさんの3倍
09/08/16 11:45:52
>>175
ほい
URLリンク(up2.viploader.net)

177:通常の名無しさんの3倍
09/08/16 13:22:17
他にもカオス、アビス、ガイアの3機がミラクル合体した画像があった筈
コアファイターの類が15機合体したやつもあったな

178:一尉
09/08/16 13:31:32
無理な合体にしたら大変だよ。

179:通常の名無しさんの3倍
09/08/16 13:37:10
>>176
㌧クス
やべぇ、久しぶりにツベで勇者王見たくなった…

180:通常の名無しさんの3倍
09/08/16 16:37:21
とりあえずTSUTAYAで全巻借りて来た。

181:通常の名無しさんの3倍
09/08/16 17:10:46
とりあえず手持ちの種・種死関係のネタ画像を張っとく

URLリンク(up2.viploader.net)
URLリンク(up2.viploader.net)
URLリンク(up2.viploader.net)
URLリンク(up2.viploader.net)
URLリンク(up2.viploader.net)
URLリンク(up2.viploader.net)
URLリンク(up2.viploader.net)
URLリンク(up2.viploader.net)
URLリンク(up2.viploader.net)


>>177
これやね
URLリンク(up2.viploader.net)

182:通常の名無しさんの3倍
09/08/16 18:57:23
>>181
クソワロタww
つか胸のやつ、TINコッドでコア・ファイターじゃねーしw

183:一尉
09/08/16 19:17:15
>>181
これじゃあ戦隊ロボじゃないかよ。(怒)

184:通常の名無しさんの3倍
09/08/16 20:41:09
>>181
これが抜けてね?
URLリンク(up2.viploader.net)

185:一尉
09/08/16 20:53:45
>>181
これは別の作品ロボットじゃねかよ。(怒)

186:通常の名無しさんの3倍
09/08/16 21:34:42
>>181
これなんてガンガル?

187:通常の名無しさんの3倍
09/08/16 21:41:59
昔、種版ガンガルを考えるスレがあったんだが、
いつの間にか無くなっちまった。

188:通常の名無しさんの3倍
09/08/17 01:04:28
URLリンク(up2.viploader.net)

ゴライオンならぬゴバクゥかこれ。

ゴバクゥ……誤爆?

189:通常の名無しさんの3倍
09/08/17 01:08:23
胴体はガイア
両脚はラゴゥじゃないか?

ゴわんこだな

190:通常の名無しさんの3倍
09/08/17 08:48:00
>>184
ぬわぁぁぁ!起きてから見てみたらスパーリンクネタと間違えてたぁぁぁ

191:一尉
09/08/17 10:49:11
もやはや変態なロボットが出てしまいたな。

192:通常の名無しさんの3倍
09/08/20 23:03:08 MgfEezgX
保守保守保守保守

193:一尉
09/08/21 08:27:53
試験試作

194:通常の名無しさんの3倍
09/08/23 03:21:51
しかしZマスターが滅んだのに現れたってことは
機械新種とはまた違った新種のゾンダーなのかね?

195:通常の名無しさんの3倍
09/08/23 07:50:21
>>194
この世界のZマスターがいるのかもしれん

196:一尉
09/08/23 15:10:10
>>194
いや、それより続きは。

197:通常の名無しさんの3倍
09/08/23 15:56:56
>Zマスター

駄目だ、カミーユと兜しか浮かばん

198:通常の名無しさんの3倍
09/08/23 16:00:41
つまり、石破天驚拳を撃てるZガンダムというわけか

199:通常の名無しさんの3倍
09/08/23 16:20:00
死者の念を集めて必殺技。

つまりディス・アストラナガンということか?

200:通常の名無しさんの3倍
09/08/23 16:42:25
デモベのベルゼビュートの怨霊呪弾もだな
念というか負の魂そのものだが

201:一尉
09/08/23 21:48:25
逆恨みの亡霊に出たら面白いかもしれないよ。

202:通常の名無しさんの3倍
09/08/24 02:49:37
保守

203:一尉
09/08/24 21:15:13
支援

204:一尉
09/08/24 22:00:08
支援

205:通常の名無しさんの3倍
09/08/26 12:27:03
むう生産補修はどうなってるんだ、湯水のごとく使ってるGツールの扱いが軽いなあ。
勇者たちが一方の勢力に肩入れして紛争に首を突っ込んでる段階で存在意義を見失ってる気がする。

206:一尉
09/08/26 18:43:23
そろそろ続きは。

207:通常の名無しさんの3倍
09/08/27 00:13:31
>>205
この板の人間にまともなSS期待するだけ無駄無駄


208:通常の名無しさんの3倍
09/08/27 00:15:18
また屑が湧いたようだな

209:通常の名無しさんの3倍
09/08/27 00:26:37
>>205
勇者ロボがやってるのは、無差別攻撃しているデストロイの足止めと人命救助。
あとはウィンダムからの攻撃防いでるだけなんだがなあ。
読んでる?

210:通常の名無しさんの3倍
09/08/27 17:40:05
>>209
どうみてもザフトの味方です
ご高説にありがとうございました

211:一尉
09/08/27 17:54:34
>>209
あの、そろそろ続きは。

212:通常の名無しさんの3倍
09/08/27 19:42:34
撃墜されたウインダムのパイロット達も勇者ロボ達によって救出されてるな。
生命の前には連合もザフトも関係無しに動いてるな。
第一今回は連合によるテロ行為だから、今回の現場において救助活動を援護してくれるザフト側に傾くのも当たり前。
まあデュランダルが、ジェネシスでやらかそうとしたら即座に敵対するだろうな。

213:一尉
09/08/28 00:53:36
墜落された、ウィンダムは鹵獲にされたな。

214:通常の名無しさんの3倍
09/08/28 01:12:41
>>205
>湯水のごとく使ってるGツールの扱いが軽いなあ。
イレイザーヘッド1発使っただけで「湯水のごとく」ですかそうですか。

215:通常の名無しさんの3倍
09/08/28 01:59:31
キラに味方しない勇者は悪者まで読んだ


で?

216:通常の名無しさんの3倍
09/08/28 10:20:45
そもそもGGGはバイオネット等への対応見るに治安維持のための武力行使権は持ってる罠
それにイレイザーヘッドはグランドノヴァの回で使いまくってることから結構備蓄あるだろ
Gストーンや超AIロボ使い捨てたわけじゃあるまいし

217:通常の名無しさんの3倍
09/08/28 10:39:59
>>205
少数ながらもカーペンターズを生産、そして雷牙博士も健在。
この2つの条件さえ揃えば物資面で大抵の事は上手くいく

218:通常の名無しさんの3倍
09/08/28 10:41:34
>>205
Gツールってゴルディオンハンマーのことだぞ

219:通常の名無しさんの3倍
09/08/28 12:35:58
>>218
ひょっとしたら、幻の「Gプレッシャー」の事ジャマイカ?ww

220:通常の名無しさんの3倍
09/08/28 19:43:47
GGGは周囲に被害を及ぼさないように戦う
その為のイレイザーヘッド
その為のディバイディングドライバー
その為のゴルディオンハンマー(光にして消滅させる)

221:通常の名無しさんの3倍
09/08/28 19:58:49
そしてその為の安全策もきっちり
ディメンジョンプライヤーしかりGモーター(出番なかったが)しかり
マニュアルセーフティーも各承認キーで万全。音声認識もあり。
施設乗っ取りされても国連の婆ちゃんの強制シャットダウンもある。
これほど安全に気を配ってる組織CEにあるか?

222:一尉
09/08/28 20:04:09
どりあえず、続きは。

223:通常の名無しさんの3倍
09/08/29 06:17:56
Gツールってガオガイガー等が使うオプションキット全般を指すんじゃないかと。
そういえばゴルディオンハンマーは究極のGツールなんて呼ばれたこともあったっけ。

224:Brawl ◆BrawlM6IfI
09/08/29 07:17:47
知らん

225:通常の名無しさんの3倍
09/08/29 08:29:28
早い話、「ボクのキラキュンをイジメる話なんて、読みたくないやいっ」って事ですかい?

226:通常の名無しさんの3倍
09/08/29 09:11:45
民間人虐殺を見て見ぬ振りしたらそれこそ勇者失格だよ。
主義主張のためには誰かが犠牲になるのも仕方ないとかウズミじゃあるまいし。

227:一尉
09/08/29 13:13:23
民間はジャンク屋にも助ける。ロウと群雲劾が助けるよ。

228:通常の名無しさんの3倍
09/08/29 14:02:57
難癖付けるやつもキモいけど
キラキュンの味方しないなんて間違ってる><とか煽ってるやつも十分気持ち悪いよ

229:通常の名無しさんの3倍
09/08/29 14:24:47
とりあえず勇者達の行動は決して間違いではないと思う

230:通常の名無しさんの3倍
09/08/29 17:11:59
SSに書いてないことを捏造してまで貶めようとするのが一番キモイ

231:通常の名無しさんの3倍
09/08/29 20:48:32
>>221
CEは最新鋭機が簡単に奪われたり、たかが一将校が核を運営できたりとお察し下さいなLvだな

232:通常の名無しさんの3倍
09/08/29 22:22:33
>>226
× 主義主張のためには
○ 自分のマイブームのためには

あのオーブの理念とやらは元々あるもんじゃなくウズミがここ数年で吐いた妄言だぞ…

233:一尉
09/08/30 12:51:15
一番気なるのはマージャンは気になるよ。

234:名無しさん@そうだ選挙に行こう
09/08/30 16:08:57
役割分担が徹底して一種の社会的昆虫なマーシャンは
ゾンダーと親和性高そう。

235:名無しさん@そうだ選挙に行こう
09/08/30 16:30:00
ゾンダーはマイナス思念を宇宙から消し去るのが目的だから、
どういう形であれ人類とは相容れないよ

236:一尉
09/08/30 22:43:56
あの、そろそろ続きは。

237:通常の名無しさんの3倍
09/08/30 23:48:09
>>234
管理型社会でストレスがたまりにくいかもしれんぞ
途中からやるならともかく最初からそういう教育うけた奴らは自分の
仕事に不満や疑問をいだかないだろうし

238:通常の名無しさんの3倍
09/08/31 09:48:39
我慢ならんの人はあっというまに侵蝕されそうだよなぁ

239:一尉
09/08/31 18:54:36
スウェン・カル・バヤンは出ますか。

240:通常の名無しさんの3倍
09/08/31 23:26:42
いやいや沸点低い人はすぐに発散するからむしろストレス溜まりにくいんじゃないか?

241:通常の名無しさんの3倍
09/09/01 01:10:18
むしろ我慢ならん人の付き人の方がヤバくね?

242:通常の名無しさんの3倍
09/09/01 16:22:47
GGGて意外とがんじがらめなんだよな
国や国連の承認なしでゴルディオンハンマーとか使えんかったし
対遊星主では表向き反乱扱い追放扱いだし

国家に国連みたいなものもある地球という名の惑星で人間同士の軍事衝突に頸を突っ込んでミリタリーバランスを著しく崩していることについては何とも思わないのだろうか
人命救助のお題目をかがけて戦線に介入したり作戦妨害したりあまつさえわけのわからん兵器で切り札をぶっとばしてくるし
自分正義を掲げて乱入してくるのはラクシズとおなじだけど無敵な分、初期のソレスタルビーイングなみにたちが悪いぞ

243:通常の名無しさんの3倍
09/09/01 16:50:15
また同じこと言ってる…

244:通常の名無しさんの3倍
09/09/01 17:55:15
とりあえず読みもしないで適当に語ってるのは分かった

245:通常の名無しさんの3倍
09/09/01 18:30:36
ナナバルクをステーションに派遣する大義名分が出来たな
>GSライド、超CPU

246:通常の名無しさんの3倍
09/09/01 18:55:25
>>245
>超CPU
なんすかね、それw

247:一尉
09/09/01 20:25:44
それもしかして、アグニスって男じゃねか。

248:通常の名無しさんの3倍
09/09/02 01:00:38
超AIと間違えたんだろう

249:通常の名無しさんの3倍
09/09/02 04:25:34
>>242
キラクス様を敵役に据えるSSなんか嫌がらせコピペ何度でも繰り返して
続ける気をなくさせてやる、まで読んであげた

250:一尉
09/09/02 19:09:46
あの、そろそろ続きは。

251:通常の名無しさんの3倍
09/09/02 21:12:32
>>242
つまり、勇者がキラ・ラクスの同類に書かれてるといいたいのかね

252:通常の名無しさんの3倍
09/09/02 23:53:24
連合軍から見ればそうなんじゃないかね
人命救助が最優先だって違いはあるけど

253:通常の名無しさんの3倍
09/09/03 00:24:45
>>252
何が言いたいのか分からん。
片や攻撃せずに防御のみ。オマケに味方のパイロットまで救助する謎のロボット
片や街も民間人もお構い無しにフルバーストするフリーダムとAA。

同じに見えるのか?

254:通常の名無しさんの3倍
09/09/03 09:08:01 jDGVVoM8
どう考えても違うだろ。


255:通常の名無しさんの3倍
09/09/03 09:28:40
たぶん勇者達はSEEDを学べ(キリッ
といいたいんじゃないかな

256:通常の名無しさんの3倍
09/09/03 10:40:25
勇気で補うぜ!

257:通常の名無しさんの3倍
09/09/03 12:22:40
実際ベルリンにおけるキラやAAの行動原理はGGGとさして変わらんと思う
虐殺や破壊を止めたい、人を守りたい、その気持ちまで否定するつもりはない
ただ、キラの場合、配慮や視野が足りなさすぎて、自分の気持ちを自分で踏みにじってるのが問題なわけで。
しかも、そのことに全く気づいてないってのがどーしようもないというか・・・・

258:通常の名無しさんの3倍
09/09/03 17:42:12
>>253
連合軍からすれば
意味不明なことを言いながら虹色ビーム連発のフリーダムも
戦場に乱入してきて攻撃対象の防衛と人命救助をする謎のロボット
どっちも戦場をかき乱す迷惑な存在
ってことだ

259:通常の名無しさんの3倍
09/09/03 17:47:41
まあ、かたや攻勢でフルバーストしまくろうが、かたや守勢で救助に専念しようが
勝手なことやってる戦場の邪魔者という点では共通してるな

260:通常の名無しさんの3倍
09/09/03 17:58:44
ゴルディVSデストロイの相撲も一応妨害に入るのかね

261:通常の名無しさんの3倍
09/09/03 20:45:10
何を当たり前なことを。
連合からすりゃ妨害以外の何者でもないっての

262:一尉
09/09/03 21:07:25
ストライクEが出たら面白くなりそう。

263:通常の名無しさんの3倍
09/09/03 22:36:39
>>259
>>261
何かよく読んでないみたいだが、
GGGは正式にプラント政府の要請を請けてベルリンに救援に来てるぞ?

タリアと雷牙の会話で言われてる様に、ベルリン市民の救助を主目的にしてるから、
デストロイとゴルディの相撲も救助の邪魔になる障害を排除しただけだし。
ベルリン大虐殺かまそうとしてる連合の妨害行動やるのは当然だと思うが。

264:通常の名無しさんの3倍
09/09/03 23:00:11
読んでるわけないじゃん、難癖だけが目的なんだし。

265:通常の名無しさんの3倍
09/09/03 23:14:51
この程度で難癖とは穏やかじゃないねぇ

266:通常の名無しさんの3倍
09/09/03 23:35:35
非戦闘員に対する一方的武力行使に出た時点で通常の軍事行動を逸脱してんじゃないのか?
C.E世界に国際法があるのかは知らんが

267:通常の名無しさんの3倍
09/09/03 23:36:47
いくら難癖をつけようが、俺達が徹底的に論破して叩き出せばいいだけのことさ

268:通常の名無しさんの3倍
09/09/03 23:58:25
気持ちはわかるけど論破して叩き出すってのはちょっと乱暴な気が…
軽く諭すって感じでやんわりといかないか?
喧嘩腰にならず平和的にいくのも勇者ってもんさ

269:通常の名無しさんの3倍
09/09/04 00:08:38
それであきらめるような奴だったら今も粘着してたりはしないだろ・・・
職人が筆を折ってからその台詞を再び言えるか?

270:通常の名無しさんの3倍
09/09/04 00:15:13
こんなのの為に、良作が消えるのは頂けないねえ。


271:通常の名無しさんの3倍
09/09/04 00:26:49
クロス系SSスレを巡回してる連中なら良く知ってるぜ
職人が筆を折る瞬間を……
そして筆を折らせてきた奴の存在を……!

272:通常の名無しさんの3倍
09/09/04 00:31:48
まあ元々投下間隔の長い職人氏だから心配はしてないけど、
今粘着してる糞虫はマジ死ねと思う。
害虫のくせに寿命が長すぎるんだよ、あ、ゴキブリだから無理もないか

273:通常の名無しさんの3倍
09/09/04 00:59:11
こうやって構ってるあたり
着々と執筆停止の道を進んでるよね
相手しないのが一番の対策なのにその真逆をやってるんだもんなぁ

274:通常の名無しさんの3倍
09/09/04 01:18:41
とりあえず牛丼でも食う?

275:通常の名無しさんの3倍
09/09/04 01:18:52
もう書かないなら書かないとはっきり言ってもらいたいな

276:通常の名無しさんの3倍
09/09/04 01:21:23
>>275
何上から目線で催促してんだ

277:通常の名無しさんの3倍
09/09/04 01:36:44
俺の作戦が成功してメシウマwww
作者の敗北宣言マダー?
まで読めた。

278:通常の名無しさんの3倍
09/09/04 01:37:59
>>274
こんにゃくは入ってるかい?

279:通常の名無しさんの3倍
09/09/04 07:04:32
>>277
小話氏はこういう批判を逆手にとって話面白くできる人だからむしろ問題ないと思うけどな・・・・
今まで何度かアンチのもっともらしい意見聞いて話上手く展開したことあったし。

と、俺が職人にプレッシャー与えてどうするwww

280:通常の名無しさんの3倍
09/09/04 11:49:38
>>276
これが上から目線とか相当アレな人だね

281:通常の名無しさんの3倍
09/09/04 14:36:55
>>280
作者に対して、というか、他人に対して敬意がない奴が何言っても無駄。

一辺SS書いてここに投稿してから出直してきな。
自分の納得のいくSSを書くのがどんなに辛いかを知らない人間が何言ったってただの戯れ言にしかならない。
そして、一度でもSSを他人の目に見える形で発表すれば自分がどんなに間違ってて、どんなに恥知らずな行為をしてたか自ずと分かるはず

282:通常の名無しさんの3倍
09/09/04 14:38:54
こうして作者と直接関係ない所でスレは煽り合いで沈んでいくのでした

283:通常の名無しさんの3倍
09/09/04 14:53:16
>>281
そうかそうか
君とは相容れない様だからここまでにしておこうか

284:通常の名無しさんの3倍
09/09/04 18:42:24
>>274
紅ショウガ山盛りのやつな。

285:一尉
09/09/04 19:24:01
牛丼大盛りでんな。

286:通常の名無しさんの3倍
09/09/04 19:45:38
屑同士の罵りあいとを尻目に牛丼談義
こうして投下も新参作家も遠のいていくわけで…

287:通常の名無しさんの3倍
09/09/04 19:53:14
こういう言い方はよくないが
逆シンスレにネタ投下できるくらいなんだし投下自体はこのペースが通常なんだろう

288:通常の名無しさんの3倍
09/09/04 22:53:20
>>282>>286
もう少しキャラの使い分けを覚えような、能無し

289:通常の名無しさんの3倍
09/09/04 23:08:32
使い分けたからどうしたって話だがな

290:通常の名無しさんの3倍
09/09/04 23:56:52
匿名掲示板で
しかもID出ない板で
特定できるとか凄い能力っすね

291:通常の名無しさんの3倍
09/09/04 23:56:54
ダイノガイスト様の続きはまだかな~

292:通常の名無しさんの3倍
09/09/05 00:49:24
粘着して難癖付ける荒らし
それを鼻息荒く叩き潰さんとする余り荒らしに成り下がった低脳
そして糞コテ

こんなスレでも投下してくれる職人には心底頭が下がります

293:通常の名無しさんの3倍
09/09/05 01:26:38
投下があるまでシーゲル総統がWのデキムやGジェネオリのイワン閣下の服を着たラフをチラシの裏に描いたが似合いすぐるw

294:通常の名無しさんの3倍
09/09/05 01:29:25
>>293
ラクスが陣羽織ならシーゲルは殿様だろうに

295:通常の名無しさんの3倍
09/09/05 14:44:24
>>294
いや、十二単衣だろう

296:一尉
09/09/05 15:13:54
あの、続きは。

297:通常の名無しさんの3倍
09/09/05 18:55:13
>>295
いや、公家だろう。おじゃる的な。

298:通常の名無しさんの3倍
09/09/06 02:21:31
>>297
「〇CNでおじゃる!」

299:一尉
09/09/06 13:50:10
>>297
それは別の作品です。

300:通常の名無しさんの3倍
09/09/06 19:36:24
>>295
バカ殿だろJK・・・

301:通常の名無しさんの3倍
09/09/06 19:40:05
一周してサタデーナイトフィーバーとか

302:通常の名無しさんの3倍
09/09/06 21:04:41
書ける

303:小話 ◆9NrLsQ6LEU
09/09/06 21:06:23
勇者王ガオガイガー DESTINY
第16話 『結成 GGG』
ベルリンでの戦いは一応の終結を見せたものの、都市機能の大半とライフラインが寸断された為に市民の大半は知人を頼って他の町へ疎開することになった。また、町に残り復興を担う人達も暫くは不便な生活を強いられる事になるだろう。
目の前に広がる焼け落ちた光景に、シンはオーブを脱出した時の事を重ねていた。
町を守れなかった悔しさに歯噛みするシンの前を安全な場所へと避難する人の列が通っていく。その中に居た少女が転んだのが見えたので、近寄って声を掛ける。
「大丈夫かい、怪我は無い」
その声に対して少女より幾分年嵩な少年が飛び出してきてシンを突き飛ばし、少女を自分の後ろに庇ってシンを睨みつける。
「お前ザフトだろ、ザフトが此処に居たから俺たちの町が焼かれたんだ!」
顔立ちが良く似ていることからおそらくは兄妹なのだろう、この騒ぎでも親が出てこない事からして、両親はこの戦いで命を落としたのかもしれない。
少年の余りの剣幕に怯むシン。少年の後ろにいた少女は自分の前にいる少年の服の裾を握り締めて震えている。睨みつけて来る少年に対して一歩近づいて話しかける。
「妹かい?」
「だったら何だってんだよ」
「なら、ちゃんと守ってやるんだぞ」
「そんなの当たり前だろ、お前なんかに言われなくたって守るさ」
妹の手を引きながら、捨て台詞を残して列に戻っていく二人を目で追いながら自分の力の無さを改めて自覚する、あの時も連合が市街地へと攻め込んできた。
防衛に当たったオーブ軍も自分達が守るべき町で市街戦を繰り広げて被害を拡大させ、避難する途中で自分の家族はフリーダムの流れ弾に当たって死んだ。
「まるっきり、同じじゃないか」
こんな光景を二度と見たくないから、理不尽から人を守れる力を手に入れようとザフトに入ったのに、結局は守りきれずに自分と同じ境遇の人間が増えてしまった。
さらに守ると約束したステラに助けられた上に、その彼女を連れ去られたことで、後悔に沈むシンであったが、其処へ後ろから声が掛けられる。
「シン、大丈夫だったか」
「凱さん」
シンが振り向くと凱が立っていた。凱はシンの横まで歩いてくると破壊された町の中で黙々と救助活動を続けるGGGの勇者達を見ながら、シンの頭に手を置いて乱暴に撫でた。
「見てたぞ、もっと胸を張れ。少なくともお前達が居なければこの町はもっと酷い事になっていた」
「でもさっきの子の言っていた事も事実です、俺達だけじゃ何も守れませんでした。町の人達だって凱さん達が来てくれなかったら如何なっていたか。それにステラも連れ去られてしまって」
「俺だって悔しいさ。でも俺達は神様じゃ無いんだ、如何したって出来ない事はある。それでも諦めなければ希望は何時だって残されている。そうだろう」
凱も戦いの中で父親である麗雄や同僚であったパピヨンの様に仲間を失っており、またシュウを初めとして助けられなかった人間も存在する。
機械31原種やソール11遊星主と戦った時には敗北を喫した事も在り、決して挫折を味わわなかった訳ではない。だからこそ凱の言葉は人に勇気を与える事が出来るのだ。
凱の言葉を聞いたシンは、自分の顔を両手で叩いて沈んでいた気持ちを奮い立たせる。
「大丈夫ですよ。俺、絶対に諦めませんから《GGG憲章第5条125項、GGG隊員はいかに困難な状況にあろうとも、決して諦めてはならない》ですよね」
奪われたのなら奪い返せば良い、救えなかったものがあるなら次は必ず救ってみせる。今日の自分が出来ない事も、明日の自分になら出来ると信じる事、それも《勇気》だ。
「そうだな、俺達も救助の手伝いに向かうぞ」
「ハイ!」
シンの顔に生気が戻ったのを見て走り出す凱、その背中を追いかけて走り出したシンはこれから自分の進むべき一つの道を見据えていた。

304:小話 ◆9NrLsQ6LEU
09/09/06 21:07:28
ミネルバのブリッジにて艦長のタリアは整備主任のマッド・エイブスから被害報告を受け取っていた。書類を見ながらマッドに尋ねる。
「どうかしら、直りそう?」
「無理ですね、船体のダメージが半端じゃありませんし。なによりエンジンが完全にお釈迦です。直すぐらいなら新しく作ったほうが早いし安上がりですよ」
今までの激戦を潜り抜けてきたミネルバを修理してきた整備主任のマッドに、そうまで言わせるという事は本当にもう駄目なのだろう。
残念ながらミネルバは放棄せざるを得まい。まさか正式な就航式も行なわないまま、廃艦になるとは想像すらしていなかったタリアは思わず笑ってしまう。
「ご免なさい、笑うことでは無かったわね。でもこの艦は正式に就航していないのにもう廃艦よ。なんだか可笑しくって」
怪訝な顔をする、アーサーとマッドに向けてそう言うと乗組員と現状についてアーサーに尋ねる。
「はっ死者13名、重軽傷者は合わせて48名、既に後送の準備は整っております。MSはアスランのジンとルナマリアのバクゥが健在、インパルスはコアスプレンダーの修理が完了すれば運用できます」
「そう、味方の救援は」
「近隣のザフトは壊滅状態、またジブラルタルも連合の艦隊と一戦交えたそうです。黒海沿岸の駐留部隊が少数と本国からの降下部隊が、支援物資を持って此方に向かっており、合流まで8時間との話ですね」
アーサーの報告を受けてタリアは首を傾げた、司令部からは交代でジブラルタルへ出頭するように通達が出ているが、ミネルバが動けないのでは如何ともしがたい。
「艦長、上空のGGG艦《ツクヨミ》より通信が入っています」
悩むタリアにメイリンから報告が上がる。繋ぐように言って居住まいを正すと正面モニターに先程も話した初老の男性が映る。
「改めまして、ご挨拶させていただきます。ミネルバ艦長のタリア・グラディスです」
「こちらこそ、GGG技術部主任、獅子王雷牙です」
獅子王の名前から凱の関係者とあたりをつけたタリアが尋ねると、雷牙は凱の伯父であり先日会ったルネの父親であるらしい。
見た目の年齢から考えれば祖父と孫ぐらいの年齢差があるようだが、こちらは見た目の印象どおりにバイタリティに溢れているのだろう。
「話と言うのは他でもない、ミネルバのクルーとMS等の機材一式をツクヨミで運んでやろうと思っての。なーに気にする事はありませんぞ、我々は共に戦った中ではないですかな」
妙に爽やかな、言い換えれば胡散臭げな笑顔を向けられ返答に窮するタリア達に対して雷牙は実に嬉しそうだ。
何でもGGGの長官がジブラルタルへと来るので、迎えに行くついでにという事らしい、確かに、現状ではミネルバは動けないし、援軍には自分達をジブラルタルへと送る余裕も無い。
訝しげに聞いていたタリアであったが、協議の結果この申し出を受諾する事にした
数時間の後、ザフトの救援部隊が到着するのと交代にツクヨミはミネルバのクルーを乗せて一路ジブラルタルへと進路を取った。

305:小話 ◆9NrLsQ6LEU
09/09/06 21:08:45
ファントムペイン指揮官であるネオ・ロアノークは、ロゴスの盟主であるロード・ジブリールに連絡を取っていた。
「デストロイを使ってあの体たらくだと、何をしているのだ貴様は! あの厄介なミネルバを落とした事は評価しよう、しかし手ごわい敵が現れたからといって、おめおめと引き下がるとは如何いう事だ」
「送りました資料映像は」
「無論、見た。その上で言おう、なんの為のデストロイだと思っている」
「そう言われては返す言葉もありませんな」
ジブリールとしても送られてきた映像に映っていた色取り取りの機体の性能には驚いたものの、その機体は直接戦闘に係わっていない。
それどころか市民の救助活動に従事し撃ち落された此方のウィンダムすら助ける間抜けさ加減だ。そんな連中を相手にして虎の子のデストロイが、歯がたたない等とは到底認められない。
「まったく上も下も失敗とはどれ程の損失か。まあ良い、奴らの情報は此方でも集めている。次の作戦まで鋭気を養っておけ」
「ハ、ところで回収したステラの事なのですが」
「ステラ? ああ3号か。それがどうかしたか」
「スタッフの話では衰弱著しく、このままでは戦闘には使えないとの事でして」
詰まらなそうに話を聞いていたジブリールは、そのまま廃棄を告げようとしたが、ふと考え直した。
実の所、今回の作戦はベルリン侵攻だけでは無く、宇宙でもDSSDが開発中の次世代MSの接収計画を並行して進めていたのだが、此方も旗艦である戦艦ナナバルクが中破、MS部隊もほぼ壊滅と散々な結果である。
ステラは使い古しのポンコツとは言えエクステンデッドには違いない。修理が効けば良し、最悪データ取りには使えるだろうと判断して、ヘブンズ・ベースへの後送を命じた。
「了解しました、3号はヘブンズ・ベースへ送ります」
ジブリールとの通信を切ったネオは、ブリッジへと繋ぎステラの後送と情報を集める事を指示する。
「さっきの様子だと宇宙の方も失敗のようだしな。こりゃ益々俺達がこき使われそうだ」
被っていた予備の仮面を脱ぐと、こめかみを揉みながら嘆息した。その傷だらけの顔は嘗てムウ・ラ・フラガと呼ばれた人間と同じ顔をしていた。

プラント最高評議会議長ギルバート・デュランダルとGGG長官大河幸太郎は、軍事ステーションでの話し合いを終えてジブラルタルへと降下していた。
そこへ東の空からGGGの隊員達とミネルバクルーを乗せたツクヨミが到着して、タラップから凱達が降りてくるのを滑走路上で迎えて、到着した面々を労う幸太郎とデュランダル。
「久しぶりだな凱、無事でなによりだ」
「長官こそ、元気そうで安心しました。ところで此処に議長と二人で来たという事は」
「うむ、その話については場所を変えよう」
GGG側は凱、雷牙、スワンの三人、ミネルバ側はタリア、アーサー、アスランの三人が別室に通され、幸太郎、議長と話し合いを行なう事にした。
滑走路が見える部屋へと通されて席に着くと、先ずはデュランダルが今回のベルリンでの活躍を労った。
「ミネルバにはアーモリー1以来、随分と苦労を掛けてしまった。にもかかわらず良く活躍してくれたね。評議会でも代表して君にネビュラ勲章をという話になっている」
「いえ、自分達は職務を果したに過ぎません。それに今回ミネルバを沈めてしまいました」
「確かにミネルバは今回の戦いで沈んだが、此処までの戦果を考えれば恥じる事も無いだろう」
「そう言っていただけると助かります」
デュランダルに対してタリアは申し訳無さそうに答えた、自分の預かった艦を失った事には、やはり忸怩たる思いがあるようだ。デュランダルは次に凱達に向き直る。
「今回の一件ではGGGの皆さんには大変お世話になりました。それに凱君にはユニウス7以来ずっと助けてもらってすまないと思っている」
「気にしないでくれ、市民の虐殺など絶対に許せる事ではないし、此方も色々と世話になっている」
「凱の言う通りですな、今我々は同じ目的の為に協力しています。ところでグラディス艦長達は、現在我々が置かれている状況をご存知ですかな?」
凱の後を幸太郎が継いで話し出し、現在の情勢を知っているか尋ねる。タリアは以前に凱から少し聞いていたが、アーサーとアスランは何も聞いていない。
「そうですか、ではお話しましょう」

306:小話 ◆9NrLsQ6LEU
09/09/06 21:10:50
そして大河の口より語られた真実は驚くべき内容であった。木星に存在が確認された《ゾンダー》それは嘗て凱達の地球に来襲した恐るべき敵である。
全宇宙の機械昇華を企む《機械文明》はその尖兵たるゾンダーEI(Extra‐Intelligence)-01を地球へと送り込んできた。
EI-01は配下の《機械生命体ゾンダリアン》である《機械四天王》を使い、マイナスエネルギーを発するストレスを持った人間を《ゾンダーメタル》によって破壊メカである《ゾンダーロボ》へと変えて地球侵攻を開始した。
そしてゾンダーロボが成長する事で生まれる、更なるゾンダーを生み出す苗床《ゾンダーメタルプラント》を使って地球の機械昇華を目論んだ。
その野望に敢然と立ち向かった勇者王ガオガイガーとGGGは、長い戦いの末、東京決戦にてEI-01と機械四天王を、更に現れたZX(Zonder‐Exception) 《機械31原種》を退け、木星にて全ての元凶である《Zマスター》を倒す事に成功、全てのゾンダーは活動を停止した。
「しかし、なぜかこの世界の木星にてゾンダーメタルが発する《素粒子ZO》を確認したのです」
ここでアスランが手を上げた、余りにもとんでもない話に頭がついて行かないが、気に掛かる点がある。
「その、ゾンダーが恐るべき敵というのは理解しますが、しかしその話だけではゾンダーが存在するとは限らないのでは在りませんか?」
「確かにアスラン君の疑問も尤もだ、実の所私はこの話を大河長官より伺った時に外宇宙からの脅威を利用して、終戦協定と新たなる脇組みを作る事が出来ないかと考えたのだよ」
現在のコーディネイターとナチュラルの対立構造に共通の敵を作り出すことで、協力体制を作り出し、更にそこから恒久的な共存関係を模索しようと言うのがデュランダルの考えであった。
「しかし、最悪の事態が起こってしまった。先ずは、この映像を見てくれたまえ」
部屋の明かりが消えて、天井からモニターが降りてくる、そこに映し出されたのは木星の映像であった。
木星の海の中から現れた巨大な姿、それは6枚の翼を持った鯨と表現するのが適当であろうか。
「こ、この映像はいったい」
「およそ2週間に木星において撮影されたものです。監視衛星の情報から、間違い無くゾンダーであると我々は推定しています」
通常のゾンダーや機械四天王に代表されるゾンダリアン、彼らは遠い銀河の星で文明を築き上げた生身の生物だったのだが、
紫の星の機械テクノロジーの結晶が何時の頃からか誤って発展した機械文明ゾンダーによってゾンダーメタルを与えられ、機械昇華の尖兵たる永遠の命を持つ機械生命体へと進化させられた姿である。
本来人間のストレスを糧にして成長するゾンダーではあるが、同様のマイナスエネルギーを発する固体(例:イルカのヴァルナー)ならばゾンダー化する事が確認されている。
「恐らくこの宇宙鯨、たしかエヴィデンスと呼ばれていましたか。この固体も我々と同様の知的生命体なのでしょう。だからこそゾンダー化したか、若しくはこの鯨がZマスターと同等の存在と言う事も考えられます」
活動を開始したゾンダーはその本能である、機械昇華を目的に動き出すだろう、ならばここ数年の間、戦禍に晒されてきた地球はゾンダーによって格好の餌場であるといえる。
そこまで話した所でモニターが消え部屋に灯りが戻った。

307:小話 ◆9NrLsQ6LEU
09/09/06 21:13:01
「DSSD(Deep Space Survey and Development Organization=深宇宙探査開発機構)からの最新の観測情報では、木星付近に重力振動を感知したらしい。いよいよヤツが動き出したのじゃろう、先ずは近場の火星あたりかの」
ここで沈黙を守っていた雷牙から更に驚愕の情報が語られる、凱などは今すぐにでも火星に向けて出撃しようとしたほどだ。
「落ち着かんか凱。それについては火星に居るマーシャン達にも、決して手出しせずに避難するように警告を送ってある。まあ何だか血の気の多そうな若いのが、後ろで騒いどったがの、無茶せんといいんじゃが」
ついでに言えば既に救出部隊の編成は完了して、2時間前にJアークと共にESウィンドウでランデブーポイントへと向かったとの事を説明される。
「陣頭指揮には火麻君に行ってもらった。ベルリンの作戦では基地に置いて置かれたからな自分が行くと聞かなかったよ」
火麻参謀とJが行ってくれたのなら、一先ずは安心していいだろうと判断して席に座りなおす凱。
「ヤツが何時この地球へと到達するかはDSSDにて観測を継続している。そこで我々は月とプラントの間に絶対防衛線を敷き、何としても宇宙にてゾンダーの侵攻を食い止めねばならない」
「その通りだ、その為に我々は各国を回って協力を募ってきたのだ。見たまえ、この未曾有の危機に際して世界中の国家首脳達が、ここジブラルタルに集って来ている。
そして今回の会議で全員いや過半数の賛同が得られれば、我々の考えを世界に向けて発表する事が出来るだろう」
大河長官の言葉にデュランダル議長が外を示すと外の滑走路には地球の各国から飛来する首脳陣の専用機や軍用機が、次々と着陸して来ていた。沈み行く夕日の中に見えるその光景は、世界の希望に成り得るのか。

ジブラルタルに到着したシンはその日の夜、ある決意を胸にして凱達の下を訪れていた。
「俺をGGGに入れてください!」
部屋を訪れたシンを凱が中に招き入れると、途端に頭を下げて頼み込んでくる。丁度良く部屋には大河長官と雷牙博士が一緒にいたので、二人の意見を聞いてみる。
「だ、そうだが。如何します長官?」
「う~む、行き成り入れてくれと言われてもねぇ」
「止めとけ、止めとけ。小僧では勤まらんじゃろ」
年長二人に難色を示されるが、簡単に諦めるようなシンでは無い。
「お願いします。何でもします。この通りです!」
何を言われても諦めずに何度も頼み込むシンに、大河長官が質問をする。
「どうしてGGGに入りたいのかね。それと君はザフトのパイロットだろう、そちらは如何するつもりだい?」
「ザフトは辞めます、先程グラディス艦長に辞表を渡してから此方に来ました。それとGGGへの入隊を希望するのは俺、いえ自分の理想に近いと考えたからです」
はっきりと答えるシンと、その返答を聞いて顔を見合わせる凱達、そう言えば今の服装はザフトの赤服では無く、私服それもスーツ姿である。リクルートスーツと言う事だろう。
如何したものか一同が考え込み始めると同時に、ドアが勢いよく開けられてルナマリアが顔を出した。
「こんな所に居た! レイ、シンを見つけたわ。艦長に連絡して」
インコムに通信を送ると凱達に向かって一礼してからシンに向かって話し始める。
「ちょっとシン、艦長カンカンよ。いきなり辞表なんか出して何考えてるのよ、そんな事したら敵前逃亡にされちゃうでしょ」
ルナマリアに言われて「あっ」と言う顔をするシン。本人はそんな事は微塵も考えていなかっただけに頭が回らなかったのだろう。

308:小話 ◆9NrLsQ6LEU
09/09/06 21:13:54
そんな心算では無い事をルナマリアに説明を始めた所で、肩を怒らせたタリアとアスラン、レイそれと何故かデュランダルが到着した。
「これはキチンと話し合った方が良さそうだな」
集った顔ぶれを見て大河長官が苦笑しながらそう提案した事で、場所を移しての話し合いが行なわれる事になった。先ずはシンの真意を確認するべくタリアが問いただす。
「じゃあ、この辞表はザフトを辞めてGGGに入りたかったから提出したものと言う事ね」
「ハイ、そうです」
「彼方ねぇ、今の状況で軍を辞めるなど許される事ではないのよ。たとえそれが…」
「まあ、待ちたまえタリア」
「議長」
タリアがシンに対して小言を言おうとするのをデュランダルが止めた、シンに向き直って何故GGGへ入ろうと思ったのか尋ねる。
「自分はザフトで戦ってきました。でも凱さん達に色々と教わって、自分でも考えてその上で自分の理想はザフトでは無くGGGに在ると思いました。今まで艦長達には大変お世話になりましたけど、でも自分はその理想を追いかけたいのです」
「その理想とは何かね?」
「力の無い全ての人を守ることです」
議長の問いに真っ直ぐな視線で答えるシン、それを見てデュランダルは笑い出した。
「ハハハ、これは駄目だな。男がこういう目をしたら梃子でも動かんよ。しかし平時では無い以上、今ザフトを除隊する事は認められない。それは悪しき前例を作る事になってしまうからね」
此処でシンの除隊を認めれば、有事の際にも私事で除隊するのを認めるという前例を作ってしまう事であり、軍組織の崩壊を意味する。
二の句が告げなくなるシンだが此処で諦めるような性格では無い。シンが口を開きかけた所で片手を上げて制すると、デュランダルは大河長官に話しかけた。
「ところで大河長官、我々はプラントから人員をGGGへと出向させようと考えているのですが、受けていただけますか」
大河は直ぐに議長の意図を悟ったが、それでも確認しなければならない事はある。
「ほう、何故ですかな。理由如何によってはお受け出来かねますが」
「失礼ながら、彼方方はこの世界の住人では無い。ならば何時かは元の世界へとお戻りになられる。そしてこの危機を乗り切り皆さんが帰られた後に、同様のまたは更なる危機が起こる事を否定できません。そこでぜひGGGの後継者を育成して頂きたい」
技術の譲渡等とは言わずに後継者を育ててくれと言うあたりが、議長の狡猾さを現しているような感じがするが、一応は正論である為受け入れざるを得ない。
それに、この世界でGGGの理念が培われて行くのならば、此方としても望む所ではある。苦笑しながらも、承諾する大河長官。
「なるほど、そういうお話であるならば受けない訳にはいきませんな」
「有り難う御座います。グラディス艦長、幸いかどうか微妙だが今ミネルバ隊は船を失って休業状態だ、GGGへの出向人員の選択はミネルバ隊から志願者を募ってくれたまえ」
デュランダルの指示に対して軽く嘆息すると、承知したと伝え、シン達にミネルバのクルーを集めて待機するように命じる。
簡単な話し合いが行なわれ、ザフトからだけ出向者を受け入れる訳にもいかないだろうという事になるが、だからと言って志願してくる人間を無制限に受け入れる訳にもいかない。
人が増えればそれだけ色々と難しい面も出てくるのが当然だからだ、そこで先ず希望者はDSSDに置いて研修期間を受けてもらいGGG隊員に相応しい人物を選抜する形式に決定した。

309:小話 ◆9NrLsQ6LEU
09/09/06 21:16:11
ジブラルタル基地の大会議場に世界中から各国政府の代表が集った。先ずはデュランダル議長が集ってくれた事に対しての感謝と会議の開始を宣言する。
一番初めに声を上げたのは大西洋連合の国務長官であるクリントである、
「我々大西洋連合はプラントと戦争状態であるにも拘らず、ここに来たのは各国政府よりの要請を受けての事だ、先ずは説明をお願いしたい」
是に対して、デュランダルは一つ頷くと説明を始めた、内容は昨日凱達と話した事と大差は無い。その話を聞いたクリントは鼻で笑うと馬鹿にしたように呟く。
「話になりませんな、此処に居る皆さんは今の話を信じておいでで?」
その台詞に対して、此処には不似合いといってよい若い男が声を挟んだ。
「ええ、私は信じています。だからこそ我がオーブはプラントと単独講和に踏み切ったのですよ、長官殿」
若い男、オーブ連合首長国代表ユウナ・ロマ・セイランが発言したのを皮切りに、彼方此方から賛同の声が上がるが、クリントが待ったをかける。
「そう、それも問題ではありませんかな。オーブは我が大西洋連合との同盟を如何にお考えか。更に言えばオーブの兵が此方の作戦を妨害したという話もある」
「此処で議論すべきは貴国とオーブとの外交問題では無いのですが、そこがネックになるならご説明申し上げましょう。理由は大きく2つ在ります」
そう言ってユウナはオーブの立場と単独講和に踏み切った理由を説明し始めた。
先ずオーブは主権国家であるので、独立国としてプラントと縁を結ぶのはオーブ側の判断により事、無論同盟関係である大西洋連合の立場も承知している。
このまま戦争が続くよりもオーブが仲介となってプラントとの間と取り持つ事が出来ればと世界の安定に貢献出来るとの判断によるものである。
また連合の作戦行動を妨害した部隊にオーブのMSムラサメが存在したのは事実だが、同時にアークエンジェルとフリーダムが確認されており、ムラサメはアークエンジェルに帰還している。
是はムラサメがオーブの所属では無いこと表している、恐らくはクレタ沖辺りで墜落したものをテロリストが回収して使っている物と思われる、最後に真に遺憾だと感想をつけた。
「そしてもう一つは、今から此処で話し合われる事が理由です」
「ではアークエンジェルはテロリストとして、乗員諸共に沈めて構わないと言うことですかな」
「無論です。確かに代表であるアスハが囚われておりますが、テロリズムには屈しないのが国際常識です。代表もそれは理解されているでしょう」
ユウナの答弁はカガリを完全に切り捨てる発言である。オーブ国内で在るならば不遜の謗りを免れないが、此処は世界のパワーバランスと国同士の思惑が支配する場だ。国の利益の為に代表一人見殺しにした所で咎めるような人間は居ない。
此処まで言われてはクリントとしてもこれ以上の発言は引き出せない、何よりもこの場所で話すには話題が違いすぎる。
「ところで連合の部隊が旧ドイツ地区に攻め込んだ際に、市民の虐殺を行なったそうですが」
「それについては、既に部隊は解体され、指揮官の更迭と裁判を行なっている!」
ユウナの反撃と言うほどの物でもないが、先のベルリン侵攻の件には1部隊の独断で行なわれた作戦であり、連合軍が主導したものではないとの発表がなされている。
もっともファントムペインは存在自体が隠されている為に、部隊の処置は適当にでっち上げられた茶番であり、ファントムペインは新たな任務に着いている。
痛いところを突かれたクリントが口を噤んだのを見たユウナはデュランダルを促した。
「議長、我々は事の重大さを認識しています。早速本題に入りましょう」
こうして始まった《ゾンダー対策会議》ではあるが、信じる者、懐疑的な者、傍観を決め込む者等、足並みは揃わない。


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